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暖かい妻の胸
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「具合が悪いの?」
家に帰ったプロケシュを抱きしめ、妻が尋ねた。
「どうして?」
確かに少し、寒気がした。ナンディーヌの毒気に当てられたのかもしれない。
「お熱があるから」
「僕に熱があるって、君にはわかるのかい?」
プロケシュが尋ねると、妻は笑い出した。
「だってこうやって、ぎゅっとしたじゃない。あなたの体、とても熱いわ」
それは、彼女がプロケシュを愛しているからだ。大事に思い、親身になっているから。だから、相手の変化に敏感になる。
夫婦の間だけではない。
恋人間は、もちろん、親子の間であっても、親しい友とのあいだ……、
「僕は……、僕は、わからなかった!」
雷に打たれたように、プロケシュの身内を、震えが走った。
……「プロケシュ少佐。どうかお願いですから、僕の勇敢な戦士でいてください。いつだって。どこにいたって」
……彼はそう言って、プロケシュの体を、強く抱きしめた。
……あの、最後の、別れの日。
「あの時、彼は、全力で病気を隠していたんだ。彼は、具合が悪かった。高熱があった。それなのに僕は、まるで気がつかなかった。気づこうとしなかった!」
プリンスが、胸襟を開いたのは、プロケシュだけだった。他の誰に対しても、彼は、プロケシュに対して示したような、親愛の情を示さなかった。あれだけ彼に忠実だったモルにさえ、自分の体に触れさせることはなかったという……。
プロケシュは、特別だった。
彼しか、気づけなかったのだ。
プリンスの高熱に。
彼が、重病であるということに!
それなのに、自分は、政府の命令に従い、唯々諾々とイタリアまで下ってしまった。
瀕死のプリンスを一人、残して。
静かにプロケシュは啜り泣き始めた。
「ディートリヒシュタイン伯爵が、彼に手紙を書くのを禁じたのをいいことに、僕は、彼に、手紙を送ろうとさえ、しなかった。いずれにしろ、彼からの手紙は届かないのだから。違う! 彼は、手紙を書かなかったんじゃない! 書けなかったんだ! だって彼は、ずっと死の床にあったのだから!」
「あなたのせいじゃない。実際、あなたには何も知らされなかったんだわ」
「レティシア皇太后は、孫の具合が大層悪いと案じていた。それなのに僕は、新聞に書かれたことさえ、信じちゃいなかった。周囲の人は騒ぎすぎると、小馬鹿にさえ、してた!」
「仕方ないじゃない。遠くにいたのだもの」
「僕は、彼から、恋さえも奪ってしまったのかもしれない。だって、彼は、ナンディーヌの優しさを愛していたのだから。僕が余計なことさえ言わなければ……」
「考え過ぎよ、あなた」
「ドン・カルロスを救ったロドリーゴ(*)のように。プロイセンのフリードリヒ2世に身を捧げたカッテ少尉のように。なぜ僕は、彼を連れて、フランスへ逃げなかったのか! 息苦しいウィーンの街から出たのなら、少なくとも彼は、まだ、生きていたかもしれない!」
「あなたは彼に、機会を待つように言ったのでしょう? それは、正しかったと思うわ」
「今となっては、小賢しい年長者の知恵でしかない。彼に対する情熱が、圧倒的に足りていなかったんだ! 彼はあんなに強い友情を、僕に捧げてくれたのに! 教えてくれ、アイリーン。こんな僕が、彼の親友を名乗ってもいいのだろうか」
暖かい妻の胸に、プロケシュは顔を埋めた。
いつまでも、涙を流し続けた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
*ドン・カルロスとロドリーゴの友情物語はこちらに。画像入りのチャットノベルです
https://novel.daysneo.com/works/45113c295485015f5618a52056601a59.html
シラーの『ドン・カルロス』は、ライヒシュタット公の愛読書でもありました。私の想像も交えた短編はこちらに。
https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054887051396
*ライヒシュタット公とこの時代に関する参考文献はブログにまとめてあります
https://serimomoplus.blog.fc2.com/blog-entry-78.html
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お読み下さってありがとうございました。
ほぼほぼ史実に忠実に描いています。彼らの行動を基に、登場人物の心情だけを創作致しました。
ライヒシュタット公は友情に憧れていました。そしてそれを年長の少佐プロケシュに求めたのですが。
一方、放蕩者のモーリツ・エステルハージや、グスタフ・ナイペルクは、単なる遊び仲間と軽く見られがちです。
また、ライヒシュタット公が19歳の11月からつけられた軍の付き人モルは、自分を遠ざけようとする上官に怒りと苛立ちを感じながらも、心からの献身を捧げたのだと、私は信じます。
ご意見・ご感想など頂けましたらとても嬉しいです。
家に帰ったプロケシュを抱きしめ、妻が尋ねた。
「どうして?」
確かに少し、寒気がした。ナンディーヌの毒気に当てられたのかもしれない。
「お熱があるから」
「僕に熱があるって、君にはわかるのかい?」
プロケシュが尋ねると、妻は笑い出した。
「だってこうやって、ぎゅっとしたじゃない。あなたの体、とても熱いわ」
それは、彼女がプロケシュを愛しているからだ。大事に思い、親身になっているから。だから、相手の変化に敏感になる。
夫婦の間だけではない。
恋人間は、もちろん、親子の間であっても、親しい友とのあいだ……、
「僕は……、僕は、わからなかった!」
雷に打たれたように、プロケシュの身内を、震えが走った。
……「プロケシュ少佐。どうかお願いですから、僕の勇敢な戦士でいてください。いつだって。どこにいたって」
……彼はそう言って、プロケシュの体を、強く抱きしめた。
……あの、最後の、別れの日。
「あの時、彼は、全力で病気を隠していたんだ。彼は、具合が悪かった。高熱があった。それなのに僕は、まるで気がつかなかった。気づこうとしなかった!」
プリンスが、胸襟を開いたのは、プロケシュだけだった。他の誰に対しても、彼は、プロケシュに対して示したような、親愛の情を示さなかった。あれだけ彼に忠実だったモルにさえ、自分の体に触れさせることはなかったという……。
プロケシュは、特別だった。
彼しか、気づけなかったのだ。
プリンスの高熱に。
彼が、重病であるということに!
それなのに、自分は、政府の命令に従い、唯々諾々とイタリアまで下ってしまった。
瀕死のプリンスを一人、残して。
静かにプロケシュは啜り泣き始めた。
「ディートリヒシュタイン伯爵が、彼に手紙を書くのを禁じたのをいいことに、僕は、彼に、手紙を送ろうとさえ、しなかった。いずれにしろ、彼からの手紙は届かないのだから。違う! 彼は、手紙を書かなかったんじゃない! 書けなかったんだ! だって彼は、ずっと死の床にあったのだから!」
「あなたのせいじゃない。実際、あなたには何も知らされなかったんだわ」
「レティシア皇太后は、孫の具合が大層悪いと案じていた。それなのに僕は、新聞に書かれたことさえ、信じちゃいなかった。周囲の人は騒ぎすぎると、小馬鹿にさえ、してた!」
「仕方ないじゃない。遠くにいたのだもの」
「僕は、彼から、恋さえも奪ってしまったのかもしれない。だって、彼は、ナンディーヌの優しさを愛していたのだから。僕が余計なことさえ言わなければ……」
「考え過ぎよ、あなた」
「ドン・カルロスを救ったロドリーゴ(*)のように。プロイセンのフリードリヒ2世に身を捧げたカッテ少尉のように。なぜ僕は、彼を連れて、フランスへ逃げなかったのか! 息苦しいウィーンの街から出たのなら、少なくとも彼は、まだ、生きていたかもしれない!」
「あなたは彼に、機会を待つように言ったのでしょう? それは、正しかったと思うわ」
「今となっては、小賢しい年長者の知恵でしかない。彼に対する情熱が、圧倒的に足りていなかったんだ! 彼はあんなに強い友情を、僕に捧げてくれたのに! 教えてくれ、アイリーン。こんな僕が、彼の親友を名乗ってもいいのだろうか」
暖かい妻の胸に、プロケシュは顔を埋めた。
いつまでも、涙を流し続けた。
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*ドン・カルロスとロドリーゴの友情物語はこちらに。画像入りのチャットノベルです
https://novel.daysneo.com/works/45113c295485015f5618a52056601a59.html
シラーの『ドン・カルロス』は、ライヒシュタット公の愛読書でもありました。私の想像も交えた短編はこちらに。
https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054887051396
*ライヒシュタット公とこの時代に関する参考文献はブログにまとめてあります
https://serimomoplus.blog.fc2.com/blog-entry-78.html
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お読み下さってありがとうございました。
ほぼほぼ史実に忠実に描いています。彼らの行動を基に、登場人物の心情だけを創作致しました。
ライヒシュタット公は友情に憧れていました。そしてそれを年長の少佐プロケシュに求めたのですが。
一方、放蕩者のモーリツ・エステルハージや、グスタフ・ナイペルクは、単なる遊び仲間と軽く見られがちです。
また、ライヒシュタット公が19歳の11月からつけられた軍の付き人モルは、自分を遠ざけようとする上官に怒りと苛立ちを感じながらも、心からの献身を捧げたのだと、私は信じます。
ご意見・ご感想など頂けましたらとても嬉しいです。
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