玉ねぎの値段が4倍にっ! 一揆起こしていいですか?――聖女と戦う革命戦争

せりもも

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玉ねぎ革命

2 新玉ねぎの季節

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 ジパングの政治経済の中心地、カスンダセキで、大規模なデモ抗議が行われた。

「玉ねぎの値段を下げよ!」
「玉ねぎの天ぷらはうまい!」
「炒めた玉ねぎ、最高!」
「新玉の季節である。水でさらしてサラダにしたい!」

「1個136円では買えません!」
「政府横暴! わずか数ヶ月で4倍の値上げ!」



 郊外から、怒涛のように人々が押し寄せた。
 彼らは、国会議事堂を取り囲み、抗議のシュピレッヒ・コールを挙げた。


「そんなに大勢じゃ、議事堂の中に入れないでしょ。代表者を寄こしなさい」
高い塔のてっぺんから、拡声器で宰相が命じた。


 人々は顔を見合わせた。

 ジパングは、おとなしく、内気な国民性である。その上、政府に逆らってデモ抗議に参加したなどということが職場にバレたら(中には仮病を使って会社を休んできた者もいた)、クビになってしまうかもしれない。

 「よし、俺が行こう」
「私も!」

 有志が数人、立ち上がった。

 人々の熱い期待を背に受け、彼らは議事堂の中へ消えて行った。






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