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革命の聖女
18 飴色玉ねぎ
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一足早く兵士らが帰還した駐屯地に、ノギが帰ってきた。
「おかえりなさい、ノギ准将!」
「よく無事で」
「待ってたんですよ!」
大歓声で兵士達が出迎える。
大勢の将校や兵士達にもみくちゃにされ、彼の姿はすぐに見えなくなった。
「うぎゃっ!」
脇から出てきた手に肘を掴まれ、わたしは思わず、変な声を出してしまった。
ノギだった。
「げ。ノギ准将。今夜は飲み会なんじゃ……」
「俺を飲みに誘うようなもの好きはおらん」
「それ、威張れたことじゃ……」
「ノギ准将、ここにいた。ダメじゃないですか、逃げ出しちゃ」
ヨシツネが追いかけてきた。
「逃げたわけじゃない。俺は、人混みが苦手なんだ」
「人混みって、みんなあなたの無事を喜んでいるんですよ?」
「あの中に聖女はいなかった」
「わっ、わたしも喜んでますです、もちろん」
慌てて主張する。
「そうですよ。今回の功労者は聖女です。あなたを救いに行こうって真っ先に言い出したのは彼女なんですからね」
「ふん」
「ああ、あ、すねちゃって。聖女が飲み会に来ないのが不満なんでしょう?」
ノギ准将奪還の祝勝会に誘われたのだが、長年の習慣からわたしは、どうしても大勢の人の中で飲み食いができないのだ。革命政府からはクビにされたけど、一応、神の花嫁だし?
ヨシツネが目を細めた。
「聖女を兵士達の中に放り込んでもいいんですか?」
「ダメに決まってる!」
「ノギ准将、貴方に、いいことを教えてあげましょう」
ヨシツネがわたしに、意味ありげな目線を向けた。
「なんだ?」
ノギが尋ねる。わたしにも全く心当たりがない。
「聖女は言ったんです。ノギ准将が好きだって」
「うそだ」
「えっ! わたしが!? いつ!?」
ノギとわたしは同時に叫んだ。
「ヨシツネ、お前、俺をからかうと承知しねえからな」
「からかってなんかいませんって」
「そうですよ。言っていい嘘と悪い嘘があります」
「ひどいなあ。聖女、貴女、言ったじゃないですか。飴色玉ねぎのようなノギ准将が好きだって!」
……「飴色玉ねぎが好きです。わたしにはもはや、飴色玉ねぎの入らないカレーなんて考えられない! ノギ准将は、そういう人です」
「あっ、あれはっ!」
わたしの頬が真っ赤になった。
ひどい誤解だ。
待って。言い切っていいの?
いいのよ。だって誤解だもん!
「わたしが好きなのは飴色玉ねぎであって、決してノギ准将ではありません!」
「そうだ。ヨシツネ、お前、俺が玉ねぎだっていうのか? 飴色になるまで、くたくたに炒められても黙って見てるっていうのか!」
ノギが真っ赤になって怒っている。
……良かった。変なことを言わなくて。
「……」
ヨシツネは、わたしとノギを、等分に、じっくりと見つめた。
再び、わたしの頬に血が登っていく。やだ。貧血起こしそう。あれ? 頭に血が上るのは貧血の逆?
ぷいっ、と、ノギがそっぽが向いた。
「あんたは、神の花嫁なんかじゃない。革命の聖女になれ」
よそ見して、ふてくされた顔のまま言う。
「あ! それ知ってる! どこかの国の美術館で見た! ちょっとセクシーだよね、あの絵……」
わたしが何か言う前に、ヨシツネがはしゃぎだした。彼はどうやら、煮え切らないわたしの態度に、呆れているようだ。だから、絵の話題に飛びついたんだろう。
不意に、ノギが慌てた顔になった。
「だがな。間違っても乳は出すなよ」
「は?」
なぜそのワード? きょとんとするしかない。
素早く、ノギはわたしから目をそらした。
「お前もだ、ヨシツネ。あの絵みたく、ふる○んで聖女の前に寝転んだりしたら、承知しねえからな」
「ひどいな。戦死前提かよ」
「おい、お前ら! 聖女の前でなんてことを……」
どこからか現れたコジヒ司令官が割って入った。
三人そろって、わたしの様子を窺う。
わたしは、当惑するばかりだ。ふる○んの意味がわからない。戦死というからには、忌み詞なんだろうか。
そもそもミエに籠っていたわたしは、その絵を知らない。
「なんだかわかりませんけど、ノギ准将。玉ねぎを輪切りに切って油で揚げましたの。召し上がる?」
いい具合に話がそれている。飴色玉ねぎとノギ准将の関連性については、このまま忘れてもらうしかない。
「おお、食う食う」
真っ先にノギが乗った。
「僕も!」
「わたしにもくれるかね?」
ヨシツネとコジヒ総司令官がそれに続く。
「もちろん。兵士の皆さんの分もありますわよ」
揚げ玉ねぎはたくさんある。追っ掛けの女の子たちが、オシの為にと、張り切って手伝ってくれたから。
玉ねぎが潤沢に行き渡っているうちは安泰だ。軍も国も。この間に、次の一手を考えなければならない。
休戦期間が開けたら、再び、戦争が始まる。その前になんとか、ジパングを平和な国に戻さなければ。ノギやヨシツネ、それに親愛なる兵士達を二度と戦場に送り出さない為に。
fin
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お読み下さって、ありがとうございました!
少しでもお楽しみ頂けたのならいいのですけど……。
・最後に掲げた女神は、ドラクロワの絵から拝借しました。この絵は1830年の7月革命をテーマにしていますか、大きな「革命」という括りで文章中に用いました
・ノギのモデルは、ダヴーです。
ヨシツネはマルソー。
二人は、「負けないダヴーの作り方」という小説に出てきます
・総司令官コジヒは、クレベールです。「負けないダヴーの作り方」と小説「オリエント撤退」に、どちらにもちらりと出てきます。
・負傷者にラベリングした医師は、ラレー医師です。革命戦争からナポレオン帝政時代と、長く活躍しました。敵味方分け隔てなく、重傷者から治療したのは史実です。
・最後の方に出てきたヒデヨシはナポレオンがモデルで、現場はヴァンデミエールの蜂起鎮圧の場面です。
・聖女アオイは立場的には、ルイ16世とマリー・アントワネットの娘、マリー・テレーズですが、聖女というのはフィクションです。マリー・テレーズは、「カール大公の恋」という小説に出てきます。
・ラレー以外は、私のブログで史実のご紹介をしています。検索窓をご利用下さい。
https://serimomoplus.blog.fc2.com/
「おかえりなさい、ノギ准将!」
「よく無事で」
「待ってたんですよ!」
大歓声で兵士達が出迎える。
大勢の将校や兵士達にもみくちゃにされ、彼の姿はすぐに見えなくなった。
「うぎゃっ!」
脇から出てきた手に肘を掴まれ、わたしは思わず、変な声を出してしまった。
ノギだった。
「げ。ノギ准将。今夜は飲み会なんじゃ……」
「俺を飲みに誘うようなもの好きはおらん」
「それ、威張れたことじゃ……」
「ノギ准将、ここにいた。ダメじゃないですか、逃げ出しちゃ」
ヨシツネが追いかけてきた。
「逃げたわけじゃない。俺は、人混みが苦手なんだ」
「人混みって、みんなあなたの無事を喜んでいるんですよ?」
「あの中に聖女はいなかった」
「わっ、わたしも喜んでますです、もちろん」
慌てて主張する。
「そうですよ。今回の功労者は聖女です。あなたを救いに行こうって真っ先に言い出したのは彼女なんですからね」
「ふん」
「ああ、あ、すねちゃって。聖女が飲み会に来ないのが不満なんでしょう?」
ノギ准将奪還の祝勝会に誘われたのだが、長年の習慣からわたしは、どうしても大勢の人の中で飲み食いができないのだ。革命政府からはクビにされたけど、一応、神の花嫁だし?
ヨシツネが目を細めた。
「聖女を兵士達の中に放り込んでもいいんですか?」
「ダメに決まってる!」
「ノギ准将、貴方に、いいことを教えてあげましょう」
ヨシツネがわたしに、意味ありげな目線を向けた。
「なんだ?」
ノギが尋ねる。わたしにも全く心当たりがない。
「聖女は言ったんです。ノギ准将が好きだって」
「うそだ」
「えっ! わたしが!? いつ!?」
ノギとわたしは同時に叫んだ。
「ヨシツネ、お前、俺をからかうと承知しねえからな」
「からかってなんかいませんって」
「そうですよ。言っていい嘘と悪い嘘があります」
「ひどいなあ。聖女、貴女、言ったじゃないですか。飴色玉ねぎのようなノギ准将が好きだって!」
……「飴色玉ねぎが好きです。わたしにはもはや、飴色玉ねぎの入らないカレーなんて考えられない! ノギ准将は、そういう人です」
「あっ、あれはっ!」
わたしの頬が真っ赤になった。
ひどい誤解だ。
待って。言い切っていいの?
いいのよ。だって誤解だもん!
「わたしが好きなのは飴色玉ねぎであって、決してノギ准将ではありません!」
「そうだ。ヨシツネ、お前、俺が玉ねぎだっていうのか? 飴色になるまで、くたくたに炒められても黙って見てるっていうのか!」
ノギが真っ赤になって怒っている。
……良かった。変なことを言わなくて。
「……」
ヨシツネは、わたしとノギを、等分に、じっくりと見つめた。
再び、わたしの頬に血が登っていく。やだ。貧血起こしそう。あれ? 頭に血が上るのは貧血の逆?
ぷいっ、と、ノギがそっぽが向いた。
「あんたは、神の花嫁なんかじゃない。革命の聖女になれ」
よそ見して、ふてくされた顔のまま言う。
「あ! それ知ってる! どこかの国の美術館で見た! ちょっとセクシーだよね、あの絵……」
わたしが何か言う前に、ヨシツネがはしゃぎだした。彼はどうやら、煮え切らないわたしの態度に、呆れているようだ。だから、絵の話題に飛びついたんだろう。
不意に、ノギが慌てた顔になった。
「だがな。間違っても乳は出すなよ」
「は?」
なぜそのワード? きょとんとするしかない。
素早く、ノギはわたしから目をそらした。
「お前もだ、ヨシツネ。あの絵みたく、ふる○んで聖女の前に寝転んだりしたら、承知しねえからな」
「ひどいな。戦死前提かよ」
「おい、お前ら! 聖女の前でなんてことを……」
どこからか現れたコジヒ司令官が割って入った。
三人そろって、わたしの様子を窺う。
わたしは、当惑するばかりだ。ふる○んの意味がわからない。戦死というからには、忌み詞なんだろうか。
そもそもミエに籠っていたわたしは、その絵を知らない。
「なんだかわかりませんけど、ノギ准将。玉ねぎを輪切りに切って油で揚げましたの。召し上がる?」
いい具合に話がそれている。飴色玉ねぎとノギ准将の関連性については、このまま忘れてもらうしかない。
「おお、食う食う」
真っ先にノギが乗った。
「僕も!」
「わたしにもくれるかね?」
ヨシツネとコジヒ総司令官がそれに続く。
「もちろん。兵士の皆さんの分もありますわよ」
揚げ玉ねぎはたくさんある。追っ掛けの女の子たちが、オシの為にと、張り切って手伝ってくれたから。
玉ねぎが潤沢に行き渡っているうちは安泰だ。軍も国も。この間に、次の一手を考えなければならない。
休戦期間が開けたら、再び、戦争が始まる。その前になんとか、ジパングを平和な国に戻さなければ。ノギやヨシツネ、それに親愛なる兵士達を二度と戦場に送り出さない為に。
fin
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お読み下さって、ありがとうございました!
少しでもお楽しみ頂けたのならいいのですけど……。
・最後に掲げた女神は、ドラクロワの絵から拝借しました。この絵は1830年の7月革命をテーマにしていますか、大きな「革命」という括りで文章中に用いました
・ノギのモデルは、ダヴーです。
ヨシツネはマルソー。
二人は、「負けないダヴーの作り方」という小説に出てきます
・総司令官コジヒは、クレベールです。「負けないダヴーの作り方」と小説「オリエント撤退」に、どちらにもちらりと出てきます。
・負傷者にラベリングした医師は、ラレー医師です。革命戦争からナポレオン帝政時代と、長く活躍しました。敵味方分け隔てなく、重傷者から治療したのは史実です。
・最後の方に出てきたヒデヨシはナポレオンがモデルで、現場はヴァンデミエールの蜂起鎮圧の場面です。
・聖女アオイは立場的には、ルイ16世とマリー・アントワネットの娘、マリー・テレーズですが、聖女というのはフィクションです。マリー・テレーズは、「カール大公の恋」という小説に出てきます。
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