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女神は誤魔化すものである
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「………んん……」
「あっ!!柳さん!お目覚めですか!?」
「……俺…どうなって…」
虚ろな意識が芽生える。閉じていた瞼を開くと、そこは真っ白な空間だった。何一つ汚れのない純白。どこが壁なのかどこが天井なのか分からない程広く続く空間に、俺は仰向けに倒れていた。死後の世界…というやつか…?
傍で聞こえた声を辿ると、先ほど俺をハンマーで追尾していた女神が横で正座していた。
「うおおぉっ!!?お、お前…!っていうか…俺さっき…死んだよな?トラックに轢かれて…」
「ごめんなさい…私が追いかけたせいで…」
「え!?い、いや…アンタらの声が聞こえてなかったら俺はその前に建設事故で死んでたんだろ?け、結局そういう運命だったんだって!ば、万象の理?ってやつなんだろ多分!」
何だ…死に物狂いで殺そうとしてくる死神かと思っていたが、この女神…割と反省してるんだな…
あんなに泣き叫んでコイツから逃げていたが、いざこういう状況になると…不思議と己の運命を素直に受け入れていた。そんな俺は落ち込む彼女に慰めの言葉を送った。
「あと少しで…私のトランス・ハンマーで楽に逝かせてあげられたのに…!!」
全然反省などしていなかった。コイツはやっぱり死神だ。
あまりの凶悪さに呆然としながら、ゆっくりと上体を起こし、膝を立てた。
…まぁこうなった以上、何に腹を立てても仕方ない…か。だって俺は…
「俺…本当に…死んだんだな…」
何もかも上手くいかない人生だったが、こんな状況で改めて振り返ると…割と未練がある事に気づく。家族や友人、…あ、恋人とかも…作りたかったな…
「そんな貴方に、とっておきの情報があります!」
「…お前は本当に空気を読めない奴だな…」
隣で嬉々として語る青髪の女神。死んだ人間が感傷に浸っているというのに…
怒りを通り越して呆れるを通り越してやっぱちょっと腹立つ。
しかしコイツ…口調に似合わずとことん無表情だな…常時ジト目だし…こんな真顔でとんでもない行動をしてくる奴が女神だなんて…!
「それで、とっておきって何だよ…?」
「気になりますか?」
「気になるも何も、こうやって死んじまったんだから他にやることもないだろ?」
「割と冷静な方で助かりました。それでは、単当直入に申し上げます。柳柳太朗さん。貴方に…」
ん?ちょっと待て。これは…こ、この流れはもしかして………散々ラノベやアニメで見てきたあの展開か…?
死+女神というこの方程式から、俺の思考は”=異世界”という三文字の解答を弾き出した。瞬間、さっきまで浸っていた感傷など音速で消え去り、女神が口にするであろう言葉に意識が釘付けになった。この俺が……い、異世界転s…
「異世界…ふ……ふふんふんをして頂きたいのです!!!」
「……え?…な、何て?」
「異世界ふふんふん…です!」
「なぜ異世界の次の言葉を”ふふんふん”で誤魔化すんだ!?はっきり言えよ!転生するのか!?」
「ふ…ふふんふんします…」
「だーーーーーっ!!!!だっかっらふふんふんって何なんだああああああ!!!」
”異世界転生して頂きたいのです”という言葉が来るかと身構えていたはずだったが、この女神は俄然として異世界の後ろを気まずそうに口をすぼめて誤魔化している。何だ?何が言いたいんだ?!不安になるだろうが!!!
「よ、要するに、異世界へ…行って欲しいって事です…!」
表情は変えないが、顔から冷や汗が出ているのが丸分かりな程度には動揺しているようだ…
「行くだけなのかよ!?何か魔王倒して来いとかいうんじゃないのか!?怪しさしか感じないぞ!!」
「まぁ細かいことは気にしないでください!!け、決して悪い事にはなりませんから!」
「死んでる時点で最悪なんだけど…」
「…一度落ち着いて…そ、想像してみてください!これから貴方を待つのは、現実世界では絶対に味わえない程のファンタジーの世界…。剣と魔法で立ち向かう敵を倒すも良し、自然豊かな大地で自由気ままなスローライフを送るも良し…!、第二の人生を思う存分謳歌できるんですよ!!?」
「ぐぅっ…!貴様…ここぞとばかりにセールスポイントを盛り込んできおって…!!」
確かに…超絶行きたい…異世界行きたい…!バイトでコツコツ貯めて買ったラノベや、血眼で見ていたアニメの数々…!そんな世界に行けるチャンスが目の前にある…!い、いや…それこそ落ち着け。コイツのゴリ押しセールスに負けてはいけない…!いくら死んでいるからといって、そんな安易に承諾など出来る訳…
「二次元級の美少女がそりゃもう腐るほどいますよ!!!!!」
「行……行っっきまああああああああああああああす!!!!!」
「はい来たぁ!!!柳柳太朗様、”4thディフェレンス・ワールド”へご招待します!!」
思わず即決した俺にそう叫んだ女神は、無表情のまま目を輝かせ、そのまま両手を大きく広げると…天を仰ぎ始めた。
すると、俺と女神を取り囲む様に…禍々しい黒紫の瘴気を纏う、魔法陣のようなものが地面に現れた。
「こ、これって…!?」
「これが、今私たちがいる”中継所”と異世界をつなぐゲートです」
「ち、中継所?死後の世界じゃなかったのか!?」
「それも兼ねてますが…まぁ詳しい話は後々お話します!!それでは行きますよ柳太朗!!」
「え……お前も行くのかよ!!!?」
その問いが終わるより先に、魔法陣は大きく回転しながら上方へと展開し、俺たちを飲み込んだ。耳を劈く異様な轟音と視界を遮る怪しい閃光。
…ともあれ俺は、本当に異世界へ向かうようである。…恐らく転生…なのだろうか?やけに誤魔化していたのが異常に気になるが…。だとしたら、また赤ん坊から人生やり直しという事か。
次の人生は、きっと歴史に名を刻むような…英雄にでもなってやる!!
魔法やら座学やら極めて…それでもって二次元級の女の子たちと…!!
勝手な決意と共に下心満載の妄想を繰り広げた直後、再び俺の意識は、急激に縮小を始める魔法陣と共に途切れたのだった…
◇
「……」
目を開けた。今度の目覚めは…虚ろではない。何故か妙にすっきりとした目覚めだった。
…視界に写ったのは、上空に広がる澄んだ青空と流れる雲の群れ。どうやら仰向けに寝転んでいるらしい。…視線を下げると…遥か前方に、テレビでも見たことのないような、銀色に覆われる山々が延々と横に連なっていた。続いて左右に視線を移す。微かに緑の草花の先端が見える。恐らく草原のような場所…だろうか…?
(ここが……異世界…?)
転生…したのか…!?だとしたら俺はきっと赤ん坊になっているはずだ。体もあまり動かない。体と意識がまだリンクしきっていないような感じだ。…あれっ!?じゃあ何でこんな草原に捨てられてんだ?育児放棄か?おいおい…転生直後だというのにもう詰みかけてるじゃねぇか!!
と、とりあえず…周囲の人間に助けを求めなければ…!赤ん坊らしく…えっと…
「お、お…おぎゃあああああ!!!おぎゃああああああああ!!!」
よし、声は出るな…ん!?な、何か…妙に野太くないか!?赤ん坊といえば…もっと可愛らしいというか母性をくすぐるような声では…
「ど、どうされたのですか……勇者様!?」
後方で、若い男の声と、金属同士の擦れるような音が…夥しい程に聞こえてきた。
「……えっ!?」
それに驚き、まだあまり動かない筈の体を無理やり起こす。何だ…?赤ん坊のハズなのに…体がやけに重くて…生きてる時よりも…
そして、意識と体の感覚が完全にリンクする。瞬間気づいた。この体は…明らかに赤ん坊ではない。むしろ屈強な男のそれである。そして何故か鋼の鎧を身にまとい、傍らには、平均的な人間の背丈程の大きさの大剣が、地面に突き刺さっていた。何やら多量の返り血のようなものまで付いている。
ゆっくり…後ろを振り返った。
「しかし……何はともあれ、勇者様と我々が…長気に渡り人々を苦しめていたあの伝説の古龍を倒したのです…!……見て下さい勇者様!!!これが…貴方が育てた騎士団と、我々が起こした…誇り高き偉業でございます!!!」
「……何…これ…」
普通に喋れる。
…すぐ後方には、およそ数千もの騎士らしき大群がドヤ顔で俺に熱い視線を注ぎ、更にそいつらの後ろには…
恐らくもう死んでいるであろう、山のように巨大な………傷だらけのラスボスらしきドラゴン、ぐったりと翼を畳んで倒れていたのである。
「え、これ……もしかして冒険、終わってるんじゃ…?」
呆然とする中、先ほど決め台詞を放った幹部っぽい騎士に問いかけた。
「はい?…確かに勇者様と我々の目的は、現在を以て果たされましたが…如何されました?」
「…転生して…最初からやり直すんじゃ…ないのかよ……!?」
嘘だ…初めから全部終わってるなんて…こんなの絶対おかしいよ…!俺は赤ん坊から人生をやり直して、異世界で新しい自分を築くんだ…!!
信じない…俺は信じないぞ!!俺は赤ん坊だ!!生まれ変わったんだ!転生したんだ!!!
「お…おぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!」
俺は、運命を呪うかのように…空に叫んだ。
「こ、これはもしや…勇者様の勝利の咆哮だったのか…!!…み、皆の者!!!勇者様に続けぇえ!!」
「「「「お…おぎゃああああああああああああああああ!!!!!」」」
数千人分の赤ん坊の鳴き声がこの世界に轟く。
そんな中、どこからともなく…聞き覚えのある声が聞こえた。
「柳柳太朗様!!! ……”異世界憑依”、大成功ですね!!!」
「あっ!!柳さん!お目覚めですか!?」
「……俺…どうなって…」
虚ろな意識が芽生える。閉じていた瞼を開くと、そこは真っ白な空間だった。何一つ汚れのない純白。どこが壁なのかどこが天井なのか分からない程広く続く空間に、俺は仰向けに倒れていた。死後の世界…というやつか…?
傍で聞こえた声を辿ると、先ほど俺をハンマーで追尾していた女神が横で正座していた。
「うおおぉっ!!?お、お前…!っていうか…俺さっき…死んだよな?トラックに轢かれて…」
「ごめんなさい…私が追いかけたせいで…」
「え!?い、いや…アンタらの声が聞こえてなかったら俺はその前に建設事故で死んでたんだろ?け、結局そういう運命だったんだって!ば、万象の理?ってやつなんだろ多分!」
何だ…死に物狂いで殺そうとしてくる死神かと思っていたが、この女神…割と反省してるんだな…
あんなに泣き叫んでコイツから逃げていたが、いざこういう状況になると…不思議と己の運命を素直に受け入れていた。そんな俺は落ち込む彼女に慰めの言葉を送った。
「あと少しで…私のトランス・ハンマーで楽に逝かせてあげられたのに…!!」
全然反省などしていなかった。コイツはやっぱり死神だ。
あまりの凶悪さに呆然としながら、ゆっくりと上体を起こし、膝を立てた。
…まぁこうなった以上、何に腹を立てても仕方ない…か。だって俺は…
「俺…本当に…死んだんだな…」
何もかも上手くいかない人生だったが、こんな状況で改めて振り返ると…割と未練がある事に気づく。家族や友人、…あ、恋人とかも…作りたかったな…
「そんな貴方に、とっておきの情報があります!」
「…お前は本当に空気を読めない奴だな…」
隣で嬉々として語る青髪の女神。死んだ人間が感傷に浸っているというのに…
怒りを通り越して呆れるを通り越してやっぱちょっと腹立つ。
しかしコイツ…口調に似合わずとことん無表情だな…常時ジト目だし…こんな真顔でとんでもない行動をしてくる奴が女神だなんて…!
「それで、とっておきって何だよ…?」
「気になりますか?」
「気になるも何も、こうやって死んじまったんだから他にやることもないだろ?」
「割と冷静な方で助かりました。それでは、単当直入に申し上げます。柳柳太朗さん。貴方に…」
ん?ちょっと待て。これは…こ、この流れはもしかして………散々ラノベやアニメで見てきたあの展開か…?
死+女神というこの方程式から、俺の思考は”=異世界”という三文字の解答を弾き出した。瞬間、さっきまで浸っていた感傷など音速で消え去り、女神が口にするであろう言葉に意識が釘付けになった。この俺が……い、異世界転s…
「異世界…ふ……ふふんふんをして頂きたいのです!!!」
「……え?…な、何て?」
「異世界ふふんふん…です!」
「なぜ異世界の次の言葉を”ふふんふん”で誤魔化すんだ!?はっきり言えよ!転生するのか!?」
「ふ…ふふんふんします…」
「だーーーーーっ!!!!だっかっらふふんふんって何なんだああああああ!!!」
”異世界転生して頂きたいのです”という言葉が来るかと身構えていたはずだったが、この女神は俄然として異世界の後ろを気まずそうに口をすぼめて誤魔化している。何だ?何が言いたいんだ?!不安になるだろうが!!!
「よ、要するに、異世界へ…行って欲しいって事です…!」
表情は変えないが、顔から冷や汗が出ているのが丸分かりな程度には動揺しているようだ…
「行くだけなのかよ!?何か魔王倒して来いとかいうんじゃないのか!?怪しさしか感じないぞ!!」
「まぁ細かいことは気にしないでください!!け、決して悪い事にはなりませんから!」
「死んでる時点で最悪なんだけど…」
「…一度落ち着いて…そ、想像してみてください!これから貴方を待つのは、現実世界では絶対に味わえない程のファンタジーの世界…。剣と魔法で立ち向かう敵を倒すも良し、自然豊かな大地で自由気ままなスローライフを送るも良し…!、第二の人生を思う存分謳歌できるんですよ!!?」
「ぐぅっ…!貴様…ここぞとばかりにセールスポイントを盛り込んできおって…!!」
確かに…超絶行きたい…異世界行きたい…!バイトでコツコツ貯めて買ったラノベや、血眼で見ていたアニメの数々…!そんな世界に行けるチャンスが目の前にある…!い、いや…それこそ落ち着け。コイツのゴリ押しセールスに負けてはいけない…!いくら死んでいるからといって、そんな安易に承諾など出来る訳…
「二次元級の美少女がそりゃもう腐るほどいますよ!!!!!」
「行……行っっきまああああああああああああああす!!!!!」
「はい来たぁ!!!柳柳太朗様、”4thディフェレンス・ワールド”へご招待します!!」
思わず即決した俺にそう叫んだ女神は、無表情のまま目を輝かせ、そのまま両手を大きく広げると…天を仰ぎ始めた。
すると、俺と女神を取り囲む様に…禍々しい黒紫の瘴気を纏う、魔法陣のようなものが地面に現れた。
「こ、これって…!?」
「これが、今私たちがいる”中継所”と異世界をつなぐゲートです」
「ち、中継所?死後の世界じゃなかったのか!?」
「それも兼ねてますが…まぁ詳しい話は後々お話します!!それでは行きますよ柳太朗!!」
「え……お前も行くのかよ!!!?」
その問いが終わるより先に、魔法陣は大きく回転しながら上方へと展開し、俺たちを飲み込んだ。耳を劈く異様な轟音と視界を遮る怪しい閃光。
…ともあれ俺は、本当に異世界へ向かうようである。…恐らく転生…なのだろうか?やけに誤魔化していたのが異常に気になるが…。だとしたら、また赤ん坊から人生やり直しという事か。
次の人生は、きっと歴史に名を刻むような…英雄にでもなってやる!!
魔法やら座学やら極めて…それでもって二次元級の女の子たちと…!!
勝手な決意と共に下心満載の妄想を繰り広げた直後、再び俺の意識は、急激に縮小を始める魔法陣と共に途切れたのだった…
◇
「……」
目を開けた。今度の目覚めは…虚ろではない。何故か妙にすっきりとした目覚めだった。
…視界に写ったのは、上空に広がる澄んだ青空と流れる雲の群れ。どうやら仰向けに寝転んでいるらしい。…視線を下げると…遥か前方に、テレビでも見たことのないような、銀色に覆われる山々が延々と横に連なっていた。続いて左右に視線を移す。微かに緑の草花の先端が見える。恐らく草原のような場所…だろうか…?
(ここが……異世界…?)
転生…したのか…!?だとしたら俺はきっと赤ん坊になっているはずだ。体もあまり動かない。体と意識がまだリンクしきっていないような感じだ。…あれっ!?じゃあ何でこんな草原に捨てられてんだ?育児放棄か?おいおい…転生直後だというのにもう詰みかけてるじゃねぇか!!
と、とりあえず…周囲の人間に助けを求めなければ…!赤ん坊らしく…えっと…
「お、お…おぎゃあああああ!!!おぎゃああああああああ!!!」
よし、声は出るな…ん!?な、何か…妙に野太くないか!?赤ん坊といえば…もっと可愛らしいというか母性をくすぐるような声では…
「ど、どうされたのですか……勇者様!?」
後方で、若い男の声と、金属同士の擦れるような音が…夥しい程に聞こえてきた。
「……えっ!?」
それに驚き、まだあまり動かない筈の体を無理やり起こす。何だ…?赤ん坊のハズなのに…体がやけに重くて…生きてる時よりも…
そして、意識と体の感覚が完全にリンクする。瞬間気づいた。この体は…明らかに赤ん坊ではない。むしろ屈強な男のそれである。そして何故か鋼の鎧を身にまとい、傍らには、平均的な人間の背丈程の大きさの大剣が、地面に突き刺さっていた。何やら多量の返り血のようなものまで付いている。
ゆっくり…後ろを振り返った。
「しかし……何はともあれ、勇者様と我々が…長気に渡り人々を苦しめていたあの伝説の古龍を倒したのです…!……見て下さい勇者様!!!これが…貴方が育てた騎士団と、我々が起こした…誇り高き偉業でございます!!!」
「……何…これ…」
普通に喋れる。
…すぐ後方には、およそ数千もの騎士らしき大群がドヤ顔で俺に熱い視線を注ぎ、更にそいつらの後ろには…
恐らくもう死んでいるであろう、山のように巨大な………傷だらけのラスボスらしきドラゴン、ぐったりと翼を畳んで倒れていたのである。
「え、これ……もしかして冒険、終わってるんじゃ…?」
呆然とする中、先ほど決め台詞を放った幹部っぽい騎士に問いかけた。
「はい?…確かに勇者様と我々の目的は、現在を以て果たされましたが…如何されました?」
「…転生して…最初からやり直すんじゃ…ないのかよ……!?」
嘘だ…初めから全部終わってるなんて…こんなの絶対おかしいよ…!俺は赤ん坊から人生をやり直して、異世界で新しい自分を築くんだ…!!
信じない…俺は信じないぞ!!俺は赤ん坊だ!!生まれ変わったんだ!転生したんだ!!!
「お…おぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!」
俺は、運命を呪うかのように…空に叫んだ。
「こ、これはもしや…勇者様の勝利の咆哮だったのか…!!…み、皆の者!!!勇者様に続けぇえ!!」
「「「「お…おぎゃああああああああああああああああ!!!!!」」」
数千人分の赤ん坊の鳴き声がこの世界に轟く。
そんな中、どこからともなく…聞き覚えのある声が聞こえた。
「柳柳太朗様!!! ……”異世界憑依”、大成功ですね!!!」
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