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第30話 秘密のバグダンジョン
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「ユフィーアってダンジョンに住んでたの?」
「そんな訳ないでしょう。普通の家ですよ」
ダンジョンはもちろん冗談だが、普通といっても貴族の家だ。
俺達平民のボロい家屋とは違って立派なお屋敷なんだろうな。
それにしても、ユフィーアの実家と秘密のダンジョンの位置が重なっているのは一体どういう事なのだろう。
原作では秘密のダンジョンへ行く為にはダンジョンの場所の地図が必須となっている。
地図を持たずにその場所へ行ってもダンジョンの入り口は存在しない。
つまりモバイルクォーツが秘密の地図のデータを受信した瞬間にこの世界の地形が書き変わり、新たなダンジョンが生成されるという事だ。
という事は、ユフィーアの実家がダンジョンに変貌している可能性がある。
これは一度様子を見に行った方が良さそうだ。
「マール様、いい機会ですから一度うちにいらっしゃいますか? 両親を紹介します」
そんな事を知る由もないユフィーアは呑気なものだ。
両親に紹介と聞くと違う意味にも聞こえるが、多分深い意味はないんだろう。
俺は調査も兼ねてその招待を受ける事にした。
◇◇◇◇
ユフィーアの出身であるラスボーン家は王都の北にある広大な平地を領している。
その中央にある一際大きな豪邸がラスボーン家の屋敷だ。
ユフィーアの父である現当主シャルリック・ラスボーンは優れた騎士であったが、戦場で主君を庇って膝に受けた矢傷が悪化した事により引退を余儀なくされた。
現在は屋敷の中で静かに隠居生活をしている。
俺はユフィーアに連れられて屋敷の前までやってきたが、外見上は特に変わった様子はない。
ユフィーアは訝しげに敷地内の庭園をきょろきょろと見回している。
「おかしいですね、いつもなら庭師が庭の手入れをしているんですが」
俺の不安が的中してしまったのかもしれない。
「とにかく中に入ってみよう」
「そうですね……」
ユフィーアは慎重に入口の扉を開ける。
「お父様お母様、只今帰りまし……えっ!?」
屋敷の内部を見て、ユフィーアは愕然とする。
そこには彼女が見慣れた玄関ではなく、複雑に入り組んだダンジョンの入り口が目に飛び込んできたからだ。
「これはいったい……お父様! お母様!」
間違いない、これはあの時受信した秘密のダンジョンの地図データによって、屋敷の内部がダンジョンに書きかえられたのだ。
本来は町の中にダンジョンが現れる事はないはずなのだが、何せバグが満載のファンタシー・オブ・ザ・ウィンドの世界だ。
何が起きても不思議ではない。
状況から判断するに、この屋敷の住人はダンジョンの中に閉じ込められているのだろう。
モバイルクォーツからこの地図のデータを削除できなかったバグのせいではなく、ダンジョンの中に生きている人間がいたのでセーフティーロックがかかっていたのだ。
念の為にもう一度データの削除を試みたが、やはり結果は同じ。
アラーム音と共にERROR、削除に失敗しましたの文字が表示される。
「ユフィーア、ご両親や使用人達はこの中にいる。俺達の手で助け出そう」
「はい、無事だといいのですが……」
「大丈夫、無事に決まっているよ」
ユフィーアにかけた俺の言葉の半分は気休めではない。
地図のデータが消せないという事は、ダンジョンの中にはまだ生きている人間がいるという証拠だ。
ただし残りの半分は気休めだ。
ダンジョンの中にいる人間全員が生きているという保証はどこにもないからだ。
「とにかく急いで皆を探そう」
「はい、マール様」
初めて潜るダンジョンではマッピングは必須だ。
俺は魔法の袋から方眼紙とペンを取り出す。
前世では手で地図を描いていたが、この世界では魔法の力で自分が歩いた場所を自動的に方眼紙に書きこんでくれるのでその点は楽だ。
まずはお約束通り、右側の壁に手を付いて壁沿いに進む。
この方法なら迷う事はないはずだ。
しかしその目論見は脆くも崩れ去った。
入口付近は一般的なダンジョンらしい迷路構造になっていたが、少し奥へ進むと壁がない広大な空間が現れたのである。
どう見ても時空が歪んでいる。
そもそもこのダンジョン自体がバグの産物だ。
この先へ進むのは危険だと俺のゲーマーとしての勘が告げている。
俺はそれでも先へ進もうとするユフィーアを制して引き返すよう説得をする。
「ユフィーア、一旦出直そう。このダンジョンは明らかに異常だ」
「しかし、もしかするとこの先にお父様とお母様がいるかもしれません」
「いや、それはない。俺が保証する」
それについては俺には確信があった。
屋敷が急にダンジョン化したとしても、中にいる人たちの座標は変わらない。
この先は明らかに屋敷の外に当たるので、自分で歩いていかない限りはこの広い空間の先にいる事はないはずだ。
そしてユフィーアの父は足が不自由だ。
そんな人間がこの果ての見えない空間を歩いていくとは考えにくい。
ユフィーアの母や使用人が当主を置いて先にいく可能性も低いだろう。
恐らく、壁に囲まれたような場所に閉じ込められているのではないだろうか。
それならばダンジョンが生成された時に壁と同じ座標に人間がいたとしても、そこにいた人間が弾き飛ばされるだけなので、壁と融合する──所謂『石の中にいる』──ような状態にはならないのでそこだけは安心だ。
もし密閉されたスペースに閉じ込められているのだとすると、普段の彼らの生活サイクルから大よその座標は予想できる。
あの時は大分日も暮れていれたな。
「ユフィーア、モバイルクォーツを見つけた時間帯、家族の皆はどこで何をしていたと思う?」
「それはもちろん食堂に集まって夕食をしていたと思いますよ。多分使用人達もそこにいたと思います」
「それだ! 一旦入口へ戻ろう」
「え、皆の場所が分かったんですか?」
「ああ、目星はついた」
両親や家族、使用人が屋敷の周りに一人もいなかった事もこれで説明が付く。
「そんな訳ないでしょう。普通の家ですよ」
ダンジョンはもちろん冗談だが、普通といっても貴族の家だ。
俺達平民のボロい家屋とは違って立派なお屋敷なんだろうな。
それにしても、ユフィーアの実家と秘密のダンジョンの位置が重なっているのは一体どういう事なのだろう。
原作では秘密のダンジョンへ行く為にはダンジョンの場所の地図が必須となっている。
地図を持たずにその場所へ行ってもダンジョンの入り口は存在しない。
つまりモバイルクォーツが秘密の地図のデータを受信した瞬間にこの世界の地形が書き変わり、新たなダンジョンが生成されるという事だ。
という事は、ユフィーアの実家がダンジョンに変貌している可能性がある。
これは一度様子を見に行った方が良さそうだ。
「マール様、いい機会ですから一度うちにいらっしゃいますか? 両親を紹介します」
そんな事を知る由もないユフィーアは呑気なものだ。
両親に紹介と聞くと違う意味にも聞こえるが、多分深い意味はないんだろう。
俺は調査も兼ねてその招待を受ける事にした。
◇◇◇◇
ユフィーアの出身であるラスボーン家は王都の北にある広大な平地を領している。
その中央にある一際大きな豪邸がラスボーン家の屋敷だ。
ユフィーアの父である現当主シャルリック・ラスボーンは優れた騎士であったが、戦場で主君を庇って膝に受けた矢傷が悪化した事により引退を余儀なくされた。
現在は屋敷の中で静かに隠居生活をしている。
俺はユフィーアに連れられて屋敷の前までやってきたが、外見上は特に変わった様子はない。
ユフィーアは訝しげに敷地内の庭園をきょろきょろと見回している。
「おかしいですね、いつもなら庭師が庭の手入れをしているんですが」
俺の不安が的中してしまったのかもしれない。
「とにかく中に入ってみよう」
「そうですね……」
ユフィーアは慎重に入口の扉を開ける。
「お父様お母様、只今帰りまし……えっ!?」
屋敷の内部を見て、ユフィーアは愕然とする。
そこには彼女が見慣れた玄関ではなく、複雑に入り組んだダンジョンの入り口が目に飛び込んできたからだ。
「これはいったい……お父様! お母様!」
間違いない、これはあの時受信した秘密のダンジョンの地図データによって、屋敷の内部がダンジョンに書きかえられたのだ。
本来は町の中にダンジョンが現れる事はないはずなのだが、何せバグが満載のファンタシー・オブ・ザ・ウィンドの世界だ。
何が起きても不思議ではない。
状況から判断するに、この屋敷の住人はダンジョンの中に閉じ込められているのだろう。
モバイルクォーツからこの地図のデータを削除できなかったバグのせいではなく、ダンジョンの中に生きている人間がいたのでセーフティーロックがかかっていたのだ。
念の為にもう一度データの削除を試みたが、やはり結果は同じ。
アラーム音と共にERROR、削除に失敗しましたの文字が表示される。
「ユフィーア、ご両親や使用人達はこの中にいる。俺達の手で助け出そう」
「はい、無事だといいのですが……」
「大丈夫、無事に決まっているよ」
ユフィーアにかけた俺の言葉の半分は気休めではない。
地図のデータが消せないという事は、ダンジョンの中にはまだ生きている人間がいるという証拠だ。
ただし残りの半分は気休めだ。
ダンジョンの中にいる人間全員が生きているという保証はどこにもないからだ。
「とにかく急いで皆を探そう」
「はい、マール様」
初めて潜るダンジョンではマッピングは必須だ。
俺は魔法の袋から方眼紙とペンを取り出す。
前世では手で地図を描いていたが、この世界では魔法の力で自分が歩いた場所を自動的に方眼紙に書きこんでくれるのでその点は楽だ。
まずはお約束通り、右側の壁に手を付いて壁沿いに進む。
この方法なら迷う事はないはずだ。
しかしその目論見は脆くも崩れ去った。
入口付近は一般的なダンジョンらしい迷路構造になっていたが、少し奥へ進むと壁がない広大な空間が現れたのである。
どう見ても時空が歪んでいる。
そもそもこのダンジョン自体がバグの産物だ。
この先へ進むのは危険だと俺のゲーマーとしての勘が告げている。
俺はそれでも先へ進もうとするユフィーアを制して引き返すよう説得をする。
「ユフィーア、一旦出直そう。このダンジョンは明らかに異常だ」
「しかし、もしかするとこの先にお父様とお母様がいるかもしれません」
「いや、それはない。俺が保証する」
それについては俺には確信があった。
屋敷が急にダンジョン化したとしても、中にいる人たちの座標は変わらない。
この先は明らかに屋敷の外に当たるので、自分で歩いていかない限りはこの広い空間の先にいる事はないはずだ。
そしてユフィーアの父は足が不自由だ。
そんな人間がこの果ての見えない空間を歩いていくとは考えにくい。
ユフィーアの母や使用人が当主を置いて先にいく可能性も低いだろう。
恐らく、壁に囲まれたような場所に閉じ込められているのではないだろうか。
それならばダンジョンが生成された時に壁と同じ座標に人間がいたとしても、そこにいた人間が弾き飛ばされるだけなので、壁と融合する──所謂『石の中にいる』──ような状態にはならないのでそこだけは安心だ。
もし密閉されたスペースに閉じ込められているのだとすると、普段の彼らの生活サイクルから大よその座標は予想できる。
あの時は大分日も暮れていれたな。
「ユフィーア、モバイルクォーツを見つけた時間帯、家族の皆はどこで何をしていたと思う?」
「それはもちろん食堂に集まって夕食をしていたと思いますよ。多分使用人達もそこにいたと思います」
「それだ! 一旦入口へ戻ろう」
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両親や家族、使用人が屋敷の周りに一人もいなかった事もこれで説明が付く。
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