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第47話 後始末
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ハーゲン伯爵の手の者に捕らえられたホーロウ公爵は、手足を縛られた状態で法廷に引きだされた。
裁判官が出した判決は国家転覆罪により市中引き回しの上斬首。
鈺蔵内の魔道具は全て王国に押収された。
何世代も前より公爵家に伝わっている物も多く、ホーロウ公爵も全てを把握している訳ではなかった。
入手経路や効果について慎重に調査が続けられている。
また、強要されていたとはいえホーロウ公爵に協力をしていたニャラルト侯爵とオーリン子爵の二名については、爵位剥奪の上国外追放という処分が下された。
その他、ホーロウ公爵との関与が疑われる者達も厳密な取り調べの上それぞれ処分された。
オーリン元子爵はギルガリア王国の西に位置するマケドリア帝国を通過した時に暴漢に襲われ、その時に負った傷が元で客死。
一説によれば、かつて国崩級モンスターの襲撃により身内を失ったマケドリア帝国の貴族に雇われた暗殺者の仕業とも言われているが、真相は定かではない。
暴漢の素性についての捜査が満足に行われない内に打ち切られた事がこの説の信憑性を高めている
ニャラルト元侯爵は本来心優しい人物であり、周囲からの人望もあった為、家臣や領民の中には追放先にも付き従う者が大勢いた。
その後ニャラルト元侯爵は海を渡り、その優れた内政手腕で未開の地を豊かな大地に変え、彼の地で見事再起を果たす事となる。
彼の波乱万丈な生涯は【追放領主ニャラルトの成り上り物語】として小説や演劇の題材として親しまれる事になるがそれはまた別の話である。
当然この一件は国際問題にも発展し、政治家達は頭を抱えていた。
しかし俺の知った事ではないので後始末は頑張って貰いたい。
何はともあれ、これで一連の騒動は片付いたかと思われた。
数日後、俺達【フルーレティ】と、【ブレイザー】、【殺人猫】の三つの冒険者パーティが王宮に召集された。
「ホーロウ派が一掃された事で爵位に空きができたし、今度こそチェインは子爵になれるんじゃない?」
「空きとか……爵位って定員制だっけ?」
「そんな訳ないでしょう。プリンはもう少し常識という者を勉強するべきですわね」
「うぐ……ルッテは辛辣すぎるだろ」
などと今回の功績に対する褒美の予想についての話題で盛り上がりながら俺達は王宮へ向かう。
王宮の入り口でエルテウスやマルコシア達と合流し、前回同様に謁見の間に案内される。
「そなた達のこの度の働き、まことに見事であった」
ギルガリア国王グラングニル・ボルガン・ヴィーラン陛下が俺達に労いの言葉をかける。
「さあ次は褒美の話だぞ」
「しーっ、静かにしてプリン」
プリンが調子に乗るのも無理はない。
今や俺達は王国の、いや世界を救った英雄なのだ。
……まあ、あまり実感はないのだけど、結果的にはそうなっている。
しかし国王陛下の口から出た言葉は俺達が期待をしていたものではなかった。
「もちろん今回の功績に対する褒美については考えておる。しかし、今日呼んだのはその話ではない。そなたらに頼みたい事があるのだ」
「えー……何だよそれ」
露骨に不満を顔に表すプリンを押さえて、エルテウスが尋ねる。
「陛下、それはどのような事でしょうか?」
お偉いさんとの交渉事は場数を踏んでいるエルテウスが適任だ。
ここは彼に任せて俺達は黙って話を聞いていようと思う。
国王陛下は深くため息をつき、話を始める。
「ホーロウの奴、とんでもない爆弾を残していきおった。奴が鈺蔵で国崩級モンスターを生産をしていた事は知っていよう」
「はい、何体か幼体を確認しています。そのうちの一つ、バエルと呼ばれた個体は成長する前に駆除しています」
「うむ。問題は既に成体になった個体だ。何体がいるはずなのだがどこにも姿が見えぬのだ」
「バエルの分を除くと古文書は10枚ありました。その内の二体は既に討伐され、更に別の二体はホーロウの配下の者に埋め込まれて人体強化の材料にされたと聞いています」
話が見えてきた。
つまり残りの六体を探し出し、討伐をして欲しいという事だ。
「見事成し遂げた暁には望む褒美を与えよう」
望む褒美が貰えると陛下の言質が取れた。
ならば見送られていた子爵の位を要求する事もできるはずだ。
どの道、俺は経験ポイントを貯める為に国崩級モンスターを優先的に狩るつもりだった。
断る理由はない。
「しかし陛下、何故冒険者ギルドを通さずに我々に直接依頼を?」
「国崩級モンスターどもを制御していたホーロウがいなくなった事でもしかすると我々に害のない存在になっている可能性がある。いたずらに国民の不安を煽る事はしたくないのだ。無論、危険だと分かれば即座に御触れを出す」
だがそれは表向きの理由だろう。
ホーロウの一件で、ギルガリア王国は国際的な立場が悪くなっている。
これ以上諸外国に糾弾されるネタを与えたくないというのが本音だろう。
釈然としないものがあるが、俺達も殆どがギルガリア王国出身だ。
俺達冒険者は基本的に国に対しての忠誠心など微塵もないが、生まれ育った国が外国から悪く言われるのは愉快ではない。
【ブレイザー】や【殺人猫】の皆とも相談をした結果、ここはひとつお国の為に働いてやろうという結論になった。
「陛下、承知いたしました。我々にお任せ下さい」
さあこれから忙しくなるぞ。
まずは国崩級モンスターの居場所についての情報集めだ。
裁判官が出した判決は国家転覆罪により市中引き回しの上斬首。
鈺蔵内の魔道具は全て王国に押収された。
何世代も前より公爵家に伝わっている物も多く、ホーロウ公爵も全てを把握している訳ではなかった。
入手経路や効果について慎重に調査が続けられている。
また、強要されていたとはいえホーロウ公爵に協力をしていたニャラルト侯爵とオーリン子爵の二名については、爵位剥奪の上国外追放という処分が下された。
その他、ホーロウ公爵との関与が疑われる者達も厳密な取り調べの上それぞれ処分された。
オーリン元子爵はギルガリア王国の西に位置するマケドリア帝国を通過した時に暴漢に襲われ、その時に負った傷が元で客死。
一説によれば、かつて国崩級モンスターの襲撃により身内を失ったマケドリア帝国の貴族に雇われた暗殺者の仕業とも言われているが、真相は定かではない。
暴漢の素性についての捜査が満足に行われない内に打ち切られた事がこの説の信憑性を高めている
ニャラルト元侯爵は本来心優しい人物であり、周囲からの人望もあった為、家臣や領民の中には追放先にも付き従う者が大勢いた。
その後ニャラルト元侯爵は海を渡り、その優れた内政手腕で未開の地を豊かな大地に変え、彼の地で見事再起を果たす事となる。
彼の波乱万丈な生涯は【追放領主ニャラルトの成り上り物語】として小説や演劇の題材として親しまれる事になるがそれはまた別の話である。
当然この一件は国際問題にも発展し、政治家達は頭を抱えていた。
しかし俺の知った事ではないので後始末は頑張って貰いたい。
何はともあれ、これで一連の騒動は片付いたかと思われた。
数日後、俺達【フルーレティ】と、【ブレイザー】、【殺人猫】の三つの冒険者パーティが王宮に召集された。
「ホーロウ派が一掃された事で爵位に空きができたし、今度こそチェインは子爵になれるんじゃない?」
「空きとか……爵位って定員制だっけ?」
「そんな訳ないでしょう。プリンはもう少し常識という者を勉強するべきですわね」
「うぐ……ルッテは辛辣すぎるだろ」
などと今回の功績に対する褒美の予想についての話題で盛り上がりながら俺達は王宮へ向かう。
王宮の入り口でエルテウスやマルコシア達と合流し、前回同様に謁見の間に案内される。
「そなた達のこの度の働き、まことに見事であった」
ギルガリア国王グラングニル・ボルガン・ヴィーラン陛下が俺達に労いの言葉をかける。
「さあ次は褒美の話だぞ」
「しーっ、静かにしてプリン」
プリンが調子に乗るのも無理はない。
今や俺達は王国の、いや世界を救った英雄なのだ。
……まあ、あまり実感はないのだけど、結果的にはそうなっている。
しかし国王陛下の口から出た言葉は俺達が期待をしていたものではなかった。
「もちろん今回の功績に対する褒美については考えておる。しかし、今日呼んだのはその話ではない。そなたらに頼みたい事があるのだ」
「えー……何だよそれ」
露骨に不満を顔に表すプリンを押さえて、エルテウスが尋ねる。
「陛下、それはどのような事でしょうか?」
お偉いさんとの交渉事は場数を踏んでいるエルテウスが適任だ。
ここは彼に任せて俺達は黙って話を聞いていようと思う。
国王陛下は深くため息をつき、話を始める。
「ホーロウの奴、とんでもない爆弾を残していきおった。奴が鈺蔵で国崩級モンスターを生産をしていた事は知っていよう」
「はい、何体か幼体を確認しています。そのうちの一つ、バエルと呼ばれた個体は成長する前に駆除しています」
「うむ。問題は既に成体になった個体だ。何体がいるはずなのだがどこにも姿が見えぬのだ」
「バエルの分を除くと古文書は10枚ありました。その内の二体は既に討伐され、更に別の二体はホーロウの配下の者に埋め込まれて人体強化の材料にされたと聞いています」
話が見えてきた。
つまり残りの六体を探し出し、討伐をして欲しいという事だ。
「見事成し遂げた暁には望む褒美を与えよう」
望む褒美が貰えると陛下の言質が取れた。
ならば見送られていた子爵の位を要求する事もできるはずだ。
どの道、俺は経験ポイントを貯める為に国崩級モンスターを優先的に狩るつもりだった。
断る理由はない。
「しかし陛下、何故冒険者ギルドを通さずに我々に直接依頼を?」
「国崩級モンスターどもを制御していたホーロウがいなくなった事でもしかすると我々に害のない存在になっている可能性がある。いたずらに国民の不安を煽る事はしたくないのだ。無論、危険だと分かれば即座に御触れを出す」
だがそれは表向きの理由だろう。
ホーロウの一件で、ギルガリア王国は国際的な立場が悪くなっている。
これ以上諸外国に糾弾されるネタを与えたくないというのが本音だろう。
釈然としないものがあるが、俺達も殆どがギルガリア王国出身だ。
俺達冒険者は基本的に国に対しての忠誠心など微塵もないが、生まれ育った国が外国から悪く言われるのは愉快ではない。
【ブレイザー】や【殺人猫】の皆とも相談をした結果、ここはひとつお国の為に働いてやろうという結論になった。
「陛下、承知いたしました。我々にお任せ下さい」
さあこれから忙しくなるぞ。
まずは国崩級モンスターの居場所についての情報集めだ。
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