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第一部 宰相家の居候
242 駆け落ちしましょう(3)
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
結局、最後の最後に、エドヴァルドの「替え玉」を務めたのがどこの家かと言う事をエヴェリーナ妃からネタばらしされたと私が言ったところで、向かい側で食後の紅茶を飲むエドヴァルドも、苦い表情を浮かべた。
「徹底して『勝ち逃げ』を潰す気だな……」
「こうやって、五体満足に帰国させて貰える事は有難いんですけど……何と言うか……私の居た国で『試合に勝って勝負に負けた』って言う、そう言う感じがもの凄くします……」
訝しむエドヴァルドに「結果以外のところでは負けている」と、次に驕らない戒めとして使う言い回しだと説明すると、物凄く納得されてしまった。
「まあ、今更だから言っておくと、その『替え玉』はレフトサーリ辺境伯家の次男だった。私の髪色の鬘を片手にフラりと現れたところが、某子爵令嬢よりも一つ二つ年下の17歳だか18歳だかと聞いて、一瞬開いた口が塞がらなかった」
「⁉」
聞けば体格は割と良い方で、私より20cmくらい背の高いエドヴァルドと並んでも遜色がなかったらしいので、カツラを被って背中を向けて座ったりしていれば、それで何とかなりそうな雰囲気はあったらしい。
「あの…ちゃんと聞いてませんでしたけど…エドヴァルド様って確か……」
「ああ、貴女の言う『物語』とやらで読んだか?――29歳だ」
29歳の『替え玉』が、17歳。
何でまたそんな無茶振りを――と思ったところが、どうやらレフトサーリ辺境伯家は、長男が貴族社会の慣習と言うか、社交に見向きもせずに、画家になると宣言して引きこもり状態にあるらしい。
辺境伯家としては、20歳を過ぎても生き方の変わらない長男には早々に見切りをつけて、次男を跡取りとしたいところが、妻とその生家が、長男可愛さにそれを認めようとはしない。
どうやらその長男の絵は、おべっかを抜きにしても、そこそこの才能を感じさせる絵らしい。
とは言え、日がな絵ばかりを書いていられても、辺境伯家の領政が回る筈もない。
そこで、妻の生家とは敵対関係にあるラハデ家派閥の侯爵家に、次男が跡を継ぐ事を後押しさせようと、エヴェリーナ妃が目論んだ…と言う事らしい。
子爵令嬢であれ、当代国王の愛妾の娘を娶れるとなれば、次男が辺境伯家を継ぐにあたっては、相当に有利な材料となるし、画家になりたいなどと言っている長男を、跡継ぎとしてとっくに諦めている辺境伯にとっても、必要以上に家を荒らさない理由が出来る。
「うわぁ……政略全開……それもう、既成事実があろうがなかろうが、結婚させる気満々ですよね……」
例え国王が不服でも、国内の政治バランスを考えたら、認める以外に選択肢がない策だ。
いくら『替え玉』を言い出したのがこちらにしろ、短時間で打てる手立てとしては、恐らく最良。
――恐るべしエヴェリーナ妃。
「だが、そのエヴェリーナ妃をもってしても、今回の事を丸く収める次期正妃候補をすぐには挙げられないと言うんだ。戻ったらすぐにでも、フィルバートと話し合うべきだろうな」
そうか。今のままなら、シャルリーヌの貞操の危機が、ほんのちょっと先に延びただけ。
ただ、舞菜がギーレンに残るとなれば、アンジェスの〝扉の守護者〟は事実上シャルリーヌ一択。
いくらサイコパス陛下と言えど、多少は真剣に考えてくれる……筈。
「私も、バーレント領の木綿製品を庶民派聖女のイメージで売り出すつもりでしたから、その辺りも戻ったら考え直さないとなんですよね……」
あれ、これって戻ってから謹慎出来るの?
…と、私が内心で首を傾げた事を、明らかに察したエドヴァルド周辺の空気が、気のせいか冷えた。
例えて言うなら微風冷房。
「レイナ」
「………ナンデショウカ」
うっかりカタコトになったのは、不可抗力だ。
「戻っても貴女はフィルバートに余計な話はするな。揚げ足をとられて王宮出仕でも命じられた日には、私の謹慎も無意味なものになってしまう」
「………努力します」
あの…「謹慎」の意味って、私が知っている意味とは随分違うような……?
と言うか、エドヴァルドとフィルバートが本気で言い争ったら、倫理に欠ける分フィルバートの方が上を行く気がして仕方がない。
うん、私は「頑張って下さい」で知らん顔をしておこう。
「戻ったらとりあえず〝チェカル〟を貸し切って、ベルセリウスやミカ達を労ってやるつもりだ。リリアートのガラスの件で店には無茶をさせたと貴女も言っていた事だし、更に私の留守中色々と彼らは骨を折ってくれていたようだしな。ああ、もちろん今回同行した〝鷹の眼〟連中も参加させるつもりはしているが」
「それ、いいですね!そっちのお店は気取らないお店だって、セルヴァンが言ってましたし。じゃあ〝アンブローシュ〟は――」
「そちらは以前に言った通り、貴女と私の二人で行く。まあ〝チェカル〟よりは後になるだろうが。あの店はとにかく別格なんだ。複数で気軽に入るような所ではない。むしろヘンリがよくも突撃したものだと、いっそ感心したくらいだからな」
だから「謹慎」を妨げられてたまるか、と言うのがエドヴァルドの言い分らしい。
「それと「視察」の行先に関しては……これが一番の問題だが、聖女マナがアンジェスに戻らないとなったら、貴女に各公爵領の事を学んで貰って、後日の教育に生かすと言う大義名分が消える。いっそ今回のガーデンパーティーで繋がりが出来た分、イデオン公爵領下の侯爵伯爵領を見て回ると言うのも一つの案ではあるな。今、少し策を練り直しているところだ」
絶対にフィルバートのヤツ、そこを突いてくるからな…と、エドヴァルドがぶつぶつと呟いている。
…あの、何の「策」ですか、それ。
「――ああ、イデオン宰相様、無事にいらしたんですのね」
そこに、扉がノックされた音と共に、エヴェリーナ妃がサロンの中へと入って来た。
コニー夫人も、その数歩後に続いている。
「とりあえずは、コニー様の首尾も上々ですわ。聖女様はもうお休みだそうですから、後は殿下がお休みになられ次第、こちらに連絡が入る事になっていますの。それまではお待ちになって?お茶のお代わりを淹れさせますわ」
エヴェリーナ妃の言葉に、私が思わずコニー夫人を見やると、夫人は「気にしなくて良い」とばかりに、柔らかく微笑んだ。
「ええ、それはぜひに。エヴェリーナ妃、まずは継承権放棄の宣誓書面への署名について、この通り深謝申し上げる」
エドヴァルドの方は、そう言って椅子から立ち上がると、裏表のない感情として、エヴェリーナ妃に深々と頭を下げていた。
「まあまあ、頭をお上げになって、宰相様。陛下や殿下は信じられない様でしたけれど、宰相様が心底あの家の血筋を疎んじていらしたのは、傍で見ていてよく分かりましたもの。特に恩を感じていただく必要はございませんわよ?私は、あの城に残されていたとされる『書物』を引き取る事と引き換えに、宣誓書面に署名をし、宰相様とレイナ嬢の『駆け落ちの手引き』をコニー様に依頼しますの。それが全てでしてよ」
「……っ」
エドヴァルドをギーレンに取り込む為の小道具になる筈だった、アロルド・オーグレーンの記した書物は、結果的にエドヴァルドを逃がす小道具になり、エヴェリーナ妃自身を王の叱責から守る為の小道具となり、メッツァ辺境伯家を守護する小道具へと変貌した。
あくまで、王なり王子なりが、旧オーグレーン家の使用人から渡された書物で余計な小細工をしようとして足元を掬われ、外交問題に発展する前に、正妃と第二夫人の二人がそれを押し留めた態だ。
それ以上はお互いに藪蛇だろうと、エヴェリーナ妃の目は語っている。
ややあってから、エドヴァルドも「承知した」と答えを返して、再び腰を下ろした。
結局、最後の最後に、エドヴァルドの「替え玉」を務めたのがどこの家かと言う事をエヴェリーナ妃からネタばらしされたと私が言ったところで、向かい側で食後の紅茶を飲むエドヴァルドも、苦い表情を浮かべた。
「徹底して『勝ち逃げ』を潰す気だな……」
「こうやって、五体満足に帰国させて貰える事は有難いんですけど……何と言うか……私の居た国で『試合に勝って勝負に負けた』って言う、そう言う感じがもの凄くします……」
訝しむエドヴァルドに「結果以外のところでは負けている」と、次に驕らない戒めとして使う言い回しだと説明すると、物凄く納得されてしまった。
「まあ、今更だから言っておくと、その『替え玉』はレフトサーリ辺境伯家の次男だった。私の髪色の鬘を片手にフラりと現れたところが、某子爵令嬢よりも一つ二つ年下の17歳だか18歳だかと聞いて、一瞬開いた口が塞がらなかった」
「⁉」
聞けば体格は割と良い方で、私より20cmくらい背の高いエドヴァルドと並んでも遜色がなかったらしいので、カツラを被って背中を向けて座ったりしていれば、それで何とかなりそうな雰囲気はあったらしい。
「あの…ちゃんと聞いてませんでしたけど…エドヴァルド様って確か……」
「ああ、貴女の言う『物語』とやらで読んだか?――29歳だ」
29歳の『替え玉』が、17歳。
何でまたそんな無茶振りを――と思ったところが、どうやらレフトサーリ辺境伯家は、長男が貴族社会の慣習と言うか、社交に見向きもせずに、画家になると宣言して引きこもり状態にあるらしい。
辺境伯家としては、20歳を過ぎても生き方の変わらない長男には早々に見切りをつけて、次男を跡取りとしたいところが、妻とその生家が、長男可愛さにそれを認めようとはしない。
どうやらその長男の絵は、おべっかを抜きにしても、そこそこの才能を感じさせる絵らしい。
とは言え、日がな絵ばかりを書いていられても、辺境伯家の領政が回る筈もない。
そこで、妻の生家とは敵対関係にあるラハデ家派閥の侯爵家に、次男が跡を継ぐ事を後押しさせようと、エヴェリーナ妃が目論んだ…と言う事らしい。
子爵令嬢であれ、当代国王の愛妾の娘を娶れるとなれば、次男が辺境伯家を継ぐにあたっては、相当に有利な材料となるし、画家になりたいなどと言っている長男を、跡継ぎとしてとっくに諦めている辺境伯にとっても、必要以上に家を荒らさない理由が出来る。
「うわぁ……政略全開……それもう、既成事実があろうがなかろうが、結婚させる気満々ですよね……」
例え国王が不服でも、国内の政治バランスを考えたら、認める以外に選択肢がない策だ。
いくら『替え玉』を言い出したのがこちらにしろ、短時間で打てる手立てとしては、恐らく最良。
――恐るべしエヴェリーナ妃。
「だが、そのエヴェリーナ妃をもってしても、今回の事を丸く収める次期正妃候補をすぐには挙げられないと言うんだ。戻ったらすぐにでも、フィルバートと話し合うべきだろうな」
そうか。今のままなら、シャルリーヌの貞操の危機が、ほんのちょっと先に延びただけ。
ただ、舞菜がギーレンに残るとなれば、アンジェスの〝扉の守護者〟は事実上シャルリーヌ一択。
いくらサイコパス陛下と言えど、多少は真剣に考えてくれる……筈。
「私も、バーレント領の木綿製品を庶民派聖女のイメージで売り出すつもりでしたから、その辺りも戻ったら考え直さないとなんですよね……」
あれ、これって戻ってから謹慎出来るの?
…と、私が内心で首を傾げた事を、明らかに察したエドヴァルド周辺の空気が、気のせいか冷えた。
例えて言うなら微風冷房。
「レイナ」
「………ナンデショウカ」
うっかりカタコトになったのは、不可抗力だ。
「戻っても貴女はフィルバートに余計な話はするな。揚げ足をとられて王宮出仕でも命じられた日には、私の謹慎も無意味なものになってしまう」
「………努力します」
あの…「謹慎」の意味って、私が知っている意味とは随分違うような……?
と言うか、エドヴァルドとフィルバートが本気で言い争ったら、倫理に欠ける分フィルバートの方が上を行く気がして仕方がない。
うん、私は「頑張って下さい」で知らん顔をしておこう。
「戻ったらとりあえず〝チェカル〟を貸し切って、ベルセリウスやミカ達を労ってやるつもりだ。リリアートのガラスの件で店には無茶をさせたと貴女も言っていた事だし、更に私の留守中色々と彼らは骨を折ってくれていたようだしな。ああ、もちろん今回同行した〝鷹の眼〟連中も参加させるつもりはしているが」
「それ、いいですね!そっちのお店は気取らないお店だって、セルヴァンが言ってましたし。じゃあ〝アンブローシュ〟は――」
「そちらは以前に言った通り、貴女と私の二人で行く。まあ〝チェカル〟よりは後になるだろうが。あの店はとにかく別格なんだ。複数で気軽に入るような所ではない。むしろヘンリがよくも突撃したものだと、いっそ感心したくらいだからな」
だから「謹慎」を妨げられてたまるか、と言うのがエドヴァルドの言い分らしい。
「それと「視察」の行先に関しては……これが一番の問題だが、聖女マナがアンジェスに戻らないとなったら、貴女に各公爵領の事を学んで貰って、後日の教育に生かすと言う大義名分が消える。いっそ今回のガーデンパーティーで繋がりが出来た分、イデオン公爵領下の侯爵伯爵領を見て回ると言うのも一つの案ではあるな。今、少し策を練り直しているところだ」
絶対にフィルバートのヤツ、そこを突いてくるからな…と、エドヴァルドがぶつぶつと呟いている。
…あの、何の「策」ですか、それ。
「――ああ、イデオン宰相様、無事にいらしたんですのね」
そこに、扉がノックされた音と共に、エヴェリーナ妃がサロンの中へと入って来た。
コニー夫人も、その数歩後に続いている。
「とりあえずは、コニー様の首尾も上々ですわ。聖女様はもうお休みだそうですから、後は殿下がお休みになられ次第、こちらに連絡が入る事になっていますの。それまではお待ちになって?お茶のお代わりを淹れさせますわ」
エヴェリーナ妃の言葉に、私が思わずコニー夫人を見やると、夫人は「気にしなくて良い」とばかりに、柔らかく微笑んだ。
「ええ、それはぜひに。エヴェリーナ妃、まずは継承権放棄の宣誓書面への署名について、この通り深謝申し上げる」
エドヴァルドの方は、そう言って椅子から立ち上がると、裏表のない感情として、エヴェリーナ妃に深々と頭を下げていた。
「まあまあ、頭をお上げになって、宰相様。陛下や殿下は信じられない様でしたけれど、宰相様が心底あの家の血筋を疎んじていらしたのは、傍で見ていてよく分かりましたもの。特に恩を感じていただく必要はございませんわよ?私は、あの城に残されていたとされる『書物』を引き取る事と引き換えに、宣誓書面に署名をし、宰相様とレイナ嬢の『駆け落ちの手引き』をコニー様に依頼しますの。それが全てでしてよ」
「……っ」
エドヴァルドをギーレンに取り込む為の小道具になる筈だった、アロルド・オーグレーンの記した書物は、結果的にエドヴァルドを逃がす小道具になり、エヴェリーナ妃自身を王の叱責から守る為の小道具となり、メッツァ辺境伯家を守護する小道具へと変貌した。
あくまで、王なり王子なりが、旧オーグレーン家の使用人から渡された書物で余計な小細工をしようとして足元を掬われ、外交問題に発展する前に、正妃と第二夫人の二人がそれを押し留めた態だ。
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