228 / 790
第二部 宰相閣下の謹慎事情
321 微笑む淑女
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「ああ、そうですわ。私、ちょっと良い事を思いつきました」
傾国級の美女の目が据わった様は、絵になるようでいて、怖さが倍な気がする。
ギーレンのエヴェリーナ妃やブレンダ・オルセン侯爵夫人とは、また別の迫力がある。
エリサベト・フォルシアン公爵夫人は「これは良い事だ」と信じて疑わない――と言うか、夫とエドヴァルドに圧力をかけまくりの表情で、二人を見比べていた。
「先日のイデオン公爵邸での昼食会で、イデオン家法律顧問のヤンネ・キヴェカス卿が、レイナ嬢のアイデアを色々と形にされるにあたって、とてもお忙しくしていらっしゃると小耳に挟んだのですけれど」
「⁉」
やはり五公爵家の当主夫人ともなると、ちょっとした会話も脳裡に留め置いているものらしい。
私が「そろそろ刺されそうだ」と溢したところから、ある程度の推測を立てていたんだと思われた。
「この騒動で、ユセフは今、高等法院勤めを休んでおりますでしょう?その休職を延長して、キヴェカス卿のお手伝いをさせるのはどうかしら?」
なっ…と、声を洩らしたのは、フォルシアン公爵もエドヴァルドも同様だ。
ユセフ自身は、ついていけないのか唖然と母親を見つめたままだ。
「エ、エリサベト……?」
「あら。そもそもは、女性はただ庇護される者との偏見が、ユセフに失礼な言動をとらせているのでしょう?でしたら、レイナ嬢が今どんな事に取り掛かっているのか、キヴェカス卿の下で確認をするのが一番じゃありませんこと?どうやらキヴェカス卿は、寝食もままならない程お忙しいご様子。ユセフに現実を理解させて、反省を促す意味でも、これ以上ない措置の様に思いますけれど」
この国は、謹慎だけじゃなく休職も、私が知っている意味とは違うんだろうか……。
どちらにしても、これは私がどうこう言える範疇を既に超えている。
エドヴァルドを見上げると、分かっていると言う風に軽い頷きが返ってきた。
「まがりなりにも、ユセフは高等法院職員だ。対してヤンネ・キヴェカスは、あくまでイデオン家法律顧問。個人事務所事業主でしかない。確かに私は司法を束ねる身ではあるが、こればかりは長官であるロイヴァス・ヘルマンやユセフの直属上司と話し合わない訳にはいかない」
「もちろんですわ、イデオン公。このままユセフにただ頭を下げさせたところで、今まで通りフォルシアン公爵邸に寄り付かず、独り身のまま偏屈老人への道を突き進むだけですもの。ぜひ前向きにご検討下さいませ。アナタも、諦めて突き放すのが親心とは限りませんことよ?」
王女サマに襲われて散々な目にあった点からすると、息子に対して過保護になっても誰も何も言わないだろうに、エリサベト夫人の口から出て来る言葉は、まさかの辛口オンパレード。
息子どころか夫さえも、たじたじになっていた。
「ああ、レイナ嬢がお茶会でこちらにいらっしゃる時には、ユセフは仕事でおりませんでしょうから、ご安心なさって?もし今後滞在の機会があった場合も、高等法院の寮でも、キヴェカス卿に王都内の部屋を紹介して貰うでも、やりようはありますから。ね?」
「あ…はい、そうしていただけると、無駄に険悪にならないで――いえ、なんでもありません」
夫人につられて、うっかり内心がダダ洩れそうになったところで、エドヴァルドから視線でストップがかかった。
ヤンネ・キヴェカスへの前科がある時点で、私の信用は多分底辺だからだ。
私が決まり悪そうに、視線を明後日の方向に投げているのを、エリサベト夫人が興味深げに見つめていた。
「……これは純粋な好奇心からなのですけれど」
「あ、はい」
「レイナ嬢から見た、ユセフの印象ってどのような……?」
「―――」
部屋の中の温度が下がった。
絶対下がったよね⁉
弾かれた様に私がエドヴァルドの方を向いたけれど、エドヴァルドの視線は、多分わざと、前に向けられたままだった。
「えーっと……フォルシアン公爵閣下によく似ていらっしゃるなぁ……と」
「あら、それだけ?」
「今日まで一言も話した事もありませんし、正直、他の印象は持ちようがないと言いますか。今日は今日で、遠くで幸せになって頂ければそれで良いかもと言いますか……」
遠くで幸せに、イコールこちらは関わり合いになりたくないと言う事をオブラートに包んだ言い回しなんだけど、これってアンジェスでも通じるんだろうか。
そんな事をつらつらと私が考えていると、フォルシアン家の皆様それぞれに思うところがあったのか、程度の差はあれど目を丸くして、エドヴァルドへと視線を投げていた。
「エドヴァルド……レイナ嬢に無駄な圧力をかけるな……」
「何の話だ」
多分に呆れを含んだフォルシアン公爵の発言にも、エドヴァルドはどこ吹く風だ。
「いや……まあ、圧力があろうとなかろうと、ユセフに微塵も興味がないのはよく分かったが……」
「そうですわね……これでしたら、レイナ嬢がこちらの邸宅にいらした際も問題なさそうですわね」
フォルシアン公爵夫妻の呟きに、私は、夫妻が私のお茶会への参加に際して、息子のトラウマが刺激される事がないように心配していたのかなと、ひとり納得していた。
「それでエドヴァルド、ユセフの休職の話は、夕食会の後、落ち着いたところでヘルマン長官に話を通してみてくれるか?」
「……本気の話なのか?」
この場での冗談と流すなら今のうちだと、逃げ道を用意したエドヴァルドに、フォルシアン公爵は微笑って片手を振ってみせた。
「私はエリサベトが決めた事には絶対服従だ。結婚当時からね。何、給与の心配なら不要だ。どこに注ぎ込む訳でなし、高等法院での給与だって有り余っている筈だ」
何を勝手に…とユセフ青年は抗議しかけていたけれど、エリサベト夫人の「余っているでしょう?」と言わんばかりのにこやかな微笑みに、続く言葉を封殺されてしまっていた。
「…ここだけの話、ヤンネも初めはレイナを見下していた。アレもユセフに負けず劣らずの女性蔑視の思想を持っていたからな。今までは個人の性格だと放っておいたが、レイナがイデオン公爵邸の客人でなくなる以上は、そうもいかない。己の偏った思想がどれほど愚かな事だったのか、理解させる意味で案件の全てを抱えさせている。そこに加わるとなると、高等法院以上の激務になるのは間違いないが、それでも良いか?」
夫妻の対応にエドヴァルドも、黙っていても良い事はないと思ったのかも知れない。
ヤンネ・キヴェカスにまつわる「訳あり」な状況を、隠さず彼らに告げていた。
反応は「ほう…」「まあ」「なっ…」と、三者三様だったけど。
「まあ、それはそれでユセフにも良い薬になりそうな話だとは思うけどね」
「そうかも知れませんわ。ただちょっと、その事務所に女性の事務員さんがいらっしゃるようなら、頭痛の種が増えるかも知れませんけど」
あ、そこは私も気になるかも?
エドヴァルドは、一瞬だけ考える仕種を見せていた。
「本気でそのつもりなら、それも含めて考えておこう。休職より出向の方が良い気もするが、その辺りは関係者と話し合ってからだな」
頼むよ、とフォルシアン公爵が答えたところで、扉がノックされた。
私もユセフ青年も置き去りになっているけど、そこはもう「高度な政治対応」ってコトなんだろう。
「失礼致します。夕食会会場へのご案内に参りました」
護衛騎士の声がけが、一瞬救世主の声にも聞こえた。
「さて、行こうか。多分、何事もなく…とはいかないだろうが仕方がない。あと何時間かの我慢だね」
――フォルシアン公爵の呟きに、誰も反論が出来なかった。
「ああ、そうですわ。私、ちょっと良い事を思いつきました」
傾国級の美女の目が据わった様は、絵になるようでいて、怖さが倍な気がする。
ギーレンのエヴェリーナ妃やブレンダ・オルセン侯爵夫人とは、また別の迫力がある。
エリサベト・フォルシアン公爵夫人は「これは良い事だ」と信じて疑わない――と言うか、夫とエドヴァルドに圧力をかけまくりの表情で、二人を見比べていた。
「先日のイデオン公爵邸での昼食会で、イデオン家法律顧問のヤンネ・キヴェカス卿が、レイナ嬢のアイデアを色々と形にされるにあたって、とてもお忙しくしていらっしゃると小耳に挟んだのですけれど」
「⁉」
やはり五公爵家の当主夫人ともなると、ちょっとした会話も脳裡に留め置いているものらしい。
私が「そろそろ刺されそうだ」と溢したところから、ある程度の推測を立てていたんだと思われた。
「この騒動で、ユセフは今、高等法院勤めを休んでおりますでしょう?その休職を延長して、キヴェカス卿のお手伝いをさせるのはどうかしら?」
なっ…と、声を洩らしたのは、フォルシアン公爵もエドヴァルドも同様だ。
ユセフ自身は、ついていけないのか唖然と母親を見つめたままだ。
「エ、エリサベト……?」
「あら。そもそもは、女性はただ庇護される者との偏見が、ユセフに失礼な言動をとらせているのでしょう?でしたら、レイナ嬢が今どんな事に取り掛かっているのか、キヴェカス卿の下で確認をするのが一番じゃありませんこと?どうやらキヴェカス卿は、寝食もままならない程お忙しいご様子。ユセフに現実を理解させて、反省を促す意味でも、これ以上ない措置の様に思いますけれど」
この国は、謹慎だけじゃなく休職も、私が知っている意味とは違うんだろうか……。
どちらにしても、これは私がどうこう言える範疇を既に超えている。
エドヴァルドを見上げると、分かっていると言う風に軽い頷きが返ってきた。
「まがりなりにも、ユセフは高等法院職員だ。対してヤンネ・キヴェカスは、あくまでイデオン家法律顧問。個人事務所事業主でしかない。確かに私は司法を束ねる身ではあるが、こればかりは長官であるロイヴァス・ヘルマンやユセフの直属上司と話し合わない訳にはいかない」
「もちろんですわ、イデオン公。このままユセフにただ頭を下げさせたところで、今まで通りフォルシアン公爵邸に寄り付かず、独り身のまま偏屈老人への道を突き進むだけですもの。ぜひ前向きにご検討下さいませ。アナタも、諦めて突き放すのが親心とは限りませんことよ?」
王女サマに襲われて散々な目にあった点からすると、息子に対して過保護になっても誰も何も言わないだろうに、エリサベト夫人の口から出て来る言葉は、まさかの辛口オンパレード。
息子どころか夫さえも、たじたじになっていた。
「ああ、レイナ嬢がお茶会でこちらにいらっしゃる時には、ユセフは仕事でおりませんでしょうから、ご安心なさって?もし今後滞在の機会があった場合も、高等法院の寮でも、キヴェカス卿に王都内の部屋を紹介して貰うでも、やりようはありますから。ね?」
「あ…はい、そうしていただけると、無駄に険悪にならないで――いえ、なんでもありません」
夫人につられて、うっかり内心がダダ洩れそうになったところで、エドヴァルドから視線でストップがかかった。
ヤンネ・キヴェカスへの前科がある時点で、私の信用は多分底辺だからだ。
私が決まり悪そうに、視線を明後日の方向に投げているのを、エリサベト夫人が興味深げに見つめていた。
「……これは純粋な好奇心からなのですけれど」
「あ、はい」
「レイナ嬢から見た、ユセフの印象ってどのような……?」
「―――」
部屋の中の温度が下がった。
絶対下がったよね⁉
弾かれた様に私がエドヴァルドの方を向いたけれど、エドヴァルドの視線は、多分わざと、前に向けられたままだった。
「えーっと……フォルシアン公爵閣下によく似ていらっしゃるなぁ……と」
「あら、それだけ?」
「今日まで一言も話した事もありませんし、正直、他の印象は持ちようがないと言いますか。今日は今日で、遠くで幸せになって頂ければそれで良いかもと言いますか……」
遠くで幸せに、イコールこちらは関わり合いになりたくないと言う事をオブラートに包んだ言い回しなんだけど、これってアンジェスでも通じるんだろうか。
そんな事をつらつらと私が考えていると、フォルシアン家の皆様それぞれに思うところがあったのか、程度の差はあれど目を丸くして、エドヴァルドへと視線を投げていた。
「エドヴァルド……レイナ嬢に無駄な圧力をかけるな……」
「何の話だ」
多分に呆れを含んだフォルシアン公爵の発言にも、エドヴァルドはどこ吹く風だ。
「いや……まあ、圧力があろうとなかろうと、ユセフに微塵も興味がないのはよく分かったが……」
「そうですわね……これでしたら、レイナ嬢がこちらの邸宅にいらした際も問題なさそうですわね」
フォルシアン公爵夫妻の呟きに、私は、夫妻が私のお茶会への参加に際して、息子のトラウマが刺激される事がないように心配していたのかなと、ひとり納得していた。
「それでエドヴァルド、ユセフの休職の話は、夕食会の後、落ち着いたところでヘルマン長官に話を通してみてくれるか?」
「……本気の話なのか?」
この場での冗談と流すなら今のうちだと、逃げ道を用意したエドヴァルドに、フォルシアン公爵は微笑って片手を振ってみせた。
「私はエリサベトが決めた事には絶対服従だ。結婚当時からね。何、給与の心配なら不要だ。どこに注ぎ込む訳でなし、高等法院での給与だって有り余っている筈だ」
何を勝手に…とユセフ青年は抗議しかけていたけれど、エリサベト夫人の「余っているでしょう?」と言わんばかりのにこやかな微笑みに、続く言葉を封殺されてしまっていた。
「…ここだけの話、ヤンネも初めはレイナを見下していた。アレもユセフに負けず劣らずの女性蔑視の思想を持っていたからな。今までは個人の性格だと放っておいたが、レイナがイデオン公爵邸の客人でなくなる以上は、そうもいかない。己の偏った思想がどれほど愚かな事だったのか、理解させる意味で案件の全てを抱えさせている。そこに加わるとなると、高等法院以上の激務になるのは間違いないが、それでも良いか?」
夫妻の対応にエドヴァルドも、黙っていても良い事はないと思ったのかも知れない。
ヤンネ・キヴェカスにまつわる「訳あり」な状況を、隠さず彼らに告げていた。
反応は「ほう…」「まあ」「なっ…」と、三者三様だったけど。
「まあ、それはそれでユセフにも良い薬になりそうな話だとは思うけどね」
「そうかも知れませんわ。ただちょっと、その事務所に女性の事務員さんがいらっしゃるようなら、頭痛の種が増えるかも知れませんけど」
あ、そこは私も気になるかも?
エドヴァルドは、一瞬だけ考える仕種を見せていた。
「本気でそのつもりなら、それも含めて考えておこう。休職より出向の方が良い気もするが、その辺りは関係者と話し合ってからだな」
頼むよ、とフォルシアン公爵が答えたところで、扉がノックされた。
私もユセフ青年も置き去りになっているけど、そこはもう「高度な政治対応」ってコトなんだろう。
「失礼致します。夕食会会場へのご案内に参りました」
護衛騎士の声がけが、一瞬救世主の声にも聞こえた。
「さて、行こうか。多分、何事もなく…とはいかないだろうが仕方がない。あと何時間かの我慢だね」
――フォルシアン公爵の呟きに、誰も反論が出来なかった。
あなたにおすすめの小説
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
王太子に「戦友としか思えない」と言われたので、婚約を解消しました
明衣令央
恋愛
婚約者である王太子ヘンリーから「君のことは戦友としか思えない」と告げられた、公爵令嬢アリスティア。
十年以上の王妃教育を積んできた彼女は、静かに婚約解消を受け入れる。
一年後、幸せな結婚を迎えた彼女にとって、ヘンリーのその後は――もうどうでもいいことだった。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
離縁した元夫が毎日のように押しかけてきますが、もう私は辺境伯家の妻です
なつめ
恋愛
妹ばかりを優先する夫と、そんな夫を当然のように擁護する実家に、長年尽くしてきた侯爵夫人イリディア・レーヴェニア。
夫のため、家のため、妹のため。
そう言われるたびに自分を後回しにしてきた彼女は、ある日、流産をきっかけに悟る。
自分は妻ではなかった。
愛されていたのでも、守られていたのでもない。
ただ都合よく働き、黙って耐え、壊れても替えが利く“便利な駒”だったのだと。
離縁後、静養のため北の辺境を訪れたイリディアは、無愛想で寡黙な辺境伯セヴラード・ノルヴァイルと出会う。
豪奢ではない屋敷。
冷たい風の吹く土地。
けれどそこには、温かな食卓と、彼女の顔色を気にしてくれる使用人たちと、不器用ながら誠実に手を差し伸べる男がいた。
やがてイリディアはセヴラードと再婚し、ようやく穏やかな居場所を手に入れる。
しかし、彼女を失って初めてその価値に気づいた元夫は、毎日のように辺境伯家へ押しかけてくる。
妹は「姉だけ幸せになるなんて許せない」と彼女の新しい暮らしを壊そうとし、実家は「家のために戻れ」と迫る。
けれど、もうイリディアは戻らない。
これは、失うだけだった女が、自分の居場所を守るために立ち上がる物語。
血のつながりでも、婚姻の形でもなく、自分を大切にしてくれる場所こそが家なのだと知る物語。
お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?
サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。
「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」
リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。
「仕方ない」には疲れました ~三年続いた白い結婚を終わらせたら、辺境公爵の溺愛が待っていました~
ゆぷしろん
恋愛
「仕方ない」と白い結婚に耐え続けていた伯爵夫人エリス。
彼女の誕生日、夫は幼なじみのセシリアを屋敷に連れ帰り、エリスが大切にしてきた猫を彼女に見せろと言う。冷めた晩餐の前で心が折れたエリスは、ついに離縁を宣言し実家へ戻った。
彼女の薬草知識と領地経営の才は、北方を守る公爵ディートリヒが目を留める。流行り病に苦しむ公爵領を救うため奮闘するエリスは、初めて努力を認められ、大切に扱われる喜びを知っていく。一方で彼女を失った元夫の伯爵家は傾き、身勝手な幼なじみの嘘も暴かれて――。
我慢をやめた傷心令嬢が、辺境公爵に溺愛され、自分らしい幸せを選び直す逆転愛されファンタジー。
「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました
歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。
知らないうちに離婚されていた男爵令嬢は実家に帰ることにしました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
結婚して1年。
元・貴族令嬢エヴェリナは、平民商人の夫にこき使われ、自分の時間すら奪われていた。
久しぶりの自由時間を楽しんで帰宅すると、門番が立ち塞がり──
「ここより先には立ち入れません」
夫が勝手に離婚届を偽造し、彼女を家から追放した。
さらに「不貞の証拠」として、エヴェリナのサインを悪用した偽装契約書まで作成。
名誉を守るため裁判へ挑むが、そこで明らかになったのは──
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。ご都合主義です。