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行動開始
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エルクが帝都を出発して数日後、学院長から秘術の準備が整ったと連絡が入る。
「すぐに発動出来るのか?」
ルフの分身体を介して学院長に確認する。
「肉体の準備は不要とのことでよろしかったのですよね?準備は進めていましたが……」
「ああ、問題ない」
「それでしたら、後は肉体だけあればすぐにでも発動可能です」
「ご苦労だった。あの時お前を殺さなくて正解だったな。準備が終わり次第知らせる。俺が自由に動けるようになれば、お前の悲願が叶う日も近いだろう」
「よろしくお願いします」
学院長が深く頭を下げる。
『ここまでやっても邪魔をしにこないということは、俺の計画にあのクソ野郎は気付いていないということでいいのか?』
準備を進める為に今度は城に行かせて、目当ての人物が来るのを待っている間にルフに問いかける。
『遠い過去の話ですが、我々悪魔がやり過ぎれば天界から天使が兵として現れて排除されました。天使兵の力は強大ですが、その余波による被害も甚大です。簡単に送ることの出来る存在ではありません。それほどに我々が暴れていたわけですが、あの時よりも混乱をもたらすであろうあなた様の計画を知っているのであれば、傍観しているとは考えにくいと思われます。気付いていないか、それとも気付いてはいるが動けない理由があるのか。もしくは、相手の動きにこちらが気付けていないだけで、既に手をうたれている可能性も考えられます』
『筒抜けとなっていると思って動いた方がいいかもな。さっきの学院長との会話も、隠蔽はしているが聞かれているかもしれない。しかし、あと少しでアイツをぶち殺せるだけの力になるはずだ。あの時、あそこに神は2柱いた。アイツは鑑定できなかったが、もう1柱のハマトとかいうやつは鑑定出来た。今の俺はあいつに少し劣るくらいだ。どれだけ差があるのか知らないが、近い所までは来ている。俺を閉じ込めていた忌々しい封印も解けたことだ。今更止まる気はない』
スタンピードが起きて外に出たあの日、俺は戻る前に封印に手を加えていた。
閉じ込められて外部に干渉出来ない状態では破ることは出来なかったが、俺が表に出て自由に動ける状態であれば、拘束力のないただの空間へと変化させることは容易だった。
ガチャ。
「……!何者だ!?」
ルフと今後の話をしながら待っていると、ダイスが入ってきた。
「警戒するな。俺もあの方の使いだ。無意味な会議に随分と時間を使っていたな。帝国の方は既に第二皇女を女帝とすることで話がついている。お前はいつまで時間を掛けるつもりだ?」
分身体が前もって決めていた話を始めたのをルフを通して見る。
「親父が帝国を攻める道は残っていない。国王としての最後の仕事を尊重して、自身で幕を引く時間を与えているだけだ」
「それなら構わない」
「それを聞くためにわざわざ城に侵入したのか?」
「今のはただの世間話だ。帝国の情報を流してやっただけだな。女の身柄を引き取りにきた。渡せ」
「お前があの男の使いだという証拠がない。確認出来なければひき渡すことは出来ない」
冷静だな。確かに俺の名を騙った者に間違えて渡して殺されでもしたら、俺は許さないだろう。
しかし、面倒だ。
「今は俺が言ったことをこいつがお前に伝えているだけだ。こいつは、学院長とお前との3人で密談したことも知っている。スタンピードの時に実際に何があったのかもだ。学院長が死者を生き返らせようとしていると言えば信用するか?」
分身体に話させる。
「疑ってすまなかった」
「俺の言ったことを守ろうとした結果だ。怒りはしない。引き渡してくれればそれでいい」
「俺の部屋の隠し扉の先にある地下室に閉じ込めている。案内は必要か?」
「不要だ。急に消えれば仕事が増えるだろうから、言いにきただけだ」
「表向きは処刑したことにするがいいか?」
「好きにしろ。ただし、簡単に死なせるつもりはない。ないとは思うが、這い出して人目につく可能性もあることは覚えておけ」
「何をするのか聞いてもいいか?」
「お前が知る必要はない。それからもうひとつ、これは忠告だ。ロックに与えた領地にあるスマスラ遺跡。あそこの奥にダンジョンが隠されている。ルインダンジョンよりも危険なダンジョンだ。お前の代が終わった後も誰も入れないことだな」
「覚えておく」
地下牢から罪人となった元王妃の女を眠らせて連れ出させて、次はスマスラ遺跡へと向かわせる。
分身体はそのままダンジョンへ進み、リュートがいる部屋へと入る。
「久しぶりだな。姿は違うが俺だ」
人の姿に戻っているリュートに声を掛ける。
リュートはあのけったいな姿を好んでいるのではなく、人の姿に回復させても、スリープ状態でいる間に体が腐っていき、目を覚ますとあのような姿になっているので、起きるたびに回復させないというだけだ。
自身への戒めとしての意味もあるらしい。
ここ最近はずっと魔力を使い続ける為、仕方なく人間の姿に戻したということだろう。
あのままの姿では俺も困ることになる。
「ルフさんだね。今日はあの子はいないのかな?」
「体はあの時の悪魔の分身体だが、話をするのは前回と同じで俺とだ」
「……それは悪かったね。気付かなかったよ。あれから魔力を垂れ流しているけど、これでよかったのかな?」
「ああ、十分だ。それで、その女の人は誰か聞いてもいいかな」
「こいつは、先日王都どころか世界を破滅させようとした極悪人だ。今日はお前に良い話を持ってきた。お前を解放してやる」
「すぐに発動出来るのか?」
ルフの分身体を介して学院長に確認する。
「肉体の準備は不要とのことでよろしかったのですよね?準備は進めていましたが……」
「ああ、問題ない」
「それでしたら、後は肉体だけあればすぐにでも発動可能です」
「ご苦労だった。あの時お前を殺さなくて正解だったな。準備が終わり次第知らせる。俺が自由に動けるようになれば、お前の悲願が叶う日も近いだろう」
「よろしくお願いします」
学院長が深く頭を下げる。
『ここまでやっても邪魔をしにこないということは、俺の計画にあのクソ野郎は気付いていないということでいいのか?』
準備を進める為に今度は城に行かせて、目当ての人物が来るのを待っている間にルフに問いかける。
『遠い過去の話ですが、我々悪魔がやり過ぎれば天界から天使が兵として現れて排除されました。天使兵の力は強大ですが、その余波による被害も甚大です。簡単に送ることの出来る存在ではありません。それほどに我々が暴れていたわけですが、あの時よりも混乱をもたらすであろうあなた様の計画を知っているのであれば、傍観しているとは考えにくいと思われます。気付いていないか、それとも気付いてはいるが動けない理由があるのか。もしくは、相手の動きにこちらが気付けていないだけで、既に手をうたれている可能性も考えられます』
『筒抜けとなっていると思って動いた方がいいかもな。さっきの学院長との会話も、隠蔽はしているが聞かれているかもしれない。しかし、あと少しでアイツをぶち殺せるだけの力になるはずだ。あの時、あそこに神は2柱いた。アイツは鑑定できなかったが、もう1柱のハマトとかいうやつは鑑定出来た。今の俺はあいつに少し劣るくらいだ。どれだけ差があるのか知らないが、近い所までは来ている。俺を閉じ込めていた忌々しい封印も解けたことだ。今更止まる気はない』
スタンピードが起きて外に出たあの日、俺は戻る前に封印に手を加えていた。
閉じ込められて外部に干渉出来ない状態では破ることは出来なかったが、俺が表に出て自由に動ける状態であれば、拘束力のないただの空間へと変化させることは容易だった。
ガチャ。
「……!何者だ!?」
ルフと今後の話をしながら待っていると、ダイスが入ってきた。
「警戒するな。俺もあの方の使いだ。無意味な会議に随分と時間を使っていたな。帝国の方は既に第二皇女を女帝とすることで話がついている。お前はいつまで時間を掛けるつもりだ?」
分身体が前もって決めていた話を始めたのをルフを通して見る。
「親父が帝国を攻める道は残っていない。国王としての最後の仕事を尊重して、自身で幕を引く時間を与えているだけだ」
「それなら構わない」
「それを聞くためにわざわざ城に侵入したのか?」
「今のはただの世間話だ。帝国の情報を流してやっただけだな。女の身柄を引き取りにきた。渡せ」
「お前があの男の使いだという証拠がない。確認出来なければひき渡すことは出来ない」
冷静だな。確かに俺の名を騙った者に間違えて渡して殺されでもしたら、俺は許さないだろう。
しかし、面倒だ。
「今は俺が言ったことをこいつがお前に伝えているだけだ。こいつは、学院長とお前との3人で密談したことも知っている。スタンピードの時に実際に何があったのかもだ。学院長が死者を生き返らせようとしていると言えば信用するか?」
分身体に話させる。
「疑ってすまなかった」
「俺の言ったことを守ろうとした結果だ。怒りはしない。引き渡してくれればそれでいい」
「俺の部屋の隠し扉の先にある地下室に閉じ込めている。案内は必要か?」
「不要だ。急に消えれば仕事が増えるだろうから、言いにきただけだ」
「表向きは処刑したことにするがいいか?」
「好きにしろ。ただし、簡単に死なせるつもりはない。ないとは思うが、這い出して人目につく可能性もあることは覚えておけ」
「何をするのか聞いてもいいか?」
「お前が知る必要はない。それからもうひとつ、これは忠告だ。ロックに与えた領地にあるスマスラ遺跡。あそこの奥にダンジョンが隠されている。ルインダンジョンよりも危険なダンジョンだ。お前の代が終わった後も誰も入れないことだな」
「覚えておく」
地下牢から罪人となった元王妃の女を眠らせて連れ出させて、次はスマスラ遺跡へと向かわせる。
分身体はそのままダンジョンへ進み、リュートがいる部屋へと入る。
「久しぶりだな。姿は違うが俺だ」
人の姿に戻っているリュートに声を掛ける。
リュートはあのけったいな姿を好んでいるのではなく、人の姿に回復させても、スリープ状態でいる間に体が腐っていき、目を覚ますとあのような姿になっているので、起きるたびに回復させないというだけだ。
自身への戒めとしての意味もあるらしい。
ここ最近はずっと魔力を使い続ける為、仕方なく人間の姿に戻したということだろう。
あのままの姿では俺も困ることになる。
「ルフさんだね。今日はあの子はいないのかな?」
「体はあの時の悪魔の分身体だが、話をするのは前回と同じで俺とだ」
「……それは悪かったね。気付かなかったよ。あれから魔力を垂れ流しているけど、これでよかったのかな?」
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