イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

文字の大きさ
190 / 201

邂逅

しおりを挟む
「ご苦労。よく天使を見つけた」
泉から天使が逃げないように見張っていたルフの分身体に声を掛ける。

「結界を破れず捕まえることまでは出来ませんでした」

「逃げられなければ問題ない。中にエルクがいるんだったな?」

「はい。精霊の子に連れられてエレナ様と一緒に入っていきました。10日程前のことになります」

「それならお前はいない方がいいだろう。姿を変えているからバレないだろうが、バレたら面倒だ。俺がお前を倒した方にするから、この分身は消せ」

「かしこまりました」
ルフの分身は返事をして姿を消す。

ルフの話だとあそこの川に転移陣があるそうだが、このままではロックが掛かっているようで転移出来ないようだ。
無理矢理俺が通れるようにするのはそこまで難しくないが、天使に喧嘩を売りたいわけではない。
喧嘩を売ってもいいが、とりあえず転移陣の先に声だけ飛ばしてみることにする。

「ここの主に用がある。近くにいた悪魔は倒しておいたから、入れてくれないか?」
ちゃんと中にも聞こえただろう。しばらく経っても入れるようにならなければ侵入すればいい。


「精霊様ノ匂イ」「出迎エル」「怖イ人イナイ」「入リ口コッチ」
しばらく待ってると、川からぞろぞろと精霊の子がやって来て俺を歓迎する。

「案内してもらおうか」

「お師匠様、そこに誰かいるのですか?」
ルイナには見えも聞こえもしていないようだ。

「こいつは信用出来る俺の弟子だ。一緒に案内してくれ」
俺の頼みでルイナにも精霊の子が見えるようになる。

「川ニ潜ル。泉出ル」
精霊の子に言われたとおり転移陣をくぐり、目的の人物を見つける。

「悪魔を追い払っていただきありがとうございます」
天使が俺達を見て一瞬驚いた後、何事もなかったかのように礼を言う。
俺のことは感知出来ていなかったのだろうと予想する。

「たまたま見かけただけだから気にするな。ここは精霊の泉だろ?精霊はいないのか?」
エルクとエレナの方をチラッと見てから天使に答えのわかっている問いをする。

「今は私がここの管理をしています。あなたのことをお聞きしてもよろしいですか?悪魔と戦えるだけの実力をお持ちだということも気になりますが、私のことをご存知のご様子ですね」
天使が答え、質問を返す。自分が精霊だという嘘は吐かないようだ。

「俺はリュート。遠い昔にお前の上司からこの地に送られた勇者だ」

「えっ!?」
俺の言葉に驚いたのは天使ではなくエルクだ。
天使が驚かないということは、リュートがこの地に来る前からずっと天界に戻っていないということだろう。

「俺のことを知ってるのか?」
俺はエルクに聞く。エルクは以前王子から勇者の話を聞いているから、勇者という言葉に反応したのか、それとも勇者ということで同じ地球人だということに反応したのか。

「勇者について聞いたことがあるだけです」

「勇者が魔王を殺して人魔戦争が始まったという話か?」

「そう……です」

「その話には決定的に間違っていることがある。真実を知りたいか?」

「……大丈夫です」
深入りはしないようだ。

「話が逸れたな。天使のお前がどうしてここにいるんだ?ここの管理は精霊の仕事だろう」

「精霊が不在なので、次の精霊が現れるまで代わりを務めているだけです」

「恩義せがましく言っているが、お前がここにいたらいつまでも精霊が現れることはないんじゃないか?この空間が崩壊しそうになった時に、精霊の子が危機を感じて集まって1人の精霊になるんだからな。まあ、そんな些細なことはどうでもいい。俺は天界に行きたいんだ。お前も本当は帰りたいんじゃないか?」
俺が天使を探していた理由は門の開閉だ。前回ドラゴンの首を投げ入れたことで天界がどこにあるかはわかっているが、入り口は見つからず、転移することも出来ない。

「確かに私がここを去れば新たな精霊が生まれるかもしれません。しかし、必ずではありません。生まれなければこの子達は死んでしまいます。傷ついた体を癒す為にこの地をお借りした責任として、新たに精霊が生まれるまでは私はここを去ることは出来ません」

「お前が傷ついたのは悪魔にやられたからか?」

「あの頃は今と違い多くの悪魔が暴れていました」

「悪魔程度に負けたことで天界に帰りづらいだけだろうが、こいつらの為だということにしておいてやる。精霊が生まれればここを出て天界に帰るんだな?」

「私がここにいる必要はなくなりますが、この翼では満足に飛ぶことは出来ませんので帰ることは出来ません」

「天界には俺が運んでやるから問題ない。お前は門だけ開けてくれればそれでいい。とりあえず、精霊を誕生させるか。ルイナ、精霊の子を全員亜空間に捕まえてこい」
ここで天使を実力行使で攫ってもいいが、極力穏便に進めるつもりで行動する。

「わかりました」
ルイナが近くにいた精霊の子から順に回収を始める。

「酷いことはしないでください」
天使に言われるが、元からここの住人に危害を加える気はない。

「精霊にするために集めるだけだ。他意はない」

「あなたが天界に行きたい理由をお聞きしてもよろしいですか?私も帰れるなら主の下に帰りたいです。しかし、理由も聞かずにあなたを案内するわけにはいきません」
当然の問いがくる。

「俺が勇者だという話はさっきしたはずだ。元々神によって俺はこの地に連れてこられた。元の世界に戻してもらう為に神に会わなければならない」
本心とは違う用意しておいた答えを返す。

「本当のことを言っていますか?あなたからは良くない空気を感じます。あの子達が連れて来てしまっただけで、出来ることならここに入れるつもりもありませんでした」

「バレているなら隠す必要もないか。俺は神に恨みがある。一発殴ればスッキリするのか、消滅させないと気が済まないのかはわからないが、まずは会わなければ始まらない。案内人として天使を探していた」
穏便に進める方針は変更だな。

「そのような方を連れて行くわけにはいきません」
当然天使には案内を断られる。

「お前らは神に対して怒りは感じないのか?神の怠慢で毎年何人もの村人が命を落としている。その尻拭いをお前らはしているんだぞ?」
エルクとエレナに話を振る。

「神はいつでも私達を見てくれています」
エレナが教会の連中が言いそうな答えをする。

「見てるかもしれないな。それで、神が何かしてくれたか?お前も神に対して思うところはないのか?」
エルクに問う。

「思うところが無いとは言わないけど、お兄さんのような怒りはないよ」
エルクが答える。俺と一緒に神への怒りも抜けたようだ。

「そうか。同志となれずに残念だ」
エルクは元のエルクへと戻っていっているようで安心だ。

「お師匠様、集め終わりました」
いいところでルイナが戻ってくる。

「ご苦労。後は任せろ」
ルイナの亜空間に介入して、精霊の子達に各種強化魔法を掛ける。
閉ざされた空間の中に自分達を導く者がいなければ、自分達でなんとかしようと集まって一つの存在になる。それが精霊の子の本能だ。強化魔法でサポートしてやれば失敗することもない。

「成功だな。出してやれ」
精霊の子が集まり1つの生命体になったので、ルイナに外に出させる。

「はい」
ルイナが返事をして、美しい女性が現れる。頭には精霊の子にもあった角が生えており、姿が半分透けているが、それ以外は普通の人と外見は変わりない。
今は精霊となった反動で気を失っているが、目を覚ませば新たな精霊の子を作りここの管理を始めるだろう。

「これでお前がここにいる理由は無くなったな。一緒に来てもらおうか」

「お断りしたはずです。私がここから出ることと、あなた達に協力することは別の話です」

「お前の意思は聞いていない。お前の意思を汲んでここに精霊を生まれさせただけで、元より手段を選ぶつもりはない。穏便に済むならその方がいいと話から始めただけだ」

「実力行使がお望みならお相手します。悪魔を討伐していた全盛期には劣りますが、下界の民に遅れを取るほど腕は鈍っていません」
天使が光の剣を作り出し、ブンッ!っと振って構える。

「はっ、実力差もわからないのに俺に勝てるつもりなんて滑稽だな」

「笑っていられるのも今だけです。あなたを生かしておいてもろくな事になりません。主の下へと送ります」
天使が光の剣を俺の心臓に突き刺そうと光速ともいえる速さで向かってくるので、そのまま受ける。

「防護魔法も突破出来ていないみたいだが、これで本気か?それじゃあ捕まえさせて……おっと」
光の剣は俺の胸の前で止まっており、天使が押し込もうと力を加える事で震えるだけで、先には全く進まない。
魂の牢獄を使おうと天使の首を掴もうとした所で、俺を覆うように水の膜が張られたので反射的に手を引く。
水の檻に閉じ込められたようだ。

「状況がよくわからないけど、捕まえから詳しく話を聞きます。触ると怪我します。2人とも動かないでください」
エレナが一歩前に出て忠告する。
俺だけでなく天使も水の檻に囚われている。
光の剣が消滅したことから、天使の聖魔法よりもエレナの水魔法の方が実力は上だな。

エレナと敵対するつもりはなかったが、これは仕方ないかもしれないな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...