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第一章 ~『婚約破棄された化け物聖女』~
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「マリア、貴様は本当に醜いな」
「え……」
王宮に呼び出されたマリアは、婚約者であるウィルに侮辱される。黒髪黒目の麗人である彼は、王国の宝と称されるほど整った顔立ちをしている。彼の容姿と比較すれば、すべての女性が劣って見えても不思議ではない。
だがマリアの知る彼は、こんな酷いことを口にする男ではない。縋るように視線を向けると、彼は絶望を言葉に変える。
「聞こえなかったのなら、もう一度伝えてやる。俺は貴様の醜さに耐えられない。婚約を破棄させてもらう」
「――――ッ」
聞き間違いではなかった。ウィルは冷酷な口調で、婚約破棄を突きつける。助けを求めるように周囲を見渡すが、ここは彼の私室だ。部屋の中には誰もいない。暖炉の薪がパチパチと燃える音だけが鳴っていた。
「本気なのですね……」
「冗談で口にすることではないからな」
「……っ……あ、あの……わ、私に至らない部分があれば直します……だから……これからも一緒に……」
マリアはウィルを愛していた。簡単に諦めきれるはずもない。
だがそんな彼女を絶望させるため、ガチャリと扉が開かれる。現れたのは見知った人物――妹のキャロルであった。
「お姉様、往生際が悪いですわよ」
「キャロル……どうしてあなたが?」
「お姉様の代わりに、私がウィル様と結婚するからですわ」
キャロルはニヤニヤと笑みを浮かべながら、ウィルに寄り添う。マリアと瓜二つの顔立ちだが、黄金を溶かしたような金髪と赤い瞳のため、受ける印象は大きく異なる。御伽噺に出てくる堕天使や子悪魔のような暗い美貌の持ち主だった。
「どうしてキャロルと……」
「そんなの私の方が可愛いからに決まっていますわ」
「で、ですが、私とウィル様は将来を誓い合った仲です!」
「口約束を本気にしたお姉様が馬鹿なだけですわ」
「そ、そんなの……」
あまりに理不尽な物言いだ。キャロルに怒りを向けるが、ウィルが庇うように前へ出た。
「貴様には負けたよ。金貨千枚でどうだ?」
「え、金貨……」
「手切れ金としては十分だと思うがな。欲張りな女だ。一万枚に増やしてやろう。これだけあれば、余生を幸せに過ごせる。俺の優しさに感謝するんだな」
「…………」
言葉が喉に詰まって出てこない。ただ一つだけ分かったことがある。彼との愛は失われたのだ。目尻から涙が零れて頬を伝うと、ウィルは鼻で笑った。
「貴様のような怪物でも涙を流すんだな」
怪物。ウィルが彼女をそう呼ぶのには二つの理由がある。
一つは彼女の圧倒的な魔法の力だ。古今東西の高位魔法を習得し、最も得意な回復魔法は無くした腕さえ生やせるほどだ。聖女の称号を持つ彼女は、間違いなく王国一の魔法使いだ。
だが優れているだけでは、怪物と呼ばれるに至らない。マリアの嫌悪される要因は、その外見にあった。
筋の通った鼻立ちと、雪のような白磁の肌。顔だけなら神話の女神のように美しい。だが透き通るような銀髪がまずかった。
王国は宗教的理由から髪色こそが美醜の最たる判断基準になっていた。黒髪や金髪は優れており、銀髪は忌避されている。
だからこそ妹のキャロルと顔が瓜二つであるにも関わらず、醜い女として扱われてきた。
「貴様には世話になったからな。愛そうと努力もした。だがな、やはり無理だ。ブスに三日で慣れることはなかったのだ」
ウィルは感情ではなく、生理的に無理だと証明するように粟立つ肌を示す。
彼は世界で唯一、銀髪でもマリアを愛してくれた人だった。だが心の底では、嫌悪されていたと知り、胸が張り裂けるような痛みに襲われる。
耐えられなくなったマリアは、胸を押さえつけながら、彼らに背を向ける。
「私、もう帰りますね……」
肩を落とし、トボトボと立ち去ろうとする。その背中に、キャロルがゆっくりと近づくと声をかけた。
「お姉様の分も、私は幸せになります……甘い結婚生活を楽しみますわ」
「…………」
「だから……死んでくださいまし♪」
キャロルは懐からナイフを取り出すと、マリアの背中に突き刺す。油断していた彼女を襲った一撃は、白い肌を突き破り、臓器へと届いた。血がドレスを赤く染めていく。
「さすがのお姉様でも不意の一撃には耐えられないでしょう」
「……っ……」
「あらあら、回復魔法を使おうとしても無駄ですわよ。このナイフは特別性でして。回復魔法で癒せない傷を与えることができますの」
キャロルは何度もナイフを突き立てる。そのたびに、マリアの口元から血が流れた。救いを求めるように、ウィルを見上げるが、彼は冷酷な瞳を向けるばかりだ。
「まさか……ウィル様も……」
「もちろん共犯ですわ。私たちのこれからの人生に、お姉様は邪魔でしかありませんから」
「……ぅ……ど、どうして……こんな目に……」
「それはお姉様が醜いからですわ……来世では、美しい髪の持ち主になれるといいですわね」
キャロルはトドメを刺そうと、ナイフを突き立てながら皮肉を零す。だがその言葉で、彼女は自分にかけられた魔法を思い出す。
「は、はやく、逃げ……」
「もちろん逃がしませんわ♪」
命乞いだと思ったのか、キャロルは無視してナイフを突き立て続ける。だがマリアの真意は別にあった。
(このままだとキャロルとウィル様が……)
マリアは魔法の知識を維持したまま、新しい人生へと旅立つことのできる『転生魔法』を習得していた。
『転生魔法』は命を落とすと本人の意思を無視して自動で発動する。しかも影響範囲は自分でコントロールすることができない。魔力の残量から周囲にいる人間を巻き込んで発動してしまうのだ。
(キャロル、ウィル様、ごめんなさい……)
裏切られたにも関わらず、マリアは最後まで二人に謝罪する。命が尽きて意識が途絶えると、彼女を包み込むように光が放たれ、キャロルとウィルを包み込んだ。
「なんだ、この光は!」
「お姉様、無駄な足掻きは止めて!」
慌てる二人の言葉は、意識を失ったマリアに届かない。『転生魔法』の対象に含まれた三人は、新しい世界へと旅立つのだった
「え……」
王宮に呼び出されたマリアは、婚約者であるウィルに侮辱される。黒髪黒目の麗人である彼は、王国の宝と称されるほど整った顔立ちをしている。彼の容姿と比較すれば、すべての女性が劣って見えても不思議ではない。
だがマリアの知る彼は、こんな酷いことを口にする男ではない。縋るように視線を向けると、彼は絶望を言葉に変える。
「聞こえなかったのなら、もう一度伝えてやる。俺は貴様の醜さに耐えられない。婚約を破棄させてもらう」
「――――ッ」
聞き間違いではなかった。ウィルは冷酷な口調で、婚約破棄を突きつける。助けを求めるように周囲を見渡すが、ここは彼の私室だ。部屋の中には誰もいない。暖炉の薪がパチパチと燃える音だけが鳴っていた。
「本気なのですね……」
「冗談で口にすることではないからな」
「……っ……あ、あの……わ、私に至らない部分があれば直します……だから……これからも一緒に……」
マリアはウィルを愛していた。簡単に諦めきれるはずもない。
だがそんな彼女を絶望させるため、ガチャリと扉が開かれる。現れたのは見知った人物――妹のキャロルであった。
「お姉様、往生際が悪いですわよ」
「キャロル……どうしてあなたが?」
「お姉様の代わりに、私がウィル様と結婚するからですわ」
キャロルはニヤニヤと笑みを浮かべながら、ウィルに寄り添う。マリアと瓜二つの顔立ちだが、黄金を溶かしたような金髪と赤い瞳のため、受ける印象は大きく異なる。御伽噺に出てくる堕天使や子悪魔のような暗い美貌の持ち主だった。
「どうしてキャロルと……」
「そんなの私の方が可愛いからに決まっていますわ」
「で、ですが、私とウィル様は将来を誓い合った仲です!」
「口約束を本気にしたお姉様が馬鹿なだけですわ」
「そ、そんなの……」
あまりに理不尽な物言いだ。キャロルに怒りを向けるが、ウィルが庇うように前へ出た。
「貴様には負けたよ。金貨千枚でどうだ?」
「え、金貨……」
「手切れ金としては十分だと思うがな。欲張りな女だ。一万枚に増やしてやろう。これだけあれば、余生を幸せに過ごせる。俺の優しさに感謝するんだな」
「…………」
言葉が喉に詰まって出てこない。ただ一つだけ分かったことがある。彼との愛は失われたのだ。目尻から涙が零れて頬を伝うと、ウィルは鼻で笑った。
「貴様のような怪物でも涙を流すんだな」
怪物。ウィルが彼女をそう呼ぶのには二つの理由がある。
一つは彼女の圧倒的な魔法の力だ。古今東西の高位魔法を習得し、最も得意な回復魔法は無くした腕さえ生やせるほどだ。聖女の称号を持つ彼女は、間違いなく王国一の魔法使いだ。
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王国は宗教的理由から髪色こそが美醜の最たる判断基準になっていた。黒髪や金髪は優れており、銀髪は忌避されている。
だからこそ妹のキャロルと顔が瓜二つであるにも関わらず、醜い女として扱われてきた。
「貴様には世話になったからな。愛そうと努力もした。だがな、やはり無理だ。ブスに三日で慣れることはなかったのだ」
ウィルは感情ではなく、生理的に無理だと証明するように粟立つ肌を示す。
彼は世界で唯一、銀髪でもマリアを愛してくれた人だった。だが心の底では、嫌悪されていたと知り、胸が張り裂けるような痛みに襲われる。
耐えられなくなったマリアは、胸を押さえつけながら、彼らに背を向ける。
「私、もう帰りますね……」
肩を落とし、トボトボと立ち去ろうとする。その背中に、キャロルがゆっくりと近づくと声をかけた。
「お姉様の分も、私は幸せになります……甘い結婚生活を楽しみますわ」
「…………」
「だから……死んでくださいまし♪」
キャロルは懐からナイフを取り出すと、マリアの背中に突き刺す。油断していた彼女を襲った一撃は、白い肌を突き破り、臓器へと届いた。血がドレスを赤く染めていく。
「さすがのお姉様でも不意の一撃には耐えられないでしょう」
「……っ……」
「あらあら、回復魔法を使おうとしても無駄ですわよ。このナイフは特別性でして。回復魔法で癒せない傷を与えることができますの」
キャロルは何度もナイフを突き立てる。そのたびに、マリアの口元から血が流れた。救いを求めるように、ウィルを見上げるが、彼は冷酷な瞳を向けるばかりだ。
「まさか……ウィル様も……」
「もちろん共犯ですわ。私たちのこれからの人生に、お姉様は邪魔でしかありませんから」
「……ぅ……ど、どうして……こんな目に……」
「それはお姉様が醜いからですわ……来世では、美しい髪の持ち主になれるといいですわね」
キャロルはトドメを刺そうと、ナイフを突き立てながら皮肉を零す。だがその言葉で、彼女は自分にかけられた魔法を思い出す。
「は、はやく、逃げ……」
「もちろん逃がしませんわ♪」
命乞いだと思ったのか、キャロルは無視してナイフを突き立て続ける。だがマリアの真意は別にあった。
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マリアは魔法の知識を維持したまま、新しい人生へと旅立つことのできる『転生魔法』を習得していた。
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(キャロル、ウィル様、ごめんなさい……)
裏切られたにも関わらず、マリアは最後まで二人に謝罪する。命が尽きて意識が途絶えると、彼女を包み込むように光が放たれ、キャロルとウィルを包み込んだ。
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