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第3章 魔導要塞の攻防
第48話 クエスト依頼(後編)
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セラフィーナはあの時の出来事を思い返していた。恐ろしく強大な黒魔術を行使するかつての白魔術師・リアム。行方不明、消息不明と言われていたその男はがそこには確かにいた。傍らにはその男に性奴隷として買われたという少女もいた。
だが、実際のところはその少女・リリカは、主人であるリアムを本気で慕い、リアムもまた彼女を魔術師として育てていた。性奴隷として扱っていたとしたらそのように育てるとは考えにくい。無人島に隔離された二人だ。男女の関係が全くないと言い切ることは正直疑わしい。しかし、少なくともリリカが玩具のように扱われていたのではないことは彼女の様子を見れば明らかだった。
無謀な戦いを挑み、その報いで受けた傷の治療を受け、少女の身の上の心配も余計なものだった。
(全てが徒労に終わった一件だった。)セラフィーナは記憶を思い起こして、その苦い記憶に目を閉じ眉を寄せた。自分も他のメンバー二人と気持ちは同じだ。あの島に、あの男にまた無謀な戦いを挑むのはごめんこうむりたい。
だが・・・、女のセラフィーナはリリカのその後が本当に幸せなものになるのか、やはり気にかかった。そもそも誰もいない島に、あどけない少女を連れ込むような男なのだ。最初は優しくしていても次第に欲望に任せるようになるのではないか。もし、そうなったらあの娘にはなすすべはないだろう。後はあの男がいなくなるか飽きるまで、ただただ耐え忍ぶ日々を送ることになる。
もう一つ気になることがある。世界を襲った「暗黒大事変」がアロン島で起きたとされるていること。セラフィーナ自身は天空の闇がアロン島の上空から拡散し、空を覆いつくしたと言われるその一部始終を目撃したわけではない。しかし、彼女はその噂を聞いて、真実だと確信していた。
あの男なら、あの超巨大な魔力を持つリアムなら、あの事変を起こす力はあるのではないか。ただ一方で、生身の人間が世界を闇に陥れるなどということは、やはり無理なのではとも思う。しかし、それが無理だとしても魔物の類を召喚したとするなら・・・。少なくともあのリアムならそれは可能だろう。そして、気になるのは、もしかしたらあの少女が、リリカがその禁術の生贄に使われたのでは、というところだ。
(・・・そういうふうには考えたくない。)そういう思いはある。こちらから命を奪いに攻めておきながら、返り討ちにあった自分たちの治療を施してくれた男だ。こちらの手前勝手な頼みをあの男は、人命を助けるため、それだけの理由で受け、かつての治療魔術師としての矜持を示した。
それでも彼女は本能的に男と言う生き物を疑っている。女が恐怖を抱くような強力で身勝手な性欲を持ち、つましくも平和な生活よりも、身の破滅を賭けてでも博打のような勝負を挑む。粗暴で理解不能で向こう見ず。冒険者ギルドで生きてきた彼女にとっての男性像はそういうものなのだ。そして、そういう警戒心を持っているからこそ、女ながら今も現役の傭兵として生き続けているともいえる。
だから、リアムに対しても疑念が沸く。力を持ちながらなぜ無人島に住むのか。少女を連れ込みあれほどに心酔させ・・・、そしてその島であの事変は起きた。むしろリリカがあからさまに性奴隷として扱われ、生気の抜けた姿をさらしていたら、逆に今、このように疑念を持たなかったかもしれない。それだけの男と理解できる。だが、ただの欲望のはけ口としてではなくあの娘を育てたのは、もしや何かしらの魔物の召喚の生贄とするため?
(わからない。そんなふうには考えたくない。だが・・・)無言で思考を続けたセラフィーナは、しかし、それ以上考えを巡らせても答えは出ないことを悟った。真実をその目で見る以外に明らかにするすべはないのだ。
(所詮は他人事だ。私があの少女のことを気にかける立場にはないし、彼女に何かがあったところで私の生活に何ら支障はない。だが、冒険者の仕事として、クエストとしてあの娘の様子を伺う機会があるのなら・・・。)
「・・・報酬は、Aクラスクエスト級を約束する。任務は我が国の聖騎士団とフォルセルの魔術師団の連合パーティの道案内のみ。島内の何者かを仕留めることは任務には含めぬ。だが、仮に魔物を倒すか、件の男の身柄を拘束するか、いや首級を上げても構わないが、いずれかをすれば報酬は上乗せする。このクエストを受けた時点で前金で報酬の3分の1までなら払ってもいい。」
「・・・破格ね。」
「フォルセル王国までもが関わる案件となっているからな。国の対面もある。こちらも必死なんだよ。以前のカーネル将軍のような失敗は今回は許されない。」
「・・・分かった。受けよう。」
「!!本当か!ありがたい。これで俺も肩の荷が下りる。」
ジェーダは深く息をつき、心底安堵した様子を見せた。手ぶらでは帰れない任務だったのだろう。二人の関係者に断られ、彼も追い詰められていたのだ。
(私に何ができるわけではないのは分かっている。だが、これも運命のめぐりあわせ。あの娘が今、どうなっているかこの目で見届けよう。)もし、生きていて不幸な日々を送っているのであれば、私が連れて帰ろう。あの男に命を狙われようとも。いくらまじめな気性とはいえ、他人であるセラフィーナがそこまでの覚悟を決める義理はないのだが、あの時に見たリリカの純粋な目が、彼女にそこまでの決意をさせたのかもしれない。
「あっあっ、ご主人様そこ♪そこ、そこいいの!ぃっぃいっいいぃのぉ!♪♡♪(ギュ)」
「くっ、ぅあっ(し、締まる)」
ビュビュッピュッピュ─────
今日も夜のお勉強を終え、ご褒美をしてもらったリリカは、屈託のない純粋な目を輝かせて、幸せな時間を噛みしめていた。ベッドの中で正常位でもつれ合った二人は、頬を擦りつけ合い、お互いをきつく抱きしめ合い、前後不覚に陥り、しばらく部屋は静寂に包まれた。やがてリリカがリアムの髪を撫でながら口を開く。
「はぁー・・・(気持ち良かった♨)リリカね、前向いてするとご主人様のことギュってできるから好きです♡」
「・・・中はどっち向いててもギュってされるけどな。」
「エヘヘ。リリカがギュってするとご主人様すぐミルク出しますよね♪」
「・・き、気持ちいいからな(赤面)」
「(ご主人様、可愛い♡)ご主人様(チュ♡)」
「お前ってさ・・・ほ・・、本当に可愛いよな。」
「え、ほんと?(ギュ)」
「ちょ、出た後で中を締めたらいかん。」
「えー?・・・エイ!(ギュッギュッ)」
「あ、くっ、こら、リリカ(チュ)」
「ん!フフッご主人様ぁ♪(チュ)」
チートマカを自重するようになって、一日の回数は以前の水準に戻ったが、ご褒美時間のイチャイチャは以前よりかなり濃厚になったようだ。
こんなのを見てしまったら多分、セラフィーナはまじめに心配したことを海より深く後悔することになるだろう。。。
──────────
シリアス展開を台無しにする感じで、エロシーンを入れてしまいました。
Aクラスクエストは、年に数回あるかないかの高額報酬のクエストです。1000G(一千万円相当)くらいもらえます。
だが、実際のところはその少女・リリカは、主人であるリアムを本気で慕い、リアムもまた彼女を魔術師として育てていた。性奴隷として扱っていたとしたらそのように育てるとは考えにくい。無人島に隔離された二人だ。男女の関係が全くないと言い切ることは正直疑わしい。しかし、少なくともリリカが玩具のように扱われていたのではないことは彼女の様子を見れば明らかだった。
無謀な戦いを挑み、その報いで受けた傷の治療を受け、少女の身の上の心配も余計なものだった。
(全てが徒労に終わった一件だった。)セラフィーナは記憶を思い起こして、その苦い記憶に目を閉じ眉を寄せた。自分も他のメンバー二人と気持ちは同じだ。あの島に、あの男にまた無謀な戦いを挑むのはごめんこうむりたい。
だが・・・、女のセラフィーナはリリカのその後が本当に幸せなものになるのか、やはり気にかかった。そもそも誰もいない島に、あどけない少女を連れ込むような男なのだ。最初は優しくしていても次第に欲望に任せるようになるのではないか。もし、そうなったらあの娘にはなすすべはないだろう。後はあの男がいなくなるか飽きるまで、ただただ耐え忍ぶ日々を送ることになる。
もう一つ気になることがある。世界を襲った「暗黒大事変」がアロン島で起きたとされるていること。セラフィーナ自身は天空の闇がアロン島の上空から拡散し、空を覆いつくしたと言われるその一部始終を目撃したわけではない。しかし、彼女はその噂を聞いて、真実だと確信していた。
あの男なら、あの超巨大な魔力を持つリアムなら、あの事変を起こす力はあるのではないか。ただ一方で、生身の人間が世界を闇に陥れるなどということは、やはり無理なのではとも思う。しかし、それが無理だとしても魔物の類を召喚したとするなら・・・。少なくともあのリアムならそれは可能だろう。そして、気になるのは、もしかしたらあの少女が、リリカがその禁術の生贄に使われたのでは、というところだ。
(・・・そういうふうには考えたくない。)そういう思いはある。こちらから命を奪いに攻めておきながら、返り討ちにあった自分たちの治療を施してくれた男だ。こちらの手前勝手な頼みをあの男は、人命を助けるため、それだけの理由で受け、かつての治療魔術師としての矜持を示した。
それでも彼女は本能的に男と言う生き物を疑っている。女が恐怖を抱くような強力で身勝手な性欲を持ち、つましくも平和な生活よりも、身の破滅を賭けてでも博打のような勝負を挑む。粗暴で理解不能で向こう見ず。冒険者ギルドで生きてきた彼女にとっての男性像はそういうものなのだ。そして、そういう警戒心を持っているからこそ、女ながら今も現役の傭兵として生き続けているともいえる。
だから、リアムに対しても疑念が沸く。力を持ちながらなぜ無人島に住むのか。少女を連れ込みあれほどに心酔させ・・・、そしてその島であの事変は起きた。むしろリリカがあからさまに性奴隷として扱われ、生気の抜けた姿をさらしていたら、逆に今、このように疑念を持たなかったかもしれない。それだけの男と理解できる。だが、ただの欲望のはけ口としてではなくあの娘を育てたのは、もしや何かしらの魔物の召喚の生贄とするため?
(わからない。そんなふうには考えたくない。だが・・・)無言で思考を続けたセラフィーナは、しかし、それ以上考えを巡らせても答えは出ないことを悟った。真実をその目で見る以外に明らかにするすべはないのだ。
(所詮は他人事だ。私があの少女のことを気にかける立場にはないし、彼女に何かがあったところで私の生活に何ら支障はない。だが、冒険者の仕事として、クエストとしてあの娘の様子を伺う機会があるのなら・・・。)
「・・・報酬は、Aクラスクエスト級を約束する。任務は我が国の聖騎士団とフォルセルの魔術師団の連合パーティの道案内のみ。島内の何者かを仕留めることは任務には含めぬ。だが、仮に魔物を倒すか、件の男の身柄を拘束するか、いや首級を上げても構わないが、いずれかをすれば報酬は上乗せする。このクエストを受けた時点で前金で報酬の3分の1までなら払ってもいい。」
「・・・破格ね。」
「フォルセル王国までもが関わる案件となっているからな。国の対面もある。こちらも必死なんだよ。以前のカーネル将軍のような失敗は今回は許されない。」
「・・・分かった。受けよう。」
「!!本当か!ありがたい。これで俺も肩の荷が下りる。」
ジェーダは深く息をつき、心底安堵した様子を見せた。手ぶらでは帰れない任務だったのだろう。二人の関係者に断られ、彼も追い詰められていたのだ。
(私に何ができるわけではないのは分かっている。だが、これも運命のめぐりあわせ。あの娘が今、どうなっているかこの目で見届けよう。)もし、生きていて不幸な日々を送っているのであれば、私が連れて帰ろう。あの男に命を狙われようとも。いくらまじめな気性とはいえ、他人であるセラフィーナがそこまでの覚悟を決める義理はないのだが、あの時に見たリリカの純粋な目が、彼女にそこまでの決意をさせたのかもしれない。
「あっあっ、ご主人様そこ♪そこ、そこいいの!ぃっぃいっいいぃのぉ!♪♡♪(ギュ)」
「くっ、ぅあっ(し、締まる)」
ビュビュッピュッピュ─────
今日も夜のお勉強を終え、ご褒美をしてもらったリリカは、屈託のない純粋な目を輝かせて、幸せな時間を噛みしめていた。ベッドの中で正常位でもつれ合った二人は、頬を擦りつけ合い、お互いをきつく抱きしめ合い、前後不覚に陥り、しばらく部屋は静寂に包まれた。やがてリリカがリアムの髪を撫でながら口を開く。
「はぁー・・・(気持ち良かった♨)リリカね、前向いてするとご主人様のことギュってできるから好きです♡」
「・・・中はどっち向いててもギュってされるけどな。」
「エヘヘ。リリカがギュってするとご主人様すぐミルク出しますよね♪」
「・・き、気持ちいいからな(赤面)」
「(ご主人様、可愛い♡)ご主人様(チュ♡)」
「お前ってさ・・・ほ・・、本当に可愛いよな。」
「え、ほんと?(ギュ)」
「ちょ、出た後で中を締めたらいかん。」
「えー?・・・エイ!(ギュッギュッ)」
「あ、くっ、こら、リリカ(チュ)」
「ん!フフッご主人様ぁ♪(チュ)」
チートマカを自重するようになって、一日の回数は以前の水準に戻ったが、ご褒美時間のイチャイチャは以前よりかなり濃厚になったようだ。
こんなのを見てしまったら多分、セラフィーナはまじめに心配したことを海より深く後悔することになるだろう。。。
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