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第4章 リリカのお勉強
第26話 焼き物
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コテコテ、ペタペタ・・・。天気の良い昼下がりのこと、リアムとリリカは泥んこをいじっている。どういう風の吹き回しか、別に子供のように泥遊びをしているわけではない。
2日ほど前、食事の準備をしている時に小さな事故が起きた。その日のメインはシチューで、リリカはじっくり時間をかけて鍋の番をした。よし、とろみといい、味・香りといい渾身のでき!と思い、かまどから運ぼうとした時に・・・、足を滑らせた。
あっ!
ガシッ!
ばっちりリリカを支えたリアム。鍋の中身も何とか無事だったが・・・、お皿が割れた。配膳の最中だったリアムが、持っていた皿を放り投げてリリカのところに飛んで言ったのだ。
そんな事があり、愛用のお皿がなくなってしまったので、作ろうかという話になった。食器自体は、普段使ってないものもあるので、1,2枚お皿が割れたところで困ることはないのだが、今後も何かで割れたりして、少しずつ減っていくことも考えると、新たな食器の調達のことも考えておかねばならない。でも、市場など公共の場にリアムが顔を出すのは、修道院の組織のものにつかまる恐れがあるから、島からは出たくない。じゃあ、島にあるもので何とか作れないか、という考えに及んだのだ。
リアムが修道院に入信する以前、彼の家はスラム街で貧乏な小間物屋を営んでいた。店に並べられた雑貨類の中には、質は悪いが陶磁器の食器もいくつかあった。同じ町内のおじさんが釜を持っていて、父親の仕入れについていき、焼き物作りの様子を見たことがあった。(材料があれば、たぶん作れる。)焼き物づくりに手を出そうとするのは、そういう過去があったからこそである。
近くの小川の川底に堆積している粘土層をリアムがこそいで引き上げた。これを捏ねて皿の形にし水分を飛ばしてから、釜で焼けば狙い通りの皿ができそうだ。
意外にもリリカが、乗り気で手を泥だらけにして、皿の形を作った。器用に作業台を回転させて円形の形を作っていく。手先が器用なリリカは、皿だけではなく、水差しや花瓶など余った粘土でいろいろ小物を作った。数時間もするとなかなかの力作ができた。
「ご主人様、これ楽しいですね。リリカ、もっといろいろ作ってみたいです!」
「洋服といい、お前手作業、ほんとにうまいな。もう粘土がないけど、また取ってきたらやろうか。」
「はい!で、これ乾いたら使えるんですか?」
「流石にそれはない。乾かしてから、丸一日かけて釜で焼くんだ。」
「釜って、新しく作るんですか?」
「本当は作った方がいいけどな。今回はまず、うまく焼けるかの試しもあるんで、台所のかまどを代わりにしてみよう。一番戸口側の奴はあまり使ってないだろう?あれで試そうか。」
リリカがかまどに作った粘土の皿を持ってきた。
「ご主人様、このままかまどの中に入れればいいですか?」
「待て。これを塗ってからだ。」
リアムが用意したものは、粘土と薪の燃えカスを水に混ぜて作った釉薬だ。素焼きでは、水分が通り抜けるような皿しかできないため、実用的なものを焼くには、表面をガラス質でコーティングするための釉薬が必要である。炉にくべる前に二人で釉薬を塗っていよいよ着火なのだが。
「リリカさん、これは何かな?」
「あ、それは粘土が少し余ったので作ってみました。」
余った粘土で作られた、水差しや、花瓶、の他に円柱状の形に角を丸めた半球をつけたようなものがあった。キノコのような形ともいえる。
「ゆーやくを塗るとツルツルになるって聞いたので、どんなのができるか確かめたくって。」
「何に使うのかな。」
「おフェラの練sh・・・「捨てなさい。」
「・・・えー?せっかく作ったのに。」
「ご主人様命令です。これは廃棄!」
「は、はい。(シュン)」
恥じらいを知らないってのは恐ろしいことだと思うリアムであった。
結局お皿は意外とうまく焼けて、きれいに出来上がった。実は温度を上げるために、リアムが火の魔術を使ったりもしていたのだが。
お道具を作らせてもらえなかったリリカは、しばらくシュンとしていたが、「練習する暇があったら実践でうまくなりなさい。」というご主人様の言葉で機嫌が直った。お陰で今晩もしっかり吸い取られ、リアムは床に入るなりすぐに眠りにつくのだった。
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すみません。ちょっと変則的なことをしています。第26話はミスではありません。新章開始のつもりでこの話を作っていましたが、第3章にもう一話付け加えたくなりました。とはいえ、今更書く暇もなく、こちらはほぼ完成でしたので、順番がおかしいですが、明日25話をアップします。
ストックがないのでいつも自転車操業です。。
2日ほど前、食事の準備をしている時に小さな事故が起きた。その日のメインはシチューで、リリカはじっくり時間をかけて鍋の番をした。よし、とろみといい、味・香りといい渾身のでき!と思い、かまどから運ぼうとした時に・・・、足を滑らせた。
あっ!
ガシッ!
ばっちりリリカを支えたリアム。鍋の中身も何とか無事だったが・・・、お皿が割れた。配膳の最中だったリアムが、持っていた皿を放り投げてリリカのところに飛んで言ったのだ。
そんな事があり、愛用のお皿がなくなってしまったので、作ろうかという話になった。食器自体は、普段使ってないものもあるので、1,2枚お皿が割れたところで困ることはないのだが、今後も何かで割れたりして、少しずつ減っていくことも考えると、新たな食器の調達のことも考えておかねばならない。でも、市場など公共の場にリアムが顔を出すのは、修道院の組織のものにつかまる恐れがあるから、島からは出たくない。じゃあ、島にあるもので何とか作れないか、という考えに及んだのだ。
リアムが修道院に入信する以前、彼の家はスラム街で貧乏な小間物屋を営んでいた。店に並べられた雑貨類の中には、質は悪いが陶磁器の食器もいくつかあった。同じ町内のおじさんが釜を持っていて、父親の仕入れについていき、焼き物作りの様子を見たことがあった。(材料があれば、たぶん作れる。)焼き物づくりに手を出そうとするのは、そういう過去があったからこそである。
近くの小川の川底に堆積している粘土層をリアムがこそいで引き上げた。これを捏ねて皿の形にし水分を飛ばしてから、釜で焼けば狙い通りの皿ができそうだ。
意外にもリリカが、乗り気で手を泥だらけにして、皿の形を作った。器用に作業台を回転させて円形の形を作っていく。手先が器用なリリカは、皿だけではなく、水差しや花瓶など余った粘土でいろいろ小物を作った。数時間もするとなかなかの力作ができた。
「ご主人様、これ楽しいですね。リリカ、もっといろいろ作ってみたいです!」
「洋服といい、お前手作業、ほんとにうまいな。もう粘土がないけど、また取ってきたらやろうか。」
「はい!で、これ乾いたら使えるんですか?」
「流石にそれはない。乾かしてから、丸一日かけて釜で焼くんだ。」
「釜って、新しく作るんですか?」
「本当は作った方がいいけどな。今回はまず、うまく焼けるかの試しもあるんで、台所のかまどを代わりにしてみよう。一番戸口側の奴はあまり使ってないだろう?あれで試そうか。」
リリカがかまどに作った粘土の皿を持ってきた。
「ご主人様、このままかまどの中に入れればいいですか?」
「待て。これを塗ってからだ。」
リアムが用意したものは、粘土と薪の燃えカスを水に混ぜて作った釉薬だ。素焼きでは、水分が通り抜けるような皿しかできないため、実用的なものを焼くには、表面をガラス質でコーティングするための釉薬が必要である。炉にくべる前に二人で釉薬を塗っていよいよ着火なのだが。
「リリカさん、これは何かな?」
「あ、それは粘土が少し余ったので作ってみました。」
余った粘土で作られた、水差しや、花瓶、の他に円柱状の形に角を丸めた半球をつけたようなものがあった。キノコのような形ともいえる。
「ゆーやくを塗るとツルツルになるって聞いたので、どんなのができるか確かめたくって。」
「何に使うのかな。」
「おフェラの練sh・・・「捨てなさい。」
「・・・えー?せっかく作ったのに。」
「ご主人様命令です。これは廃棄!」
「は、はい。(シュン)」
恥じらいを知らないってのは恐ろしいことだと思うリアムであった。
結局お皿は意外とうまく焼けて、きれいに出来上がった。実は温度を上げるために、リアムが火の魔術を使ったりもしていたのだが。
お道具を作らせてもらえなかったリリカは、しばらくシュンとしていたが、「練習する暇があったら実践でうまくなりなさい。」というご主人様の言葉で機嫌が直った。お陰で今晩もしっかり吸い取られ、リアムは床に入るなりすぐに眠りにつくのだった。
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すみません。ちょっと変則的なことをしています。第26話はミスではありません。新章開始のつもりでこの話を作っていましたが、第3章にもう一話付け加えたくなりました。とはいえ、今更書く暇もなく、こちらはほぼ完成でしたので、順番がおかしいですが、明日25話をアップします。
ストックがないのでいつも自転車操業です。。
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