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第4章 リリカのお勉強
第28話 ご褒美の為に
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今日のアロン島は、しとしとと雨が降っている。こんな日は、洗濯はできないし、野良仕事もしない。昼前、リリカは台所周りや、リアムの部屋などをモップがけしたり、ゴミを片付けたりしていたが、一通り室内の仕事を終えると、部屋で魔導書を読むリアムに声をかけた。
「ご主人様。」
「どうした?」
「何か、リリカに御用とかありますか?」
「ない。」
「ご主人様のお部屋で、魔導書読んでもいいですか?」
「ん?魔術の勉強するのは、夜だろ?」
「予習しようかなと思って。」
「熱心だな。面白くなってきたか?」
「・・・その、まだ面白いとは・・・。とても難しくて大変です >_< 」
毎日リリカは、食事の支度、洗濯、掃除に畑仕事と、全く手を抜かずにこなしている。その上、夜は魔導書の勉強に2時間も費やしているのだ。もうそれだけで、1日のほぼ全てのを使ってしまいそうだというのに、彼女は夜の勉強のために予習をしようというのだ。
「正直なところな。かなり大変だろうし、リリカが弱音を吐いたら、やめにしてもいいかなと思ってたんだが・・・。もう一週間経つか。予習とか、結構お前頑張るよな。」
リアムは、リリカがあまりに無理をしてそうで心配になっている。
「だって、せっかく魔力をもらったのに魔法使えないなんで悔しいです。それと、ずっとノルマ達成できてないんで、ご褒美もらえてないのも悔しいです。」
「ああ・・・。・・・それもか。(まさかご褒美のモチベーションがここまでとは・・・)」
「今日は時間あるし、しっかり準備したいなと!」
意気込んで見せるも、「・・・でも。」と、煮え切らない感じにモジモジする。
「ん?」
「ご主人様、本当に嫌じゃないですか?リリカのこんなとこ舐めるの。」
(そもそも俺が教えたんだが、どんだけご褒美のことで頭がいっぱいだよ!)
それでも律儀なリリカは、ご主人様に失礼な事をさせてる感があって、ご褒美に対して遠慮がちだ。遠慮がちなのが、決して恥ずかしいからではないところがリリカ仕様である。
「ふふん、じゃこういうのはどうだ?ご褒美の後は、リリカは俺の抱き枕になる。俺にもちょっと旨味があるって事で。(どっちも旨味だがな。)」
「・・・!やります。(え、良いのかな!!?ご褒美が増えただけですけど!)」
心なしか、リリカの目つきが変わったような気がした。それから夕食の支度を始めるまでの数時間、リアムの部屋で机にかじりつくリリカの姿は、鬼気迫るものがあった。覚えたての字をたどたどしく読み、覚束ない筆運びで紙にメモを取り、取ってから考え、またメモを取り、ということをしている。読んで理解できないことを、どうやって質問しようか考えて、メモしているようだ。
(勉強なんかしたことないだろうに、すごい気迫だな。)
教育を受けた事のないリリカだが、仕事をいかに効率化するかという事については、常に考えて働く子だ。身についた「考える」「工夫する」習慣が、魔導書の勉強にもいかんなく発揮されているようだ。
この一週間、今まで考えたこともないような複雑な魔術の基礎理論を目の当たりにし、ちんぷんかんぷんだった。分からないので聞いてみるが、返ってくる解説がまたわからない。何が分からないかも分からない。
リリカは、およそ勉強できない子ちゃんが陥る最悪の状態になった。もっとも、読み書きを覚えたばかりの子が、最先端の研究論文を読むようなことをしているのだから無理もない。
しかし、太刀打ちできなくとも、分からない場所とそれが分からない理由だけでも、ハッキリさせてやろうとするリリカの姿勢には、厳しい環境を生き抜いてきた、彼女の粘り強さといえるだろう。
その日の魔術のお勉強は白熱した。頭の中を整理したリリカの質問は、的確で彼女自身の理解を深めると同時に、リアムもどこに重点を置いて教えるのが大事か学ばされる事になった。分からない子の気持ちが分かるきっかけを掴んだようだ。
初のノルマ達成。と言っても、術一つに60ページは費やされる魔導書の中の1ページを進めただけだったが、・・・しかし、それが大きな達成感を与えた。
「リリカ、今日の頑張りは素晴らしかったよ。」
「本当?ありがとうございます!よかった。じゃ、ご主人様♪ご褒美!」
「大丈夫か?相当頑張っていたから疲れてないか心配・・・」
「ご主人様!リリカ、このために頑張ったんだから!疲れてなんかいません。」
「お、おう。そうだな。」
一週間前の初めての絶頂感を、ずっと脳内で反芻し続けて飢えたリリカの気迫に、リアムはちょっとたじろいでしまった。
ベッドに連れ込んで髪を撫で、唇を合わせると、リリカは早くもトロトロに溶けていた。その後は官能の津波に流されるに任せて、リリカは心待ちにしていた「あの感覚」に身を震わせ、崩れ落ちるのだった。
(ご主人様にも「気持ちいい」をお返ししたいな)と思ったが、立ち所に睡魔がリリカを襲った。さらに抱き枕になってリアムの胸板に顔を埋めると、安心感も増幅してさっさと眠ってしまうのだった。
「・・・・・・(はぅ、ビクン)」
(またか!寝ながら俺の乳首吸うのやめてくれんかな。)
今日もなかなか眠りにつけないリアムであった。
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エロ小説にお呼びではないかもしれませんが、しばらく魔法回が続きますー。
「ご主人様。」
「どうした?」
「何か、リリカに御用とかありますか?」
「ない。」
「ご主人様のお部屋で、魔導書読んでもいいですか?」
「ん?魔術の勉強するのは、夜だろ?」
「予習しようかなと思って。」
「熱心だな。面白くなってきたか?」
「・・・その、まだ面白いとは・・・。とても難しくて大変です >_< 」
毎日リリカは、食事の支度、洗濯、掃除に畑仕事と、全く手を抜かずにこなしている。その上、夜は魔導書の勉強に2時間も費やしているのだ。もうそれだけで、1日のほぼ全てのを使ってしまいそうだというのに、彼女は夜の勉強のために予習をしようというのだ。
「正直なところな。かなり大変だろうし、リリカが弱音を吐いたら、やめにしてもいいかなと思ってたんだが・・・。もう一週間経つか。予習とか、結構お前頑張るよな。」
リアムは、リリカがあまりに無理をしてそうで心配になっている。
「だって、せっかく魔力をもらったのに魔法使えないなんで悔しいです。それと、ずっとノルマ達成できてないんで、ご褒美もらえてないのも悔しいです。」
「ああ・・・。・・・それもか。(まさかご褒美のモチベーションがここまでとは・・・)」
「今日は時間あるし、しっかり準備したいなと!」
意気込んで見せるも、「・・・でも。」と、煮え切らない感じにモジモジする。
「ん?」
「ご主人様、本当に嫌じゃないですか?リリカのこんなとこ舐めるの。」
(そもそも俺が教えたんだが、どんだけご褒美のことで頭がいっぱいだよ!)
それでも律儀なリリカは、ご主人様に失礼な事をさせてる感があって、ご褒美に対して遠慮がちだ。遠慮がちなのが、決して恥ずかしいからではないところがリリカ仕様である。
「ふふん、じゃこういうのはどうだ?ご褒美の後は、リリカは俺の抱き枕になる。俺にもちょっと旨味があるって事で。(どっちも旨味だがな。)」
「・・・!やります。(え、良いのかな!!?ご褒美が増えただけですけど!)」
心なしか、リリカの目つきが変わったような気がした。それから夕食の支度を始めるまでの数時間、リアムの部屋で机にかじりつくリリカの姿は、鬼気迫るものがあった。覚えたての字をたどたどしく読み、覚束ない筆運びで紙にメモを取り、取ってから考え、またメモを取り、ということをしている。読んで理解できないことを、どうやって質問しようか考えて、メモしているようだ。
(勉強なんかしたことないだろうに、すごい気迫だな。)
教育を受けた事のないリリカだが、仕事をいかに効率化するかという事については、常に考えて働く子だ。身についた「考える」「工夫する」習慣が、魔導書の勉強にもいかんなく発揮されているようだ。
この一週間、今まで考えたこともないような複雑な魔術の基礎理論を目の当たりにし、ちんぷんかんぷんだった。分からないので聞いてみるが、返ってくる解説がまたわからない。何が分からないかも分からない。
リリカは、およそ勉強できない子ちゃんが陥る最悪の状態になった。もっとも、読み書きを覚えたばかりの子が、最先端の研究論文を読むようなことをしているのだから無理もない。
しかし、太刀打ちできなくとも、分からない場所とそれが分からない理由だけでも、ハッキリさせてやろうとするリリカの姿勢には、厳しい環境を生き抜いてきた、彼女の粘り強さといえるだろう。
その日の魔術のお勉強は白熱した。頭の中を整理したリリカの質問は、的確で彼女自身の理解を深めると同時に、リアムもどこに重点を置いて教えるのが大事か学ばされる事になった。分からない子の気持ちが分かるきっかけを掴んだようだ。
初のノルマ達成。と言っても、術一つに60ページは費やされる魔導書の中の1ページを進めただけだったが、・・・しかし、それが大きな達成感を与えた。
「リリカ、今日の頑張りは素晴らしかったよ。」
「本当?ありがとうございます!よかった。じゃ、ご主人様♪ご褒美!」
「大丈夫か?相当頑張っていたから疲れてないか心配・・・」
「ご主人様!リリカ、このために頑張ったんだから!疲れてなんかいません。」
「お、おう。そうだな。」
一週間前の初めての絶頂感を、ずっと脳内で反芻し続けて飢えたリリカの気迫に、リアムはちょっとたじろいでしまった。
ベッドに連れ込んで髪を撫で、唇を合わせると、リリカは早くもトロトロに溶けていた。その後は官能の津波に流されるに任せて、リリカは心待ちにしていた「あの感覚」に身を震わせ、崩れ落ちるのだった。
(ご主人様にも「気持ちいい」をお返ししたいな)と思ったが、立ち所に睡魔がリリカを襲った。さらに抱き枕になってリアムの胸板に顔を埋めると、安心感も増幅してさっさと眠ってしまうのだった。
「・・・・・・(はぅ、ビクン)」
(またか!寝ながら俺の乳首吸うのやめてくれんかな。)
今日もなかなか眠りにつけないリアムであった。
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エロ小説にお呼びではないかもしれませんが、しばらく魔法回が続きますー。
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