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4話 日本の進歩は凄まじく
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歪みが段々戻っていくと、聖堂の黒い壁は見えなくなり、灰色の巨石が所々に見えるようになってきた。
たまに茶色の石もある。
「転移完了ね」
そして姫がすうっと息を吸ったと思うと、急に咳き込み始めた。
「げほっ、何これ…空気に何か…とにかく空気が汚すぎる…!」
助手も不快に感じ、手で口を覆った
「随分汚いですね…」
「もう魔法使う事になるとは…」
そう言って不純物除去の魔法をかけると、息を吸っても大丈夫になった。
周りにいた人は、どこか違和感を感じたそうだが不快には感じていない様子。
「さて、と」
目を擦り、周りを見る。
所々に木が生え、地面は固い石で覆われ、周りには四角に切り出した岩が見える。
「んー、間違えたかしら」
「ちょっと違うと思うわ、疲れるけど、もう一度帰りましょ」
「いいえ姫、ここが日本です」
助手は真面目に言った
「そんなわけないでしょ、石ばっかりで山もないじゃない」
周りをぐるっと指さす
「技術の進歩というやつです、あれはこの日本の建物ですよ」
そう言われよく見ると、所々窓があったり、人が歩いていたりする。
「えっ…あの岩の中に人が住むの?密集し過ぎじゃない?」
「そうですね、しかし『過密』という現象により、一部分だけに集まっているのです。」本を開き、読み上げた
「じゃあここは京?それとも江戸?」
固い地面をコツコツと爪先で叩く
「姫の時代ですと江戸と言いますね、しかし今は東京と言います。廃藩置県というものにより、藩改め都道府県になったのです」
「ほー、日本は変わりゆくのね…」
関心しながら眺める
「ここはどこ?」
「東京都内にある公園です」
何やら地図を引っ張り出してきた。
「転移する場所は決まってませんからね」
「それで、私達はどうするの?」
姫は地面に座り、聞く
「まずは家を買わなければなりませんね、それと汚いので座らない方がいいですよ」
助手は歩き出した?
「ああ、そうだ」
思い出したように立ち止まる
「私は兄という設定ですので、人前ではそう振舞って下さい」
「わかってるわよ、でもあんた調子に乗らないでよ?」
「ええ、承知しております」
「それと今後、私の名前は松坂祐一、姫の名前は松坂美鈴となりますので、間違ってもサビエル等と呼ばぬよう」
「あー、そうだったわね、私は美鈴」
忘れないよう、手帳に書いておく。
「さて、家を買いましょう?」
どんな家があるのかしら、と思いながらステップする。
そして立ち止まった
「どこで買うの…?」
「付いてきて下さい、ある程度の情報は知っていますので。まず不動産屋という所に行きましょうか」助手は溜息をつき、歩き出した。
道を歩くと、所々姫の時代の名残のある建物が見えた。地面は土でなく、コンクリートという石を固めたもので出来ているようで、その上を革の靴で不快そうに歩く。
「ほんっと、進歩したわね…いや、これ進歩してるの?」
「はい、彼らは進歩したとして満足しております。環境は退化する一方ですが」
前を歩く助手は振り向かずに言う
「さて、着きました」
ガラスで覆われ、上には仮名文字が混じって不動産と書かれている。
やはり自然らしさが無いと思った姫は顔を歪めた。
「必要なもの、住民票とその他書類に関してはこの日本を入れ替えたので手元にあります。結構な量魔法を使う事になりましたが」そう言って革で出来た長方形の鞄から一式取り出した。
「では、入りますか」
いくつもあるガラスの中から1枚を押すと、内側へ入れるようだった。
「おー、便利じゃないやるじゃない」
姫も入ろうとするが、助手の入ったガラスを忘れてしまい、片っ端から押していくと1枚、奥に開くものがあった。
「扉は木材っての!それか無いものじゃないの!?もー、ついていけんわ!」
「…姫、何をしていたのです?」
姫がガラスを1枚ずつ押すのを室内で見ていた助手は言う。
「…別に」
恥ずかしい事をしたという自覚を持った姫は顔を赤くし俯いた。
室内にある粗末な椅子に2人が腰掛けると、奥から健康的な体つきをした男性がにこやかに入ってきた。
「いらっしゃいませ」
そう言い、テーブルを挟んだ向かいに座った。
助手が何やら書類を見せたり書いたりしている間、姫は外を眺めていた。
人の服は派手になっており、スカートを履いている女性が多かった。
時折通り過ぎる金属の塊は車と言うそうで、移動手段らしい。
「美鈴、家についてだけど…」
慣れない呼び方をするので、姫は初め気付かなく、そのまま窓を見ていたが自分の日本での名前を思い出し、振り向いた。
「どういう所がいい?」
「そうねー、お金はいくらでもあるんだし、高級な所で…それと、高い所にあるのがいいわね」
想像しながら言う
「わかった」
不動産の店員に向き直り、
「一番高いマンションの最上階は空いていますか?」
と言うと、店員は目を見開き、「大丈夫なんですか?」と言った。
「ええ、大丈夫です」
そう言って書類を見せると、店員はいくつか案を出してきた。
「六本木ヒルズレジデンス、なんてものがあるけどどうする?」
そう言って資料と写真を渡すが、姫は「寝室が少ないじゃない」と言って却下した。
それを見た店員は相当な金持ちだと判断し、更に資料を用意した。
それを姫と助手はじっくり眺めた。
「これ、ごちゃごちゃしてなくていいんじゃない?」
そう言って一つを指さした
「東京ツインパークス、ですか…確かに広々としてますね、とりあえず見に行きます?」
姫が頷くと、助手が下見をすると言い、店員は車を用意した。
初めより何やら対応が丁寧になっている。
小さな車に乗り込み、発進した。
暫く走っていると、大きな長方形の建物が見えてきた。塔よりも綺麗だがあまり高くなかった。
たまに茶色の石もある。
「転移完了ね」
そして姫がすうっと息を吸ったと思うと、急に咳き込み始めた。
「げほっ、何これ…空気に何か…とにかく空気が汚すぎる…!」
助手も不快に感じ、手で口を覆った
「随分汚いですね…」
「もう魔法使う事になるとは…」
そう言って不純物除去の魔法をかけると、息を吸っても大丈夫になった。
周りにいた人は、どこか違和感を感じたそうだが不快には感じていない様子。
「さて、と」
目を擦り、周りを見る。
所々に木が生え、地面は固い石で覆われ、周りには四角に切り出した岩が見える。
「んー、間違えたかしら」
「ちょっと違うと思うわ、疲れるけど、もう一度帰りましょ」
「いいえ姫、ここが日本です」
助手は真面目に言った
「そんなわけないでしょ、石ばっかりで山もないじゃない」
周りをぐるっと指さす
「技術の進歩というやつです、あれはこの日本の建物ですよ」
そう言われよく見ると、所々窓があったり、人が歩いていたりする。
「えっ…あの岩の中に人が住むの?密集し過ぎじゃない?」
「そうですね、しかし『過密』という現象により、一部分だけに集まっているのです。」本を開き、読み上げた
「じゃあここは京?それとも江戸?」
固い地面をコツコツと爪先で叩く
「姫の時代ですと江戸と言いますね、しかし今は東京と言います。廃藩置県というものにより、藩改め都道府県になったのです」
「ほー、日本は変わりゆくのね…」
関心しながら眺める
「ここはどこ?」
「東京都内にある公園です」
何やら地図を引っ張り出してきた。
「転移する場所は決まってませんからね」
「それで、私達はどうするの?」
姫は地面に座り、聞く
「まずは家を買わなければなりませんね、それと汚いので座らない方がいいですよ」
助手は歩き出した?
「ああ、そうだ」
思い出したように立ち止まる
「私は兄という設定ですので、人前ではそう振舞って下さい」
「わかってるわよ、でもあんた調子に乗らないでよ?」
「ええ、承知しております」
「それと今後、私の名前は松坂祐一、姫の名前は松坂美鈴となりますので、間違ってもサビエル等と呼ばぬよう」
「あー、そうだったわね、私は美鈴」
忘れないよう、手帳に書いておく。
「さて、家を買いましょう?」
どんな家があるのかしら、と思いながらステップする。
そして立ち止まった
「どこで買うの…?」
「付いてきて下さい、ある程度の情報は知っていますので。まず不動産屋という所に行きましょうか」助手は溜息をつき、歩き出した。
道を歩くと、所々姫の時代の名残のある建物が見えた。地面は土でなく、コンクリートという石を固めたもので出来ているようで、その上を革の靴で不快そうに歩く。
「ほんっと、進歩したわね…いや、これ進歩してるの?」
「はい、彼らは進歩したとして満足しております。環境は退化する一方ですが」
前を歩く助手は振り向かずに言う
「さて、着きました」
ガラスで覆われ、上には仮名文字が混じって不動産と書かれている。
やはり自然らしさが無いと思った姫は顔を歪めた。
「必要なもの、住民票とその他書類に関してはこの日本を入れ替えたので手元にあります。結構な量魔法を使う事になりましたが」そう言って革で出来た長方形の鞄から一式取り出した。
「では、入りますか」
いくつもあるガラスの中から1枚を押すと、内側へ入れるようだった。
「おー、便利じゃないやるじゃない」
姫も入ろうとするが、助手の入ったガラスを忘れてしまい、片っ端から押していくと1枚、奥に開くものがあった。
「扉は木材っての!それか無いものじゃないの!?もー、ついていけんわ!」
「…姫、何をしていたのです?」
姫がガラスを1枚ずつ押すのを室内で見ていた助手は言う。
「…別に」
恥ずかしい事をしたという自覚を持った姫は顔を赤くし俯いた。
室内にある粗末な椅子に2人が腰掛けると、奥から健康的な体つきをした男性がにこやかに入ってきた。
「いらっしゃいませ」
そう言い、テーブルを挟んだ向かいに座った。
助手が何やら書類を見せたり書いたりしている間、姫は外を眺めていた。
人の服は派手になっており、スカートを履いている女性が多かった。
時折通り過ぎる金属の塊は車と言うそうで、移動手段らしい。
「美鈴、家についてだけど…」
慣れない呼び方をするので、姫は初め気付かなく、そのまま窓を見ていたが自分の日本での名前を思い出し、振り向いた。
「どういう所がいい?」
「そうねー、お金はいくらでもあるんだし、高級な所で…それと、高い所にあるのがいいわね」
想像しながら言う
「わかった」
不動産の店員に向き直り、
「一番高いマンションの最上階は空いていますか?」
と言うと、店員は目を見開き、「大丈夫なんですか?」と言った。
「ええ、大丈夫です」
そう言って書類を見せると、店員はいくつか案を出してきた。
「六本木ヒルズレジデンス、なんてものがあるけどどうする?」
そう言って資料と写真を渡すが、姫は「寝室が少ないじゃない」と言って却下した。
それを見た店員は相当な金持ちだと判断し、更に資料を用意した。
それを姫と助手はじっくり眺めた。
「これ、ごちゃごちゃしてなくていいんじゃない?」
そう言って一つを指さした
「東京ツインパークス、ですか…確かに広々としてますね、とりあえず見に行きます?」
姫が頷くと、助手が下見をすると言い、店員は車を用意した。
初めより何やら対応が丁寧になっている。
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