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16話 魔王のワガママ、地球の危機
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ミル軍を連れて中央部へ向かう。
途中にある村では「ひっ、魔王軍」と言って逃げ惑う人ばかり。その度に否定してなだめて、とにかく大変だった。
中央部で落ち合って帰るつもり、一応牢屋には閉じ込めておかないと。
「なに、もう疲れてるの?」
ミル歩くペースが遅くなっている。
魔法しか使ってないからそうなるんだ、弱いなあほんと。
「だ、大丈夫…」
弱々しくそう答える。
部下に持たせてもいいけど逃げられたら嫌だな…、私が担ぐか?そしたら走って移動できるのでは。今まではミルに合わせていたから。
「ん、じゃあおんぶする」
背中を差し出す。部下が「我々が!」と言うが「逃げそう」と返した。
「いえ…申し訳ないので」
乗ろうとしない。乗れよ早く。
そう言いながらもはあはあと息をつく。これじゃ進まないっての。
「ほら乗れ、乗んなさいよ」
「さもないと置いてくわよ」
そう言うとミルはしぶしぶ乗った。
「あれ、予想以上に…」
重いのでグラッとする。
「お、重…」
それを見たミルがじたばたとし、
「やっぱいい!」
と言った。
「暴れないでよ!もう」
抑えながら1度下ろす。
「こんの出来損ない魔王、わがまま過ぎるのよ全く」
「で、出来損ない…」
地面に座り込んで涙を堪えている様子。それを見た部下がまた「我々が運びます!逃げません!」と言う。
「本当にー?」
「もし逃げたらこの駄目魔王の角へし折るから」
凄むと敵も怯んだが、「ええ、逃げません」と言ってミルを担ぐ。
ミルは「重くない…?」と言って担いだデカイ図体の鬼のようなヤツを涙で潤んだ目で見る。
「だ、大丈夫です…」
そう言って黒い顔を赤くする。
ああ絶対こいつら惚れて付いてきてる。これじゃ魔力取っても私には忠誠誓わないな、こいつらバカなのか。
「ちょ、早くしてよ少し走るわよ」
そう言って走り出すと、部下達も走って付いてくる。
敵が多いので地響きがすごい。
「お疲れ様です姫」
中央部にある中央地下拘置所の門前でサビエルと会う。サビエルの後ろにも私よりは少ないが豪華そうな鎧を纏ったミルの手下がいた。
「疲れてはいないけどね、さっさと手続きしちゃいましょ」
サビエルと連れ立って中へ入る。
後ろには大量のミル軍が。実際数万、10万はいるのだが今は1万程度しかいない。
その軍が入る程大きなこの牢屋は基本重大犯罪者を入れる場所で、数十メートルはある外の壁は内側へ曲がっていて登ることは不可能。
「あの…どれくらい入れば?」
部下が私の背中に向かって言う。
「さあ、20年くらいにしといてあげるわよ、別に大した損害じゃないし」
まあ20年でも十分長いんだけどね。
敵はほっとした様子だった。その中で
「そ、そんな…!」
そう声を上げたのはミルだった。
「20年も…、そんなのやだ」
「はあ、あんたは一応私に刃向かったの、何もされてないけどね」
そう言ってミルを指さす。
ミルはサビエルの連れてきた幹部の1人と目を合わせた後言った。
「でも…、長いの!嫌なの!」
そう叫ぶ。
「そうは言ってもな…」
「うるさいな、もうさっさと入れちゃうから手続きするわよ」
サビエルにそう告げる。
「絶対入らないっ!」
更にミルが叫ぶ。
幹部も何か構えた様だった。
何をする気…?
幹部が急に動き出す。拘束してるはずなのに…!
「ちょ、何するつもり!!」
慌てて駆け寄るが、幹部はミルの元へ言ってミルの首筋に手を当てる。
ミルはこちらを睨み、
「牢屋なんかに行かないから!」
「絶対!」銀の杖を地面に刺して片目を閉じる。
こいつまさか…!
「サビエル、塔の奴らに言ってミルの部下達を牢屋に入れといて」
そう言って私は短剣を取り出して構える。
「こいつら転移する気だ」
「わかりました」
サビエルは耳に手を当てて連絡を取る。
「1番と契約します、魔法を!」
転移魔法をするための言葉を唱え始める。
まずい、早く…!
「ムーブです…先は…に心を飛ばして体も飛ばして…」
「橋が降りたら渡ります、キトク様」
短剣を銀の杖に叩きつけようとするが、剣の先が歪み、白い光を放って消えた。剣の先も削り取られた様に無くなっていた。
「くそっ、早く行かないと」
「姫、連絡が取れました」
サビエルがそう告げる。
「そう、じゃあ行くわよ」
1番を発動させる。白い光を放ちながら周りが歪んでいく。途中見える橋の先に大きな鎧と小さな青髪のミルが見えた。
途中にある村では「ひっ、魔王軍」と言って逃げ惑う人ばかり。その度に否定してなだめて、とにかく大変だった。
中央部で落ち合って帰るつもり、一応牢屋には閉じ込めておかないと。
「なに、もう疲れてるの?」
ミル歩くペースが遅くなっている。
魔法しか使ってないからそうなるんだ、弱いなあほんと。
「だ、大丈夫…」
弱々しくそう答える。
部下に持たせてもいいけど逃げられたら嫌だな…、私が担ぐか?そしたら走って移動できるのでは。今まではミルに合わせていたから。
「ん、じゃあおんぶする」
背中を差し出す。部下が「我々が!」と言うが「逃げそう」と返した。
「いえ…申し訳ないので」
乗ろうとしない。乗れよ早く。
そう言いながらもはあはあと息をつく。これじゃ進まないっての。
「ほら乗れ、乗んなさいよ」
「さもないと置いてくわよ」
そう言うとミルはしぶしぶ乗った。
「あれ、予想以上に…」
重いのでグラッとする。
「お、重…」
それを見たミルがじたばたとし、
「やっぱいい!」
と言った。
「暴れないでよ!もう」
抑えながら1度下ろす。
「こんの出来損ない魔王、わがまま過ぎるのよ全く」
「で、出来損ない…」
地面に座り込んで涙を堪えている様子。それを見た部下がまた「我々が運びます!逃げません!」と言う。
「本当にー?」
「もし逃げたらこの駄目魔王の角へし折るから」
凄むと敵も怯んだが、「ええ、逃げません」と言ってミルを担ぐ。
ミルは「重くない…?」と言って担いだデカイ図体の鬼のようなヤツを涙で潤んだ目で見る。
「だ、大丈夫です…」
そう言って黒い顔を赤くする。
ああ絶対こいつら惚れて付いてきてる。これじゃ魔力取っても私には忠誠誓わないな、こいつらバカなのか。
「ちょ、早くしてよ少し走るわよ」
そう言って走り出すと、部下達も走って付いてくる。
敵が多いので地響きがすごい。
「お疲れ様です姫」
中央部にある中央地下拘置所の門前でサビエルと会う。サビエルの後ろにも私よりは少ないが豪華そうな鎧を纏ったミルの手下がいた。
「疲れてはいないけどね、さっさと手続きしちゃいましょ」
サビエルと連れ立って中へ入る。
後ろには大量のミル軍が。実際数万、10万はいるのだが今は1万程度しかいない。
その軍が入る程大きなこの牢屋は基本重大犯罪者を入れる場所で、数十メートルはある外の壁は内側へ曲がっていて登ることは不可能。
「あの…どれくらい入れば?」
部下が私の背中に向かって言う。
「さあ、20年くらいにしといてあげるわよ、別に大した損害じゃないし」
まあ20年でも十分長いんだけどね。
敵はほっとした様子だった。その中で
「そ、そんな…!」
そう声を上げたのはミルだった。
「20年も…、そんなのやだ」
「はあ、あんたは一応私に刃向かったの、何もされてないけどね」
そう言ってミルを指さす。
ミルはサビエルの連れてきた幹部の1人と目を合わせた後言った。
「でも…、長いの!嫌なの!」
そう叫ぶ。
「そうは言ってもな…」
「うるさいな、もうさっさと入れちゃうから手続きするわよ」
サビエルにそう告げる。
「絶対入らないっ!」
更にミルが叫ぶ。
幹部も何か構えた様だった。
何をする気…?
幹部が急に動き出す。拘束してるはずなのに…!
「ちょ、何するつもり!!」
慌てて駆け寄るが、幹部はミルの元へ言ってミルの首筋に手を当てる。
ミルはこちらを睨み、
「牢屋なんかに行かないから!」
「絶対!」銀の杖を地面に刺して片目を閉じる。
こいつまさか…!
「サビエル、塔の奴らに言ってミルの部下達を牢屋に入れといて」
そう言って私は短剣を取り出して構える。
「こいつら転移する気だ」
「わかりました」
サビエルは耳に手を当てて連絡を取る。
「1番と契約します、魔法を!」
転移魔法をするための言葉を唱え始める。
まずい、早く…!
「ムーブです…先は…に心を飛ばして体も飛ばして…」
「橋が降りたら渡ります、キトク様」
短剣を銀の杖に叩きつけようとするが、剣の先が歪み、白い光を放って消えた。剣の先も削り取られた様に無くなっていた。
「くそっ、早く行かないと」
「姫、連絡が取れました」
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