異世界創設者の姫は遠征したい!

わまり

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17話 逃げる青髪を捕まえろ!

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「くそっ、もういない」
日本に着いてからあたりを見渡す。
同じ所に出たはずなのだが、遅かった。
工場だろうか、隣には海がある。

「しかし魔力の消費は激しい…動けないはずですが、何故逃げる事が?」
助手が顎に手を当てる。

「ああそれは、ここはミストじゃないからよ」「魔力で体を抑えておく必要が無いの」つまり、今戻ると彼女達はきっと長く生きていられない事になる。

しかしここにいれば魔力は使えなくとも動く事はできる。流石に全て使ったわけではないはずだ。魔力が完全に無くなると回復する術がない。

その為、幹部の魔力を分けてもらって少しでも余裕を持たせたのだろう。
しかし少しでも魔法は使える。ここの人に何かされては困る。
早めに捕まえないと。

「手分けして探すわよ、そこまで遠くへは行ってないはずだから」
短剣を袖にしまって走り出す。助手も別の方向へ走り出した。
魔力の反応で見つけるが、今魔力の少ない彼女を見つけるには10mは近付かないと。

どこだ…?
ここで空を飛んだりしたらまずいか、だとしたら透視を…!
走りながら目を閉じる。しかし前は見えている。瞼を透かしているからだ。
もし瞼を開ければ透視し過ぎて建物の輪郭さえも分からなくなってしまう。その為目を閉じて調整しているのだ。

見渡すと、遠い所に青い髪を揺らして走るミルがいた。工場地帯を抜け、住宅街へ進んでいる。まずい…。

更に急いで走る。
住宅街で何かされたら危険過ぎる。もしプロミネンスでも使われたらタダじゃ済まない。

柵を破り、私も住宅街へ入る。朝方で人はいなく静かで、カカカッと靴が地面を蹴る音しか聞こえない。
ミルも必死になって逃げている。私が追ってきてるとは分かってるはずだ。

彼女は普通の人間と同じ速度で走っているが私はそうじゃない。捕まえるのも時間の問題のはずだ。
「…無駄な手間をかけさせて」

学校へ逃げ込んだ。ああ更にまずいな、今は人が部活の練習をしている。
私も校門の前につき、念の為透明になってから校舎へ向かう。ミルは玄関から中に入っていく。

段々近付いてきた。今は二階にいる。
階段を急いで上り、ミルへ近付く。

ミルの後ろ姿が見えた。走る速度は落ち、フラフラになりながらも廊下を進んでいく。

「ミル!」
そう叫ぶとミルは振り向き、恐怖の表情をしてからまたフラフラと走る。
「ちょ…、降参しなさい!」

ある教室に入るとミルが壁にもたれ掛かっていた。私を睨んでいる。
「来ないで…」

「そうは言っても、捕まえないと」
近寄っていくと、彼女もじりじりと引いていった。

「こ、来ないでって言ってるの!」
銀の杖を取り出して床に突き刺した。メリッと音がして穴が開く。
「さもないと…」

「ちょ、あんた何する気!?」
「今使ったら魔力がもうほぼない状態よ!?数年は魔力使えないわよ!?」
プロミネンスを放つつもりだろうか、ミル首筋に手を当てたので慌てて言う。
プロミネンスは先が当たると爆発する。ここでそれをされるとかなり危険だし厄介だ。

「それでも…!」
片目を閉じた。やる気だ…!
足元が熱で歪んでいく。
「プロミネンスです…!」

「もう、こうなったら!」
プロミネンスは確実に放たれる。止められないとしたら受け流して外へ、空へ弾くしかない。
銀の杖の先が光った所で踏み出し、プロミネンスの矢の先が出てきた所に短剣を押し当てて窓の方向へずらす。

キイッと音がして炎の矢が窓を突き破る。ミルは「なっ…」と言ってその場に座り込んだ。ガラス1枚くらいじゃ爆発しなかった。良かった…。

「ふう…なんとか」
ミルを拘束してそそくさと校舎を後にする。ミルの角は無くなり、暗い顔をしたミルはとぼとぼと付いてきた。

学校を出たその時、海の方で大きな爆発音がした。
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