異世界創設者の姫は遠征したい!

わまり

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18話 助手と幹部の戦い

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姫と別れた助手は海の方へ向かっていた。
敵の場所は分かっていた。敵は動かずじっとしている。きっと姫も気付いていただろう。

倉庫を三つ抜け、右側に海が見えるコンクリートの道へ出た。
その先、灯台がある所に敵が立っている。鋼の鎧を身にまとい、頭には黒光りする面が付けられている。魔力の量は少なく感じるが、それが放つ存在感は圧倒的だ。

倒せとは言われていない。あくまで捕まえるだけだ。しかしもしもの場合は倒さなくてはならなくなるだろう。
ミストでは「姫はもう捕らえた」と言うと抵抗せずあっさりと捕まった。そのため相手がどれだけ強いのかは分からない。

片手に剣を持ち、警戒しながら灯台へ向かう。敵は灯台の下で銅像のように動かず、ただじっと海を見ていた。

「おい、貴様」
離れた所から呼び掛ける。
敵はゆっくりと顔をこちらへ向けた。
「大人しく帰れ」
剣を構え、少しづつ近寄る。

敵も振り向き、腕を組む。
「申し訳ないが、姫を助けなければならんのだ」落ち着いた声で話す。低く、気迫のある声で。

「ならば何故ここにいる?」
20m程手前で立ち止まる。

「姫の魔力はもう無いだろう」
「今連れ帰れば姫は生きておられぬ」
敵はゆっくりと前に進む。灯台の光に照らされて鎧が光る。
「それに我が連れ立って逃げては姫が見つかりやすくなるだろう?」

「…連れ帰るかどうかはともかく」
姫の意思は分からない。助けるかもしれないが、そうでないかもしれない。
「貴様は帰れるだろう、少し魔力を与えただけなのだから」

「それはできない」
ゆっくりと首を横に振る。
「姫の為なら我が身を捨てるまで」
そう言って巨大な剣を取り出し、両手で構えて助手に向ける。

「帰らないか」
どうしても俺と戦う気か?

「ああ、貴殿が帰れと言うならば、我は貴殿を力づくでも抑えなくてはならない」
2人は近寄っていく。
「では、手合わせしようか」

無言で構え、両腕に力を入れる。
久しぶりの戦闘で鈍っているのが心配だ。
敵からは殺強い気を感じる。

大剣が真っ直ぐに突き出される。
そして大きな円を描くように大剣が空気を切り裂きながら横に振られる。
持っていた剣で真横から迫る大剣を受け止めるが、あまりの衝撃に剣は弾かれ宙へ投げ飛ばされた。

侮っていたか…?
ただの剣では対抗できない。
そう思い胴の鎧と頭、肩の鎧を外した。
脚と腕のみ鎧を残し、もう1度対峙する。
見切れない速さではない。

こちらから走り、大剣を突き出した敵へ向かう。敵はもう一度大剣を横に振り、さっきと同じ様に真横から剣が迫る。
走りながら右足を浮かせ、大剣の腹へかかとを振り下ろすと大剣は地面をえぐり、コンクリートへ突き刺さった。

「む、素手で対応するか」
大剣を引き抜いた敵は数歩下がってまた構え直す。

「剣は不慣れでな」
拳を握ってこちらも構える。
確実に避けて隙あらば叩き込む。
倒せない相手ではない。
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