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19話 誇りか君主か
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一歩踏み込み、身を低くして向かう。
分厚い鎧、一体どれ位硬いのだろうか?
真上から剣先が振り下ろされるが両手で防ぐ。ズシリと重みが腕にかかった。
まずいな、一撃を受け止めていたらこちらの鎧が割れる。
力を入れて剣をはね上げ、持ち手を内側から蹴り上げて体を捻り、胴と肩の鎧の隙間に拳を叩きつける。
素早く引いてまた剣を脚で払い、左手でもう片方の隙間にも拳を叩きつける。
隙を見せてはいけない。いつ大剣を離してくるか分からないのだから。
それは今かも知れない。
地面に剣が突き刺さる音がした。やはり…!敵は手首を返し、手の甲を横へ振る。右手で受け止めてから脇へ蹴りを入れる。
着地した所で下から鎧の脚が突き上げてくる。それが脇腹に入り、「うっ」と声を上げて横の海へ投げ出される。
ドボッと音がした後音が消える。
浅い海、素早く飛び出して陸に上がる。
「甘いぞ」
「貴殿動きは素晴らしいが、慌てすぎだ」
そう言って剣を抜き、また構える。
「…そうか」
割れた鎧を捨て、また踏み込む。
敵は両手で剣を降る。一撃の重い剣を壊せばいいだろう。
突き出された剣へ真っ直ぐ向かう。
剣が下に下がった。
上から振り下ろされるか?
横に避けながら宙にある太い剣に狙いを定める。
「ふんっ!」
上へ飛び、体を捻って拳を剣の真ん中へ突き、間を置かず右足で蹴りを入れる。
はね飛ばされた剣につられて持っていた右手が広がる。
左手で短剣を抜き、ガラ空きの脇へ突き刺した。「ぐっ」と言い剣を掴む力が弱まる。
左から敵の拳が迫る。
宙にいるから回避は難しい。しかし…
剣の方を向き、柄へ蹴りを入れると剣は飛ばされ、離れた海に落ちた。
その直後脚へ拳が叩き込まれる。
地面に右手をついて着地し、一旦距離を置く。敵は短剣を抜き、「ふん」と言い投げ捨てた。
脚がやられてはまずい、避ける事はできるか?
「大分強いじゃないか、あの時抵抗しても良かったはずだ」
寄ってくる敵へそう言う。
「姫が優先だ、貴殿を殺したら姫がどうなるか分からないだろう?」
「さあ、今は貴殿を殺すつもりだ」
右手を構え、動き出した。
突進してくる敵から少しづつ下がり、タイミングを見る。
近くなった所で拳を横から相手の突き出した拳へ打つ。
肩まで響く衝撃に耐えながら下方向から来る蹴りを左手で流し、関節へ肘を入れる。
相手が手を引いた。
まだ来るか?
もう一度拳が突き出される。同じ様に助手も拳を突き出し受け止めた。
そこへ敵が足払いを入れたので飛んで避ける。その時少し敵が笑った気がした。
「プロミネンス」
そう言って敵は左手で肩に下げた小さな銀の棒を抜き、目の前へ突き出す。
「なっ…!」
間に合わない、こうなれば…!
青く手の甲の鎧が光り、青い線の輪郭が浮かんだ後、白の盾へと広がってゆく。
それを素早く銀の棒と自分の間に挟む。
耳をつんざく凄まじい爆発音がし、プロミネンスの槍は灯台へと跳ね返り灯台は崩れ落ちた。
爆風を受けながら着地し、敵を見る。
右側の鎧は砕け、片膝を付いている。
そして助手を睨み、
「その盾…」
そう呟き、銀の棒を持ち直しながら言う
「貴殿…はもしや…初代…」
走って近寄り、銀の棒を蹴り飛ばして海へ弾く。そして手の鎧を踏んで砕く。
止めを刺すべきか…?
右手についた白い盾を振り上げる。
「今一度聞くが、帰れば命は助かるが」
「…それは逃走と言うのだ」
そう言って目を閉じた。
砕けた鎧の隙間から血が滴っている。
「そうか、恥じの無い死に方だな」
白い盾が太陽を受けてキラリと光る。
それを振り下ろした。
分厚い鎧、一体どれ位硬いのだろうか?
真上から剣先が振り下ろされるが両手で防ぐ。ズシリと重みが腕にかかった。
まずいな、一撃を受け止めていたらこちらの鎧が割れる。
力を入れて剣をはね上げ、持ち手を内側から蹴り上げて体を捻り、胴と肩の鎧の隙間に拳を叩きつける。
素早く引いてまた剣を脚で払い、左手でもう片方の隙間にも拳を叩きつける。
隙を見せてはいけない。いつ大剣を離してくるか分からないのだから。
それは今かも知れない。
地面に剣が突き刺さる音がした。やはり…!敵は手首を返し、手の甲を横へ振る。右手で受け止めてから脇へ蹴りを入れる。
着地した所で下から鎧の脚が突き上げてくる。それが脇腹に入り、「うっ」と声を上げて横の海へ投げ出される。
ドボッと音がした後音が消える。
浅い海、素早く飛び出して陸に上がる。
「甘いぞ」
「貴殿動きは素晴らしいが、慌てすぎだ」
そう言って剣を抜き、また構える。
「…そうか」
割れた鎧を捨て、また踏み込む。
敵は両手で剣を降る。一撃の重い剣を壊せばいいだろう。
突き出された剣へ真っ直ぐ向かう。
剣が下に下がった。
上から振り下ろされるか?
横に避けながら宙にある太い剣に狙いを定める。
「ふんっ!」
上へ飛び、体を捻って拳を剣の真ん中へ突き、間を置かず右足で蹴りを入れる。
はね飛ばされた剣につられて持っていた右手が広がる。
左手で短剣を抜き、ガラ空きの脇へ突き刺した。「ぐっ」と言い剣を掴む力が弱まる。
左から敵の拳が迫る。
宙にいるから回避は難しい。しかし…
剣の方を向き、柄へ蹴りを入れると剣は飛ばされ、離れた海に落ちた。
その直後脚へ拳が叩き込まれる。
地面に右手をついて着地し、一旦距離を置く。敵は短剣を抜き、「ふん」と言い投げ捨てた。
脚がやられてはまずい、避ける事はできるか?
「大分強いじゃないか、あの時抵抗しても良かったはずだ」
寄ってくる敵へそう言う。
「姫が優先だ、貴殿を殺したら姫がどうなるか分からないだろう?」
「さあ、今は貴殿を殺すつもりだ」
右手を構え、動き出した。
突進してくる敵から少しづつ下がり、タイミングを見る。
近くなった所で拳を横から相手の突き出した拳へ打つ。
肩まで響く衝撃に耐えながら下方向から来る蹴りを左手で流し、関節へ肘を入れる。
相手が手を引いた。
まだ来るか?
もう一度拳が突き出される。同じ様に助手も拳を突き出し受け止めた。
そこへ敵が足払いを入れたので飛んで避ける。その時少し敵が笑った気がした。
「プロミネンス」
そう言って敵は左手で肩に下げた小さな銀の棒を抜き、目の前へ突き出す。
「なっ…!」
間に合わない、こうなれば…!
青く手の甲の鎧が光り、青い線の輪郭が浮かんだ後、白の盾へと広がってゆく。
それを素早く銀の棒と自分の間に挟む。
耳をつんざく凄まじい爆発音がし、プロミネンスの槍は灯台へと跳ね返り灯台は崩れ落ちた。
爆風を受けながら着地し、敵を見る。
右側の鎧は砕け、片膝を付いている。
そして助手を睨み、
「その盾…」
そう呟き、銀の棒を持ち直しながら言う
「貴殿…はもしや…初代…」
走って近寄り、銀の棒を蹴り飛ばして海へ弾く。そして手の鎧を踏んで砕く。
止めを刺すべきか…?
右手についた白い盾を振り上げる。
「今一度聞くが、帰れば命は助かるが」
「…それは逃走と言うのだ」
そう言って目を閉じた。
砕けた鎧の隙間から血が滴っている。
「そうか、恥じの無い死に方だな」
白い盾が太陽を受けてキラリと光る。
それを振り下ろした。
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