短編物語パンドラ 【百合】

わまり

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弁明 13(回想)

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ーーーーー 一つ前、2017年3月6日
もたれかかった壁が冷たい。
手を前に被せて息を吐く。

光は3m程上にある横長の窓から差し込むだけで、学校の体育館を2回り小さくしたような倉庫は薄暗かった。

その倉庫に32人はっている。
つい一昨日までは皆固まって暖まっていたが、希望が薄くなるにつれてそれぞれ別の場所でうずくまってしまった。

こんな状態で生き残る事はできるのか。
救助が来る前に寒さと空腹で倒れてしまいそうだ。少しあった食料は使い果たした。

あと2日…助けが来るまで待つんだ。


私達は地震発生直後、周りと別の方向でこの工場に逃げ込んだ。私が先に連絡して集めておいたものだ。
助かる事ができる、唯一の場所。
皆も勿論、先生はとことん反対していた。普通逃げ込まないところだ。しかし私の熱意に負けて来てくれた。この倉庫は頑丈だ、耐震性に優れている、きっと後から良かったと思うだろう。そう言って。


前回、私達は洞窟に逃げたらしい。そこで落石で死亡、私だけが生き残った。

未来を見た。私は両足、左手が使えない状態でベッドに寝かされた。私は2月25日、逃がした親に伝えて現場の状況の写真を撮っておいてくれと頼んだ。両親は地震が起こるなんて信じていなかったらしいが、発生したら信じて写真を撮ってくれた。細かくだ。

それを私の病室に届けてくれた。
その中で、倉庫の被害が少なかった事からここに決めた。
ありったけの食糧を少しづつ持ち運び、その火に備えていた。

しかし地震の被害は大きく、大半の食糧は流されたり潰れたり。残ったものは元の3分の1以下だったのだ。


そう、流された。
地震発生から数分後、巨大な津波が街を飲み込んだ。まるで真っ黒な蛇が大きな音を立てて街を破壊しているようだった。
それによって街はほぼ全滅し、何人の命が失われたかは想像できない。

幸いこれは前回もあった事のようで私は想定でき、先に山へ登ることができた。このお陰で私の話も信じてもらえたのだ。
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