ツンに恋する百合カタリ!

わまり

文字の大きさ
上 下
13 / 17

原田カオリ

しおりを挟む
私は人と話すのが苦手だ。
人見知り、というやつだろうか。
昔から本が好きだった。
沢山の物語がこの紙の束に入っていて、
それは私を現実から引き剥がしてくれた。

高校に入り、文芸部が無いことに気が付いた。
よくよく見ると、「文芸同好会」とあった。
喜び、そして人が少ないのも嬉しかった。

そこを尋ねると、机に2人が座っていた。
私に気がつくと、ぱっと顔を明るくし
「新入部員!?」
「どうぞ、座って!」

そう言われたので座った
「あの…文芸って聞いて…」

「うん。ここは文芸同好会」
「同好会だけど、まあゆっくりしてくれ」

「あの…部員は皆さんだけで…?」

「いや、もう一人三年生にいるよ」
「入部希望かい?」

「はい…本が好きなんです」
そう言い、ざっと部室を見渡した。
本棚が2つあり、ぎっしりと本が詰めてあった

「そっか!ありがとね」
「自己紹介してないね、私は丸井マイ。」

「私は金子ルリ。よろしくね」
隣の机に座っていた人がにこやかに言った

「あ、あの、私は、原田カオリです…」

「カオリちゃん、よろしくね」

頭を下げた途端、後ろのドアが勢いよく開いた
「江見ユウ、ただいま帰還ですー!」
と、人が現れた

彼女はそうして座っている私を見て、
「あれー?新入部員の人?」
「よろしくね♪私は江見ユウ。」
そう言い微笑んだ。

「はい…よろしくお願いします…!」
優しそうな人だった。

「入ってくれてありがとね!」
「気軽に話しかけていいよ♪」
そう言い、手を握った。


しおりを挟む

処理中です...