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「寝室に行こう。寝室は防音になるから、安心して声を出して」
「え、いや。あの……」
「ん?」
「いえ……」
優しく微笑む陛下が首を緩く左右に振った僕を横抱きに抱き上げた。
陛下にされるがまま運ばれるけど、肌が敏感になっていて触れているところがとても熱くなっている気がした。
「ハーシェル、2人きりの時は私のことをレトと呼んで?」
「レト様?」
「様はいらない。敬語も使わなくていい」
「そんなわけには……」
「お願いだ、ハーシェル」
真剣に切実な様子で頼んでくる陛下に、僕は困ってすぐに折れてしまった。
「……分かった」
「ありがとう」
「うん……」
「さあ、ついたよ。扉を閉めてくるから待ってて」
レトを待っていた部屋の続き部屋の寝室に入り天蓋付きの大きなベッドにそっと下ろされて、額に軽くキスされる。
僕は胸を上下させながら、このまま抱かれてしまうんだなと身悶えた。
前も後ろも反応してるけど、この状況で自分で触るわけにもいかず力も入らないので、ただ熱い息を吐く。
フェロモンを嗅いだだけでこんなになってしまうなんて、運命の番は恐ろしい。
身体がゾクゾクして、僕は無意識に刺激を待っていた。
「ハーシェル」
蕩けそうな甘い声で名前を呼ばれて、レトが覆いかぶさってきた。
「レト……」
「服を脱ごうね」
そう言って僕の服を脱がせ、自分の服も素早く脱ぎ去ったレトが、僕の勃ちあがったそこを柔らかく片手で包んだ。
「あっ……」
「ここはあとで可愛がろう」
レトの顔が近付いてきて、そっと唇に唇が触れた。
「んんっ……」
触れては離れ、段々深くなっていく口付けに息が苦しくなってきて、僕はレトの胸を弱く叩いた。
「鼻で息をするんだよ」
と言われても前世でもキスをした記憶はないし、生まれ変わってからもこんなキスをしたことはないので、簡単に出来るはずもなく。
それでもちゅと音を立てて頬に唇を寄せてきたレトの美しさに見惚れて、僕は夢を見ているような気分になっていた。
「え、いや。あの……」
「ん?」
「いえ……」
優しく微笑む陛下が首を緩く左右に振った僕を横抱きに抱き上げた。
陛下にされるがまま運ばれるけど、肌が敏感になっていて触れているところがとても熱くなっている気がした。
「ハーシェル、2人きりの時は私のことをレトと呼んで?」
「レト様?」
「様はいらない。敬語も使わなくていい」
「そんなわけには……」
「お願いだ、ハーシェル」
真剣に切実な様子で頼んでくる陛下に、僕は困ってすぐに折れてしまった。
「……分かった」
「ありがとう」
「うん……」
「さあ、ついたよ。扉を閉めてくるから待ってて」
レトを待っていた部屋の続き部屋の寝室に入り天蓋付きの大きなベッドにそっと下ろされて、額に軽くキスされる。
僕は胸を上下させながら、このまま抱かれてしまうんだなと身悶えた。
前も後ろも反応してるけど、この状況で自分で触るわけにもいかず力も入らないので、ただ熱い息を吐く。
フェロモンを嗅いだだけでこんなになってしまうなんて、運命の番は恐ろしい。
身体がゾクゾクして、僕は無意識に刺激を待っていた。
「ハーシェル」
蕩けそうな甘い声で名前を呼ばれて、レトが覆いかぶさってきた。
「レト……」
「服を脱ごうね」
そう言って僕の服を脱がせ、自分の服も素早く脱ぎ去ったレトが、僕の勃ちあがったそこを柔らかく片手で包んだ。
「あっ……」
「ここはあとで可愛がろう」
レトの顔が近付いてきて、そっと唇に唇が触れた。
「んんっ……」
触れては離れ、段々深くなっていく口付けに息が苦しくなってきて、僕はレトの胸を弱く叩いた。
「鼻で息をするんだよ」
と言われても前世でもキスをした記憶はないし、生まれ変わってからもこんなキスをしたことはないので、簡単に出来るはずもなく。
それでもちゅと音を立てて頬に唇を寄せてきたレトの美しさに見惚れて、僕は夢を見ているような気分になっていた。
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