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◇
「本当に食べない?」
「瑞希が食べさせてくれるなら、少しだけ」
「え、うーん……じゃ、はい」
「ん。美味しい」
僕達は今、ショコラティエがプロデュースするカフェに来ている。
渚に食べさせたのは濃厚ショコラパフェで、僕が頼んだものだ。
せっかくの渚の誕生日だけど警察の事情聴取に呼ばれて、終わった後に電車に乗ってカフェに来た。
でも渚は明日撮影だから甘いものは食べないと言ったんだけど、どうしても美味しさを共有したくて、食べさせるに至ったわけだ。
夜にケーキもあるかもと思ったけど、事情聴取の疲れか、衝動的にパフェを頼んでいた。
本当はチョコレート数粒の盛り合わせにしようかと思ったけど、我慢出来なかった。
「また撮影がない時来て、甘いの食べようよ」
「そうだな」
僕は再びパフェと向き合う。
ちょっとだけじゃなくて、一杯まるごと食べて欲しい。
渚は砂糖を入れずにカフェオレを飲んでいる。
甘いものは浮腫むから、流石に前日に摂取するのは良くないらしい。
誕生日ケーキがあっても今回は当日には食べられないけど、でもこの間僕と食べたから満足しているとか。
でもケーキを一緒に食べられないのは、家族は寂しいかもしれない……。
「この後は街をぶらぶらしような」
「僕へのプレゼントはもういいからね? 今日は渚の誕生日なんだし……欲しいものがあったら教えてね! お財布と相談だけど、出来れば僕がプレゼントしたい」
「もう十分もらってるよ」
今日は向かいに座った渚が僕の頬を手を伸ばして撫でた。
不意なスキンシップに僕は頬を染めた。
「もう、こんなとこで」
「もっとスキンシップしたい。今日は俺の部屋で瑞希とくっついてるはずだったのに」
「土日にイチャイチャすればいいんじゃ……?」
明日は金曜日だし日曜日に寮に戻る予定だから、まだ一緒にいられる時間はある。
この週末、別荘は渚のお兄さんが使うらしいから、別荘には行けないけど、渚の家の渚の部屋でならスキンシップ止まりだけど、イチャイチャ出来る。
「瑞希が寮に戻ったら抜け殻になりそうだけど、俺の部屋に瑞希の匂いが残ってるのはいいな」
「僕、日曜日まで渚の部屋にいるんだよ」
「帰したくない。一緒に住みたい。瑞希、二人で同棲しないか?」
真っ直ぐに見つめられ、僕は狼狽えた。
「え!? えーと……高校生のうちは……大学に合格したら考えよう!」
「大学……瑞希と同じ大学に行きたいけど、自分の学力に合った大学に行くように言われてるし……瑞希、俺も勉強を見るから、俺と同じ大学に行こう?」
「ちょ……ちょっと無理かも……出来るだけ近い大学に行けるよう頑張るから、それで許して?」
僕が渚のレベルに合わせられるとは思えない。
「なら、番になろう。じゃないと心配で仕方ない」
「番!?」
「いつなる? 俺は次の発情期でもいいよ?」
「せめて、一年は付き合ってからにしよう?」
「じゃあ、来年の九月?」
「え、あ、うん……別れてなければね」
「別れるわけない。運命だしな……俺は番になってゆくゆくは結婚もしたい」
渚は僕の手を取って、手の甲に口付けた。
「本当に食べない?」
「瑞希が食べさせてくれるなら、少しだけ」
「え、うーん……じゃ、はい」
「ん。美味しい」
僕達は今、ショコラティエがプロデュースするカフェに来ている。
渚に食べさせたのは濃厚ショコラパフェで、僕が頼んだものだ。
せっかくの渚の誕生日だけど警察の事情聴取に呼ばれて、終わった後に電車に乗ってカフェに来た。
でも渚は明日撮影だから甘いものは食べないと言ったんだけど、どうしても美味しさを共有したくて、食べさせるに至ったわけだ。
夜にケーキもあるかもと思ったけど、事情聴取の疲れか、衝動的にパフェを頼んでいた。
本当はチョコレート数粒の盛り合わせにしようかと思ったけど、我慢出来なかった。
「また撮影がない時来て、甘いの食べようよ」
「そうだな」
僕は再びパフェと向き合う。
ちょっとだけじゃなくて、一杯まるごと食べて欲しい。
渚は砂糖を入れずにカフェオレを飲んでいる。
甘いものは浮腫むから、流石に前日に摂取するのは良くないらしい。
誕生日ケーキがあっても今回は当日には食べられないけど、でもこの間僕と食べたから満足しているとか。
でもケーキを一緒に食べられないのは、家族は寂しいかもしれない……。
「この後は街をぶらぶらしような」
「僕へのプレゼントはもういいからね? 今日は渚の誕生日なんだし……欲しいものがあったら教えてね! お財布と相談だけど、出来れば僕がプレゼントしたい」
「もう十分もらってるよ」
今日は向かいに座った渚が僕の頬を手を伸ばして撫でた。
不意なスキンシップに僕は頬を染めた。
「もう、こんなとこで」
「もっとスキンシップしたい。今日は俺の部屋で瑞希とくっついてるはずだったのに」
「土日にイチャイチャすればいいんじゃ……?」
明日は金曜日だし日曜日に寮に戻る予定だから、まだ一緒にいられる時間はある。
この週末、別荘は渚のお兄さんが使うらしいから、別荘には行けないけど、渚の家の渚の部屋でならスキンシップ止まりだけど、イチャイチャ出来る。
「瑞希が寮に戻ったら抜け殻になりそうだけど、俺の部屋に瑞希の匂いが残ってるのはいいな」
「僕、日曜日まで渚の部屋にいるんだよ」
「帰したくない。一緒に住みたい。瑞希、二人で同棲しないか?」
真っ直ぐに見つめられ、僕は狼狽えた。
「え!? えーと……高校生のうちは……大学に合格したら考えよう!」
「大学……瑞希と同じ大学に行きたいけど、自分の学力に合った大学に行くように言われてるし……瑞希、俺も勉強を見るから、俺と同じ大学に行こう?」
「ちょ……ちょっと無理かも……出来るだけ近い大学に行けるよう頑張るから、それで許して?」
僕が渚のレベルに合わせられるとは思えない。
「なら、番になろう。じゃないと心配で仕方ない」
「番!?」
「いつなる? 俺は次の発情期でもいいよ?」
「せめて、一年は付き合ってからにしよう?」
「じゃあ、来年の九月?」
「え、あ、うん……別れてなければね」
「別れるわけない。運命だしな……俺は番になってゆくゆくは結婚もしたい」
渚は僕の手を取って、手の甲に口付けた。
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