βからΩになったなら

hina

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「じゃあ、瑞希。また六日に。あー、離れたくない。好き、愛してる。寂しいよ、瑞希」
「うん、うん。分かったから。僕、もう行くね。また連絡して」
「もちろん毎日する。瑞希、会いたくなったらすぐに言って。どうにか都合つけるから」
「また六日にね」
「瑞希、最後にキスさせて」
「んっ……!」

思いのほか激しめに口付けられて、僕はゾクゾクしてしまった。

「渚っ……!」
「瑞希、愛してるよ」
「うん、僕も……」
一瞬だけハグされてから、渚が離れた。

キスで何となく僕は離れ難くなっちゃったけど、車は先程からもう僕の実家の前。僕は渚に手を振って八雲さんにお礼を言って車を降りた。

車はゆっくりと発進する。

僕はすっかり日が暮れてほのかに灯る家のあかりの下、急に寂しくなりながも実家の門を開いた。




地元の友達や高校のβクラスの友達と遊んだり、家族と出掛けたりしてたら、あっという間に寮に戻る日……渚と会う日になっていた。

「瑞希、会いたかった! 瑞希、瑞希」
寮の門の前でぎゅうぎゅうと抱きしめられる。
「渚、苦しい……」
「ああ、ごめん。瑞希」
力は緩んだけど抱きしめられたままで、渚の気はまだ済まないみたい。
「俺の瑞希。俺だけの瑞希」

渚は僕が友達と遊ぶと言っただけで「浮気じゃないよな?」と言ってきたりしていたので、僕は困っていたんだけど、まだそれをちょっと引きずっているらしい。

「……僕が恋愛の意味で好きなのは渚だけだよ? 運命の番なんだから、不安になることも心配することもないよ」
「分かってるけど、ダメなんだ……瑞希をどこかに閉じ込めたくなる……」
「僕が愛してるのは渚ただ一人。それに僕の友達は僕をそういう目で見てないから、安心して、渚」

ぎゅっと抱きつくと、渚が再び腕に力を込めた。

「瑞希……。狭量な彼氏でごめん」
渚がはーっとため息を吐いた。僕は抱きついたまま渚の背をぽんぽんと叩く。
渚は一瞬泣きそうな顔をしたあと、くしゃっと笑った。

「行こうか」
「うんっ」

渚は腕の中から僕を放して、手を繋いだ。
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