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お仕置きとしてイキたくてもイカせてもらえない責苦のような交わりをしたあと、俺は数日間熱を出して寝込んでしまった。

「あれ……ここ……」

目が覚めて、見上げた天井はいつもの騎士団寮の天井ではなくて。

「ルカ、体調はどうだ?」

国王の私室のベッドの上だった。

「熱っぽいかも……どうして俺ここで寝てるんだ?」
「フェロモン。フェロモンが凄くて、騎士団寮では危険だから連れて来た。医師が言うには発情期の前触れらしい」
「発情期……」
「ルカには酷だが、護衛騎士はもう辞めたことになってる。危険だから続けさせられない」
「そう……か……」
あとで挨拶に行こうと思いながらも、様々な思いが込み上げてきて、ぽろりと一筋涙がこぼれ落ちた。

「ルカ……」

ベッドに腰掛けて俺を見ていたイゼフが俺の髪を撫でた。

「これからのことは改めて話し合おう。発情期に入るまではゆっくり休んでいてくれ」
公務があるからと、瞼にキスをおとしてイゼフは離れていった。

イゼフが部屋から出ていって、しばらくぼーっとしていたけれど、急に泣けてきて、枕に顔を埋めた。


次から次へととまらない涙に疲れた頃、いつの間にかまた寝てしまっていた俺は、今度は背筋を這い上がる快感に目を覚ました。


「はっ……」
陰茎が痛いくらいに張り詰めていて、俺は迷わずそこに手を伸ばした。

「んっ……んっ」
いくらも扱かないうちに達して、下着を濡らした。

「あっ……イゼフ。イゼフ、助けて」
すぐに芯を取り戻したそこを慰めながら、後ろからも愛液が垂れてきて、Ωになっしてまったことを実感する。

「欲しい……!」
慣らされてはいるけれど、自分で触ることには抵抗があって、身を捩った。
ひくひくと誘うように収縮する後孔がもどかしい。

身に纏った衣服さえ、敏感になった全身には刺激になって、身を苛んだ。

これが発情期……。
熱っぽい全身を持て余しながら、熱い息を吐き、快楽に耐えようとした。
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