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けれどそれはうまくいかなくて、ゾクゾクが身体を駆けて、震えてしまう。

「はぁはぁ……イゼフ、どこぉ……」

一人で慰めるのは寂しくて、イゼフが欲しくてたまらない。

「あぁっ」

また達してしまい、浅く呼吸を繰り返した。
勃ち上がる欲望は終わりが見えない。

白濁が薄くなり始めた頃、部屋のドアが開いた。

「ルカ!」
「あっ、イゼフ! イゼフ、来て」
「くっ、ルカのフェロモンが凄い」

足早にベッドの近くまで来たイゼフが、自らの服を脱ぎ、俺の服も手早く脱がしてくれた。

「びしょびしょだな、ルカ。挿れてあげるからな」
「うんっ。待ってたぁ……」

ベッドに上がったイゼフに腕を伸ばして、足を開いた。

「んんっ……」
「はぁ……甘い唇だ」

口付けを交わし、イゼフの指が後孔に差し込まれた。

「イゼフっ、早くちょうだい……」
「良く濡れてるけど、もう少し慣らさないとキツいだろう」

「うんんっ……」

指が良いところを刺激して、身体が跳ねる。でももっと奥を刺激して欲しい。
熱くて大きいそれで……。

イゼフも臨戦態勢なのに、焦らされてしまう。

「ちょうだい……」
「ルカ、煽るなっ」

ぎゅぅっときつく抱きしめられて、イゼフのフェロモンに包まれる。

乱暴なキスの後、待ち焦がれた熱が後孔にあてられた。


「ああっ」

満たされる感覚に、背をのけぞらせた。

「挿入ってくる……」
「ルカ……私のΩ。誰にも渡さない」
「あっ、んっ……うんっ」
小刻みな抽送は、段々と激しいものに変わっていく。

最奥に放たれた時、俺はその日最後の白濁を飛ばしたけど、日が変わっても営みは続いた。









「では、本当に妃になってくれるのか」
「うん。俺でよければ、よろしくお願いします」
「ルカ……!」

初めての発情期が終わった日に、これからについて話し合いをしていた。
そして俺は、ついに決断をイゼフに伝えた。

「次の発情期には、番にもなろう。ルカ……、お前だけを愛している」
「うん、俺も……」

Ωになったばかりでまだまだ不安は多いけれど、イゼフについていこうと思う。

抱きしめられた温もりを大切に思い、俺はイゼフをそっと抱きしめ返した。
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