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第3話 おでん屋台
「マスター、まだお店はやっていますか?」
私はノレンをくぐって店主に話しかける。
「ええ、やってますよ」
黒髪黒目の店主が快活な声で答えてくれた。
年齢は三十代半ばほどだが、和服という衣服の下には強靭な筋肉が存在している。
最初は冒険者や戦士の経験があると思ったが、本人いわく子供の頃から料理の道一筋だという。
「すみません。今日はちょっと混んでいるので隅の席でも構いませんか?」
「はい、構いませんよ」
確かに屋台の中は盛況だった。
10人は座れるL字型のカウンターはほぼ埋まり、外まで出している四つの簡易テーブルも満席だった。
時間も時間なのでお客さんの大半はすでに出来上がっている。
元とはいえ、貴族令嬢の私のことなど誰も気にしていない。
それぞれお酒とおでんと談話を楽しみ、身を切るような寒さの他の場所と違ってここは春のような温かさが充満している。
私はカウンターの一番奥の席に座った。
隣の席は空いているが、別にきちんと詰めて座らないといけないルールはこの店にはない。
「さて、お嬢さん。何が食べたい……ってあれ? 誰かと思ったらシドさんのお連れさんじゃないですか」
シドとは私の叔父だった人だ。
〈結界姫〉に必要な特別な魔力が発現した半年前、ちょうど同じ頃に乗馬中の事故で亡くなってしまった。
生前は気さくで陽気な人だった。
生涯独身を貫き、貴族なのに平然と平民街の場末の酒場や色街に通っていた。
私はそんな叔父様が大好きだった。
生来の根暗な性格が災いしたのか、あまり貴族令嬢たちのお茶会に馴染めなかった私を見て、叔父様は夜に人目を盗んで私を平民街へと連れて行ってくれた。
その中で私が叔父様と同じぐらい大好きになったのが、この【おでん屋台】である。
このランドルフ王国のはるか東にヒノモトという島国がある。
【おでん屋台】はそのヒノモトでも人気な平民の食べ物であり、ランドルフ王国とヒノモトの国交が成立したことで互いの文化が入り合うようになった。
まあ、それはさておき。
「聞きましたよ……シドさんのことは残念でしたね」
店主は叔父様の訃報を知っていたのだろう。
温かいタオル――おしぼりを出してくれながら、口だけではない心の底から悲しそうな顔をしてくれた。
それがなぜか堪らなく嬉しかった。
「はい……ですが、あの人らしい最後といえば最後でしたから」
私は叔父様のことや自分の境遇を思い出して泣きそうになったが、せっかくの最後の晩餐を涙と不幸で終わらせたくない。
なので私は無理やり明るい表情を作った。
「ごめんなさい。今日は叔父様のことを伝えに来たわけじゃないんです。またこうしてマスターのおでんを食べに来たんですよ。マスターのおでんは私がこれまで食べてきた食べ物の中でもトップクラスに美味しいものでしたから」
「嬉しいですね。貴族のお嬢様にそうまで言っていただけると、こっちも異国でおでん屋を始めた甲斐があるってんものです。そんじゃあ、今日は何から行きます?」
私は「え~と」とマスターの背後の棚に並んでいるヒノモト酒を見渡した。
ワインボトルよりも大きな形をしているガラス製の酒瓶が綺麗に並んでいる。
「まずは食前酒を熱くして一杯いただけますか……そうだ、叔父様のキープしていたヒノモト酒をもらうことはできます?」
「もちろんですよ。シドさんのキープしていたのは【白龍】でしたがいいですか?」
「ええ、お願いします」
マスターは慣れた手つきでガラスのコップに【白龍】を注ぐと、私の目の前のカウンターにそっと置いてくれた。
「何か食べたくなったら言ってくださいね」
そう言うとマスターは他の客の応対に切り替える。
私はヒノモト酒が入ったコップを手に取った。
ヒノモト酒は水のように透明だが水ではない。
実はワインよりも酒精《アルコール》が強いヒノモト産の穀物酒である。
こういうお酒は一気に飲んではいけない。
激しく酔ってしまうこともそうだが、少しずつ飲むことで異国のお酒を十分に楽しむことができる。
私はチビッと【白龍】を口に含む。
「~~~~」
口に含んだ途端、私は両目を閉じて声にならない感嘆の声を漏らす。
(ああ……美味しい)
ワインとはまた別物の清らかでキレのある味わい。
口触りも重すぎず軽すぎず、異国のコメという穀物の旨味がしっかりと感じられる。
他にも上質なフルーツの味も若干感じられたが、マスターが言うには原料はコメと水の他にコメコウジというものしか使っていないという。
何にせよ、冷え切っていた身体に最高だった。
「……さて」
胃の中が少し熱くなったことで、さらに空腹感が増してきた。
となると、いよいよ本命のおでんを食べるとき。
私はカウンターの中に設置されている、木製と鉄版を組み合わせた長方形の調理器具に顔を向ける。
あれはおでん専用の保温調理器具らしく、真下には発熱する魔力石があってダシ汁というものに浮かんでいるおでんの具材を長時間温めているという。
「マスター、まずは卵とダイコンを一つずついただけますか?」
卵とダイコンは叔父様も大好きだった具材で、もちろん私も初めて食べたときから一発で大好物になってしまった具材である。
マスターは「はいよ」と言うと、湯気の立つおでん鍋から白いダイコンと、ころんとしたゆで卵をすくい上げる。
卵は殻を剥いた茹で卵で、ダイコンとは異国の野菜のことだ。
「へい、お待ち」
湯気の幕をかき分けて、マスターは皿に乗せた卵とダイコンを目の前のカウンターに置いてくれた。
「相変わらず美味しそう」
白磁の肌を思わせるダイコンは、ダシ汁をたっぷり吸っていて、フォークが簡単に突き刺さる。
私はフォークで一口大に切ると、「ふうふう」と息で冷まして口に入れる。
「~~~~~~~」
たまらない美味しさだった。
以前に食べたときも美味しかったが、今のような絶望なときにでもしっかりと旨味を感じるのだからおでんは偉大だ。
とはいえ、私の本命はダイコンではない。
ずばり私の真の好物は卵である。
私はフォークで卵を半分に切り、ダシ汁を吸った茶色の卵白部分と黄色の黄身のコントラストを見て生唾を飲み込む。
そして――。
ガブリ、と恥も外見もなくかぶりついた。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
これぞ至福!
卵焼きとも目玉焼きともスクランブルエッグとも違う、玉子という素材を最大限に生かした最高の調理法に違いない。
「お嬢さん、涙を流すほど今日のおでんは美味しいですか?」
「……え?」
マスターに言われて私は気づいた。
自分でも知らない間に涙が溢れている。
「嬉しいですね。そんなに喜んでもらえるとおでん屋冥利に尽きるってもんです」
マスターは天使のように微笑むと、乾いたタオルを渡してくれて再び他のお客さんの対応に入る。
(うん……本当に美味しい……美味しいですよ)
マスターには言うつもりはないけれど、このおでんが私の人生の最後の食事なのだ。
たった十七年、されど十七年の貴族令嬢の儚い人生だった。
悔いがないと言えば嘘になる。
怒りがないかと言われれば嘘になる。
でも、もはやどうしようもできない。
〈結界姫〉としての立場も奪われ、王族から婚約破棄され、とどめは実家からの勘当である。
このおでんを最後に私は一晩明けたら命を絶つ。
さすがに宿屋で首を吊ったり手首を切ったら迷惑なので、どこか廃墟を見つけて人知れず死のう。
ただ、その前に目の前のおでんを心ゆくまで堪能したい。
そう、今だけはすべてを忘れておでんを最後まで美味しく味わいたい。
などと思って涙を拭こうとしたときである。
バサッとノレンが人の手で大きく揺れ動いた。
そして一人の若い男性客が入ってくる。
「マスター、まだ店はやっているかな?」
私はその若い男性客に目が釘付けになった。
その若い男性客は、白髪のような美しい銀髪の想像を絶する美青年だった。
私はノレンをくぐって店主に話しかける。
「ええ、やってますよ」
黒髪黒目の店主が快活な声で答えてくれた。
年齢は三十代半ばほどだが、和服という衣服の下には強靭な筋肉が存在している。
最初は冒険者や戦士の経験があると思ったが、本人いわく子供の頃から料理の道一筋だという。
「すみません。今日はちょっと混んでいるので隅の席でも構いませんか?」
「はい、構いませんよ」
確かに屋台の中は盛況だった。
10人は座れるL字型のカウンターはほぼ埋まり、外まで出している四つの簡易テーブルも満席だった。
時間も時間なのでお客さんの大半はすでに出来上がっている。
元とはいえ、貴族令嬢の私のことなど誰も気にしていない。
それぞれお酒とおでんと談話を楽しみ、身を切るような寒さの他の場所と違ってここは春のような温かさが充満している。
私はカウンターの一番奥の席に座った。
隣の席は空いているが、別にきちんと詰めて座らないといけないルールはこの店にはない。
「さて、お嬢さん。何が食べたい……ってあれ? 誰かと思ったらシドさんのお連れさんじゃないですか」
シドとは私の叔父だった人だ。
〈結界姫〉に必要な特別な魔力が発現した半年前、ちょうど同じ頃に乗馬中の事故で亡くなってしまった。
生前は気さくで陽気な人だった。
生涯独身を貫き、貴族なのに平然と平民街の場末の酒場や色街に通っていた。
私はそんな叔父様が大好きだった。
生来の根暗な性格が災いしたのか、あまり貴族令嬢たちのお茶会に馴染めなかった私を見て、叔父様は夜に人目を盗んで私を平民街へと連れて行ってくれた。
その中で私が叔父様と同じぐらい大好きになったのが、この【おでん屋台】である。
このランドルフ王国のはるか東にヒノモトという島国がある。
【おでん屋台】はそのヒノモトでも人気な平民の食べ物であり、ランドルフ王国とヒノモトの国交が成立したことで互いの文化が入り合うようになった。
まあ、それはさておき。
「聞きましたよ……シドさんのことは残念でしたね」
店主は叔父様の訃報を知っていたのだろう。
温かいタオル――おしぼりを出してくれながら、口だけではない心の底から悲しそうな顔をしてくれた。
それがなぜか堪らなく嬉しかった。
「はい……ですが、あの人らしい最後といえば最後でしたから」
私は叔父様のことや自分の境遇を思い出して泣きそうになったが、せっかくの最後の晩餐を涙と不幸で終わらせたくない。
なので私は無理やり明るい表情を作った。
「ごめんなさい。今日は叔父様のことを伝えに来たわけじゃないんです。またこうしてマスターのおでんを食べに来たんですよ。マスターのおでんは私がこれまで食べてきた食べ物の中でもトップクラスに美味しいものでしたから」
「嬉しいですね。貴族のお嬢様にそうまで言っていただけると、こっちも異国でおでん屋を始めた甲斐があるってんものです。そんじゃあ、今日は何から行きます?」
私は「え~と」とマスターの背後の棚に並んでいるヒノモト酒を見渡した。
ワインボトルよりも大きな形をしているガラス製の酒瓶が綺麗に並んでいる。
「まずは食前酒を熱くして一杯いただけますか……そうだ、叔父様のキープしていたヒノモト酒をもらうことはできます?」
「もちろんですよ。シドさんのキープしていたのは【白龍】でしたがいいですか?」
「ええ、お願いします」
マスターは慣れた手つきでガラスのコップに【白龍】を注ぐと、私の目の前のカウンターにそっと置いてくれた。
「何か食べたくなったら言ってくださいね」
そう言うとマスターは他の客の応対に切り替える。
私はヒノモト酒が入ったコップを手に取った。
ヒノモト酒は水のように透明だが水ではない。
実はワインよりも酒精《アルコール》が強いヒノモト産の穀物酒である。
こういうお酒は一気に飲んではいけない。
激しく酔ってしまうこともそうだが、少しずつ飲むことで異国のお酒を十分に楽しむことができる。
私はチビッと【白龍】を口に含む。
「~~~~」
口に含んだ途端、私は両目を閉じて声にならない感嘆の声を漏らす。
(ああ……美味しい)
ワインとはまた別物の清らかでキレのある味わい。
口触りも重すぎず軽すぎず、異国のコメという穀物の旨味がしっかりと感じられる。
他にも上質なフルーツの味も若干感じられたが、マスターが言うには原料はコメと水の他にコメコウジというものしか使っていないという。
何にせよ、冷え切っていた身体に最高だった。
「……さて」
胃の中が少し熱くなったことで、さらに空腹感が増してきた。
となると、いよいよ本命のおでんを食べるとき。
私はカウンターの中に設置されている、木製と鉄版を組み合わせた長方形の調理器具に顔を向ける。
あれはおでん専用の保温調理器具らしく、真下には発熱する魔力石があってダシ汁というものに浮かんでいるおでんの具材を長時間温めているという。
「マスター、まずは卵とダイコンを一つずついただけますか?」
卵とダイコンは叔父様も大好きだった具材で、もちろん私も初めて食べたときから一発で大好物になってしまった具材である。
マスターは「はいよ」と言うと、湯気の立つおでん鍋から白いダイコンと、ころんとしたゆで卵をすくい上げる。
卵は殻を剥いた茹で卵で、ダイコンとは異国の野菜のことだ。
「へい、お待ち」
湯気の幕をかき分けて、マスターは皿に乗せた卵とダイコンを目の前のカウンターに置いてくれた。
「相変わらず美味しそう」
白磁の肌を思わせるダイコンは、ダシ汁をたっぷり吸っていて、フォークが簡単に突き刺さる。
私はフォークで一口大に切ると、「ふうふう」と息で冷まして口に入れる。
「~~~~~~~」
たまらない美味しさだった。
以前に食べたときも美味しかったが、今のような絶望なときにでもしっかりと旨味を感じるのだからおでんは偉大だ。
とはいえ、私の本命はダイコンではない。
ずばり私の真の好物は卵である。
私はフォークで卵を半分に切り、ダシ汁を吸った茶色の卵白部分と黄色の黄身のコントラストを見て生唾を飲み込む。
そして――。
ガブリ、と恥も外見もなくかぶりついた。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
これぞ至福!
卵焼きとも目玉焼きともスクランブルエッグとも違う、玉子という素材を最大限に生かした最高の調理法に違いない。
「お嬢さん、涙を流すほど今日のおでんは美味しいですか?」
「……え?」
マスターに言われて私は気づいた。
自分でも知らない間に涙が溢れている。
「嬉しいですね。そんなに喜んでもらえるとおでん屋冥利に尽きるってもんです」
マスターは天使のように微笑むと、乾いたタオルを渡してくれて再び他のお客さんの対応に入る。
(うん……本当に美味しい……美味しいですよ)
マスターには言うつもりはないけれど、このおでんが私の人生の最後の食事なのだ。
たった十七年、されど十七年の貴族令嬢の儚い人生だった。
悔いがないと言えば嘘になる。
怒りがないかと言われれば嘘になる。
でも、もはやどうしようもできない。
〈結界姫〉としての立場も奪われ、王族から婚約破棄され、とどめは実家からの勘当である。
このおでんを最後に私は一晩明けたら命を絶つ。
さすがに宿屋で首を吊ったり手首を切ったら迷惑なので、どこか廃墟を見つけて人知れず死のう。
ただ、その前に目の前のおでんを心ゆくまで堪能したい。
そう、今だけはすべてを忘れておでんを最後まで美味しく味わいたい。
などと思って涙を拭こうとしたときである。
バサッとノレンが人の手で大きく揺れ動いた。
そして一人の若い男性客が入ってくる。
「マスター、まだ店はやっているかな?」
私はその若い男性客に目が釘付けになった。
その若い男性客は、白髪のような美しい銀髪の想像を絶する美青年だった。
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