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最終章 元荷物持ち、すべての因果に決着をつけ伝説となる
第七十七話 すべての因果に決着を
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俺の腹部に火薬が爆発したような衝撃が走る。
直後、俺の身体は見えない糸に引っ張られるように吹き飛んだ。
それでも俺は何とか意識を失わず、空中で回転して地面に着地した。
しかし、その衝撃の威力によって着地してからも数メートルは後退させられたことに歯噛みする。
やがて身体が止まったとき、俺はパンチを繰り出した状態で静止していた数馬を見やる。
「へえ……今の一撃でも死なねえのか?」
そう言ったものの、数馬はあまり驚いていない。
「てめえの腹は何で出来てんだ? マジで鉄を殴ったような感触だったぞ」
〈硬身功〉である。
俺は数馬に殴られる寸前、〈硬身功〉を使って防御力を向上させていたのだ。
けれども、〈硬身功〉を使ってなお衝撃が全身に行き渡った。
凄まじい威力だった。
〈聖気〉を込めた威力とは異なる力の衝撃。
〈魔力〉である。
数馬は〈発勁〉と同じように、〈魔力〉を拳に一点集中させて力任せに殴ってきたのだ。
ただそれだけのことだったが、俺が〈周天〉を使って倍増させた〈聖気〉を〈発勁〉に応用した攻撃とほぼ同程度の威力があった。
いや、もしかするとそれ以上かもしれない。
しかも数馬は〈箭疾歩〉に似た歩法を使って一瞬で間合いを詰めてきた。
やはり今の数馬は完全に人間を超越し、魔王の眷族たる魔人と化している。
「それも【聖気練武】の技ってことか、拳児……いや、本当の名前はケン・ジークなんとかっていうらしいな」
「――――ッ」
俺が眉根をひそめたあと、数馬の肩口からボコリと別の人間の頭部が出てきた。
20代半ばから後半ほどの銀髪の男。
俺はぎりりと奥歯を軋ませた。
同時に頭部だけの銀髪の男は口の端を吊り上げる。
『見た目は変わっても我にはわかるぞ。クレスト聖教会の最強の武闘僧――ケン・ジーク・ブラフマン。よもや貴様もこの世界に転移しているとはな』
忘れたくても忘れられない。
銀髪の男は魔王ニーズヘッド。
アースガルドで悪逆非道の限りを尽くした魔族どもの王。
そして俺が絶対に倒さねばならない相手だ。
同時に俺は数馬を見た。
もはや数馬と魔王ニーズヘッドは完全に同化している。
いや、厳密に言えば数馬は魔王ニーズヘッドを完全体としてこの世に生み出すための依代にされているのだろう。
だとしたら倒すべき相手は魔王ニーズヘッドのみならず数馬もだ。
「数馬、もはや俺にとってお前も倒すべき相手になった。だから――」
「観念しろ……ってか?」
数馬は他人事のようにケラケラと笑う。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃねえか……それよりも少し話をしようぜ」
などと言われて「はい、そうですか」と答えられるわけがない。
俺は全身に〈聖気〉をまとわせて警戒心を露わにする。
そんな俺を見て数馬はため息を吐く。
「おいおい、連れねえな。確かに俺はお前にひどいことをしてPTから追放した。それは俺も反省している。だが、こうやってお前と腹を割って話せるようになったんだ。どうだ? 今までのことは水に流してまた俺とPTを組もうぜ」
「寝言は寝てから言え。何がPTを組もう、だ。そう言えば俺が油断するとでも思っているのか」
「そうかよ。相も変わらずにムカつく野郎だ。大人しく俺の口車に乗ってくれれば楽に殺してやったのに」
くくく、と数馬は酷薄した笑みを浮かべた。
同時に数馬の全身からは、強大な青白い〈魔力〉が放出される。
邪悪をさらに煮詰めたような〈魔力〉が、突風の如き物理的な圧力となって襲いかかってくる。
「数馬、もうお前と話し合うことなどない。魔王もろともこの世から存在を消す!」
俺が叫ぶや否や、数馬は地面を蹴って突進してきた。
「ハッハーッ! やれるもんならやってみろや!」
数馬は先ほどのように一瞬で間合いを詰め、俺の制空権に容赦なく踏み込んできた。
それだけではない。
数馬は風を切り裂くような鋭い刻み突きを放ってくる。
俺は驚きと同時に、自分の顔面に飛んできた刻み突きに対応した。
右手の掌で刻み突きを外側に捌いたのだ。
だが、数馬の攻撃は終わらない。
数馬は流れるような動きで今度は下段蹴りを繰り出してきた。
俺は反射的に太ももを上げて下段蹴りをガードしようとする。
ところが数馬のほうが一枚上手だった。
数馬は俺の反応を見た瞬間、軸足をさらに返して下段蹴りから中段蹴りへと攻撃を変化させたのだ。
体重の乗った数馬の蹴りが、俺の脇腹へと深々と突き刺さる。
「ぐうッ!」
内臓を掻き乱される強烈な一撃だった。
金属の棒で殴られたような衝撃が脇腹から全身に広がり、俺は痛烈なうめき声を漏らす。
俺は度肝を抜かれた。
間違いなく、数馬の格闘能力が飛躍的に向上している。
動きや体重移動のスムーズさは熟練者のそれだ。
興が乗ってきたのか、数馬は嬉しそうな笑みのまま追撃してきた。
烈風のような勢いの刻み突き、直突き、前蹴り、下段蹴りなど様々な技が俺に矢のように放たれてくる。
もちろん、そんな怒涛の攻撃を受けるわけにはいかない。
俺は数馬の攻撃を防ぎ、または捌いていく。
五秒ほど攻防が続いたときだろうか。
俺が数馬の中段蹴りを腕でしっかりと防いだあと、数馬は大きく舌打ちしながら再び蹴りを繰り出してきた。
渾身の左の上段蹴りだ。
数馬の上段蹴りは素人には不可視の速度で、俺の側頭部に目掛けて半円を描いて飛んでくる。
――ここだ!
俺は上段蹴りの軌道を完全に読み、筋肉を固めた右腕で防御した。
骨にまで浸透するほどの重い衝撃に顔を歪めたが、俺は防御と同時に数馬に対してカウンターの〈発勁〉による突きを繰り出す。
しかし――。
「遅えよ!」
数馬は俺のカウンターにさらにカウンターで返してきたのだ。
「オラアアアアアアアアア」
〈魔力〉を凝縮した渾身の突きである。
俺は腹部にその突きを放たれ、防御する暇もなく数メートルも吹き飛ばされた。
――強いッ!
率直な感想だった。
今の数馬は魔王ニーズヘッドの〈魔力〉を借りて強大な魔人と化している。
俺は何度か地面を転がりながらも、すぐに立ち上がって身構える。
「やっぱり肉弾戦じゃ殺せるまでにはいかねえか」
『当たり前だ。奴を甘く見るな。もう遊びはその辺にしておけ』
魔王ニーズヘッドが言うと、数馬は「わかったよ」と同意して天高く跳躍した。
〈軽身功〉のように〈魔力〉自体に浮力をもたせ、空中浮揚する魔法の一種。
屋上から十数メートル以上の空中で停止した数馬は、屋上に残っている俺に開いた状態の両手を突き出した。
その両手に周囲の光景を歪ませるほどの膨大な〈魔力〉を凝縮させていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――ッ!
俺の脳裏に先ほどの青白い光線が浮かんだ。
〈魔砲〉。
極限まで高めた〈魔力〉を砲弾として俺に撃ち放つつもりだろう。
あれほどの威力の〈魔砲〉ならば、このダンジョン協会の本館は間違いなく灰塵となる。
だとしたら、俺がここで倒さなくてはならない。
でなければ俺だけでなく成瀬さんやエリーも死ぬ。
俺は再び〈周天〉を使って全身の〈聖気〉を倍増させる。
数馬、魔王ニーズヘッド……ここで決着をつけてやる!
俺は数馬と魔王ニーズヘッドを睨みながら、両足を開いて腰を深く落とした。
そして右拳を脇にまで引き、空いていた左手で右拳を包むような形を取る。
直後、俺は全身の〈聖気〉をさらに倍増させる特別な呼吸法を行った。
それだけではない。
その〈聖気〉を右拳に一気に集中させるイメージを高める。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――ッ!
俺が〈聖気〉を練り上げていくごとに、悲鳴を上げるように本館の建物が揺れていく。
やがて俺の右拳が朝日のように眩く光り輝き出す。
一方、数馬の両手から放たれている光は暗黒の象徴。
この世を漆黒の闇に閉ざす負の光だ。
「死ねやッ!」
数馬は大気を震わせるほどの怒声を上げ、強大な〈魔砲〉を撃ち放った。
俺はその〈魔砲〉に対抗すべく、数馬に向かってその場での〈発勁〉の奥義の1つによる突きを繰り出す。
遠距離用の攻撃――〈聖光・神遠拳〉だ。
俺の右拳からは黄金色の巨大な奔流が噴き上がり、上空にいた数馬へと向かって飛んでいく。
バギイイイイイイイイイイイイインッ!
数馬の〈魔砲〉と俺の〈聖光・神遠拳〉が空中で激突し、そのまま霧散せずに互いの攻撃を跳ね返そうと極限まで押し合う。
俺と数馬の攻撃は拮抗していた。
空中で凄まじいエネルギー同士がぶつかっていることにより、半径数十メートルの大気がビリビリと鳴動して本館の建物がさらに揺れる。
このとき、俺は〈聖光・神遠拳〉を放ちながら感じていた。
数馬の〈魔砲〉のほうが若干だが俺より上だということに。
つまり、このままでは最終的に競り負けて俺は本館の建物ごと消滅するだろう。
いや、それだけではすまない。
本館どころかダンジョン協会の敷地全部が〈門〉だけを残して完全消滅する。
ダメだ、そんなことは絶対にさせない!
俺は一層の覚悟を決めた。
俺は右拳で〈聖光・神遠拳〉を放ちつつ、左拳を脇に引いてさらに〈聖気〉を一点集中させた。
言わずもがな左拳にである。
だが、今の限界を超えて〈聖気〉を練り上げたことで激しい頭痛に襲われた。
全身にも耐えがたい激痛が走り、鼻からはとめどなく血が流れ出てくる。
大量に生命力を消費している証だった。
けれども俺は構わずに〈聖気〉をどんどん練り上げていく。
ここが千載一遇のチャンスなのだ。
アースガルドでできなかった、魔王ニーズヘッドを倒すという目的を果たすチャンスは――。
なので俺はここで命を落としていい覚悟を決めて〈聖気〉を練り上げ続けた。
そして俺は極限まで〈聖気〉を練り上げると、今度は左拳を数馬に向かって撃ち込んだ。
同時にあらんかぎりの感情を込めて言い放つ。
「〈聖光・双龍神遠拳〉ッ!」
わたしは言葉を完全に失っていた。
ケンさんは〈魔羅廃滅教団〉の教祖――マーラ・カーンを文字通り瞬殺したあと、互いに顔見知りだったのだろう異形な肉体の青年と対峙した。
それだけではない。
異形な肉体の青年の首元から銀髪の青年の顔が出てきたのだ。
そのときである。
「イオリ、無事やったか」
と、わたしの隣で声が聞こえた。
ハッとして顔を向けると、そこにはケンさん専用のドローンを持ったエリーさんがいた。
「エリーさんも無事だったんですね」
そう声に出した直後に気づいた。
ドローンの配信ボタンが点灯していたのだ。
まさか、ライブ配信中なの?
そうたずねようとしたとき、エリーさんはとんでもないことを口にした。
「あの銀髪の男が魔王ニーズヘッドや」
「えっ!」
わたしはエリーさんから異形な肉体の青年に顔を戻した。
厳密には異形な肉体の青年の首元から出ていた、銀髪の男の顔をである。
一見するとハンサムと言えるほど精悍な顔つきだったが、それは顔つきだけで銀髪の男からは内臓が掻き乱されるほどの不気味な負のオーラが放出されていた。
そんなことを感じたのも束の間、ケンさんと異形な肉体の青年との闘いが始まった。
す、すごい……
正直なところ、〈聖眼〉を使ってなければまったく見えないほどの速度での闘いである。
あんな凄まじい戦いはこれまで見たことがない。
わたしは食い入るように2人の死闘を見つめた。
最初はケンさんの劣勢かと思いきや、やがて異形の肉体の青年は〈軽身功〉を使ったような異常な跳躍で十数メートル上空へと移動した。
そこからは怒涛だった。
異形な肉体の青年は青白い光(ケンさんに前もって聞いていた〈魔力〉のことだろう)を凝縮し、戦艦の砲弾のようにケンさんに撃ち込んだのだ。
しかし、それはケンさんも同じだった。
ケンさんは腰だめに構えた状態から、練り上げた巨大な〈聖気〉の塊を右拳で撃ち放った。
黄金色の光の塊が〈魔力〉の塊と空中でぶつかる。
それは本館の建物を激しく揺らすほどの莫大なエネルギー同士の衝突だった。
そんな中、ケンさんが次の手を打った。
右手で〈聖気〉の砲弾を撃ち込みつつ、今度は「〈聖光・双龍神遠拳〉ッ!」と叫んで左手でも同じ〈聖気〉の砲弾を撃ったのだ。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――――――ッ!
その場の空間すらも歪めるほどの黄金色の二重の光が放出され、異形な肉体の青年をこの世から消滅させようと天空に向かって飛んでいく。
そして――。
「ぐああああああああああああああああああ」
『ば、馬鹿なああああああああああああああ』
異形な肉体の青年と銀髪の男の口からは悲鳴が発せられたが、ケンさんが放った〈聖光・双龍神遠拳〉という技は、その悲鳴どころか肉体も残さずに飲み込んでいった。
それどころか黄金色の光の奔流は、空に向かってどこまでも伸びていく。
わたしはその光景をただ唖然と眺めていた。
そしてこのとき壱番町にいた人間たちはおろか、迷宮街にいたすべての人間たちが一斉に空を見上げていたということを、わたしはあとで知った。
のちにこの出来事は、人知れず配信されていた〈元荷物持ち・ケンジch〉のライブ配信をキッカケに、現代ダンジョン配信界を支える探索者たちの間で長く語り継がれることになる。
異世界の魔王とその依代の青年を跡形もなく消し飛ばした、ケンさんが放った【聖気練武】の〈発勁〉の究極奥義――〈聖光・双龍神遠拳〉。
それは〈武蔵野ダンジョン〉の空を駆け上る、黄金色の巨龍のようであったと――。
【元荷物持ち・ケンジch】
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直後、俺の身体は見えない糸に引っ張られるように吹き飛んだ。
それでも俺は何とか意識を失わず、空中で回転して地面に着地した。
しかし、その衝撃の威力によって着地してからも数メートルは後退させられたことに歯噛みする。
やがて身体が止まったとき、俺はパンチを繰り出した状態で静止していた数馬を見やる。
「へえ……今の一撃でも死なねえのか?」
そう言ったものの、数馬はあまり驚いていない。
「てめえの腹は何で出来てんだ? マジで鉄を殴ったような感触だったぞ」
〈硬身功〉である。
俺は数馬に殴られる寸前、〈硬身功〉を使って防御力を向上させていたのだ。
けれども、〈硬身功〉を使ってなお衝撃が全身に行き渡った。
凄まじい威力だった。
〈聖気〉を込めた威力とは異なる力の衝撃。
〈魔力〉である。
数馬は〈発勁〉と同じように、〈魔力〉を拳に一点集中させて力任せに殴ってきたのだ。
ただそれだけのことだったが、俺が〈周天〉を使って倍増させた〈聖気〉を〈発勁〉に応用した攻撃とほぼ同程度の威力があった。
いや、もしかするとそれ以上かもしれない。
しかも数馬は〈箭疾歩〉に似た歩法を使って一瞬で間合いを詰めてきた。
やはり今の数馬は完全に人間を超越し、魔王の眷族たる魔人と化している。
「それも【聖気練武】の技ってことか、拳児……いや、本当の名前はケン・ジークなんとかっていうらしいな」
「――――ッ」
俺が眉根をひそめたあと、数馬の肩口からボコリと別の人間の頭部が出てきた。
20代半ばから後半ほどの銀髪の男。
俺はぎりりと奥歯を軋ませた。
同時に頭部だけの銀髪の男は口の端を吊り上げる。
『見た目は変わっても我にはわかるぞ。クレスト聖教会の最強の武闘僧――ケン・ジーク・ブラフマン。よもや貴様もこの世界に転移しているとはな』
忘れたくても忘れられない。
銀髪の男は魔王ニーズヘッド。
アースガルドで悪逆非道の限りを尽くした魔族どもの王。
そして俺が絶対に倒さねばならない相手だ。
同時に俺は数馬を見た。
もはや数馬と魔王ニーズヘッドは完全に同化している。
いや、厳密に言えば数馬は魔王ニーズヘッドを完全体としてこの世に生み出すための依代にされているのだろう。
だとしたら倒すべき相手は魔王ニーズヘッドのみならず数馬もだ。
「数馬、もはや俺にとってお前も倒すべき相手になった。だから――」
「観念しろ……ってか?」
数馬は他人事のようにケラケラと笑う。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃねえか……それよりも少し話をしようぜ」
などと言われて「はい、そうですか」と答えられるわけがない。
俺は全身に〈聖気〉をまとわせて警戒心を露わにする。
そんな俺を見て数馬はため息を吐く。
「おいおい、連れねえな。確かに俺はお前にひどいことをしてPTから追放した。それは俺も反省している。だが、こうやってお前と腹を割って話せるようになったんだ。どうだ? 今までのことは水に流してまた俺とPTを組もうぜ」
「寝言は寝てから言え。何がPTを組もう、だ。そう言えば俺が油断するとでも思っているのか」
「そうかよ。相も変わらずにムカつく野郎だ。大人しく俺の口車に乗ってくれれば楽に殺してやったのに」
くくく、と数馬は酷薄した笑みを浮かべた。
同時に数馬の全身からは、強大な青白い〈魔力〉が放出される。
邪悪をさらに煮詰めたような〈魔力〉が、突風の如き物理的な圧力となって襲いかかってくる。
「数馬、もうお前と話し合うことなどない。魔王もろともこの世から存在を消す!」
俺が叫ぶや否や、数馬は地面を蹴って突進してきた。
「ハッハーッ! やれるもんならやってみろや!」
数馬は先ほどのように一瞬で間合いを詰め、俺の制空権に容赦なく踏み込んできた。
それだけではない。
数馬は風を切り裂くような鋭い刻み突きを放ってくる。
俺は驚きと同時に、自分の顔面に飛んできた刻み突きに対応した。
右手の掌で刻み突きを外側に捌いたのだ。
だが、数馬の攻撃は終わらない。
数馬は流れるような動きで今度は下段蹴りを繰り出してきた。
俺は反射的に太ももを上げて下段蹴りをガードしようとする。
ところが数馬のほうが一枚上手だった。
数馬は俺の反応を見た瞬間、軸足をさらに返して下段蹴りから中段蹴りへと攻撃を変化させたのだ。
体重の乗った数馬の蹴りが、俺の脇腹へと深々と突き刺さる。
「ぐうッ!」
内臓を掻き乱される強烈な一撃だった。
金属の棒で殴られたような衝撃が脇腹から全身に広がり、俺は痛烈なうめき声を漏らす。
俺は度肝を抜かれた。
間違いなく、数馬の格闘能力が飛躍的に向上している。
動きや体重移動のスムーズさは熟練者のそれだ。
興が乗ってきたのか、数馬は嬉しそうな笑みのまま追撃してきた。
烈風のような勢いの刻み突き、直突き、前蹴り、下段蹴りなど様々な技が俺に矢のように放たれてくる。
もちろん、そんな怒涛の攻撃を受けるわけにはいかない。
俺は数馬の攻撃を防ぎ、または捌いていく。
五秒ほど攻防が続いたときだろうか。
俺が数馬の中段蹴りを腕でしっかりと防いだあと、数馬は大きく舌打ちしながら再び蹴りを繰り出してきた。
渾身の左の上段蹴りだ。
数馬の上段蹴りは素人には不可視の速度で、俺の側頭部に目掛けて半円を描いて飛んでくる。
――ここだ!
俺は上段蹴りの軌道を完全に読み、筋肉を固めた右腕で防御した。
骨にまで浸透するほどの重い衝撃に顔を歪めたが、俺は防御と同時に数馬に対してカウンターの〈発勁〉による突きを繰り出す。
しかし――。
「遅えよ!」
数馬は俺のカウンターにさらにカウンターで返してきたのだ。
「オラアアアアアアアアア」
〈魔力〉を凝縮した渾身の突きである。
俺は腹部にその突きを放たれ、防御する暇もなく数メートルも吹き飛ばされた。
――強いッ!
率直な感想だった。
今の数馬は魔王ニーズヘッドの〈魔力〉を借りて強大な魔人と化している。
俺は何度か地面を転がりながらも、すぐに立ち上がって身構える。
「やっぱり肉弾戦じゃ殺せるまでにはいかねえか」
『当たり前だ。奴を甘く見るな。もう遊びはその辺にしておけ』
魔王ニーズヘッドが言うと、数馬は「わかったよ」と同意して天高く跳躍した。
〈軽身功〉のように〈魔力〉自体に浮力をもたせ、空中浮揚する魔法の一種。
屋上から十数メートル以上の空中で停止した数馬は、屋上に残っている俺に開いた状態の両手を突き出した。
その両手に周囲の光景を歪ませるほどの膨大な〈魔力〉を凝縮させていく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――ッ!
俺の脳裏に先ほどの青白い光線が浮かんだ。
〈魔砲〉。
極限まで高めた〈魔力〉を砲弾として俺に撃ち放つつもりだろう。
あれほどの威力の〈魔砲〉ならば、このダンジョン協会の本館は間違いなく灰塵となる。
だとしたら、俺がここで倒さなくてはならない。
でなければ俺だけでなく成瀬さんやエリーも死ぬ。
俺は再び〈周天〉を使って全身の〈聖気〉を倍増させる。
数馬、魔王ニーズヘッド……ここで決着をつけてやる!
俺は数馬と魔王ニーズヘッドを睨みながら、両足を開いて腰を深く落とした。
そして右拳を脇にまで引き、空いていた左手で右拳を包むような形を取る。
直後、俺は全身の〈聖気〉をさらに倍増させる特別な呼吸法を行った。
それだけではない。
その〈聖気〉を右拳に一気に集中させるイメージを高める。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――ッ!
俺が〈聖気〉を練り上げていくごとに、悲鳴を上げるように本館の建物が揺れていく。
やがて俺の右拳が朝日のように眩く光り輝き出す。
一方、数馬の両手から放たれている光は暗黒の象徴。
この世を漆黒の闇に閉ざす負の光だ。
「死ねやッ!」
数馬は大気を震わせるほどの怒声を上げ、強大な〈魔砲〉を撃ち放った。
俺はその〈魔砲〉に対抗すべく、数馬に向かってその場での〈発勁〉の奥義の1つによる突きを繰り出す。
遠距離用の攻撃――〈聖光・神遠拳〉だ。
俺の右拳からは黄金色の巨大な奔流が噴き上がり、上空にいた数馬へと向かって飛んでいく。
バギイイイイイイイイイイイイインッ!
数馬の〈魔砲〉と俺の〈聖光・神遠拳〉が空中で激突し、そのまま霧散せずに互いの攻撃を跳ね返そうと極限まで押し合う。
俺と数馬の攻撃は拮抗していた。
空中で凄まじいエネルギー同士がぶつかっていることにより、半径数十メートルの大気がビリビリと鳴動して本館の建物がさらに揺れる。
このとき、俺は〈聖光・神遠拳〉を放ちながら感じていた。
数馬の〈魔砲〉のほうが若干だが俺より上だということに。
つまり、このままでは最終的に競り負けて俺は本館の建物ごと消滅するだろう。
いや、それだけではすまない。
本館どころかダンジョン協会の敷地全部が〈門〉だけを残して完全消滅する。
ダメだ、そんなことは絶対にさせない!
俺は一層の覚悟を決めた。
俺は右拳で〈聖光・神遠拳〉を放ちつつ、左拳を脇に引いてさらに〈聖気〉を一点集中させた。
言わずもがな左拳にである。
だが、今の限界を超えて〈聖気〉を練り上げたことで激しい頭痛に襲われた。
全身にも耐えがたい激痛が走り、鼻からはとめどなく血が流れ出てくる。
大量に生命力を消費している証だった。
けれども俺は構わずに〈聖気〉をどんどん練り上げていく。
ここが千載一遇のチャンスなのだ。
アースガルドでできなかった、魔王ニーズヘッドを倒すという目的を果たすチャンスは――。
なので俺はここで命を落としていい覚悟を決めて〈聖気〉を練り上げ続けた。
そして俺は極限まで〈聖気〉を練り上げると、今度は左拳を数馬に向かって撃ち込んだ。
同時にあらんかぎりの感情を込めて言い放つ。
「〈聖光・双龍神遠拳〉ッ!」
わたしは言葉を完全に失っていた。
ケンさんは〈魔羅廃滅教団〉の教祖――マーラ・カーンを文字通り瞬殺したあと、互いに顔見知りだったのだろう異形な肉体の青年と対峙した。
それだけではない。
異形な肉体の青年の首元から銀髪の青年の顔が出てきたのだ。
そのときである。
「イオリ、無事やったか」
と、わたしの隣で声が聞こえた。
ハッとして顔を向けると、そこにはケンさん専用のドローンを持ったエリーさんがいた。
「エリーさんも無事だったんですね」
そう声に出した直後に気づいた。
ドローンの配信ボタンが点灯していたのだ。
まさか、ライブ配信中なの?
そうたずねようとしたとき、エリーさんはとんでもないことを口にした。
「あの銀髪の男が魔王ニーズヘッドや」
「えっ!」
わたしはエリーさんから異形な肉体の青年に顔を戻した。
厳密には異形な肉体の青年の首元から出ていた、銀髪の男の顔をである。
一見するとハンサムと言えるほど精悍な顔つきだったが、それは顔つきだけで銀髪の男からは内臓が掻き乱されるほどの不気味な負のオーラが放出されていた。
そんなことを感じたのも束の間、ケンさんと異形な肉体の青年との闘いが始まった。
す、すごい……
正直なところ、〈聖眼〉を使ってなければまったく見えないほどの速度での闘いである。
あんな凄まじい戦いはこれまで見たことがない。
わたしは食い入るように2人の死闘を見つめた。
最初はケンさんの劣勢かと思いきや、やがて異形の肉体の青年は〈軽身功〉を使ったような異常な跳躍で十数メートル上空へと移動した。
そこからは怒涛だった。
異形な肉体の青年は青白い光(ケンさんに前もって聞いていた〈魔力〉のことだろう)を凝縮し、戦艦の砲弾のようにケンさんに撃ち込んだのだ。
しかし、それはケンさんも同じだった。
ケンさんは腰だめに構えた状態から、練り上げた巨大な〈聖気〉の塊を右拳で撃ち放った。
黄金色の光の塊が〈魔力〉の塊と空中でぶつかる。
それは本館の建物を激しく揺らすほどの莫大なエネルギー同士の衝突だった。
そんな中、ケンさんが次の手を打った。
右手で〈聖気〉の砲弾を撃ち込みつつ、今度は「〈聖光・双龍神遠拳〉ッ!」と叫んで左手でも同じ〈聖気〉の砲弾を撃ったのだ。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――――――ッ!
その場の空間すらも歪めるほどの黄金色の二重の光が放出され、異形な肉体の青年をこの世から消滅させようと天空に向かって飛んでいく。
そして――。
「ぐああああああああああああああああああ」
『ば、馬鹿なああああああああああああああ』
異形な肉体の青年と銀髪の男の口からは悲鳴が発せられたが、ケンさんが放った〈聖光・双龍神遠拳〉という技は、その悲鳴どころか肉体も残さずに飲み込んでいった。
それどころか黄金色の光の奔流は、空に向かってどこまでも伸びていく。
わたしはその光景をただ唖然と眺めていた。
そしてこのとき壱番町にいた人間たちはおろか、迷宮街にいたすべての人間たちが一斉に空を見上げていたということを、わたしはあとで知った。
のちにこの出来事は、人知れず配信されていた〈元荷物持ち・ケンジch〉のライブ配信をキッカケに、現代ダンジョン配信界を支える探索者たちの間で長く語り継がれることになる。
異世界の魔王とその依代の青年を跡形もなく消し飛ばした、ケンさんが放った【聖気練武】の〈発勁〉の究極奥義――〈聖光・双龍神遠拳〉。
それは〈武蔵野ダンジョン〉の空を駆け上る、黄金色の巨龍のようであったと――。
【元荷物持ち・ケンジch】
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