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2.計画実行と兄妹登場

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  今の僕が、神様の知名度を上げることは、たぶん、難しいと思う。
  けど、覚えることはできるから、この神様のことを詳しく知ってみよう。


  名前はヘルタ・シーファで、健康と安全を司る女神様。
  肖像画の見た目は10代後半くらいで、僕と同じ薄く青みがかった銀髪に紫の瞳を持つ綺麗なお姉さん。

  上級神にしては成立が新しい方で、専属神官は過去に一人しか存在していない。
  専属神官とは、創神教の神官の内、一柱の神に対する信仰が神様側に認められることにより、選出される神官で、この本のどこかで見た説明によると、現代には殆ど存在していないらしい。
  そして、かなり驚いたのが、ヘルタ・シーファに仕えた唯一の専属神官の名前はエテルーン・トレイズ。
  つまり、お母さんの実家、トレイズ公爵家に縁のある人物かもしれないということ。
  もしかしたら、その神官は、今世の僕の遠い御先祖様の可能性があるかもしれないってことで、今、すごくドキドキしてる。




  でも、この神様を代表する神話の物語はさらに衝撃的だった。


_____________________


  ヘルタ・シーファは、家は平民な上に母子家庭の生まれであったものの、才能と容姿に恵まれた少女だった。

  母子家庭の平民であったが故に、当時の選民主義の風潮により、3歳で洗礼の儀を受けることが出来ず、長らく生まれた国の国民として扱われなかった。

  5歳の時、病で倒れた母を介抱するうちに、偶然回復魔法の才に目覚め、以降、ヘルタ・シーファは、母親と共に生活しているスラム街で怪我人や病人の治癒を行うようになった。

  8歳になる頃、その活躍が領主の目に留まり、奴隷商に追われるようになった。
  そのため、ヘルタはスラム街に住む仲間と親しい商人や豪農の子ども、そして、領主に反旗を翻そうと画策していた騎士や領主の子どもと共に、安住の地を求めて世界中を巡り、北大陸の北東部に、代表となる元領主の息子の名を冠した街を築き上げた。

  ヘルタは晩年、自身の一人息子に、街に創神教の教会を造るよう命じ、完成を見届ける前に、神の領域へ至ったと記録されている。

_____________________


  この内容が事実なら、健康神ヘルタは、元人間の神様ってことになるけど、そんなことがあるんだぁ。

  あっ、そういえば、確か前世で読んだ神話に出てくる神様の中には、神様と人間のハーフが神様になるお話があったような気がする。
  もしかしたら、ヘルタ・シーファの、謎に包まれたお父さんは神様だったのかもしれないね。



  備考欄に何か書いてる。

  なになに?

  ヘルタ・シーファが築いた街が、セレグアズ公爵領の前身の街を示す場合、エテルーン・トレイズは、ヘルタ・シーファの一人息子の子孫である可能性が高い。



  ・・・・・・・・・・・・
  ん?
 これって、 どういうこと?

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