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3.祝日のお祭り
3-012
しおりを挟む次に、サーシャさんのお見舞いに行く日は、明明後日の7日。
サーシャさんの退院日の、一日前の日付にした。
今回のサーシャさんの入院理由は、妊娠中に意識を失ったことが、身体に影響を与えていないか、お腹の子どもの健康状態は良いか、などの検査や診察などを目的としたものだったので、すぐに退院できるということだったので、一安心した。
そして、明後日の6日には、僕の魔法の家庭教師になってくれた、アルスさんとシアナさんの二人と、顔合わせをすることが決まっていた。
本当は、もう少し後の方に回してもよかったらしいんだけど、今月は「国祭」と呼ばれている、ベイルマート王国でも一、二を争う巨大なお祭りがある関係で、二人の都合が、なかなか合わないのだそうだ。
それで、後に回すよりは、先に会ってしまおう、っていうことになったらしい。
一度会ってしまえば、その後は時間が空いた時などに、バラバラと会っても問題ないから、という説明を僕は聞かされた。
そりゃあ、一騎士団の団長と宮廷魔法師団の大隊長を務めている人たちだし、どっちも、上級貴族家の当主なんだよね?
だったら、忙しいのは当たり前かぁ。
ところで、何度も聞いた「国祭」って、なんだろう?
国の祭りと書いて「国祭」と読むくらいだから、とてつもなく規模が大きいお祭りだ、っていうことはなんとなく分かるんだけど・・・・・・・・・もしかして、豊穣祭?
いや、豊穣祭は確か、ベイルマート王国では、11月に開催されるって、聞いたような気がする。
しかも、全国各地でバラバラに開催される形式で、それに合わせて、11月は王都の国立劇場で、休祝日ごとに、舞台公演やコンサートなどが開催される、という話だったはず。
その話を聞いたとき、だから、11月は「公音」って言うんだなぁ、って納得したんだよね。
じゃあ、国祭って、何なんだろう?
【国祭は、国王誕生祭の略称で、国王の誕生日を祝う祭りです。何時の時代でも、ベイルマート王国の国王の誕生日は祝日と制定され、国祭は王国全土で一斉に開催されます。国祭は、国王が主催者という形を採っているので、王国騎士団や宮廷魔法師団の仕事量も多くなります。】
なるほど、なるほど。
国王誕生日、つまり、お父さんの誕生日をお祝いするお祭りってことかぁ。
そりゃあ、王国騎士団の団長と宮廷魔法師団の大隊長なんだから、国王主催のイベントが開催されるなら、お仕事だってたくさんあるよね。
まあ、なんでもいいか。
魔法のこと、もっとたくさん知りたいし、使ってみたいし、僕の魔法の家庭教師を希望してくれた理由も知りたいから、二人に会える日が楽しみだなぁ。
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