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3.祝日のお祭り
3-019
しおりを挟む文机に置いてある鑑定書には、ウィーシュが作ってくれた偽装ステータスのスキルと数値が記載されている。
騙すような感じで、申し訳なさを感じるけど、どうしても本当のステータスは隠し通したい。
過大評価じゃなくて過小記載だから、問題は無い、よね?
「これですね。・・・・・・・・・成程。本当に全属性を保有しているんですね。基礎属性は揃っている。全属性も持っている。スキル《魔法知識》も有している。、スキル《魔力感知》とスキル《魔力操作》も揃っている。しかも、スキル《青魔法》とスキル《白魔法》の二つはレベルが上がっている上に、スキル《魔法知識》もレベル2。十分下準備は整っている。下級魔法師のライセンスならもう取れるレベルだ。」
うんうん、うんうん。
本当はもっとおかしなことになってるけど、それは言わぬが吉。
って、ライセンス?
魔法師には、そんなシステムも存在するの?
「ライセンスは、ハイ・エルフ語に沿って26段階に分けられた基準が存在する。・・・・・・・・・します。Dは初級。IからCは下級。TからNは中級。MからOは上級。YからUは最上級。Kは特別で、同時代に10人までしか在籍できない、っていう変わったルールがある。でも、必ず10人いるとは限らなくて、欠番が出てることもある。」
ふぇー。
そんなシステムがあるんだぁ。
「例えば、宮廷魔法師団の見習い試験は、ライセンスランクが、T以上っていう決まりがあるし、宮廷魔法師団の正式な団員になるには、ライセンスランクがM以上じゃないとダメ。それから、正式な魔法剣士になるための条件の一つに、ライセンスランクがY以上であること、っていう決まりがある。それだけ、ライセンスランクは魔法師を評価するにあたって重要な基準とされている。それで、フィルシールド殿下なら、ライセンスランクのFまで、既に取れるだけの能力はある。」
フォス・・・・・・・・・えっと、5か。
意外と高い。
アルスさんは、正式な魔法剣士だから、イェッタ・・・・・・・・・19以上ではあるんだよね。
「陛下は、イェッタ。ナギもイェッタ。ニケは、ゼッタ。ウルクは、ゲノン。サーシャ様は、ユォーク。ラスタリア様は、ジェャン。ニケやナギは、あの歳でよくこの辺りのランクまで取ったな、って思う。」
じゃあ、アルスさんのランクは?
「私?・・・・・・・・・私はエーテル。」
エーテル?
そんな数字あったっけ?
エ から始まるなら、おそらく、AかE。
Aは、21のアルトゥ。
Eは、11のエテュラ。
エーテルっていったい?
「あっ。エーテルは、席次だった。えっと、ライセンスのランク自体はキィン。そう、一番上の。」
えっ。キィン?
アルスさんって、今年学園卒なんだよね?
まだ、18歳なんだよね?
そのライセンスのランクは、そんな簡単に上げることが出来るの?
「ライセンスは受験する時に、ステップアップ受験っていって、飛び級して受けることも出来る。」
あっ、飛び級は可能なんだ。
「けど、落ちたら一年間、指定していたランクより上のランクを受けることが、出来なくなるらしいけど。」
らしいっていうことは、少なくとも、アルスさんは経験した事が無い、と。
「うん。だって、私、8歳の時にユォークを一回受けて受かったっきり。ライセンスの試験とか、それ以外受けたことないし。」
・・・・・・・・・アルスさんは、僕が想像していた人物像よりも、遥かに圧倒的な強者だったみたいだ。
そりゃあ、みんな口を揃えてアルスさんは『神童』だ、って言うわけだ。
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