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サキュバスちゃんに搾〇されました(その7)

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 俺はボルバルトを撃破し、訓練場に向かっている。
現在、城の中にある細い通路を走っているところだ。
この先は中庭になっていて訓練場があったはず……。
あ、あれ……!?
赤い花柄の着物を着た女性が倒れているぞ。
スカーレンだよね!?

「……スカーレン! 大丈夫か!?」

「う……。ああ、勇者……アキストですか。あんまり……大丈夫じゃないです。殴られて気を失っていました」

 彼女は立ち上がり、この先にある訓練場の方向をニラむ。

「デヴィルンヌにやられたんだな! 本来、仲間なのに……」

 俺の言葉にスカーレンが顔をしかめる。

「いや、仲間のようで仲間ではないです。デヴィルンヌは魔王様と手を組んでいるだけ……って言っています。彼女は私の話にも耳を傾けませんし……」

「そうなんだ……魔王軍内部にも色々とあるんだね」

 その辺の話は魔王ジュエリからある程度は聞いたな。

「私が一番納得いかないことは、人間の男達を不必要に蹂躙じゅうりんしていることです」

 おお……たしかに正々堂々って感じじゃないもんな。
色仕掛けだよね。
それにしても……本当にブレないな、この子は。
納得のいかないことには、とことん反発するんだ。

「なるほど……スカーレンの信念に反するんだね。あ、ケガしてるね。癒しの聖水は持ってるから、あげるよ。……どうぞ」

 スカーレンの顔に殴られたあとがある。
腕も抑えているな……。
ここも打撃を受けたのだろう。
俺は癒しの聖水が入った小ビンを1つ、スカーレンに渡した。

「ありがとうございます。って、いやいや! ……私はむしろダメージを受けます」

 え!? マジか!
癒しの聖水は聖属性だったのか……。
まぁ、そうだよね……水だもんね。

「好意は嬉しいので、一応もらっておきますけど」

 おお、義理堅い子だなぁ……。
癒しの聖水はいっぱいあるからいいけどね。
彼女は袖のところに聖水をしまった。

「私に優しくしても、あなたが私にトドメを刺さなかったことと、卑猥ひわいなことをしたことは許しませんのでお忘れなく」

「えっ!? あ、ああ……なんかごめんね」

「な、何が『ごめんね』なんですか……軽々しく敵に謝って……」

「へっ!? 不快にさせてしまったから……ごめん。スカーレンにトドメを刺さなかったのは、俺にも信念があるからだし……卑猥なことは呪いをかけられて必死で仕方なくさ……。悪気があったわけじゃないんだよ?」

「……」

 スカーレンが何やら疑いの目で俺を見ている。

「と、とにかく……今はデヴィルンヌだ。この先の訓練場にいるよね?」

「そうですね……今は緊急事態です。気絶させられる前に最後にデヴィルンヌを見たのは……あちらの方向です。訓練場があるんですね? その方向に下位のサキュバスが人間の男を連れて行っているのも見ました」

「そうか……情報ありがとう。この先にある訓練場はすごい広くてさ。そこでサキュバス達が人間の精液を搾取しまくるんだと思う。前回はそうだった」

「……なるほど。あ、重要なことを伝えていませんでした……私の刀はデヴィルンヌに効きませんでした。この刀は2本とも闇属性なんですよ。悪魔には効きません。私としたことが失念していました。手応えはあるんですけど、ダメージを与えられてないな……って思っていたんですよ」

 そうだったのか!
めちゃめちゃ相性が悪いじゃん!
確かにスカーレンの刀は禍々まがまがしいオーラを放っていた。

「そうだったんだね。俺のホーリーバスターは……当たらないんだよね。発動しようとすると防がれる」

「当たらない? 何故ですか? あなたほどの人が……」

「発動前に魔力を聖剣に込める必要があって、そのときは聖剣に集中しちゃうんだよね。それが相手にバレちゃっててさ」

 ボルハルトにバレて、デヴィルンヌに伝わってしまった……。

「え……そんな弱点があったんですね」

「そうなんだよ……。え、スカーレンはこの弱点に気づいてなかった?」

「き、気づけませんよ……!」

 ……そうだったのか。
スカーレンだけじゃなく、魔王も気づいていないかもしれない。
彼女達にとって脅威の大技だからな。
見破ろうとする余裕はないのかも。
まぁ、スカーレンは瞬間移動して刀で攻撃……のワンパターン戦法だから、あんまり詳しく考えていなさそうだ。
こんなことは本人に言えないけどね。
魔王はとにかく呪いでハメます……って戦闘スタイルだったしな。
意外と魔王も猪突猛進ちょとつもうしんタイプなのかも……。

「あ……スカーレン、魔王とか他の四天王には俺の弱点を言わないでね」

「ええ、分かりました。フェアじゃないですもんね」

 な、なんて心の綺麗な子なんだ……。
俺は敵なんだけどな。
真っ直ぐ過ぎて、ちょっと心配になってきたぞ。

「その弱点……なんでデヴィルンヌにバレたんですか?」

「さっき魔法陣が描いてあった部屋に魔法使いがいたでしょ? 彼に見破られて、伝えられちゃったんだよ」

 聖属性の魔法を使いこなすボルハルトだからこそ見破れたのだろう。

「なるほど。あの人間……魔法使いのようですけど、元勇者でもありますよね? そういえば数年前にデヴィルンヌに敗北して魔王軍側に取り込まれていました。まさか魔法陣まで使えるとは……!」

「えっ!? そうか……そんなに以前から向こう側に取り込まれていたのか……」

「はい、そうです。で、その元勇者は今どうなっていますか?」

「……ボルハルトはもう倒したよ。あとはデヴィルンヌだ。……とにかくサキュバスには先手先手で攻めたいところだけど。俺は魔力を込めないと技が出せないからな。技を出そうと魔力を込めた瞬間……誘惑される! だからあらかじめ魔力を込めておくことで対応するよ。……けど、訓練場には下位サキュバス達もいるはずだから、そいつらに構っていると、デヴィルンヌに攻撃できない。スカーレンには下位のサキュバス達を相手にして欲しいと思っている」

「……なるほど。下位のサキュバスなら余裕です。刀を使うまでもないでしょう」

「けど……この作戦だと不安な点がある。言いにくいんだけど、別の案で挑みたい」

「……なんですか?」

「俺のホーリーバスターは近距離で当てなくはならない。でも、デヴィルンヌに接近したら……誘惑されてしまうんだ。どうしても……思い切った先制攻撃ができない。そのせいでさっきの戦いでは、技を放つ前にボルハルトに防御魔法をかけられて技を跳ね返されてしまった……」

「せ、接近するだけで!? それでは私が下位のサキュバス達を引き受けても意味ないですね! って、接近するだけで誘惑されるなんて……そ、そんなことがあり得るんですか……?」 

「前回……めちゃめちゃ魅了されてさ、それでいっそう誘惑されやすくなっているんだと思う」

「……勇者であるあなたの意志をも凌駕りょうがする魅了なんですか。上位のサキュバスは恐ろしいですね。じゃあ……目を閉じて戦ったらどうですか?」

「目を……閉じる!? 魔力を感知して戦えないことはないんだけど……。四天王クラスだとちょっとキツいかな。どの道、目を閉じたとしても……香りがね、良いんだよ。誘惑されたことを思い出しちゃうし……」

「なっ!? 『香りがね、良いんだよ』……じゃないですよ!! なんなんですか、男ってやつは!?」

「うっ!」

「息を止めてくださいよ! 香りを嗅がなきゃ大丈夫ですよね!? 私の後ろに隠れつつ、目を閉じて息を止め、隙をついて聖属性の大技を放ってください! それまでは私が全力で頑張りますから!」

「そんなムチャクチャな……! 目を閉じるだけでも大変なのに、息を止めてって……ただでさえスタミナがないのに……」

「あ……それは知っています。……じゃあ、どうしたらいいんですか!?」

「いや……その……スカーレン……のおっぱいを見せて欲しい」

「なっ!? 今度は……何を言っているんですか!?」

「それで誘惑されずに済むはずだ!」

「はっ!? い、いや……ど、どうなんですか、それ!? 勇者の……いや、人間の倫理観を根底からくつがえす発言に思えますけどもっ!?」

「勝つためにはこれしかないんだ! とりあえず……おっぱいを触らせてくれ!」

「は、はぁっ……!? ダ、ダメです……! あなたは前にも私の身体をジロジロ見ながら……じ、自分でして……!!」

「スカーレンの後ろに身を潜めつつ、魔力を込めながらデヴィルンヌとの距離を詰めて、ホーリーバスターを当てる! それまでスカーレンは俺に体を見せつつデヴィルンヌと下位サキュバス達の攻撃を抑えていてくれ! だからちょっと着物を着崩して欲しい……! 露出度を上げてくれ!」

「何を無茶なことを言っているんですか!? 精神的にも肉体的にも私の負担が大き過ぎませんか!? もう……私……1人で戦います! 私はデヴィルンヌの男の弱点をつく蹂躙じゅうりんには納得していません! 絶対に止めます!」

「その気持ちは分かったけど……スカーレンの刀は効かないんでしょ!?」

「うっ! は……はい……」

「大丈夫! 俺に任せて! スカーレンはなるべく露出度の高い状態で戦ってくれ!」

「あなたは……本当にもう……女性の体をなんだと思っているんですか!?」

「他に確実な作戦はない! さぁ、俺好みに着物を着崩させてくれ!! 全裸だと戦いにくいだろうし、逆に興奮しない!」

「ぎゃ、逆に興奮しない……!? って、あなたが私の着物をセッティングするんですか!? こ、このっ……変態勇者!!」


---


 俺はスカーレンにののしられながら、訓練場に向かっている。
着物を着崩した妖艶な彼女の後を追って走っている!
彼女の両肩は丸出しの状態で、白いブラージャーも見えている。
着物の丈は短くしてもらった。
まるでミニスカートのようだぞ。
あ……これはエロい。
いや、彼女の後ろ姿はエロいっていうか綺麗だなぁ。
独特の衣服である着物には美をともなった色気がある……!
スカーレンに激怒されながらも着物を着崩す指示を出した甲斐があったぜ!

「勇者の卑猥ひわいな視線を感じて寒気がします……!」

 前を走るスカーレンの言葉を無視し、俺たちは中庭に到達した。

「あれだ! ……あの木材でできた大きな建物の中だ! 突入しよう!」

 2人で訓練場に突入し、中を見渡す。
やはり……下位のサキュバス達が全裸の兵士達の精液をむさぼっている。
サキュバスが10体ほど、男達は15人ほどだ。
前回よりはまだ人数が少ないな。
そして……中央付近にはデヴィルンヌだ。
訓練場の中心には光り輝く魔法陣が描かれており、デヴィルンヌが下位のサキュバスを召喚しているようだぞ。
彼女があの魔法陣を描いたのだろう……。
まだ大臣達や国王は連れ去られていないようだ。
今ごろサキュバス達が向かっているのだろうか……。

「デヴィルンヌ……! 覚悟しなさい!」

「あら、スカーレン。しつこいわね。あなたの刀は通用しないわよ?」

「刀が効かないなら拳……そして蹴りよ!」

 スカーレンが刀をさやに納めたまま突進した!
搾精に夢中になっている下位のサキュバスは無視してデヴィルンヌに突っ込むぞ……!
すぐさまスカーレンが右ストレートを繰り出す。
おお……体術で戦っているぞ!
そして通用している……!
スカーレンはなかなかの身のこなしで、攻撃の度に風を切る音が鳴り響く。
俺が彼女の後ろでチャンスを伺っているので、瞬間移動は使えない。
それでも俺のかつての仲間だった武道家よりも強いかもしれないぞ!
 そんな彼女の背後で、俺はその後ろ姿をジッと見ている。
ああ、細かく揺れる大きなおっぱいがエロい。
ブラジャーをしているけど、揺れるんだね。
肩は見えていて、お腹の辺りには着物があるってのがいいよね。
丈を短くしてもらったので、蹴り上げると生脚が見えるな。
ああ……色っぽい。
脚をあげたときだけ白いパンツが丸見えになるぞ。
……最高だ。
後ろから見えるパンツも素敵だな。
蹴りを放つと、わりと食い込むんだな。
パンチをしてもパンツは見えないから、どんどん蹴ってくれよ、スカーレン。
なんかこう……美しいんだよな、スカーレンは。
着物姿とか所作とかがさ。
いや、エロい目で見ようと思えば見えるけどね。
勃起しちゃマズいからね。
勃起していても技は発動できるけど、当てるときに失敗しちゃうかもしれないじゃん。
芸術品を見るような目で彼女の肉体と着物を見てるよ。
それで結構、デヴィルンヌのエロさが気にならなくなるんだよね。

「くっ! スカーレン! や、やるじゃないの……!」

 デヴィルンヌに焦りが見えるぞ!
 
「刀がなくったって! あなたなんか……!」

 スカーレンのハイキックがデヴィルンヌの顔を襲う!
両腕でガードするが、その衝撃でグラつく。
チャンスだ……!!

「……お前たち!」

 デヴィルンヌが指をパチンと鳴らす。
下位のサキュバス達が搾精をやめて一斉に襲いかかって来る!
こいつらの相手は……俺の仕事だな!?

「……ホーリバスター!」

 俺は向かって来るサキュバス達を倒していく。
下位のサキュバスは余裕なんだよね……。
抱きつかれでもしない限り、誘惑されたりはしないぞ。
ほんの一瞬だけ魔力を込めて、どんどん技を放っていこう。
デヴィルンヌはスカーレンが相手をしているから警戒しなくて大丈夫!

「……四天王で一番弱いあなたにやられることなんてあり得ないわ! 最弱スカーレンのくせに!」

 ん?
劣勢にもかかわらず、デヴィルンヌがスカーレンに強気な発言をしているぞ。

「私が一番弱い? そんなことないわよ! あなたを止めるわ! 魔王様はあなたの裏切りに困っていたし!」

「……いつだか言ったはずよ。魔王ジュエリとは手を組んでいるだけ。それももう終わりね。私はこのまま地上を制圧するわ。私にとって、人間の男なんてチョロ過ぎるみたい。勇者だって私の魅力にイチコロだったのよ♡ ボルハルトも……アキストも……」

「確かに……勇者であろうともあなたの魅了には抗えないようですね!」

 そ、その通り……。
よし……俺は下位のサキュバスを全て倒したぞ!
加勢するか!?
しかし……このままだとホーリーバスターが2人に直撃してしまうし、下手に動くとデヴィルンヌが俺を魅了してくるかもしれない。
とにかく俺はスカーレンの背後にいよう。

「そうよ。私の魅力なら世界中の勇者達をとりこにできるわ♡ そして勇者達を従えて魔王ジュエリを殺しに行くわ。長い付き合いで分かってきたけど、あの魔王は努力だけの子だわ。あんな子と手を組んで……むしろ私が下の地位になっていて、とても気分が悪いわ」

「なっ!? 魔王様になんてことを……!! それに……殺害計画まで立てているなんて!!」

「あら、殺害計画は問題発言だったかしら? ミアリの水晶玉は音声まで伝わらないでしょ? というわけで、あなたは生きて返さないわ……スカーレン」

「な、ナメないでください……!!」

 スカーレンが踏み込み、前蹴りがヒットする。
あ……その脚を……デヴィルンヌが両手で掴んでいるぞ!
スカーレンが動きを封じられた!

「……尻尾で巻きつけて、骨を折ってあげるわ! バキバキにね!」
 
 デヴィルンヌの尻尾がスカーレンを襲う! 

「しまった! ああああっ!」

 ス、スカーレン!?
胴体に尻尾を巻かれている!
ああ! 嘘だろぉ!? おっぱいが強調されている!
着物の下の方が巻き込まれてしまっているので、またパンツも見えているぞ!?
こ、これは……素敵だ。
なんだろう……やっぱりスカーレンの着物姿って、勃起しない方向性で美しいんだよ。
もうさ……目が癒されるんだよね。
感動するっていうか。
……いやいや! 俺は何を言っているんだ!
めっちゃスカレーンが苦しそうだ!
すでに下位のサキュバスは全員倒している! 彼女を助けないと! 
今、デヴィルンヌは尻尾は使えないから搾精はされない。
……この隙にホーリーバスター放つぞ!
いや、やはり近くにいるスカーレンにも当たってしまうな。
スカーレンごと倒してしまう……。
チャンスなんだけどな。
……とりあえず聖剣に魔力はずっと込めているよ。

「ああああぁっ!? う、腕が……!」

「大ダメージね♡ そろそろ骨が折れちゃうかしら」

「くっ! もう……ムリです!」

 ……スカーレンが消えた!?
って……瞬間移動か!
ダメージが大き過ぎて尻尾から脱出したんだ!
そんなに我慢しないで、もっと早く使えば良かったのに!
あ……スカーレンが消えると俺のところにデヴィルンヌが来て誘惑されてしまうから、これまで尻尾の巻き付きに耐えていてくれてたんだな!
ありがとう!
俺の前にいるデヴィルンヌは急にスカーレンが消えて動揺している。
どこに消えたか確認を始めた。
 これ……チャンスじゃん!
……俺が踏み込めんで2~3メートルほど前に出ればデヴィルンヌの真ん前だ。
けど、誘惑されてしまうだろうか?
いや、もう誘惑は……されない!
なぜなら、思った以上にスカーレンの姿が目に焼き付いているからだっ!!
俺はたっぷりとスカーレンの肉体を堪能していたんだぜ!!
俺の脳内はスカーレンのエロ着物姿で埋め尽くされている!
あああああっ!! 巨乳着物美人エロ最高ッ!!
俺は全力で前に踏み、両手で聖剣を振り上げた。

「ホーリー……バ……えっ!?」

 あっ……!!
振り上げた両腕にデヴィルンヌの尻尾が絡まって……。
このままでは、剣を振り下ろせない!

「アキストくん……あなたの動きもちゃんと見ていたわよ。警戒すべきなのは、最弱スカーレンなんかじゃなくって、あなただもの」

 ゆ、油断ならない!
このサキュバス、本当に強いぞ……!!
どうする!?
この近距離……誘惑されてしまう!
スカーレンの残像効果が切れたら、魅了される……!

「……甘いのはあなたです」

 あ! スカーレンがデヴィルンヌの背後に現れた……!
大ダメージを受けたので、すごいつらいそうな表情だ。
あ……痛めた腕を動かし、着物の袖から何かを取り出したぞ!
あ、あれは……!!
……スカーレンが【癒しの聖水】をデヴィルンヌにぶっかけた!

「えっ!? ……あああぁっ!? ス、スカーレン!? な、なに……!? 何をかけたのっ!?」

「……聖水です」

 あ……俺があげたやつだ!
聖属性の水をかけられて、デヴィルンヌが苦しんでいるぞ!
俺の両腕に巻きついていた奴の尻尾が離れた!
聖属性なので明らかなダメージを与えているんだ!
や、やった……!!

「……私のことを最弱などと、あまりバカにしないでくださいね。自分で言うのも何ですが、私はけっこう強いんですよ……!」

 痛みに耐えかねたスカーレンがその場にしゃがみ込む。
聖水をかけられたデヴィルンヌは苦しんでいる。
……俺の聖剣に魔力は込められたままだ!
倒れゆくスカーレンのおっぱい付近を見ながら……行くぞぉっ!!

「スカーレン! 離れるんだ!! ……ホーリィッ!! バスタアァッー!!!」

 ……デヴィルンヌに直撃した!!
よし……スカーレンは瞬間移動で消えてくれた!
放たれた青白い光が徐々に消えていく……。
あ、ああ……!! デヴィルンヌが……灰になった!? 
……至近距離からの両手持ち、フルで魔力を込めていたからな。
誘惑されたら終わりなので、フルスイングでヒットさせてしまった。
しょ、消滅させてしまったか……。
そこまでするつもりはなかったんだけど……とにかく……勝ったぞ!!
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