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12 それから
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説明会から1週間。
言葉による力は大きかったのか、それとも小さかったのか。
風景はなにひとつ変わらない。
6月に入って日は長くなり、それに伴って公園の利用者も遅くまで滞在しているから、美子たちの活動はやや遠慮がちになる。
とはいえ難しくなったワケではない。
内出光の事故死が猫の呪いだという噂は、今も子どもたちの間で信じられている。
面白がっているのか、心底から信じきって恐れているのか、美子たちに集まってくる猫を見るなり大袈裟に避けるようになった。
ボールをぶつけるような悪童はいない。
彼らは光がそうしていたのを見ており、そんなことをすれば次は自分が……という恐怖を抱いてしまうのだ。
(なんかイヤな感じ……!)
背後に視線を感じながらミサキは鼻を鳴らした。
いたずらをされなくなったのはいいが、否定的な理由で距離をとられるのはよい気がしない。
「まあまあ、いいじゃないの」
美子が微苦笑して言った。
たった一度の話し合いで何もかもが円満に解決するなんてありえない。
彼らが呪いだと言い張るなら、そうでないと分かってもらえばいい。
それに子どもたちもすぐに飽きるだろう。
実際、誰もが忌避するワケではないのだ。
「こんにちは!」
たとえばこの戸塚大虎。
彼は幽霊もUFOも多少は信じているが、多くの子が言うような呪いの類は笑い飛ばしている。
「よしよし、また喉を撫でてほしいのか?」
こうして足にすり寄ってきて甘い声で鳴く猫が、どうして事故死を引き起こせるだろうか。
「こんにちは、大虎君。お友だち?」
「はい、こいつ、船根っていいます。こっちが一井です」
そろって挨拶する。
2人とも猫と遊んでいる大虎を不思議そうに見つめていた。
「呉谷美子です。船根君と一井君ね。猫は好きなの?」
「好きですよ……うちにいますし」
船根が笑いを堪えながら答えた。
大虎がまるで赤ちゃんをあやすように、お腹を見せている猫とじゃれ合っているのが可笑しくて仕方がなかった。
「俺はどっちかっていうと犬派なんすけどね」
一井が興味なさそうに言った。
しかし嫌いではないようで、それぞれの器でフードを食べている猫たちを見る目は優しい。
「あたしは呉谷ミサキだよ、よろしくね」
白猫の様子を見ていたミサキが振り返った。
大虎と目が合い、
「あの時の大虎君、すごくカッコよかったよ」
にこりと笑って言う。
大虎はにわかに頬を染めた。
「何があったんですか?」
「先週、そこの集会所で――」
「わーっ! 呉谷さん! いいから! 言わなくていいから!」
大虎が立ち上がって叫んだ。
驚いた猫たちがびくりと跳び退く。
「なんで慌ててるんだ?」
船根がにやにや笑いながら言った。
「別になんでもいいだろ。お前らには関係ないんだよ」
大虎は耳まで真っ赤になっている。
「今日はずいぶん賑やかじゃない」
奈緒が小さなプラスチック容器を持ってやって来た。
「大虎君のお友だちが来てるのよ」
「そうなの? それは心強いわね」
「心強い……?」
キョトンとする美子に奈緒は耳打ちした。
「きっとボディガードに連れてきてくれたのよ。嫌がらせされたときの証人にもなってくれるし」
「そうだったのね」
それに気付けなかった美子は恥ずかしくなった。
子どもながら彼のしてきたことは大きい。
薬殺された猫を見つけたのも、説明会で木部の暴走を止めたのも彼だ。
さらにはこうして見張り役を引き受けてくれる。
しかもそれを意識させないところに美子は大虎の大きさを感じた。
「ありがとうね、大虎君。船根君と一井君も」
大人の女性に面と向かって礼を言われ、少年たちは気恥ずかしそうに俯いた。
「ササミの蒸したのを持ってきたわ。フードにちょっと混ぜるくらいでいいの。あまりたくさん食べさせちゃ駄目よ」
奈緒は容器から手づかみでササミを取り出し、美子の持っていた容器に移した。
「きみたちも食べさせてみる?」
頷いた大虎たちの手にも少量を乗せる。
たいていの小動物は食べ物をくれる人間に懐いてくれる。
すぐにというワケにはいかないが、何度も繰り返して顔や匂いを覚えれば警戒心を解いて体をあずけてくれるようになる。
「どうやるんですか?」
一井が訊いた。
「そのまま手を前に持っていくだけでいいわ。ああ、でもできるだけ姿勢を低くしたほうがいいわね。上からだと怖がるから」
言われたとおりにすると黒猫が大虎に近づき、指先の匂いを嗅ぎ始めた。
それからしばらく彼の目を見つめたあと、おそるおそるササミを口にくわえた。
横から白猫が小走りでやって来る。
黒猫と同じように少し躊躇ったが、すぐに食みだした。
「あ、おばさん。食べたよ!」
他にも猫は数匹いるが、船根と一井には見向きもしない。
「きっとよく知ってるからよ。2人ももう少し慣れたら近づいてくれるわよ」
「へえ、よく知ってるんだ、戸塚?」
いいネタができた、とばかりに船根が笑う。
「悪いかよ……」
大虎は不貞腐れた。
船根は猫の扱いをよく心得ていて、近寄ってきた茶トラに対してゆっくりとまばたきをした。
これは猫への友好のサインで敵意がないことを示している。
茶トラは蛇行しながら彼にさらに近づき、鼻先を指に押し当てた。
「この子たちはね、猫好きな人かどうか見てるみたいなの。好きな人とはすぐに仲良くなれるわよ」
実際、仲良くなってほしいと奈緒は心底から願っている。
ひとりでも多くの理解者を増やしたいという打算的な考えもあるが、それ以上に人間と動物が楽しそうに過ごしているのを見るのは心が温まる。
もちろんそこにはただ楽しいだけでなくそれ以上の責任も伴うが、子どもたちにはそうした重さを感じることなく、まずは小さな命と触れ合ってほしかった。
「俺、犬派だから無理なのかなあ」
一井がしょんぼりしたところに、男が近づいてきた。
「どうも……」
美子たちの姿を見るなり、彼は申し訳なさそうにお辞儀した。
津田だった。
掃除の帰りのようで、手には空き缶や菓子の包み紙でいっぱいになった袋を持っている。
「どうも」
それ以外の言葉が思い浮かばず、美子は会釈した。
彼のことは印象に残っている。
説明会では一番前の席に座り、冷静に自分たちの非を指摘した人物だ。
やはり活動に対して不満を述べに来たのでは、と美子が身構えていると、
「あれから、どうですか? 順調ですか」
津田は驚くほど穏やかな口調で問うた。
「え、ええ、おかげさまで。特には――」
奈緒も呆気にとられたようにぎこちない笑みを浮かべて答える。
「そうですか……」
津田はふっと視線を落とした。
空になった器がひとつ置いてある。
「おじさん、なんか元気ないっすね」
一井が首をかしげた。
津田といえば子どもたちから見れば、元気なお年寄りである。
雨の日を除けば日中はたいていどこかしらを歩いていて、公園利用者は特に掃除をしている姿をよく見かける。
時には危ないことをしている子を注意するなど、この時代には珍しくなった近所のおじさんは一部には煙たがられ、一部には愛される公園の顔のような存在だった。
「そう見えるかい?」
力なく返す彼の声に覇気はない。
まるで何十歳も年をとってしまったかのように老け込んでしまっていた。
「疲れてるんじゃないですか?」
頬のあたりが細く痩せこけていて、目元にはつい最近できたばかりの皺が数本走っている。
おまけにひどいクマができているものだから、完全に生気が抜け切っているように見えた。
「ああ、まあ、そうかもしれないな……」
津田は肩を揺すって笑った。
「あの、何かご用があるのでは?」
しびれを切らした奈緒が訊いた。
文句があるなら早く言え、と迫っているようだった。
「………………」
言うべきか、言わざるべきか。
津田は迷った。
ここで真実を告げれば、奈緒たちは耐え難い苦痛を味わい、その後に少しだけ安心するかもしれない。
おそらく誰もが知りたがっていることなのだ。
公益性もあるし、なにも隠す必要はない。
客観的な証拠もしっかり握っている。
(しかし、いいのか……?)
今はタイミングが悪い。
大虎たちに加えて女の子もいる。
内容が内容だけに子どもたちに聞かせるのは酷だろう。
津田が視線を植え込みに向けると、ちょうどこそから顔を出している猫と目が合った。
言葉による力は大きかったのか、それとも小さかったのか。
風景はなにひとつ変わらない。
6月に入って日は長くなり、それに伴って公園の利用者も遅くまで滞在しているから、美子たちの活動はやや遠慮がちになる。
とはいえ難しくなったワケではない。
内出光の事故死が猫の呪いだという噂は、今も子どもたちの間で信じられている。
面白がっているのか、心底から信じきって恐れているのか、美子たちに集まってくる猫を見るなり大袈裟に避けるようになった。
ボールをぶつけるような悪童はいない。
彼らは光がそうしていたのを見ており、そんなことをすれば次は自分が……という恐怖を抱いてしまうのだ。
(なんかイヤな感じ……!)
背後に視線を感じながらミサキは鼻を鳴らした。
いたずらをされなくなったのはいいが、否定的な理由で距離をとられるのはよい気がしない。
「まあまあ、いいじゃないの」
美子が微苦笑して言った。
たった一度の話し合いで何もかもが円満に解決するなんてありえない。
彼らが呪いだと言い張るなら、そうでないと分かってもらえばいい。
それに子どもたちもすぐに飽きるだろう。
実際、誰もが忌避するワケではないのだ。
「こんにちは!」
たとえばこの戸塚大虎。
彼は幽霊もUFOも多少は信じているが、多くの子が言うような呪いの類は笑い飛ばしている。
「よしよし、また喉を撫でてほしいのか?」
こうして足にすり寄ってきて甘い声で鳴く猫が、どうして事故死を引き起こせるだろうか。
「こんにちは、大虎君。お友だち?」
「はい、こいつ、船根っていいます。こっちが一井です」
そろって挨拶する。
2人とも猫と遊んでいる大虎を不思議そうに見つめていた。
「呉谷美子です。船根君と一井君ね。猫は好きなの?」
「好きですよ……うちにいますし」
船根が笑いを堪えながら答えた。
大虎がまるで赤ちゃんをあやすように、お腹を見せている猫とじゃれ合っているのが可笑しくて仕方がなかった。
「俺はどっちかっていうと犬派なんすけどね」
一井が興味なさそうに言った。
しかし嫌いではないようで、それぞれの器でフードを食べている猫たちを見る目は優しい。
「あたしは呉谷ミサキだよ、よろしくね」
白猫の様子を見ていたミサキが振り返った。
大虎と目が合い、
「あの時の大虎君、すごくカッコよかったよ」
にこりと笑って言う。
大虎はにわかに頬を染めた。
「何があったんですか?」
「先週、そこの集会所で――」
「わーっ! 呉谷さん! いいから! 言わなくていいから!」
大虎が立ち上がって叫んだ。
驚いた猫たちがびくりと跳び退く。
「なんで慌ててるんだ?」
船根がにやにや笑いながら言った。
「別になんでもいいだろ。お前らには関係ないんだよ」
大虎は耳まで真っ赤になっている。
「今日はずいぶん賑やかじゃない」
奈緒が小さなプラスチック容器を持ってやって来た。
「大虎君のお友だちが来てるのよ」
「そうなの? それは心強いわね」
「心強い……?」
キョトンとする美子に奈緒は耳打ちした。
「きっとボディガードに連れてきてくれたのよ。嫌がらせされたときの証人にもなってくれるし」
「そうだったのね」
それに気付けなかった美子は恥ずかしくなった。
子どもながら彼のしてきたことは大きい。
薬殺された猫を見つけたのも、説明会で木部の暴走を止めたのも彼だ。
さらにはこうして見張り役を引き受けてくれる。
しかもそれを意識させないところに美子は大虎の大きさを感じた。
「ありがとうね、大虎君。船根君と一井君も」
大人の女性に面と向かって礼を言われ、少年たちは気恥ずかしそうに俯いた。
「ササミの蒸したのを持ってきたわ。フードにちょっと混ぜるくらいでいいの。あまりたくさん食べさせちゃ駄目よ」
奈緒は容器から手づかみでササミを取り出し、美子の持っていた容器に移した。
「きみたちも食べさせてみる?」
頷いた大虎たちの手にも少量を乗せる。
たいていの小動物は食べ物をくれる人間に懐いてくれる。
すぐにというワケにはいかないが、何度も繰り返して顔や匂いを覚えれば警戒心を解いて体をあずけてくれるようになる。
「どうやるんですか?」
一井が訊いた。
「そのまま手を前に持っていくだけでいいわ。ああ、でもできるだけ姿勢を低くしたほうがいいわね。上からだと怖がるから」
言われたとおりにすると黒猫が大虎に近づき、指先の匂いを嗅ぎ始めた。
それからしばらく彼の目を見つめたあと、おそるおそるササミを口にくわえた。
横から白猫が小走りでやって来る。
黒猫と同じように少し躊躇ったが、すぐに食みだした。
「あ、おばさん。食べたよ!」
他にも猫は数匹いるが、船根と一井には見向きもしない。
「きっとよく知ってるからよ。2人ももう少し慣れたら近づいてくれるわよ」
「へえ、よく知ってるんだ、戸塚?」
いいネタができた、とばかりに船根が笑う。
「悪いかよ……」
大虎は不貞腐れた。
船根は猫の扱いをよく心得ていて、近寄ってきた茶トラに対してゆっくりとまばたきをした。
これは猫への友好のサインで敵意がないことを示している。
茶トラは蛇行しながら彼にさらに近づき、鼻先を指に押し当てた。
「この子たちはね、猫好きな人かどうか見てるみたいなの。好きな人とはすぐに仲良くなれるわよ」
実際、仲良くなってほしいと奈緒は心底から願っている。
ひとりでも多くの理解者を増やしたいという打算的な考えもあるが、それ以上に人間と動物が楽しそうに過ごしているのを見るのは心が温まる。
もちろんそこにはただ楽しいだけでなくそれ以上の責任も伴うが、子どもたちにはそうした重さを感じることなく、まずは小さな命と触れ合ってほしかった。
「俺、犬派だから無理なのかなあ」
一井がしょんぼりしたところに、男が近づいてきた。
「どうも……」
美子たちの姿を見るなり、彼は申し訳なさそうにお辞儀した。
津田だった。
掃除の帰りのようで、手には空き缶や菓子の包み紙でいっぱいになった袋を持っている。
「どうも」
それ以外の言葉が思い浮かばず、美子は会釈した。
彼のことは印象に残っている。
説明会では一番前の席に座り、冷静に自分たちの非を指摘した人物だ。
やはり活動に対して不満を述べに来たのでは、と美子が身構えていると、
「あれから、どうですか? 順調ですか」
津田は驚くほど穏やかな口調で問うた。
「え、ええ、おかげさまで。特には――」
奈緒も呆気にとられたようにぎこちない笑みを浮かべて答える。
「そうですか……」
津田はふっと視線を落とした。
空になった器がひとつ置いてある。
「おじさん、なんか元気ないっすね」
一井が首をかしげた。
津田といえば子どもたちから見れば、元気なお年寄りである。
雨の日を除けば日中はたいていどこかしらを歩いていて、公園利用者は特に掃除をしている姿をよく見かける。
時には危ないことをしている子を注意するなど、この時代には珍しくなった近所のおじさんは一部には煙たがられ、一部には愛される公園の顔のような存在だった。
「そう見えるかい?」
力なく返す彼の声に覇気はない。
まるで何十歳も年をとってしまったかのように老け込んでしまっていた。
「疲れてるんじゃないですか?」
頬のあたりが細く痩せこけていて、目元にはつい最近できたばかりの皺が数本走っている。
おまけにひどいクマができているものだから、完全に生気が抜け切っているように見えた。
「ああ、まあ、そうかもしれないな……」
津田は肩を揺すって笑った。
「あの、何かご用があるのでは?」
しびれを切らした奈緒が訊いた。
文句があるなら早く言え、と迫っているようだった。
「………………」
言うべきか、言わざるべきか。
津田は迷った。
ここで真実を告げれば、奈緒たちは耐え難い苦痛を味わい、その後に少しだけ安心するかもしれない。
おそらく誰もが知りたがっていることなのだ。
公益性もあるし、なにも隠す必要はない。
客観的な証拠もしっかり握っている。
(しかし、いいのか……?)
今はタイミングが悪い。
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