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007_レクリエーション_クロスコード・デュエル
007_3
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第二試合は、最初の試合に輪をかけて早い決着となった。
ミナト「開始!」
トーマ「デュエル・クロッシンッ!」
ユウ(あれ、自分の時以外でも言うんだね)
ノクス(ああいうの、審判が宣言するもんじゃないか?)
宣言と同時に、雪代レインが無造作に一歩を踏み出した。
レイン「水龍降霊」
レインの身体が光った、と思ったのもつかの間、光が帯のようにのびる。
そのまま光が、相手の陣地のフラグを飲み込む。
光が収まると、そこには大きな蛇のような生き物が、フラグをくわえてとぐろを巻いていた。
うろこがキラキラと日の光を反射している。
レイン「勝った」
口にくわえたフラグを目の前に置いて、蛇、いや、龍は、レインの声で言った。
カオル「いやいやいや、反則だろ、これ……」
対戦相手だったカオルが呆然とつぶやいた。
レイン「む。なぜ」
カオル「なぜって……強すぎるし……
……その、尻尾も置いて行っちまってるじゃないか」
カオルが指した先には、脱ぎ捨てられたように落ちているジャージと、ビニルひもの尻尾。
レイン「確かに」
龍の身体が光り輝く。
こはく「え」
かぐら「あ」
あかり「ちょっ」
エレナ「加速!」
ましろ「……あら」
察しの良い女子数人が、人間の形に戻ったレインを男子の視線から守った。
レイン「……どうした?」
こはく「……みんなが、レインたんのことマジ尊くて、大事にしたいって話」
自分のジャージの上着をレインに巻き付けた状態のまま、こはくが答えた。
レイン「……そうか」
無感情なレインの言葉。しかし、わずかに頬が赤く見えたのは、こはくの見間違いか。
リュカ「……あかりくん、なぜ君はボクに目隠しをしているんだい?」
あかり「あんたが一番危険人物かなって」
リュカ「残念ながら、一足遅かったかもしれないね……」
あかり「レイン、安心して。わたしが責任を持ってコイツの目をつぶすわ」
リュカ「……目を失っても、脳裏に刻まれた美は不滅だよ……」
あかり「わかった。つぶすのは頭ね」
リュカ「……ごめんなさい。とっさのことで何も見えてません……」
あかり「ふざけて許されるときと、許されない時があるって、おぼえておきなさい」
リュカ「……はい……」
********
ユウ、ミナト、それから今のゲームに参加した4人で協議した結果、レインが水龍の姿になる場合、ベルトを巻いてそこにビニルひもを挟む、という特別ルールが追加された。
さらにエレナから、不用意に水龍から人間の姿に戻らないよう、厳重注意がなされた。
また、再試合をしてはどうか、という話も出たが、カオルチームが辞退した。「もう一回やっても、絶対勝てない」と。
話がまとまったので、次の試合に移ることとなった。
次の試合には、ユウも出場する。
ユウ「ごめん、ミナト。
ミナトはずっと審判なのに、ボクは普通に遊んでて……」
ミナト「とんでもない。ボクは好きで、楽しんでやってます。
……それに、ユウはいいところ見せなきゃいけませんし」
ミナトはいたずらっぽい笑顔を浮かべた。
ユウ「……いや、そんなこと、な……」
否定しようとしたユウに、ユウのチームメイトが声をかけた。
ましろ「ユウ!……一緒にがんばろ、ね」
ユウ「……ああ、うん、そだね……」
ユウはあさっての方向を見て答えた。
ノクス(……ケッ……)
ノクスは馬鹿にしたように笑った。
ノクス(無能2人の最低チームだな)
ユウ(……ボクはともかく、まひろの能力はこのゲームに向いてないだけだよ)
コートに目を向けると、すでに対戦相手が待っている。
ルイ「わるいけどさ、ユウ。手加減しねーぞ」
葛城ルイがひざを伸ばしながら声をかけた。
ルイ「多分、ウチのチーム、最強」
ルイは背後のチームメイトを振り返った。
鳴神サキ(なるかみサキ)。すらりと長身の女性が、腕組みしている手を小さくあげた。
ノクス(電気と地面、か……)
ユウ(ノクス、詳しく)
ノクス(おめえ、まだクラスメイトの異能力把握してないのか?
いつでもオレに聞けるって、油断してんじゃねえだろうな?)
ユウ(ごめんて。次は覚えるから)
ノクス(だいたいなあ、お前、ミドリの尻尾つけるんだろ?
異能力が役に立たないから使わないってことなんだろ?)
ユウ(まだ試合前だし。
……ひょっとしてノクス、すねてる?)
ノクス(んなわけねえだろ。
……葛城ルイの異能力が電気ってのは覚えてるだろ?)
ユウ(……そうだっけ?)
ノクス(ったく……。
ルイは電気を生み出せる。それが単にスタンガンの代わりか、雷を落とせるってことか、わかんねえけどな)
ユウ(強いね……)
ノクス(このルールだと、直接攻撃がないだけマシかもな。
ルールで言うと、鳴神サキの方がヤバい。
こいつ、地面を操作出来るって話だ。壁でも落とし穴でも、なにか作って足止めしたら、フラグまですぐだからな)
ユウ(うわー。最強じゃん。そんなのありなの?)
ノクス(ルール考えたヤツに言え)
ユウ(……悪かったよ。
勝てる方法、あるかな?)
ユウの言葉に、ノクスは少しだけ考えて、言った。
ノクス(……いちかばちか、になるぞ)
【後書き】
ちなみに、あかりがリュカに行った目隠しは、
× 後ろから両手で目を覆って、「だーれだ?」ってやるヤツ
○ 前から片手でこめかみを掴んで、「アイアンクロー!」ってやるヤツ
でした。
ミナト「開始!」
トーマ「デュエル・クロッシンッ!」
ユウ(あれ、自分の時以外でも言うんだね)
ノクス(ああいうの、審判が宣言するもんじゃないか?)
宣言と同時に、雪代レインが無造作に一歩を踏み出した。
レイン「水龍降霊」
レインの身体が光った、と思ったのもつかの間、光が帯のようにのびる。
そのまま光が、相手の陣地のフラグを飲み込む。
光が収まると、そこには大きな蛇のような生き物が、フラグをくわえてとぐろを巻いていた。
うろこがキラキラと日の光を反射している。
レイン「勝った」
口にくわえたフラグを目の前に置いて、蛇、いや、龍は、レインの声で言った。
カオル「いやいやいや、反則だろ、これ……」
対戦相手だったカオルが呆然とつぶやいた。
レイン「む。なぜ」
カオル「なぜって……強すぎるし……
……その、尻尾も置いて行っちまってるじゃないか」
カオルが指した先には、脱ぎ捨てられたように落ちているジャージと、ビニルひもの尻尾。
レイン「確かに」
龍の身体が光り輝く。
こはく「え」
かぐら「あ」
あかり「ちょっ」
エレナ「加速!」
ましろ「……あら」
察しの良い女子数人が、人間の形に戻ったレインを男子の視線から守った。
レイン「……どうした?」
こはく「……みんなが、レインたんのことマジ尊くて、大事にしたいって話」
自分のジャージの上着をレインに巻き付けた状態のまま、こはくが答えた。
レイン「……そうか」
無感情なレインの言葉。しかし、わずかに頬が赤く見えたのは、こはくの見間違いか。
リュカ「……あかりくん、なぜ君はボクに目隠しをしているんだい?」
あかり「あんたが一番危険人物かなって」
リュカ「残念ながら、一足遅かったかもしれないね……」
あかり「レイン、安心して。わたしが責任を持ってコイツの目をつぶすわ」
リュカ「……目を失っても、脳裏に刻まれた美は不滅だよ……」
あかり「わかった。つぶすのは頭ね」
リュカ「……ごめんなさい。とっさのことで何も見えてません……」
あかり「ふざけて許されるときと、許されない時があるって、おぼえておきなさい」
リュカ「……はい……」
********
ユウ、ミナト、それから今のゲームに参加した4人で協議した結果、レインが水龍の姿になる場合、ベルトを巻いてそこにビニルひもを挟む、という特別ルールが追加された。
さらにエレナから、不用意に水龍から人間の姿に戻らないよう、厳重注意がなされた。
また、再試合をしてはどうか、という話も出たが、カオルチームが辞退した。「もう一回やっても、絶対勝てない」と。
話がまとまったので、次の試合に移ることとなった。
次の試合には、ユウも出場する。
ユウ「ごめん、ミナト。
ミナトはずっと審判なのに、ボクは普通に遊んでて……」
ミナト「とんでもない。ボクは好きで、楽しんでやってます。
……それに、ユウはいいところ見せなきゃいけませんし」
ミナトはいたずらっぽい笑顔を浮かべた。
ユウ「……いや、そんなこと、な……」
否定しようとしたユウに、ユウのチームメイトが声をかけた。
ましろ「ユウ!……一緒にがんばろ、ね」
ユウ「……ああ、うん、そだね……」
ユウはあさっての方向を見て答えた。
ノクス(……ケッ……)
ノクスは馬鹿にしたように笑った。
ノクス(無能2人の最低チームだな)
ユウ(……ボクはともかく、まひろの能力はこのゲームに向いてないだけだよ)
コートに目を向けると、すでに対戦相手が待っている。
ルイ「わるいけどさ、ユウ。手加減しねーぞ」
葛城ルイがひざを伸ばしながら声をかけた。
ルイ「多分、ウチのチーム、最強」
ルイは背後のチームメイトを振り返った。
鳴神サキ(なるかみサキ)。すらりと長身の女性が、腕組みしている手を小さくあげた。
ノクス(電気と地面、か……)
ユウ(ノクス、詳しく)
ノクス(おめえ、まだクラスメイトの異能力把握してないのか?
いつでもオレに聞けるって、油断してんじゃねえだろうな?)
ユウ(ごめんて。次は覚えるから)
ノクス(だいたいなあ、お前、ミドリの尻尾つけるんだろ?
異能力が役に立たないから使わないってことなんだろ?)
ユウ(まだ試合前だし。
……ひょっとしてノクス、すねてる?)
ノクス(んなわけねえだろ。
……葛城ルイの異能力が電気ってのは覚えてるだろ?)
ユウ(……そうだっけ?)
ノクス(ったく……。
ルイは電気を生み出せる。それが単にスタンガンの代わりか、雷を落とせるってことか、わかんねえけどな)
ユウ(強いね……)
ノクス(このルールだと、直接攻撃がないだけマシかもな。
ルールで言うと、鳴神サキの方がヤバい。
こいつ、地面を操作出来るって話だ。壁でも落とし穴でも、なにか作って足止めしたら、フラグまですぐだからな)
ユウ(うわー。最強じゃん。そんなのありなの?)
ノクス(ルール考えたヤツに言え)
ユウ(……悪かったよ。
勝てる方法、あるかな?)
ユウの言葉に、ノクスは少しだけ考えて、言った。
ノクス(……いちかばちか、になるぞ)
【後書き】
ちなみに、あかりがリュカに行った目隠しは、
× 後ろから両手で目を覆って、「だーれだ?」ってやるヤツ
○ 前から片手でこめかみを掴んで、「アイアンクロー!」ってやるヤツ
でした。
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