79 / 83
第二章【魔界編】
捜索
しおりを挟む『おいリザ! 返事をしてくれ!』
シンが街を走り回りながら、念話でリザを呼ぶ。だがリザからは何の返答も返ってこなかった。
「クソ……一体何処に言ったんだよ、リザ……」
シンは『ハァハァ』と息を荒げながら、路頭に迷う。
シンが召喚した魔族ならば、強制的に命令する事が出来る。だが今のリザにそれをするのは躊躇われた。
シンの脳裏にはビルナの言葉がよぎる―――
『女を自分だけのモノにしようと思ったら、ちゃんと釣った魚には餌をやらなきゃダメよ?』
ビルナの言うとおり、リザはシンに長い時間放ったらかしにされた事に怒って出ていったのは間違いない。
つい先程、エマが他の男に目移りしてしまった事に激しく後悔したというのに、またもや同じ過ちを犯してしまった事にシンは深く落ち込んだ。
メレーヌが可愛くて、幼い少女を滅茶苦茶に犯すのが気持ち良すぎて、シンはついついリザの存在を忘れて夢中になってしまった。
その間他の3人もシンとセックス出来なかったのは同じだが、そっちは皆で仲良く楽しんでいた。
ところがリザだけは、誰とも交われずに独りでその身を慰める事しか出来なかった。
人間の欲望とは比べ物にならない程、精液やセックスへの強烈な渇望を抱えているリザが、健気にもシンの言い付けを守って大人しくしていたというのに。
そんなリザに対して、シンは何もしてやらなかった。
メレーヌの幼い身体を貪るのに夢中になっていた。
それがリザにとってどれ程辛く、悲しく、寂しかったか―――
『リザッごめん! 俺が悪かったよ! 俺が誰よりも愛しているのはリザなんだ! だから姿を見せてくれ!』
シンが必死に謝罪を述べる。だがシンの頭の中には何も聞こえては来なかった。
淫魔は精液無しでは生きていけない。
リザのような淫魔にとって男とセックスするのは当たり前の事であり、セックスをおあずけされるのは耐え難い事に違いない。
ひょっとしたら、我慢できずに他の男に跨がって精液を搾り取っているのではと、シンの脳裏に嫌な想像が浮かぶ。
リザの我慢が限界を越える前に何としても見付け出そうと、シンは汗を振り撒きながら街中を駆け巡った―――
―――シンが街を走り回っている間、とある路地裏では柄の悪い集団がたむろしていた。
「あーあ、つまんねーな。どっかに俺好みの男が転がってねーかなー」
一人の女が床に座りながら、退屈そうに呟く。
女は布を胸と腰に巻いただけの露出度の高い格好で、だらしなく股を開いている。
深い谷間と桃尻が下着と共に露になっているが、金と緑に染められた派手な髪の毛と様々な箇所に付けられたピアスが威圧感を放っており、容易に声を掛けるような男はまずいないだろう。
「リーダーマジそれー。あーし最近ガチで溜まってんだけどー」
隣であぐらをかいた女が下品な言葉で同意する。
服は胸元から腹部まで大きく開いており、小麦色に日焼けした健康的な肌が下着も纏わずに露出している。
「あ~……誰かそこら辺の雄掻っ払って来て~……」
床に寝そべる女が自分の胸を揉みしだきながら呟く。
酒に酔っているのか薬でもヤッているのか、美しい顔は縒れ、服は殆どはだけてしまっている。
「あんたのせいでこんな事になってんでしょ、ラーラ。
リーダーが折角拐ってきたデカチンを、あんたが腹上死させたお陰でね。今じゃその噂が広まって、そこら辺の男は皆あたし等見ただけで逃げ出す有り様だよ」
乱雑に置かれた木箱の上に座った女が溜め息をつきながら語る。
前髪が顔の左半分を隠し、服は上着の片側が大きく破けている。その下には黒い肌着が露になっているが、胸の主張は少ないようだ。
「男という生き物は実に情けない。股間をおっ勃てる事しか脳の無いゴミの癖に。我々の玩具として役目を果たす事すら出来ぬ役立たず共が……」
壁にもたれ掛かった女が舌打ちをする。
顔は髪で隠れ、長いコートを羽織っており、女達の中で最も露出の少ない格好をしている。
「おいアンナ、そこら辺の男捕まえてきな」
「えー! あーしがぁ!?」
リーダーの女に命令され、黒ギャルの女が面倒臭そうに文句を垂れる。
「リーダーの言う通り、男を捕まえるのはアンナのスキルが一番向いてるしな」
木箱に座る女もリーダーの女に乗じる。
「ちょっと~、この前みたいな醜男にあれ使うのもう嫌なんだけど~……」
黒ギャルの女が不満を述べていると―――
「おいリザー! 何処だよリザー!」
その時、表通りの方でリザを探しているシンの姿が女達の目に入った。
「あっ! それならあの子にしよーっと!」
先程まで嫌がっていた黒ギャルの女が、シンを見た途端目を大きく輝かせた。
「おいおい、あんなガキ捕まえてどうすんだよ。見るからに粗チンそうじゃねーか」
どうやらリーダーの女はシンがお気に召さないらしい。
「あーしはチンコの大きさより見た目重視なのー。ていうかあーしが捕まえるんだから文句無しでー」
「あたしはチンコ付いてりゃ別に誰でもいいわ」
「たまにはあのような少年を教育するのも悪くない。自分達が如何に劣った生き物であるかを、その身体に教え込むのもまた一興」
「誰でも良いから早く連れてきて……早くぅ……」
他の女達はシンを選ぶ事に文句は無いようだ。
「ったくしゃあねえな。そいつで良いからさっさと連れてこいよ」
「そんじゃーちょっくら拉致ってくるねー」
リーダーの女がヒラヒラと手を払うと、黒ギャルはシンの所へ向かってウキウキと走り出した―――
「はぁ……はぁ……リザ何処に行ったんだ……っていうかここは何処だよ……」
シンは無我夢中でリザを探し回った結果、もはや自分すらも迷子になっていた。
するとそこへ、何やら裏路地の方から近付いてくる人物の姿があった。
「リ、リザ!?」
シンはようやくリザを見付けたと思い、暗い路地の人影に声を掛ける。だが―――
「ちょ、リザって誰だし。あーしアンナなんですけどー」
出てきたのはリザではなく、赤の他人だった。
「あっ、ご、ごめんなさい……」
リザではなかった事に落胆し、シンが俯きながら謝罪する。
「まぁいいや。ところで何してんのー、少年」
「え、あ、そ、その。人を探してまして……」
突然話を振られた事にシンは驚きながら答える。そしてその目は焦ったように右往左往している。
(ふ、服が……! 目のやり場に困る……!)
「ふーん……」
露出度の高い服装にどきまぎしているシンに対し、アンナはニヤついた視線を送る。
「そんな事よりさぁ~……あーし等と良い事しよーよ」
『ムギュッ』
アンナがシンの腕を取り、自分の胸へと押し付ける。
「はぅっ!?」
その感触にシンは思わず情けない声を上げる。アンナの素肌と胸の感触が腕に纏わり付き、胸が押し潰された事によって乳首が服からはみ出す。
更にアンナはその乳首をグリグリと押し付ける。
「い、今はちょっと……! 人を見付けないといけないので……!
あ、そ、そうだ! 黒いワンピースを着た女の子を見ませんでした!?」
いつもならば抵抗するまでもなく欲情していた所だが、今はリザが気掛かりだ。
シンは沸き起こる情欲を振り払い、アンナへリザについてたずねた。
「えー? あー、そういえば見たような見てないようなー」
「ほ、本当ですか!? どこで見掛けましたか!?」
アンナがデタラメに適当な言葉を吐くと、シンが藁にもすがる思いで食い付く。するとアンナは『フフフ』と不適な笑みを浮かべた。
「うーん、教えてあげてもいいけどさー。その代わりぃ……私に『キス』してよ。今こ・こ・で」
「えええ!?」
アンナから信じられない条件を突き付けられ、シンは思わずたじろぐ。だがそんなシンに対しアンナはグイグイと迫る。
「ほら、教えて欲しんしょ? 早くしないとどこかに行っちゃうよ? 迷ってる暇なんか無いっしょ?」
黒ギャルのプルンとしたセクシーな唇が目前に迫る。
(どどどどうしよう……! いきなりキスなんて……! ああっで、でもっ!)
シンは怒らせてしまったリザへの罪悪感と、リザを見付けるにはキスしなければならないという葛藤の中で揺れ動く。
「もぉ~……遅いっーの!」
『ブチュウゥゥ』
「ンンーッ!?」
結論を出さないシンに業を煮やしたアンナが、強引にシンの唇を奪う。
「ぷはっ! クスクス……あーあ。キスしちゃったー」
アンナが艶かしい表情でニヤリと微笑みながら舌を出す。すると舌の上には、小さな魔石が青く輝いていた――――
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる