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二章
19-案内
しおりを挟む「―――先程事前に連絡しました通り、このお方があのSランクとなられ、これからわたくしがお仕えさせていただくことになりました、比留川游助様と、そのご友人のたくやさんですわ。
貴女達もこれから游助様へはわたくし以上に尊崇、尊従の念を持ってご奉仕なさい。
同じくたくやさんに関しても、丁重にお世話致すように。良いかしら?」
「「かしこまりました、礼子様」」
家に入るなり礼子が俺達を紹介すると、数十人のメイド達が頭を垂れて迎え入れた。
「游助様も何かございましたら、この使用人達に何なりとお申し付けくださって構いませんわ。
もちろん、身体の方も游助の望むがまま、いつでも好きな時に好きなように、思う存分使っていただいて結構ですわ。
本人達もきっと喜ぶでしょうし。
も、もちろんわたくしも喜んでこの身を差し出しますので、ひ、頻繁に可愛がっていただけると……も、もちろんお嫌で無ければですが……!」
礼子が控えめながらモジモジと身体を擦らせ、俺に日常的な色事の催促をする。
「嫌だなんてとんでもない。俺は他の男と違って性欲があるし、それもかなり強い方だからな。
四六時中皆を犯して回るから、常にそのつもりでいてくれていいぞ」
『ザワザワザワ……』
俺の唐突な発言にメイド達が戸惑う。男なのに性欲があるといきなり言われても、にわかに信じ難いようだ。
だがその顔は期待感に火照り、皆口元が弛むのを抑えられずに隣の者とヒソヒソ話し合っている。
皆肌の露出がない真っ当なメイド服を着込んでいるが、その顔はどれも前世の平均以上であり、まるでグラビアアイドルのオーディション会場のようなスレンダー巨乳揃いの光景には、こちらとしても思わず劣情が滾る。
「―――あ、あと皆に報告がありますわ。本日よりわたくしは游助様のものとなります故、今までわたくしが所有していた奴隷達は、今後使用人用の慰安室に置きますから。
皆好きなように使っていただいてかまいませんわ」
「キャーッ! ありがとうございます礼子様!」
「流石は礼子様だわ!」
先程まで俺に期待の目を向けていたメイド達が、一点礼子の言葉に大盛り上がりとなる。
(いや、まぁ俺は礼子ともメイド達とも好きにヤれるし良いんだけど……良いんだけどさ……)
皆の関心が他の奴隷達に向いてしまったことに、俺は何やら残念な感情を覚えた。
「―――それじゃあわたくしはこの後仕事があります故、失礼いたしますわ。
美香、お願い」
「はい、礼子様」
突然一人のメイドが呼ばれ、礼子の身支度に取り掛かった。
「え、今から出掛けるのか? 礼子」
まだ礼子の家に来たばかりだと言うのに、招いた本人が忙しく外出の準備を始めている様子に俺は戸惑う。
(ていうか仕事の時は服を着るんだな……)
礼子という人間は常に裸で過ごしているのかと思っていたが、流石に仕事の時は服を着るようだ。
しかも私服とはいえまともなビジネススタイルの、かなりフォーマルな洋服に身を包んでいる。
どうやら礼子という人間は、オン・オフがハッキリしているタイプのようだが、オフのあまりにも自由過ぎる姿は流石に限度を超えている。
「ええ、実は仕事の途中に抜け出して奴隷オークションに出向いたんですの。
着くなり早々で申し訳ございませんが、日中は普段も家を空けていることが多いので、游助様は自由に寛いでくださいませ。
美香、游助様に家の中をご案内して差し上げて」
「かしこまりました」
「では游助様、御機嫌よう」
まるで嵐が過ぎ去っていくように、礼子は大急ぎで屋敷を後にした―――
「私は礼子様のお屋敷でメイド長を務めております、中川 美香と申します。
たくや様は別室で他のメイドが介抱いたしますので、游助様はこれより私が屋敷をご案内いたします」
あまりに突然の流れにポカンと口を開ける俺に向かって、美香と名乗るメイドはスカートの裾を持って淡々と挨拶を済ませると―――
「ではこちらです、游助様」
状況に慣れる間も与えられぬまま、美香は屋敷の案内を始めてしまった―――
「―――こちらが一階のお手洗いになります。礼子様のお屋敷では奴隷用のお手洗いが別に用意されておりますが、游助様はどのお手洗いをお使いいただいても構いません」
まずは屋敷のトイレから案内が始まった。
「ちょっと質問なんだけど―――トイレにはいわゆる……便所行きの奴隷はいるのか?
あと今の言い方だと……普通のトイレは男女兼用なのか?」
屋敷の構造以前に、調教場から外の世界の常識が全く分からず、俺は美香に質問する。
「礼子様のお屋敷には礼子様専用のプレイルームと、メイド専用の慰安室が用意されております。更に今まで礼子様専用でしたAランク奴隷と、メイド専用のBランク奴隷しかおりませんので、お手洗いに性処理用の奴隷はございません。
お屋敷外の一般的なお手洗いについては、奴隷用のお手洗いは用意されていないことが多く、女性用のお手洗いで用を足します」
「つまりここは女用と奴隷のトイレが分かれているけど、公共の場では女性が使う便器を奴隷が使ってもいいのか」
トイレが男女で分かれていないというのは、あまりにも馴染みがない。
性欲のある男としては少し嬉しいようにも思うが、奴隷が女と同じトイレで用を足すのが許されているというのは意外だった。
「はい。―――というより、公共のお手洗いで便器を使うのは殆ど奴隷しかおりません。
女性は便器を使わず奴隷の口に用を足し、排泄を終えた後の陰部を奴隷が舐めて綺麗にします。
そして性欲を発散する場合はそのまま行為に及びます」
「ま、マジかよ……」
調教場でたまに女からクソやションベンを浴びせられることがあったが、単なる凌辱行為ではなく訓練だったことを知り絶句する。
(たくやを便所に行かせなくて本当に良かった……)
親友が糞尿を食わされ続ける日々など、絶対に想像したくない。
たくやを無理にでも連れてきて良かったと思うと同時に、俺自身がそうならなかったことに心から安堵した。
「他にご質問がなければご案内を続けさせていただきます」
そんな俺に構う様子もなく、美香はスタスタと次の部屋へと進んで行き、俺も早足でその後を追った―――
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