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二章
27-自己紹介
しおりを挟む「お前ら! 今日からこのクラスに新しい仲間が増える!
君、早速だが自己紹介してくれ!」
「ひ、比留川游子です。よろしくお願いします……」
『パチパチパチ』
俺がやや緊張気味の挨拶をすると、クラスメイトからにこやかに拍手を送られた。
1年1組。
ここが俺の通う教室となる。
俺は游助という男名は隠し、学校では游子と名乗ることになった。
担任の名は奥川 姫華。先程理事長室にて紹介を受けた。
ちなみにこの学園で俺が男であることを知っているのは、比奈理事長ただ一人であり、この姫華も知らない秘密だ。
姫華は全身赤のジャージ姿で竹刀を持ち、前世でも時代錯誤な体育会系教師の風貌だ。
顔は例のごとく整っているが、派手なオレンジの短髪はパンクロッカーのように逆立てている。
ジャージがパンパンに張り裂けそうな爆乳スレンダーボディも、色気は全く漂ってこない。
「皆仲良くするように!
比留川! お前は一番後ろに席を用意したからそこに座れっ!」
「はっはいっ」
姫華に竹刀で最後尾の席を指され、俺は慌ててその場所へと向かう。
「よろしくね~」
「はじめまして~」
道中皆から声を掛けられ、俺もぎこちない笑顔を返す。
どうやら皆いい子ばかりのようだ。
席に座ってからも、左隣の女の子が満遍の笑みで声を掛けてきた。
「私灰原 乙音! 分からないことがあったら何でも聞いてね!」
「あ、ありがとう」
(隣の子も優しそうで良かった。それにしても、妙に懐かしい名前だな……
灰原乙音……あっ―――)
その時、俺は前世の記憶にある一人の女の名前が脳裏に浮かんだ。
灰川乙葉―――
「パイ……乙」
その懐かしい響きに、俺は無意識のうちにかつてのあだ名を口に出していた。
「ちょっと……誰がパイ乙よ!!」
突然乙音は顔を真っ赤にして席を立ち、俺に向かって怒りの目を向けた。
「あ、いや、違くて……! そ、その……!」
(しまったぁ~~~! 編入初日にいきなり何をやっているんだ俺は~~~っ!)
初日からいきなりクラスメイトを怒らせてしまい、俺は慌てふためく。
「コラお前らぁ! 騒がしいぞ!」
『バシンッ』
すると前の方から姫華の怒鳴り声と竹刀を叩く音が響き、周りからクスクスと笑い声が飛び交った。
「ご、ごめんなさい……」
「すみません……」
姫華からお叱りを受けてしまい乙音はスゴスゴと席に座り、俺も続いて頭を下げた。
そして乙音から放たれる恨めしそうな目線がチクチクと刺さる。
こうして見ると、名前だけでなく雰囲気も随分と灰川乙葉に似ているような気がしてくる。
髪は乙葉のようなロングではなく肩に付くミドルボブだが、パイ乙と呼ばれて怒るところなんか瓜二つだ。
ただこれ以上ジロジロ見ていても、また怒りを買いかねないので、俺はすぐに視線を前に向けた。
「ぷっ……ククッ。新入りちゃん怒られちゃったね~。
にしてもいきなり乙音の禁止ワードをぶっ込むなんて、あんた中々やるねぇ」
すると今度は俺の右隣の女子から話し掛けられた。
「き、禁止ワード?」
「そうそう。乙音はそのあだ名で呼ばれるとすっごく怒るんだよねぇ~。
でもそれがまた面白くて可愛いから、皆にからかわれちゃうんだけど」
右隣の女子が俺の耳元でヒソヒソと乙音の情報を伝えてくる。
前世では乙葉のことをパイ乙と呼んでいたのは俺を含む一部の男子だけだったが、どうやらこっちのパイ乙はクラスメイトの女子皆からそう呼ばれているようだ。
女の性欲が増したことで、下ネタは広く女が嗜むものとなったのか。
「あたしは芹川 茜。よろしくね~」
右隣の女子がヒラヒラと手を振ってウィンクを投げた。
その愛らしさに思わずドキンと胸が鳴る。
精神年齢的には俺の方が高い筈だが、皆大人顔負けの美貌と巨乳を有しており、否が応でも雄の部分が反応してしまう。
(い、いかんいかん……平常心を保たなくては……)
突然股間を浮き上がらせてしまうことがないよう、俺が身を引き締めようとしたその時―――
『ブゥーーーンッ』
「な、なんだ!?」
突然右の方から謎の振動音が響き、何事かと顔を向ける。すると―――
「おい今度は誰だ? ったく、休み時間以外はちゃんとマナーモードにしておけといつも言ってるだろう!」
「すいませ~~ん」
どうやら音の主は茜だったようだ。先生に怒られて照れくさそうに舌を出している。
(な、なんだ携帯か……
―――ん? でもこの時代に携帯やスマホなんてあったっけ?)
前世なら授業中に生徒のスマホが鳴って先生に怒られるなんていう光景もたまに見掛けたが、未来に同じような物を見たことはなく疑問を浮かべていると―――
「あちゃ~~。あたしも怒られちった~~」
そう言いながら茜がスカートをヒラリとめくる。
するとそこには信じられない光景が俺の目に飛び込んできた。
(え……!? ノ、ノーパン!? そ、それにアソコに入ってるのって……バイブ!?)
見ると茜の股にはぶっといバイブが突き刺さっており、そこに茜が手を伸ばして底に付いているスイッチを弄った。
(ま、マジかよ……つーかさっきの姫華先生の口ぶりからすると―――皆バイブ常備が当たり前!?
バイブ入れながら勉強とか出来んの!?)
これはとんでもない環境で勉強を受けることになってしまったと、俺は額から嫌な汗を流した―――
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