88 / 188
其の四 恥肉(ちにく)
其の四 恥肉(ちにく)の四十二
しおりを挟む
其の四 恥肉(ちにく)の四十
……第3地球防衛軍・対人工知能巡洋艦HIMARIは、対ESP対心霊戦フリゲート・マーレィ級を改造した戦略巡洋艦を、更に改造したマーレィ改2級の最新鋭巡洋艦だった。
……搭載された、八十八基もの超小型・量子計算機群で敵兵器群のAIを乗っ取り、自分の式神として自在に操(あやつ)るAI憑依で防衛軍内では密かに、傀儡(くぐつ)のHIMARI様と呼ばれて恐れられていた。
……今、太陽系外洋での秘密演習を終え、通常の霊体ステルス状態を解除したHIMARI様と、同・対ESP対心霊戦フリゲートのスーパースティションは、海王星公転軌道周辺の第2(夏)軍事専用下りワームホール出口から、海王星中継・地球防衛軍大要塞を通過して、火星公転軌道周辺の火星中継・防衛軍基地に向かう第1(春)軍事専用上りホール入り口から超空間回廊内に進入した。
……やがて、第1(春)軍事専用上りワームホール出口から火星中継・防衛軍基地に抜けた二隻は、其処で待機していた第3地球防衛軍・対仙術対陰陽術戦フリゲート・レジェンドラと同・対魔術対呪術戦フリゲートのルー・クリスティーンと合流し、地球の防衛軍本部要塞を目指したのだ。
……太陽系・全宙域を使った、地球防衛軍創設以来最大の、軍事演習に参加する為に。
……銀河系全宙域から、地球防衛軍艦船が続々と鬼達の故郷、鬼星地球に集結しつつ有った。
……そんな、地球の衛星、月が鬼達の地球防衛軍の衛星軌道大要塞だった。
……以前、地球の鬼の科学者達が、月の裏側の地表から月の中心部に向けて、大深度地下掘削調査を行なった事が有った。
……其の結果、予想通り月の中心部に、月直径の約三分の一程も有る、巨大な球形の空洞を発見したのだ。
……そして、空洞内部の球形の、暗黒の内部地表に、謎の超古代文明の遺跡を発見したのだった。
……更に、其の遺跡内に、惑星環境制御装置(テラフォーマナイザー)と遺伝子合成・編集装置(DNAシンセサイザー)、そして平行時空・超並列化量子計算機を発見したのだった。
……其れから数百年後、月の中心に設置されていた、人工太陽の再起動に鬼達は成功し、球形の真空の、空洞内の無重力空間には、無数の研究施設が浮かび、月の表面地表と内部地表との間には、巨大な貨物宇宙船が出入り出来る、回廊と呼ばれる大穴が、幾つも掘られたのだった。
……そして、やがて月は、地球防衛軍の、衛星軌道大要塞に改造されたのだ。
……更に、其の後の調査で判明した事は、地球の月が別の恒星系から飛来した、衛星型恒星間航行都市移民船だと云う、驚愕の事実だった。
……月の地殻内には、複数の重力場制御装置が幾何学的に規則正しく埋め込まれており、月は重力場推進で移動し、更に、亜空間回廊航行(ワームホール・ワープ)さえも可能だったのだ。
……つまり、月は今や、衛星型機動大要塞として運用が可能になったのだった。
……そして、驚くべき事には、月地殻内の重力場制御装置は現在も作動中で、月の質量を偽装し、内部の空洞の存在を隠蔽していたのだ。
……更に、月は時間ワームホールを使用した時空航行(タイム・リープ)や、並行宇宙跳躍移動(パラレル・ジャンプ)すら可能だったのだ。
……然し、時空航行と並行宇宙跳躍移動のシステムは、最後の使用時に大きく破損し、手動でも修復不可能な状態だった。
……地球の鬼達は、月の鬼達を旧鬼(オーヴァーロード)と呼んでいたが、其の旧鬼達は或る日、突然襲来した謎の敵に母星を追われ、既に植民地として改造が進んでいた衛星(月)を、移民船(方舟)に再改造して、時間航行と並行宇宙跳躍移動を同時に行って脱出したのだ。
……処で、そんな月内部の超古代文明の遺跡には、奇妙な事に、体長の大きく異なる二種類の生物が共生していた痕跡が残されていたのだ。
……月内部の遺跡の建造物には、平均体長が十メートル以上も有り、頭部に角の生えた鬼巨人達の居住していた巨大な建物と、体長二メートル未満の頭部に角の無い、地球の人間達に酷似した生物達が暮らしていた小さな建物とが混在していたのだ。
……然(しか)も、建物に残された壁画や彫刻、そして其の後に発見された高性能計算機の記憶装置の記録映像から、衣服を着た鬼巨人達が、全裸の角無し人間達を奴隷として酷使し、更には其の血肉を食料に利用していた事が判明したのだった。
……第3地球防衛軍・対人工知能巡洋艦HIMARIは、対ESP対心霊戦フリゲート・マーレィ級を改造した戦略巡洋艦を、更に改造したマーレィ改2級の最新鋭巡洋艦だった。
……搭載された、八十八基もの超小型・量子計算機群で敵兵器群のAIを乗っ取り、自分の式神として自在に操(あやつ)るAI憑依で防衛軍内では密かに、傀儡(くぐつ)のHIMARI様と呼ばれて恐れられていた。
……今、太陽系外洋での秘密演習を終え、通常の霊体ステルス状態を解除したHIMARI様と、同・対ESP対心霊戦フリゲートのスーパースティションは、海王星公転軌道周辺の第2(夏)軍事専用下りワームホール出口から、海王星中継・地球防衛軍大要塞を通過して、火星公転軌道周辺の火星中継・防衛軍基地に向かう第1(春)軍事専用上りホール入り口から超空間回廊内に進入した。
……やがて、第1(春)軍事専用上りワームホール出口から火星中継・防衛軍基地に抜けた二隻は、其処で待機していた第3地球防衛軍・対仙術対陰陽術戦フリゲート・レジェンドラと同・対魔術対呪術戦フリゲートのルー・クリスティーンと合流し、地球の防衛軍本部要塞を目指したのだ。
……太陽系・全宙域を使った、地球防衛軍創設以来最大の、軍事演習に参加する為に。
……銀河系全宙域から、地球防衛軍艦船が続々と鬼達の故郷、鬼星地球に集結しつつ有った。
……そんな、地球の衛星、月が鬼達の地球防衛軍の衛星軌道大要塞だった。
……以前、地球の鬼の科学者達が、月の裏側の地表から月の中心部に向けて、大深度地下掘削調査を行なった事が有った。
……其の結果、予想通り月の中心部に、月直径の約三分の一程も有る、巨大な球形の空洞を発見したのだ。
……そして、空洞内部の球形の、暗黒の内部地表に、謎の超古代文明の遺跡を発見したのだった。
……更に、其の遺跡内に、惑星環境制御装置(テラフォーマナイザー)と遺伝子合成・編集装置(DNAシンセサイザー)、そして平行時空・超並列化量子計算機を発見したのだった。
……其れから数百年後、月の中心に設置されていた、人工太陽の再起動に鬼達は成功し、球形の真空の、空洞内の無重力空間には、無数の研究施設が浮かび、月の表面地表と内部地表との間には、巨大な貨物宇宙船が出入り出来る、回廊と呼ばれる大穴が、幾つも掘られたのだった。
……そして、やがて月は、地球防衛軍の、衛星軌道大要塞に改造されたのだ。
……更に、其の後の調査で判明した事は、地球の月が別の恒星系から飛来した、衛星型恒星間航行都市移民船だと云う、驚愕の事実だった。
……月の地殻内には、複数の重力場制御装置が幾何学的に規則正しく埋め込まれており、月は重力場推進で移動し、更に、亜空間回廊航行(ワームホール・ワープ)さえも可能だったのだ。
……つまり、月は今や、衛星型機動大要塞として運用が可能になったのだった。
……そして、驚くべき事には、月地殻内の重力場制御装置は現在も作動中で、月の質量を偽装し、内部の空洞の存在を隠蔽していたのだ。
……更に、月は時間ワームホールを使用した時空航行(タイム・リープ)や、並行宇宙跳躍移動(パラレル・ジャンプ)すら可能だったのだ。
……然し、時空航行と並行宇宙跳躍移動のシステムは、最後の使用時に大きく破損し、手動でも修復不可能な状態だった。
……地球の鬼達は、月の鬼達を旧鬼(オーヴァーロード)と呼んでいたが、其の旧鬼達は或る日、突然襲来した謎の敵に母星を追われ、既に植民地として改造が進んでいた衛星(月)を、移民船(方舟)に再改造して、時間航行と並行宇宙跳躍移動を同時に行って脱出したのだ。
……処で、そんな月内部の超古代文明の遺跡には、奇妙な事に、体長の大きく異なる二種類の生物が共生していた痕跡が残されていたのだ。
……月内部の遺跡の建造物には、平均体長が十メートル以上も有り、頭部に角の生えた鬼巨人達の居住していた巨大な建物と、体長二メートル未満の頭部に角の無い、地球の人間達に酷似した生物達が暮らしていた小さな建物とが混在していたのだ。
……然(しか)も、建物に残された壁画や彫刻、そして其の後に発見された高性能計算機の記憶装置の記録映像から、衣服を着た鬼巨人達が、全裸の角無し人間達を奴隷として酷使し、更には其の血肉を食料に利用していた事が判明したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる