百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の四 恥肉(ちにく)

其の四 恥肉(ちにく)の四十三

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     ……其の、月の巨大な銀色の球体表面には、大小の開口部が無数に開いていて、太陽の光の当たら無い真っ黒な裏側の、照明された明るい穴から中空の球体内部に、今、四隻の宇宙船は吸い込まれて行った。
     ……船舶保守・点検区画(メンテナンス・ドック)に近付いた四隻は、スーパースティションとレジェンドラとルー・クリスティーンの三隻が、夫々に母艦(コア・シップ)から、第一艤装(プライマリー)と第二艤装(セカンダリ)の二つの作戦モジュールを分離(パージ)して、ESP戦闘、心霊戦闘、神仙術戦闘、陰陽道戦闘、西洋魔術戦闘、東洋呪術戦闘の各作戦モジュールは、専用の保守・点検区画へと入港して行った。
     ……そして、最後にHIMARIと三隻の母艦が専用の保守・点検区画へ入港したのだ。
     ……始まりは地球の海用の、二隻の海上空母を一隻に合体させた、双胴艦のオルトロス級超空母だったと云う。
     ……やがて、一隻の超弩級戦艦の左右に、夫々空母を合体させた、三双双胴艦のケルベロス級超航空戦艦が建造されたのだ。
     ……また、三双双胴の組み合わせを、戦艦・空母・戦艦に変えた戦艦空母や、空母・イージス艦・空母に変えたイージス空母等、鬼達は様々な軍艦を開発し続けたのだった。
     ……処が、三双双胴艦の保守・点検には専用の設備が必要で、維持経費の負担が嵩んだ。
     ……其処で、或る軍の研究所が、其んな三双双胴艦を三隻の軍艦に分離させて保守・点検を行い、其の後で再び三隻の軍艦を一隻の三双双胴艦に合体させる、共通規格の合体機構を開発したのだった。
     ……実は、鬼達は、秘密兵器や超兵器、分離合体に特別な思い入れが有ったのだ。

 ……処で、最初は水上艦用に開発された、其の合体機構は、やがて高水密・高耐圧化されて、水中艦にも搭載される様になったのだった。
 ……中央の母艦は、推進装置を備えた、其れ自体が独立した潜水艦で、其の船体左右に有る合体機構に、作戦に応じて様々な水中モジュールを接合(プラグイン)させる事が出来た。
 ……主な水中モジュールには、魚雷やレーザーを搭載した戦術モジュールや、SLBMや巡航ミサイルを搭載した戦略モジュール、そしてVTOLや小型無人機(ドローン)を搭載した航空モジュール、補給モジュール、病院モジュール、貨物運搬モジュール等が開発されたのだった。
 ……そして、其れ等の水中モジュール達は、全て母艦と同じで推進装置を備え、船体左右に合体機構を搭載した独立した潜水艦で、水中でのモジュールの分離・接合が可能だったのだ。
 ……母艦の左右に、航空モジュールを接合させた海底空母や、航空モジュールと病院モジュールとを接合させた災害支援艦等が特に有名だった。
 ……やがて、鬼達の地球防衛軍に、宇宙艦隊を配備する事に為った時、鬼達は宇宙戦闘艦にも、其の合体機構システムを搭載したのだった。

     ……処で、地球防衛軍の対魔術対呪術戦フリゲートには、推進機関用と艦船用ガイアの障壁(たて)用の二基以外に、最小限でも二基の小型化された新・世界システムが搭載されていた。
     ……真空・無重力の宇宙空間で魔法を行使する為には、先(ま)ず対魔術対呪術戦フリゲートの新・世界システム壱号機で真空の宇宙空間から取り出したフリーエネルギーを魔為(マナ)に変換し、周囲の空間に充填させる。
     ……そして、其れと同時に新・世界システム弐号機で、例えば竜巻の攻撃魔法ならば、竜巻の発生している宇宙空間の部分にフリーエネルギーを空気に連続変換して供給し続け、真空の宇宙に竜巻を発生させていたのだ。
     ……此の新・世界システムを、更に進化させたリジェネシス・システムは、更に熱エントロピー制御や重力場制御を組み合わせて、金星や火星の環境地球化(テラフォーミング)を行う事を可能にした。
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