百鬼淫行

淀川 乱歩

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其の七 褌蟹(またかぶり)

其の七 褌蟹(またかぶり)の十三

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 ……そして、満月行で腰掛け板の上に立たされた少年達は、四肢(てあし)を大の字に大きく開かされたのだ。
 ……更に、小屋の少年達が内壁から伸びた丈夫な縄で、そんな全裸少年達の両手首と足首とを年上の少年達から順番に、壁に確(しっか)りと結び付けて行った。
 ……すると、自分の下帯(ふんどし)で目隠しされて腰掛け板の上に横一列に全裸で立たされ、内壁に磔(はりつけ)られた少年達の勃起した陰茎(ペニス)を、内壁の向こうの闇に潜んでいた何者かが口の中に含んだのだ。
 ……そして、少年達の勃起した幼い陰茎(ペニス)は、其の柔らかで温かな唇に優しく吸われ、ゆっくりと扱(しご)かれながら、舌の先で嬲(なぶ)られ続けて、全裸の裸身を仰(の)け反(ぞ)らせていたのだった。
 ……そして、そんな全裸少年達の幼い、小さな白い陰嚢(ふぐり)もまた、壁の穴から突き出した細長い白い指先に玩弄され続けていたのだ。

 ……毎月、満月行の夜には、目隠しされ、若衆小屋の冷たい板の内壁に、熱く火照った全裸の裸身を磔られた少年達が、幼い陰茎を一晩中誰かに交代で吸い扱かれ続けて、可愛(あい)らしく仰け反り幼い性的絶頂(オルガズム)を、可愛(あい)らしく繰り返し続けていたのだった。
 ……そして、全裸で無抵抗に陰茎(ペニス)を玩弄され続けている、そんな少年達は何故か夢現(ゆめうつつ)の催眠状態だったのだ。
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