百鬼淫行

淀川 乱歩

文字の大きさ
上 下
142 / 188
其の八 百壱鬼夜行 

其の八 百壱鬼夜行の五 猿稚児(ひひやや)

しおりを挟む
 ……昔、人里離れた山中を、人間(ひと)の様に二本の足で直立した猩々(ヒヒ)達が、立派な神輿(みこし)を担(かつ)いで練り歩いていたと云う。
 ……猩々達は時々、山中で休憩の為に立ち止まり、其の神輿を地面の上に降ろした。
 ……すると、神輿の前後左右の扉が同時に、独(ひと)りでに全て開き、猩々達は神輿の周囲に集まって扉(そ)の中に向かって、人間の様に両手を合わせて拝んだのだ。
 ……神輿の中には、人間の子供が一人、全裸で仰向(あおむ)けに寝かされて鎖で神輿の中に繋(つな)がれていた。
 ……実は、其の子は、神隠しで数十年も前に行方不明に為った、村の子供だったのだ。

 ……狭い神輿の中で、仰向(あおむ)けに寝かされた其の子は、全裸の両手を後ろ手に鉄の手錠で神輿の床に繋がれ、両足を上げて大きく開き、足首を神輿の天井に鉄の足枷で繋がれていたのだった。
 ……つまり、猩々達は神輿の中に鎖で繋がれた素っ裸の子供の、幼い性器と菊穴(アヌス)を拝んでいたのだ。

 ……すると、一匹の猩々が、そんな子供の横に近付くと、動物の指で其の子の幼い性器を愛撫し始めた。
 ……猩々の指で、幼い性器を嬲(なぶ)られ続けた子供は、やがて可愛(かわい)らしく性的絶頂(オルガズム)したのだった。
 ……すると、それを合図に雄の猩々達が次々と、神輿の中に全裸で繋がれ身動き出来無い其の子の下腹部の前に四つん這いに為り、勃起させた動物の男根を子供の肛門に深々と挿入して、激しく犯し始めたのだ。

 ……猩々達は次々と、交代で其の子供の肛門を犯し、体内に射精し続けた。
 ……子供は、動物に鶏姦(おか)される性的快感に身悶え、可愛(あい)らしく喘(あえ)ぎながら性的絶頂(オルガズム)を繰り返し続けた。
 ……そして、仲間の猩々達が交代で子供の肛門を犯している間、先程の猩々が其の子の幼い性器を、丹念に指で嬲(なぶ)り続けていたのだった。

 ……猿稚児は古い神輿の妖怪で、猩々達を操(あやつ)って人間の子供を自分の中に捕らえさせ、犯させていたのだ。
 ……そして、そんな猿稚児の中に、全裸で鎖に繋がれた子供は不老不死にされ、妖怪に操られた猩々達に、犯され続けていたのだった。
 ……永遠に。
しおりを挟む

処理中です...