仮 壱

淀川 乱歩

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其の九 淫獄転生 其の壱 壺童子 其の吸

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  ……夢水晶の、結晶体の生成自体は、比較的容易に成功したのです。
  ……然し、特定の個人の夢を結晶体内に映す為の、魂との共鳴振動数の微調整の処理で、大きな壁に阻まれたのでした。
  ……夢水晶の結晶体に、精神感応で特定個人の魂や記憶を固定する方法は、其の後、何百年間も解らなかったのです。

  ……其れが、或る時、偶然に壁は破られたのでした。
  ……其の方法が、強力な念能力者に、対象者を結晶体内に念写させながら、夢水晶の結晶体を生成する事で、対象者と結晶体に情報場のもつれ状態を生じさせ、対象者と夢水晶とを常に精神感応波で共振(リンク)させ続ける事だったのです。
  ……研究員達の、専用人工夢水晶が次々と生成され、更に念写の作業を魔法で代用し、自動化する事で、自動夢水晶生成機の原型機が完成したのでした。

  ……やがて、其の原型機を改良して量産機が開発され、カミラ公国内には国立夢結晶センターが設立され、公国内でのみ着用を許された、輸出入厳禁の夢水晶ペンダントやネックレス、イヤリングや指輪が販売される様に成ったのです。
  ……暗がりの中で、淡く輝く夢水晶の宝飾品は、妖魔界の魔族の、特に王侯貴族達の間で大流行し、カミラ公国への移民を急増させたのでした。
  ……然し、そんな大人気の夢水晶を、カミラ公国が独占している事への反発も大きく、輸出解禁の圧力は年々静かに増加して行ったのでした。

  ……そんな国際情勢の中で、あの事件は勃発したのです。
  ……エクウス王国の第一王位継承者の少女が、留学先の神聖ヴラド公国で、カミラ公国の貴族の青年に恋をして、神聖ヴラド公国に駆け落ちして仕舞ったのでした。
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