19 / 59
3章.新たな人生のはじまり
17.デーア大公グスタフとの出会い
しおりを挟む
その日も僕はいつもどおり本を読んで過ごし、夕食の時間になって宴の席に着いた。デーア大公に黙礼だけはした。何も言うなと言われたので僕は食事中はずっと口をつぐんでいた。
大公殿下のことは以前遠目に見たことがあった。その時も大柄な男性だなとは思ったけど、近くで見ると見上げるほど大きかった。ゴールドブラウンのくせ毛に、程よく日焼けした肌の快活そうな美丈夫だった。兄のクレムス王も美男と名高いので、兄弟揃って容姿端麗というわけだ。
僕は会話には一切入らなかったけれど、話を聞く限り大公は資源の採掘の話でここに来ているらしかった。僕はその資源に対してはそこまで興味は無かったけど、彼が色々な国を旅しているという話は興味深かった。
(この方は大公という立場でありながら公務以外で各地を訪問し色々な国の様子をよく観察されているようだ)
特に、僕は他国のダムの話が面白くてつい身を乗り出してしまった程だ。リュカシオン公国の治水技術はまだまだ未熟だ。この方の話を聞くに、デーア大公国はかなり発達した治水技術を有しているらしい。
(行って見てみたいな。その技術があれば公国の用水路ももっと改善して作物の生産量が飛躍的に上がるんだけど……。いや、今更僕がこんなことを考えたって何にもならないんだけれど)
僕が熱心に話に耳を傾けていたら、大公がこちらを見て言った。
「ところで、そこにいる彼はさっきから熱い視線を送ってくれているが――口がきけないのかね?」
「ああ、ルネですか。いいえ。彼はオメガなので、このような会話に興味はないですよ」
「そうか? 随分熱心に私の話を聞いていたようだが」
「どうでしょう……。でもそういえばよく難しそうな本を読んでいます。ルネ、お前殿下のお話しに興味があるのか? ん?」
「…………」
フェリックスに問われたが、僕は口をきいても良いのかわからず姉の方を見た。彼女は知らんふりをしている。この場で黙っているのも不自然だと思って返事をした。
「僕は治水に関して興味があって本を読んでいます。異国にはそのような立派なダムがあるのかと、お話しを興味深く拝聴しておりました。祖国の治水技術は未熟で、灌漑すらまともに整備されておらず頭を悩ませていたのです。一度でも良いから現地で見てみたいと思って――あ、申し訳ありません。ついつまらない話を長々と……」
興味のある話になり、ついつい殿下に向かって余計な話を始めてしまうところだった。殿下も不思議そうな目でこちらを見ているではないか。
「そうか。ふむ……身重のオメガがこんな話に興味を持つとは、面白い。名前はなんと言った?」
「ルネでございます」
すると大公は何か思い出すように僕の名を繰り返した。
「ルネ? ……ルネ……ルネ……まさか、リュカシオン公国の?」
素性を言い当てられたことに驚いて、それまで伏せていた目を上げてしまい大公と目が合った。
(優しそうな緑色の瞳……)
「はい。さようでございます」
「ほう、美貌で名高いリュカシオンの公子だな。なるほど評判通りの美しさだ。オメガとは初耳だったな」
僕は自分がオメガの公子だと知れて急に恥ずかしくなり目を伏せた。
(きっと身重のオメガの分際で生意気だと思われたにちがいない。でしゃばって会話になど加わらなければよかった……)
しかし幸いにもここで食事が終わって部屋を移ろうという流れになったのでそれ以上僕が彼と会話する必要はなくなった。僕は逃げるように自室に引き返した。
◇◇◇
ベッドに横になる。胸が苦しいのは食べ過ぎたせいか、子宮が大きくなって内臓を圧迫しているからか。
(それとも……あの方の優しい瞳で見つめられて胸が高鳴っているから……?)
僕のような日陰者と違い、陽の光がよく似合いそうな逞しい男性だった。眩しくてうかつに直視は出来ない――。
(今まで僕の周りにはいなかったタイプの人……)
あちこち旅している経験から知識や判断力も優れているのが会話からうかがえた。自信に満ち溢れていて、国のリーダーに相応しい人間だとすぐにわかった。
(彼の国の運河やダムを見てみたいな)
ぼんやりと考えていたら、足音が近づいてドアをノックされた。
(こんな奥まった部屋にわざわざ誰が?)
咄嗟に身構えたが、中に入って来たのは姉のモニークとロッテだった。
「お姉様……?」
僕は立ち上がった。
「どうされたんです?」
「これに着替えなさい」
姉は僕の足元に大きな布を放り投げた。僕はそれを拾い上げて手に取ってみる。
「これは……なんですか?」
「キトンよ」
キトンとは古代の石像が着ているような、ただの布を体に羽織って紐で結えるタイプの衣服だ。なぜこんなものを着なければいけないのだろうか。
「それを着て、大公殿下に葡萄酒をお持ちするのよ」
「え? 僕がですか?」
「あなた以外にここに誰がいるのよ? さっさとしなさい」
(一体なぜ? こんなもの……姉は正気なのか?)
「ロッテ! ルネにこの服を着せてちょうだい」
後ろに控えてたロッテが姉に呼ばれて前に出た。
「ルネ様、失礼します」
「あ、でも……」
こんなのはロッテの普段の仕事ではない。慣れない手つきで僕の服を脱がせようとするので、仕方がなく自分で脱いだ。
「ごめんねロッテ。着るのだけ手伝ってもらえる?」
「はい」
いつもならロッテと会えば何かと世間話をしてくれる。しかし、今は姉がいるので彼女は無駄口をきかずに手を動かしていた。
どこの出身なのか知らないが、慣れた手つきで僕にキトンを着せてくれる。大判の布を二つ折りにし、僕の身体を包んで肩の部分をブローチで止め、胸の下(膨らんだお腹の上)を二本の紐で綺麗なドレープになるように整えた。薄く軽い布で、足元はひらひらしていて何とも心許ない。
(こんなふざけた格好で本当に殿下の前に?)
「さあ、行くわよ」
「はい……お姉様」
断れば何をされるかわからない。仕方がなく僕は従った。
大公殿下のことは以前遠目に見たことがあった。その時も大柄な男性だなとは思ったけど、近くで見ると見上げるほど大きかった。ゴールドブラウンのくせ毛に、程よく日焼けした肌の快活そうな美丈夫だった。兄のクレムス王も美男と名高いので、兄弟揃って容姿端麗というわけだ。
僕は会話には一切入らなかったけれど、話を聞く限り大公は資源の採掘の話でここに来ているらしかった。僕はその資源に対してはそこまで興味は無かったけど、彼が色々な国を旅しているという話は興味深かった。
(この方は大公という立場でありながら公務以外で各地を訪問し色々な国の様子をよく観察されているようだ)
特に、僕は他国のダムの話が面白くてつい身を乗り出してしまった程だ。リュカシオン公国の治水技術はまだまだ未熟だ。この方の話を聞くに、デーア大公国はかなり発達した治水技術を有しているらしい。
(行って見てみたいな。その技術があれば公国の用水路ももっと改善して作物の生産量が飛躍的に上がるんだけど……。いや、今更僕がこんなことを考えたって何にもならないんだけれど)
僕が熱心に話に耳を傾けていたら、大公がこちらを見て言った。
「ところで、そこにいる彼はさっきから熱い視線を送ってくれているが――口がきけないのかね?」
「ああ、ルネですか。いいえ。彼はオメガなので、このような会話に興味はないですよ」
「そうか? 随分熱心に私の話を聞いていたようだが」
「どうでしょう……。でもそういえばよく難しそうな本を読んでいます。ルネ、お前殿下のお話しに興味があるのか? ん?」
「…………」
フェリックスに問われたが、僕は口をきいても良いのかわからず姉の方を見た。彼女は知らんふりをしている。この場で黙っているのも不自然だと思って返事をした。
「僕は治水に関して興味があって本を読んでいます。異国にはそのような立派なダムがあるのかと、お話しを興味深く拝聴しておりました。祖国の治水技術は未熟で、灌漑すらまともに整備されておらず頭を悩ませていたのです。一度でも良いから現地で見てみたいと思って――あ、申し訳ありません。ついつまらない話を長々と……」
興味のある話になり、ついつい殿下に向かって余計な話を始めてしまうところだった。殿下も不思議そうな目でこちらを見ているではないか。
「そうか。ふむ……身重のオメガがこんな話に興味を持つとは、面白い。名前はなんと言った?」
「ルネでございます」
すると大公は何か思い出すように僕の名を繰り返した。
「ルネ? ……ルネ……ルネ……まさか、リュカシオン公国の?」
素性を言い当てられたことに驚いて、それまで伏せていた目を上げてしまい大公と目が合った。
(優しそうな緑色の瞳……)
「はい。さようでございます」
「ほう、美貌で名高いリュカシオンの公子だな。なるほど評判通りの美しさだ。オメガとは初耳だったな」
僕は自分がオメガの公子だと知れて急に恥ずかしくなり目を伏せた。
(きっと身重のオメガの分際で生意気だと思われたにちがいない。でしゃばって会話になど加わらなければよかった……)
しかし幸いにもここで食事が終わって部屋を移ろうという流れになったのでそれ以上僕が彼と会話する必要はなくなった。僕は逃げるように自室に引き返した。
◇◇◇
ベッドに横になる。胸が苦しいのは食べ過ぎたせいか、子宮が大きくなって内臓を圧迫しているからか。
(それとも……あの方の優しい瞳で見つめられて胸が高鳴っているから……?)
僕のような日陰者と違い、陽の光がよく似合いそうな逞しい男性だった。眩しくてうかつに直視は出来ない――。
(今まで僕の周りにはいなかったタイプの人……)
あちこち旅している経験から知識や判断力も優れているのが会話からうかがえた。自信に満ち溢れていて、国のリーダーに相応しい人間だとすぐにわかった。
(彼の国の運河やダムを見てみたいな)
ぼんやりと考えていたら、足音が近づいてドアをノックされた。
(こんな奥まった部屋にわざわざ誰が?)
咄嗟に身構えたが、中に入って来たのは姉のモニークとロッテだった。
「お姉様……?」
僕は立ち上がった。
「どうされたんです?」
「これに着替えなさい」
姉は僕の足元に大きな布を放り投げた。僕はそれを拾い上げて手に取ってみる。
「これは……なんですか?」
「キトンよ」
キトンとは古代の石像が着ているような、ただの布を体に羽織って紐で結えるタイプの衣服だ。なぜこんなものを着なければいけないのだろうか。
「それを着て、大公殿下に葡萄酒をお持ちするのよ」
「え? 僕がですか?」
「あなた以外にここに誰がいるのよ? さっさとしなさい」
(一体なぜ? こんなもの……姉は正気なのか?)
「ロッテ! ルネにこの服を着せてちょうだい」
後ろに控えてたロッテが姉に呼ばれて前に出た。
「ルネ様、失礼します」
「あ、でも……」
こんなのはロッテの普段の仕事ではない。慣れない手つきで僕の服を脱がせようとするので、仕方がなく自分で脱いだ。
「ごめんねロッテ。着るのだけ手伝ってもらえる?」
「はい」
いつもならロッテと会えば何かと世間話をしてくれる。しかし、今は姉がいるので彼女は無駄口をきかずに手を動かしていた。
どこの出身なのか知らないが、慣れた手つきで僕にキトンを着せてくれる。大判の布を二つ折りにし、僕の身体を包んで肩の部分をブローチで止め、胸の下(膨らんだお腹の上)を二本の紐で綺麗なドレープになるように整えた。薄く軽い布で、足元はひらひらしていて何とも心許ない。
(こんなふざけた格好で本当に殿下の前に?)
「さあ、行くわよ」
「はい……お姉様」
断れば何をされるかわからない。仕方がなく僕は従った。
46
あなたにおすすめの小説
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。
水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。
国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。
彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。
世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。
しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。
孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。
これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。
帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。
偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
事故つがいの夫が俺を離さない!
カミヤルイ
BL
事故から始まったつがいの二人がすれ違いを経て、両思いのつがい夫夫になるまでのオメガバースラブストーリー。
*オメガバース自己設定あり
【あらすじ】
華やかな恋に憧れるオメガのエルフィーは、アカデミーのアイドルアルファとつがいになりたいと、卒業パーティーの夜に彼を呼び出し告白を決行する。だがなぜかやって来たのはアルファの幼馴染のクラウス。クラウスは堅物の唐変木でなぜかエルフィーを嫌っている上、双子の弟の想い人だ。
エルフィーは好きな人が来ないショックでお守りとして持っていたヒート誘発剤を誤発させ、ヒートを起こしてしまう。
そして目覚めると、明らかに事後であり、うなじには番成立の咬み痕が!
ダブルショックのエルフィーと怒り心頭の弟。エルフィーは治癒魔法で番解消薬を作ると誓うが、すぐにクラウスがやってきて求婚され、半ば強制的に婚約生活が始まって────
【登場人物】
受け:エルフィー・セルドラン(20)幼馴染のアルファと事故つがいになってしまった治癒魔力持ちのオメガ。王立アカデミーを卒業したばかりで、家業の医薬品ラボで仕事をしている
攻め:クラウス・モンテカルスト(20)エルフィーと事故つがいになったアルファ。公爵家の跡継ぎで王都騎士団の精鋭騎士。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる