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お怒り雅孝くんの、甘い尋問タイム※
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※今回は、一応、背後注意…かな?(判断に迷いますが、念のため)
※※※
「ふぁっ…!なんだよ、雅孝っ。放してよおっ」
背後からぎゅっと拘束してくる腕を、ペチペチッと叩いて抗議した。
「俺、何にも悪い事してないじゃん!話すことなんて別に何もっ…」
「ふぅん…?そんないたずらして見つかったワンコみたいに、ビビった顔して、何言ってるのかな?隠し事してますって、かわいいお顔に書いてあるよね?」
「ふえっ…?そ、そんなことないもんっ」
俺、そんな顔しちゃってる?ウソ、そんなことないよね?
両手で柔らかいほっぺをなでなでしていたら、ふいに耳元に口を寄せた雅孝が、
「嘘つき♡」
ふう~っと軽く、耳に息を吹きかけてきた!ゾクゾクゾクッ…!
「んふあぁっ♡…ゃっ!お耳に息、ふうってするのやだぁっ!」
イヤイヤをしながら涙目で睨んだら、
「知ってる。みつきはくすぐったがりさんだから、お耳にふうはダメなんだよね。…でも、これは、嘘つきさんへのお仕置きだから」
ちょっと意地悪な笑顔で、雅孝が耳元でささやく。お耳でボショボショやめて、小さいゾワゾワが、おさまらないから。
「嘘つきさんなんかじゃないもんっ。意地悪やめてくれよっ…いつもみたいに、仲良し仲良ししよ?なっなっ?」
いつもの優しく甘えてくる雅孝と違って、今日の雅孝、ちょっと怖いぞっ。
まるで…前世のとき、おっぱいのウズウズを鎮めるためにマッサージを頼んだ時、もうマッサージは充分だって言ってるのに、泣いてる俺を見て「かわいい♡かわいい♡」って言いながら、しつこくおっぱいをいじめるのをやめてくれなかった時みたいな、雄っぽい意地悪な顔だ。
…あれっ…?前からちょっとそうかなって思う事があったけど、もしかして、雅孝って優しいだけじゃなくて、実はちょっと…いじめっこ?
「ダァ~メッ!いつもは、みつきの気持ちや都合を優先してあげたくて、見逃してあげてたけど、もう限界。なんでもナイナイって言って、朝のご挨拶のキスも目をギュッと閉じて、我慢してますって顔でしてるし。ギュッとしてほっぺスリスリも、みつきからはしてくれなくなったし。僕が近づくと、緊張しておててギュってして、どうやって逃げようって顔してる」
…えっ?俺、そんなに態度に出ちゃってた…?
結構うまくやってるつもりだったんだけど。
「それなのに、僕の事キライになったわけじゃないって、大好きっていうばっかりでさ。そんなの、絶対何かあったに決まってるじゃん!なのに全然話してくれなくて、急に避けられ始めてさっ…!僕だって、人間なんだよっ?心があるんだから、そんなふうに離れていかれたら、傷つくんだよっ!」
それは、初めて聞いた、雅孝の激高した叫び。
いつも基本的に静かに優しくほほ笑んでいるこいつは、めったに怒ったり叫んだりすることはない。
そんな雅孝が、両目からぼろぼろ綺麗な涙を流しながら、声を荒げていた。
「いっぱい我慢したけど、もう限界っ!…お願いだから、もう勘弁して教えてよっ!僕のことが嫌なのなら、嫌なとこ、直すからっ…!うぅっ…グスッ…!隠し事しないで、全部教えてよぉっ…!」
そう言って後ろからぎゅっと縋り付いて泣き始める雅孝。
最近、凄くお兄さんっぽくなったから忘れちゃってた。こいつは、ほんの数年前までは、泣き虫まあちゃんだった子だったんだった。
生まれつきの髪と目の色から、「ガイジン!ガイジン!」「わっ、きもちわるい!あおい目で、こっちみんな!」って、幼稚舎のころは周りのみんなからいじめられて泣いていて、見かねて自分も泣きながら庇っていた俺のうしろで、ちっちゃくなって震えて泣いていたこいつ。
舐められたくない、何か一個でもできることを頑張って、見返してやりたいって、厳しすぎるレッスンに泣きながら、小さい手に血マメを作って必死でバイオリンを弾いていたこいつ。
鳥の雛みたいに、すっかり俺になついて、どこにでも服のすそをつかんでついて来たこいつ。
生まれて初めて、幼稚舎の折り紙の時間に作ったチューリップがとっても上手にできたね、って先生に褒められて、うれしそうに折り紙のチューリップを差し出しながら、
「これっ、はじめて上手だねって言ってもらえたおりがみっ…。みっちゃんにあげるっ。…あの、あのね、だいすきだよ、みっちゃん。…しょうらい、ぼくのおよめさんになって…?」
男同士だとか、そういうこともきっとわからずに、俺にプロポーズしてくれたほほえましい幼いエピソード。
色んなこいつとの思い出が、一気にぶわわって思い出されて、俺は…一気に罪悪感におそわれた。
「雅孝…ごめん。でも、話せない」
ごめん。…こんなに傷つけちゃってるのに。傷つけちゃってるからこそ、あんなひどい夢を見て、雅孝に悪い事したなんて話せない。
その夢の原因が、俺がオメガだってわかったからだ、なんて話せない。防犯のために、家族以外には内緒にしましょうって、家族と約束したから。
個人的には、雅孝には全部話してしまいたい。雅孝の不安を少しでも和らげてやりたいし、雅孝なら…きっと、受け止めてくれるだろうと思うから。
でも、今すぐには、どうしてもすべてを話してしまう決心がつかなかった。
「…わかった」
ほっぺを涙でびしょびしょにした雅孝が、ふっと泣き止んで、小さな声で言った。
許してくれた…のかな?このままじゃ申し訳ないから、ちゃんと話してフォローしなきゃ、と必死で言葉を探している俺は、
「自分から話してくれないなら、……話してもらうだけだから」
思い違いをしていたことを、身をもって思い知らされる事になったのだった…。
※※※
「ふぁっ…!なんだよ、雅孝っ。放してよおっ」
背後からぎゅっと拘束してくる腕を、ペチペチッと叩いて抗議した。
「俺、何にも悪い事してないじゃん!話すことなんて別に何もっ…」
「ふぅん…?そんないたずらして見つかったワンコみたいに、ビビった顔して、何言ってるのかな?隠し事してますって、かわいいお顔に書いてあるよね?」
「ふえっ…?そ、そんなことないもんっ」
俺、そんな顔しちゃってる?ウソ、そんなことないよね?
両手で柔らかいほっぺをなでなでしていたら、ふいに耳元に口を寄せた雅孝が、
「嘘つき♡」
ふう~っと軽く、耳に息を吹きかけてきた!ゾクゾクゾクッ…!
「んふあぁっ♡…ゃっ!お耳に息、ふうってするのやだぁっ!」
イヤイヤをしながら涙目で睨んだら、
「知ってる。みつきはくすぐったがりさんだから、お耳にふうはダメなんだよね。…でも、これは、嘘つきさんへのお仕置きだから」
ちょっと意地悪な笑顔で、雅孝が耳元でささやく。お耳でボショボショやめて、小さいゾワゾワが、おさまらないから。
「嘘つきさんなんかじゃないもんっ。意地悪やめてくれよっ…いつもみたいに、仲良し仲良ししよ?なっなっ?」
いつもの優しく甘えてくる雅孝と違って、今日の雅孝、ちょっと怖いぞっ。
まるで…前世のとき、おっぱいのウズウズを鎮めるためにマッサージを頼んだ時、もうマッサージは充分だって言ってるのに、泣いてる俺を見て「かわいい♡かわいい♡」って言いながら、しつこくおっぱいをいじめるのをやめてくれなかった時みたいな、雄っぽい意地悪な顔だ。
…あれっ…?前からちょっとそうかなって思う事があったけど、もしかして、雅孝って優しいだけじゃなくて、実はちょっと…いじめっこ?
「ダァ~メッ!いつもは、みつきの気持ちや都合を優先してあげたくて、見逃してあげてたけど、もう限界。なんでもナイナイって言って、朝のご挨拶のキスも目をギュッと閉じて、我慢してますって顔でしてるし。ギュッとしてほっぺスリスリも、みつきからはしてくれなくなったし。僕が近づくと、緊張しておててギュってして、どうやって逃げようって顔してる」
…えっ?俺、そんなに態度に出ちゃってた…?
結構うまくやってるつもりだったんだけど。
「それなのに、僕の事キライになったわけじゃないって、大好きっていうばっかりでさ。そんなの、絶対何かあったに決まってるじゃん!なのに全然話してくれなくて、急に避けられ始めてさっ…!僕だって、人間なんだよっ?心があるんだから、そんなふうに離れていかれたら、傷つくんだよっ!」
それは、初めて聞いた、雅孝の激高した叫び。
いつも基本的に静かに優しくほほ笑んでいるこいつは、めったに怒ったり叫んだりすることはない。
そんな雅孝が、両目からぼろぼろ綺麗な涙を流しながら、声を荒げていた。
「いっぱい我慢したけど、もう限界っ!…お願いだから、もう勘弁して教えてよっ!僕のことが嫌なのなら、嫌なとこ、直すからっ…!うぅっ…グスッ…!隠し事しないで、全部教えてよぉっ…!」
そう言って後ろからぎゅっと縋り付いて泣き始める雅孝。
最近、凄くお兄さんっぽくなったから忘れちゃってた。こいつは、ほんの数年前までは、泣き虫まあちゃんだった子だったんだった。
生まれつきの髪と目の色から、「ガイジン!ガイジン!」「わっ、きもちわるい!あおい目で、こっちみんな!」って、幼稚舎のころは周りのみんなからいじめられて泣いていて、見かねて自分も泣きながら庇っていた俺のうしろで、ちっちゃくなって震えて泣いていたこいつ。
舐められたくない、何か一個でもできることを頑張って、見返してやりたいって、厳しすぎるレッスンに泣きながら、小さい手に血マメを作って必死でバイオリンを弾いていたこいつ。
鳥の雛みたいに、すっかり俺になついて、どこにでも服のすそをつかんでついて来たこいつ。
生まれて初めて、幼稚舎の折り紙の時間に作ったチューリップがとっても上手にできたね、って先生に褒められて、うれしそうに折り紙のチューリップを差し出しながら、
「これっ、はじめて上手だねって言ってもらえたおりがみっ…。みっちゃんにあげるっ。…あの、あのね、だいすきだよ、みっちゃん。…しょうらい、ぼくのおよめさんになって…?」
男同士だとか、そういうこともきっとわからずに、俺にプロポーズしてくれたほほえましい幼いエピソード。
色んなこいつとの思い出が、一気にぶわわって思い出されて、俺は…一気に罪悪感におそわれた。
「雅孝…ごめん。でも、話せない」
ごめん。…こんなに傷つけちゃってるのに。傷つけちゃってるからこそ、あんなひどい夢を見て、雅孝に悪い事したなんて話せない。
その夢の原因が、俺がオメガだってわかったからだ、なんて話せない。防犯のために、家族以外には内緒にしましょうって、家族と約束したから。
個人的には、雅孝には全部話してしまいたい。雅孝の不安を少しでも和らげてやりたいし、雅孝なら…きっと、受け止めてくれるだろうと思うから。
でも、今すぐには、どうしてもすべてを話してしまう決心がつかなかった。
「…わかった」
ほっぺを涙でびしょびしょにした雅孝が、ふっと泣き止んで、小さな声で言った。
許してくれた…のかな?このままじゃ申し訳ないから、ちゃんと話してフォローしなきゃ、と必死で言葉を探している俺は、
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思い違いをしていたことを、身をもって思い知らされる事になったのだった…。
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