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本編
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自宅まで戻ってくると、テラスの傍に山積みされたコンロを確認。魔力が残っていないので後で場所を移すことにして、家の中へ入ってお昼ご飯の準備を始めます。
「ただいま~」
「おかえり。今作っているから少し待っていてください」
マコちゃんとノノさんが帰ってきました。声だけかけて手を動かしていると、マコちゃんが手伝ってくれるというので、一緒に作業していきます。
程なく完成したお昼ご飯を食べ終えると、マコちゃんとノノさんは仕事に、シエロは池に入って遊びに行きました。
私は作業部屋へ入ると、鞄から布を取り出して机の上に広げます。最初に作るのはマコちゃんとノノさんの服。チャコペンや型紙なんて便利なものはないので、目検討で裁断を行っていきます。
必要な布の裁断が終われば足踏み式ミシンの出番。サクサク進めていきましょう。
暫く作業していると、ラウラがミシンの上に移動してきました。好奇心旺盛ですね。今は少し身を乗り出すようにして針の動きを見ています。針の動きにつられたのか前腕が上下していて可愛いです。
ラウラの様子に癒されながら作業を進めていくと、重大な間違いというか物忘れをしていることに気が付きました。
鈕とかの用意を忘れていました。まあ、無くても問題はないので、鈕は後回しで服を優先して作りましょう。
暗くなるまで頑張った結果、何とか完成させることができました。使ってくれると嬉しいのですが、どうなるかな。
「桜華さん、少しいいですか」
ラウラを肩に載せて歩き出そうとすると、ディンさんに声を掛けられました。
「どうしました?」
「夜番が呼んでいまして」
慌てていないので緊急性はないようですね。テラスに出てみると、夜番の人とマコちゃんが困り果てた様子で待っていました。
「マコちゃん、どうしたの?」
「お姉ちゃん。シエロちゃんが……」
言いづらそうにしていたので、家の中に戻ると角灯を手にもって、ラウラを肩に載せたまま牧場へ移動します。
牧場に異常はないようですね。ただ、イアンさんが北側の柵の近くにいます。そっちで何かあったという事でしょうか。
傍まで行くと、イアンさんがこちらに気が付きました。
「イアンさん、何かありましたか?」
「あれなんだけどね。さっき気が付いたんだけど、泡が結構な勢いで出ててさ」
シエロのいると思われる池。角灯を浮かばせると柵を超えて池に近づきます。
確かに結構な勢いで泡が出てきていますね。
「シエロ」
何度か呼び掛けても反応がありません。水の精霊に話しかけてみると、水の中に入ったり出たりをし始めます。これは、どういう意味でしょうか。
考え込んでいたら、僅かばかり地面が揺れているような気がしてきました。しゃがみ込んで地面に手を付けてみると、確かに揺れています。しかも少しずつ大きくなっているように感じます。
「あの、桜華さん、この揺れは何でしょうか」
「ディンさん。私に聞かれても分かりませんよ。ただ……」
角灯に照らされた範囲だけでなく、池全域で泡と水の精霊が増えていっているようです。
「何が起きているのか分かりませんが、池から離れた方がよさそうです。急ぎましょう」
身の危険を感じたので急いで撤収です。マコちゃんが走りづらそうにしているのを見て、ディンさんが横抱きにしました。
「失礼します!」
「ふぁ、あ、あの」
顔を真っ赤にさせたマコちゃんでしたが、すぐにディンさんに負担がないように体勢を整えます。少し驚いた顔をしたディンさんでしたが、顔を引き締めて走る速度を上げます。
私達が柵まであと少しという所で、振動が立っているのが難しくなるほどに大きくなりました。
「ふぇ、わ、わ」
ルーナさんが泣きそうになりながら必死に走っています。声を掛けようと思ったその時、ドォンという大きな音と共に池の中心で大きな水柱が立ち上がりました。
幅は数メートル、高さは数十メートルでしょうか。一向に衰える様子のない水柱に驚きながらもなんとか柵まで戻ってきました。
「ふう。ディンさん、分かりますか?」
「私に聞かれても。あっ、下ろしますね」
「ありがとうございます」
優しく地面に降ろされたマコちゃんが、その場で足踏みして感覚を確かめています。さっきまで静かだったノノさんが不思議そうにしています。
「桜華さん、あの池ってどうなっているんですか」
「精霊達にお願いして、地下の水源をもとに水を持ってきてもらっています」
湧き出す水の勢いが凄くて、溢れた水が池の淵を超えて広がっています。このままだと牧場も水浸しになりますね。どうしましょう。
「桜華さん。遠い目をしていないでどうにかしてください」
「ディンさん。何故私に」
「どうにかできそうなのが、桜華さんしか思いつきません」
「ルーナさんまで」
「桜華さん、お願いします」
いつの間にか近寄ってきたイアンさん夫婦も参加してきました。仕方ありませんね。
残っている魔力を振り絞って土の精霊に、川まで水路を掘ってもらえるようにお願いをします。ですが、距離があるのと私の魔力不足で、数メートル分しか進みませんでした。
「この方法は駄目ですね」
ゴーレム達に掘ってもらうというのも、時間が掛かって駄目ですね。残っているのは自身の力のみ……あれ。魔力は空になったはずなのに、体内に力を感じます。これは……。
……あ、気。循環は癖になっていましたが、魔力を扱う事ばかりで忘れていました。
気は戦士の方とか体を使う方々が主に使うものでしたか。ということは、身体強化とか色々とできるはずですね。
まずは足の先に気を集中させ、つま先を地面にぶつけてみます。すると、足先より大きめの穴が開きました。扱いも魔力の応用で何とかなりそうなので、いけそうです。
「ただいま~」
「おかえり。今作っているから少し待っていてください」
マコちゃんとノノさんが帰ってきました。声だけかけて手を動かしていると、マコちゃんが手伝ってくれるというので、一緒に作業していきます。
程なく完成したお昼ご飯を食べ終えると、マコちゃんとノノさんは仕事に、シエロは池に入って遊びに行きました。
私は作業部屋へ入ると、鞄から布を取り出して机の上に広げます。最初に作るのはマコちゃんとノノさんの服。チャコペンや型紙なんて便利なものはないので、目検討で裁断を行っていきます。
必要な布の裁断が終われば足踏み式ミシンの出番。サクサク進めていきましょう。
暫く作業していると、ラウラがミシンの上に移動してきました。好奇心旺盛ですね。今は少し身を乗り出すようにして針の動きを見ています。針の動きにつられたのか前腕が上下していて可愛いです。
ラウラの様子に癒されながら作業を進めていくと、重大な間違いというか物忘れをしていることに気が付きました。
鈕とかの用意を忘れていました。まあ、無くても問題はないので、鈕は後回しで服を優先して作りましょう。
暗くなるまで頑張った結果、何とか完成させることができました。使ってくれると嬉しいのですが、どうなるかな。
「桜華さん、少しいいですか」
ラウラを肩に載せて歩き出そうとすると、ディンさんに声を掛けられました。
「どうしました?」
「夜番が呼んでいまして」
慌てていないので緊急性はないようですね。テラスに出てみると、夜番の人とマコちゃんが困り果てた様子で待っていました。
「マコちゃん、どうしたの?」
「お姉ちゃん。シエロちゃんが……」
言いづらそうにしていたので、家の中に戻ると角灯を手にもって、ラウラを肩に載せたまま牧場へ移動します。
牧場に異常はないようですね。ただ、イアンさんが北側の柵の近くにいます。そっちで何かあったという事でしょうか。
傍まで行くと、イアンさんがこちらに気が付きました。
「イアンさん、何かありましたか?」
「あれなんだけどね。さっき気が付いたんだけど、泡が結構な勢いで出ててさ」
シエロのいると思われる池。角灯を浮かばせると柵を超えて池に近づきます。
確かに結構な勢いで泡が出てきていますね。
「シエロ」
何度か呼び掛けても反応がありません。水の精霊に話しかけてみると、水の中に入ったり出たりをし始めます。これは、どういう意味でしょうか。
考え込んでいたら、僅かばかり地面が揺れているような気がしてきました。しゃがみ込んで地面に手を付けてみると、確かに揺れています。しかも少しずつ大きくなっているように感じます。
「あの、桜華さん、この揺れは何でしょうか」
「ディンさん。私に聞かれても分かりませんよ。ただ……」
角灯に照らされた範囲だけでなく、池全域で泡と水の精霊が増えていっているようです。
「何が起きているのか分かりませんが、池から離れた方がよさそうです。急ぎましょう」
身の危険を感じたので急いで撤収です。マコちゃんが走りづらそうにしているのを見て、ディンさんが横抱きにしました。
「失礼します!」
「ふぁ、あ、あの」
顔を真っ赤にさせたマコちゃんでしたが、すぐにディンさんに負担がないように体勢を整えます。少し驚いた顔をしたディンさんでしたが、顔を引き締めて走る速度を上げます。
私達が柵まであと少しという所で、振動が立っているのが難しくなるほどに大きくなりました。
「ふぇ、わ、わ」
ルーナさんが泣きそうになりながら必死に走っています。声を掛けようと思ったその時、ドォンという大きな音と共に池の中心で大きな水柱が立ち上がりました。
幅は数メートル、高さは数十メートルでしょうか。一向に衰える様子のない水柱に驚きながらもなんとか柵まで戻ってきました。
「ふう。ディンさん、分かりますか?」
「私に聞かれても。あっ、下ろしますね」
「ありがとうございます」
優しく地面に降ろされたマコちゃんが、その場で足踏みして感覚を確かめています。さっきまで静かだったノノさんが不思議そうにしています。
「桜華さん、あの池ってどうなっているんですか」
「精霊達にお願いして、地下の水源をもとに水を持ってきてもらっています」
湧き出す水の勢いが凄くて、溢れた水が池の淵を超えて広がっています。このままだと牧場も水浸しになりますね。どうしましょう。
「桜華さん。遠い目をしていないでどうにかしてください」
「ディンさん。何故私に」
「どうにかできそうなのが、桜華さんしか思いつきません」
「ルーナさんまで」
「桜華さん、お願いします」
いつの間にか近寄ってきたイアンさん夫婦も参加してきました。仕方ありませんね。
残っている魔力を振り絞って土の精霊に、川まで水路を掘ってもらえるようにお願いをします。ですが、距離があるのと私の魔力不足で、数メートル分しか進みませんでした。
「この方法は駄目ですね」
ゴーレム達に掘ってもらうというのも、時間が掛かって駄目ですね。残っているのは自身の力のみ……あれ。魔力は空になったはずなのに、体内に力を感じます。これは……。
……あ、気。循環は癖になっていましたが、魔力を扱う事ばかりで忘れていました。
気は戦士の方とか体を使う方々が主に使うものでしたか。ということは、身体強化とか色々とできるはずですね。
まずは足の先に気を集中させ、つま先を地面にぶつけてみます。すると、足先より大きめの穴が開きました。扱いも魔力の応用で何とかなりそうなので、いけそうです。
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