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本編
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未だ建築途中の避難所に多くの人が集まってきている前で、腕を組んで合っているラウルさんを見つけました。
「ラウルさん」
「桜華か。エレノア達がメリちゃん達の群れが近づいてきているのを見つけた。どうやら毛刈り暴走のようだ。力を貸してくれ」
「分かりました」
足早に南門の外に出ると、カイゼルさん率いる衛兵の皆さん、エレノアさん率いる狩猟者の皆さんが集まっていて、私の方を見た後に全員揃って大声を上げました。
あまりの声量に耳をふさいで堪えることに。静かになったところで皆さんに近づきます。
「急に大声を出さないでください」
「いやいや。それ、どうしたの」
皆さんが揃って指をさしたのはシエロとアクア。シエロとアクアが私の背後に隠れるように近寄ってきたので、頭を撫でます。
「少し大きくなったぐらいで酷いですね。で、メリちゃんの群れという事ですが、具体的にはどうなっているのでしょうか」
「ええ。大きな個体が二体、小さい個体が十体の群れです」
未だに納得がいっていない様子の皆さんの中で、微笑ましそうに笑っていたエレノアさんが答えてくれました。
「桜華、大きくなりすぎだよ~」
状況確認をしている横から、ルルとミッケさんが首を横に振りながら皆さんの思いを代弁しました。
「別にいいじゃないですか」
反論してみれば、全員から生暖かい視線を頂きました。何故ですか。
一寸弛緩した空気が流れたところで、エレノアさんが手を叩いて全員の注意を惹きます。
「始めますよ。作戦ですが、丁度良いのが来たので変更します」
丁度良いの部分で、シエロとアクアを見つめています。
「桜華さん、シエロちゃんの協力は望めますか?」
「はい。最初に水を掛けて毛を柔らかく。ですね」
「ええ。その後、狩猟者は三人で一組として、メリちゃんの固定に二人、毛刈りに一人で当たります」
「おうさ」、「ああ」、「分かった」
狩猟者の皆さんがそれぞれに返事を返すと、カイゼルさんが前に出ます。
「俺達はメリちゃんを抑え込む。一匹たりとも通すな」
「了解!」
衛兵の皆さんが綺麗に揃った返事を返します。
カイゼルさんがエレノアさんの方へ視線を送ると、エレノアさんが頷きました。
「大きい個体は、桜華さん一家、私とミッケとルルの二組で手分けして当たります」
「ええええ!」
ミッケさんとルルが驚きの声を上げて、他の皆さんがご愁傷様といった感じの視線を向けます。
「えっと、私は隊長の方でしょうか?」
ディンさんが困惑気に片手を上げて質問すると、カイゼル体調は首を横に振ります。
「ディン。お前は桜華さんの護衛。つまり、桜華一家だ」
愕然としているディンさんに、衛兵の皆さんがご愁傷様といった感じの視線を向けています。
『主上。きます』
クストースが剣を抜きながらメリちゃん達の接近を知らせると、全員がそれぞれの獲物を手に取ります。
「気合を入れていくぞ」
「おう!」
カイゼルさんが声を上げると、全員が声を揃えて答えます。
正直な話、体育会系のノリは苦手なので一歩後ろに下がってしまいました。
それから少ししてメリちゃん達が見えてきました。三メートルほどの大きな個体が先頭を走っていて、小さい個体がその後ろを走っています。
大きい個体の声は、普通の鳴き声なのに地獄の底から聞こえてきているかのような重低音ですね。迫力あります。
「でかいのは後ろに通して、間に入り込むぞ」
「了解」
皆さんが左右に分かれて道を開け、エレノアさん組と私達だけが残ります。
「シエロ、この間のあれで羊達を水浸しにできる?」
「く~」
シエロは頷くと、気合を入れて魔力を集め始めました。
「桜華、この間のあれって何? すごく嫌な予感がするんだけど」
ルルとミッケさんが多少引き攣た半笑いで質問してきていますが、他の方々は少し離れた場所で必死に体を小さくしています。
「何をやるにしても時期に分かりますよ。それよりも、準備は良いですか?」
「すみません、エレノア様!」
エレノアさんに注意されて、慌てて武器の確認を行っています。
なんやかんやとやっている間に、大分近くなりました。さあ、毛刈りの時間です。
「シエロ、もう少し……あと少し……今です!」
「く~」
桜華の掛け声とともに発動したシエロの竜魔法は、莫大な水量の奔流となってメリちゃん達に襲い掛かります。
「ええええええ!」、「な、なんだそりゃあ!」
水の奔流が通り過ぎると、足を止めて耐えていたメリちゃん達が身震いをしてから再び走り始めます。毛が体にくっついて面白い恰好になっていますが、目的は達成です。
予想進路の両脇に分かれて待ち構える衛兵と狩猟者達、進路を塞ぐように大剣を構えたエレノアと少し後ろで青い顔をして震えているミッケとルル、右半身を後ろに引いた桜華と盾を構えてメリちゃんを睨むクストース、青い顔をしているディンさんと勇ましい顔つきのシエロが待ち構える。
両陣営の視線が交差、ついに戦端(毛刈り)が開かれる。
「ラウルさん」
「桜華か。エレノア達がメリちゃん達の群れが近づいてきているのを見つけた。どうやら毛刈り暴走のようだ。力を貸してくれ」
「分かりました」
足早に南門の外に出ると、カイゼルさん率いる衛兵の皆さん、エレノアさん率いる狩猟者の皆さんが集まっていて、私の方を見た後に全員揃って大声を上げました。
あまりの声量に耳をふさいで堪えることに。静かになったところで皆さんに近づきます。
「急に大声を出さないでください」
「いやいや。それ、どうしたの」
皆さんが揃って指をさしたのはシエロとアクア。シエロとアクアが私の背後に隠れるように近寄ってきたので、頭を撫でます。
「少し大きくなったぐらいで酷いですね。で、メリちゃんの群れという事ですが、具体的にはどうなっているのでしょうか」
「ええ。大きな個体が二体、小さい個体が十体の群れです」
未だに納得がいっていない様子の皆さんの中で、微笑ましそうに笑っていたエレノアさんが答えてくれました。
「桜華、大きくなりすぎだよ~」
状況確認をしている横から、ルルとミッケさんが首を横に振りながら皆さんの思いを代弁しました。
「別にいいじゃないですか」
反論してみれば、全員から生暖かい視線を頂きました。何故ですか。
一寸弛緩した空気が流れたところで、エレノアさんが手を叩いて全員の注意を惹きます。
「始めますよ。作戦ですが、丁度良いのが来たので変更します」
丁度良いの部分で、シエロとアクアを見つめています。
「桜華さん、シエロちゃんの協力は望めますか?」
「はい。最初に水を掛けて毛を柔らかく。ですね」
「ええ。その後、狩猟者は三人で一組として、メリちゃんの固定に二人、毛刈りに一人で当たります」
「おうさ」、「ああ」、「分かった」
狩猟者の皆さんがそれぞれに返事を返すと、カイゼルさんが前に出ます。
「俺達はメリちゃんを抑え込む。一匹たりとも通すな」
「了解!」
衛兵の皆さんが綺麗に揃った返事を返します。
カイゼルさんがエレノアさんの方へ視線を送ると、エレノアさんが頷きました。
「大きい個体は、桜華さん一家、私とミッケとルルの二組で手分けして当たります」
「ええええ!」
ミッケさんとルルが驚きの声を上げて、他の皆さんがご愁傷様といった感じの視線を向けます。
「えっと、私は隊長の方でしょうか?」
ディンさんが困惑気に片手を上げて質問すると、カイゼル体調は首を横に振ります。
「ディン。お前は桜華さんの護衛。つまり、桜華一家だ」
愕然としているディンさんに、衛兵の皆さんがご愁傷様といった感じの視線を向けています。
『主上。きます』
クストースが剣を抜きながらメリちゃん達の接近を知らせると、全員がそれぞれの獲物を手に取ります。
「気合を入れていくぞ」
「おう!」
カイゼルさんが声を上げると、全員が声を揃えて答えます。
正直な話、体育会系のノリは苦手なので一歩後ろに下がってしまいました。
それから少ししてメリちゃん達が見えてきました。三メートルほどの大きな個体が先頭を走っていて、小さい個体がその後ろを走っています。
大きい個体の声は、普通の鳴き声なのに地獄の底から聞こえてきているかのような重低音ですね。迫力あります。
「でかいのは後ろに通して、間に入り込むぞ」
「了解」
皆さんが左右に分かれて道を開け、エレノアさん組と私達だけが残ります。
「シエロ、この間のあれで羊達を水浸しにできる?」
「く~」
シエロは頷くと、気合を入れて魔力を集め始めました。
「桜華、この間のあれって何? すごく嫌な予感がするんだけど」
ルルとミッケさんが多少引き攣た半笑いで質問してきていますが、他の方々は少し離れた場所で必死に体を小さくしています。
「何をやるにしても時期に分かりますよ。それよりも、準備は良いですか?」
「すみません、エレノア様!」
エレノアさんに注意されて、慌てて武器の確認を行っています。
なんやかんやとやっている間に、大分近くなりました。さあ、毛刈りの時間です。
「シエロ、もう少し……あと少し……今です!」
「く~」
桜華の掛け声とともに発動したシエロの竜魔法は、莫大な水量の奔流となってメリちゃん達に襲い掛かります。
「ええええええ!」、「な、なんだそりゃあ!」
水の奔流が通り過ぎると、足を止めて耐えていたメリちゃん達が身震いをしてから再び走り始めます。毛が体にくっついて面白い恰好になっていますが、目的は達成です。
予想進路の両脇に分かれて待ち構える衛兵と狩猟者達、進路を塞ぐように大剣を構えたエレノアと少し後ろで青い顔をして震えているミッケとルル、右半身を後ろに引いた桜華と盾を構えてメリちゃんを睨むクストース、青い顔をしているディンさんと勇ましい顔つきのシエロが待ち構える。
両陣営の視線が交差、ついに戦端(毛刈り)が開かれる。
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