6 / 61
本編
4
しおりを挟む
少々興奮しているルルを宥めながら、地図を広げて現在地と目的地を確認し、地図を持ったまま中心部から大分離れた北側の地点へ移動する。
目標地点となる場所には、小高い丘の上に建てられた煙突付きの結構大きなログハウス。屋根は草や花、苔がといった物が生い茂っている。家のすぐ隣には大樹が立ち、幹の近くにログハウスから屋根のないテラスが続いている。
家の背面、丘の向こう側は牧場で青々とした草が生い茂っている。前の方は花畑になっているらしく、色とりどりの花が咲き誇っている。
「うわぁ……」
「絵本に出てきそうな家ですね。中はどうなのかな」
一言だけで絶句しているルルの横で、思わず零れた感想を噛みしめながら中に踏み込んでみる。が、一歩踏み込んだ途端埃がムワッと立ち昇り、埃の向こうの景色が霞んで見えない。咽かえりながら一旦外へと退避。苦しそうにしていたルルの背中を摩ってあげる。
「ゲホッ。桜華、これは危険だよ」
「そうね。これは掃除が最優先」
「異議なし」
涙目のルルの小さな背中を摩りながら状態を確認し、問題がないことを確認すると魔具職人の本をテラスについていたポストに押し込み、足早で広場へと逆戻りして雑貨屋へと向かう。
「こんにちは~」
声を掛けながら中に入ると、布製品や木工製品が雑多に積まれて混沌としていた。幾ら何でも雑然としすぎている。
少し圧倒されていると、奥から壮年の男性で、店主のカームさんが出てくる。
「いらっしゃい。どうかしたのかね」
「丘の家を貸していただいたのですが、埃が凄くて」
「ああ。あそこは数年経っているから大変だろう。しかし、この中から掃除道具を探すのは、それに負けず劣らず大変だぞ」
「小父さん、掃除しようよ」
ルルが堪らずといった感じで苦情を入れると、カームさんが困ったように笑う。
「いやあ。町に用事がある間、倅に任せていた時があってね。一つ一つ並べるのが面倒だからと、適当に出して山積みにしたらしい」
適当に、しかし絶妙な積み方のせいで、荷崩れしないようにしながらだと整理が一向に進まないと、苦悩の色が濃いカームさん。
兎にも角にも手分けして山に挑み、何度か雪崩に遭いながらも箒と叩き、スカーフと桶を掘り出すことに成功する。
「全部で百十五カーナだね。布団とかは探しておくから、掃除してきなさい」
少し息切れしているカームさんに代金を払い、いそいそと店を離れる。
スタート時に与えられるのは三千カーナ。家がある分宿賃を気にしなくていいのは良いけど、今後必要なものを考えると結構厳しい。
家に戻ると、スカーフで口元を覆い、覚悟を決めて中へと踏み込む。最初に埃をたてない様に慎重に動いて窓を開けて回る。
家は、玄関から入って二歩分の廊下。その先はリビングになっていて、左手の壁際に立派な暖炉、左手の手前側にテラスへと続く大きめの窓。右手奥は二つの小部屋があり、中はトイレと水浴び場と脱衣室。部屋中央の奥から廊下になっていて、両側に二部屋と奥に一部屋。窓も多くて全体的に明るい。
家具は奥の部屋と左の部屋にベッドと背の低いチェスト。右の部屋にテーブルとチェア。後はリビングにテーブルとスツール。暖炉の前にロッキングチェア。ただ、テーブルとスツールは使えそうだけど、ロッキングチェアは使えそうもない。キッチンには何故か何もない。
一通り開けて回って掃除に取り掛かる際、ここで魔法を使えば簡単では? と思い、すぐに実験開始。
先程からやっている魔力循環を応用し、魔力を手から体外に放出して即座に風へと変換する。使用する風のイメージは扇風機。手間取りつつ何度か繰り返していると、突風が発生して偶然そこにいたルルを吹き飛ばしてしまった。
「わわわ。桜華、魔法を使うなら事前に一言。というか、何で魔法が使えるの」
「あ、すみません。威力が強かったですね」
ルルが怒りながら戻ってくるのを見ながらそんな事を考えていると、眼の前に淡い緑色の妙な物が現れる。
小さな竜巻の上に丸い物が浮かび、丸い部分に小さな黒い点が二つある。観察していると、それが少し風を起こしてすぐに胸を反らせた。……気がする。
もしかして風の精霊でしょうか。気になったので、指先に魔力を集め、それを渡してみると、再び風を起こして、また胸を反らせる。ふむ。風の精霊で確定ですね。
「桜華、何をしているの?」
腕を回したりして体の調子を見ていたルルが不思議そうに聞いてくる。
「此処に風の精霊と思わしき存在がいたので少し実験をしていました」
「精霊って、桜華は魔眼持ちなのかな? なんだか驚き疲れてきたよ」
「どういうことですか?」
私の質問を受けて、ルルが左手を背後に、右手の人差し指を立てて少しだけ胸を張った状態で説明を始めた。
「魔法は、人種が使う諸魔法、竜が使う竜魔法、精霊達が関わる精霊魔法、世界の理により指定された禁忌魔法があります。基本として人種が使うことのできる魔法が諸魔法で、一部の人が精霊魔法を使います」
「なるほど」
「諸魔法を使うには自身の魔力を感知し、自在に動かせるのと、起こしたい現象に対する知識が必要です。桜華は……なんで使えるのかな。精霊はこの世界において、世界を形作り、保つ存在とされています。そんな彼らの力を借りるのが精霊魔法です」
「魔眼って言っていたのは?」
「精霊は特殊な存在で、基本的にその存在を感知することはできません。一部の人が魔眼によって視認――曖昧な状態からはっきりとした状態まで人によって見え方は異なる――や、魔聴によって声を聴くことができるそうです。なお、どちらかの能力を持っていることが精霊魔法の条件ともなっています。なんにせよ、魔法は一日二日でできるものではありません。よって、桜華は変人です」
「よく分かりました。変人ではなく珍種でお願いします。あと、手を動かしてください」
風の精霊に屋外へと風を吹いて貰いながら天井と壁に付いていた埃を落とし終えて手を止めていたルルに声をかける。
「変人はだめで珍種は良いの?」
ルルが何か小さな声で呟いているのを横目に、魔法を使うと告げておく。
水を作り出して拭き掃除を始めようとすると、細い水の筋が螺旋を描き、その上に丸い物と黒い点をもつものが現れる。全体的に淡い水色なのと、水を出した時に現れた事から水の精霊かな。
深く考えてもしょうがないので、水の精霊さんにも魔力を渡して、掃除を手伝ってもらう。
風で埃を送りだし、水で洗い流しを行い、自分達の手で拭き掃除。精霊に手伝ってもらった分掃除はかなり早く進んでいく。
もう少し家具があればよかったけど、無い物ねだりをしてもしょうがない。揃える物が多いので、お金を手に入れる算段もしないといけない。
そんなことをツラツラと考えてながら、最後に精霊さんが一際強い風を作り出して埃を追い払う。
屋内の換気と埃の追い出しが終了し、手を止めることなく動かして床掃除も終える。これで屋内は見違える様に綺麗になった。二人の精霊に魔力を渡して掃除を手伝ってもらったせいか、魔力は空っぽ。しかし、多少気持ち悪いだけで、行動に支障は出ないようだ。
「……ふう。すっきり」
掃除に集中していた為にあまり見ていなかったけど、ルルもやり切った充足感からか良い笑顔を浮かべて額を拭っている。
「埃まみれですね。本当に細かいです」
「ん? 桜華も埃が付いているよ」
これは汚れにも気を付けないといけないですね。洗濯するためにも服は買わないと。
「桜華、お腹空いたよ~」
メニューを出して時間を確認すると、既にお昼となっていた。結構早く終わったのは精霊のお陰でしょうか。
「そうですね。食べに行きましょうか」
盗まれて困る物はないので、窓を開けたまま外に出ると、埃をできる限り落としてからお昼ご飯を食べに村の食事処、笹熊亭へと向かう。
目標地点となる場所には、小高い丘の上に建てられた煙突付きの結構大きなログハウス。屋根は草や花、苔がといった物が生い茂っている。家のすぐ隣には大樹が立ち、幹の近くにログハウスから屋根のないテラスが続いている。
家の背面、丘の向こう側は牧場で青々とした草が生い茂っている。前の方は花畑になっているらしく、色とりどりの花が咲き誇っている。
「うわぁ……」
「絵本に出てきそうな家ですね。中はどうなのかな」
一言だけで絶句しているルルの横で、思わず零れた感想を噛みしめながら中に踏み込んでみる。が、一歩踏み込んだ途端埃がムワッと立ち昇り、埃の向こうの景色が霞んで見えない。咽かえりながら一旦外へと退避。苦しそうにしていたルルの背中を摩ってあげる。
「ゲホッ。桜華、これは危険だよ」
「そうね。これは掃除が最優先」
「異議なし」
涙目のルルの小さな背中を摩りながら状態を確認し、問題がないことを確認すると魔具職人の本をテラスについていたポストに押し込み、足早で広場へと逆戻りして雑貨屋へと向かう。
「こんにちは~」
声を掛けながら中に入ると、布製品や木工製品が雑多に積まれて混沌としていた。幾ら何でも雑然としすぎている。
少し圧倒されていると、奥から壮年の男性で、店主のカームさんが出てくる。
「いらっしゃい。どうかしたのかね」
「丘の家を貸していただいたのですが、埃が凄くて」
「ああ。あそこは数年経っているから大変だろう。しかし、この中から掃除道具を探すのは、それに負けず劣らず大変だぞ」
「小父さん、掃除しようよ」
ルルが堪らずといった感じで苦情を入れると、カームさんが困ったように笑う。
「いやあ。町に用事がある間、倅に任せていた時があってね。一つ一つ並べるのが面倒だからと、適当に出して山積みにしたらしい」
適当に、しかし絶妙な積み方のせいで、荷崩れしないようにしながらだと整理が一向に進まないと、苦悩の色が濃いカームさん。
兎にも角にも手分けして山に挑み、何度か雪崩に遭いながらも箒と叩き、スカーフと桶を掘り出すことに成功する。
「全部で百十五カーナだね。布団とかは探しておくから、掃除してきなさい」
少し息切れしているカームさんに代金を払い、いそいそと店を離れる。
スタート時に与えられるのは三千カーナ。家がある分宿賃を気にしなくていいのは良いけど、今後必要なものを考えると結構厳しい。
家に戻ると、スカーフで口元を覆い、覚悟を決めて中へと踏み込む。最初に埃をたてない様に慎重に動いて窓を開けて回る。
家は、玄関から入って二歩分の廊下。その先はリビングになっていて、左手の壁際に立派な暖炉、左手の手前側にテラスへと続く大きめの窓。右手奥は二つの小部屋があり、中はトイレと水浴び場と脱衣室。部屋中央の奥から廊下になっていて、両側に二部屋と奥に一部屋。窓も多くて全体的に明るい。
家具は奥の部屋と左の部屋にベッドと背の低いチェスト。右の部屋にテーブルとチェア。後はリビングにテーブルとスツール。暖炉の前にロッキングチェア。ただ、テーブルとスツールは使えそうだけど、ロッキングチェアは使えそうもない。キッチンには何故か何もない。
一通り開けて回って掃除に取り掛かる際、ここで魔法を使えば簡単では? と思い、すぐに実験開始。
先程からやっている魔力循環を応用し、魔力を手から体外に放出して即座に風へと変換する。使用する風のイメージは扇風機。手間取りつつ何度か繰り返していると、突風が発生して偶然そこにいたルルを吹き飛ばしてしまった。
「わわわ。桜華、魔法を使うなら事前に一言。というか、何で魔法が使えるの」
「あ、すみません。威力が強かったですね」
ルルが怒りながら戻ってくるのを見ながらそんな事を考えていると、眼の前に淡い緑色の妙な物が現れる。
小さな竜巻の上に丸い物が浮かび、丸い部分に小さな黒い点が二つある。観察していると、それが少し風を起こしてすぐに胸を反らせた。……気がする。
もしかして風の精霊でしょうか。気になったので、指先に魔力を集め、それを渡してみると、再び風を起こして、また胸を反らせる。ふむ。風の精霊で確定ですね。
「桜華、何をしているの?」
腕を回したりして体の調子を見ていたルルが不思議そうに聞いてくる。
「此処に風の精霊と思わしき存在がいたので少し実験をしていました」
「精霊って、桜華は魔眼持ちなのかな? なんだか驚き疲れてきたよ」
「どういうことですか?」
私の質問を受けて、ルルが左手を背後に、右手の人差し指を立てて少しだけ胸を張った状態で説明を始めた。
「魔法は、人種が使う諸魔法、竜が使う竜魔法、精霊達が関わる精霊魔法、世界の理により指定された禁忌魔法があります。基本として人種が使うことのできる魔法が諸魔法で、一部の人が精霊魔法を使います」
「なるほど」
「諸魔法を使うには自身の魔力を感知し、自在に動かせるのと、起こしたい現象に対する知識が必要です。桜華は……なんで使えるのかな。精霊はこの世界において、世界を形作り、保つ存在とされています。そんな彼らの力を借りるのが精霊魔法です」
「魔眼って言っていたのは?」
「精霊は特殊な存在で、基本的にその存在を感知することはできません。一部の人が魔眼によって視認――曖昧な状態からはっきりとした状態まで人によって見え方は異なる――や、魔聴によって声を聴くことができるそうです。なお、どちらかの能力を持っていることが精霊魔法の条件ともなっています。なんにせよ、魔法は一日二日でできるものではありません。よって、桜華は変人です」
「よく分かりました。変人ではなく珍種でお願いします。あと、手を動かしてください」
風の精霊に屋外へと風を吹いて貰いながら天井と壁に付いていた埃を落とし終えて手を止めていたルルに声をかける。
「変人はだめで珍種は良いの?」
ルルが何か小さな声で呟いているのを横目に、魔法を使うと告げておく。
水を作り出して拭き掃除を始めようとすると、細い水の筋が螺旋を描き、その上に丸い物と黒い点をもつものが現れる。全体的に淡い水色なのと、水を出した時に現れた事から水の精霊かな。
深く考えてもしょうがないので、水の精霊さんにも魔力を渡して、掃除を手伝ってもらう。
風で埃を送りだし、水で洗い流しを行い、自分達の手で拭き掃除。精霊に手伝ってもらった分掃除はかなり早く進んでいく。
もう少し家具があればよかったけど、無い物ねだりをしてもしょうがない。揃える物が多いので、お金を手に入れる算段もしないといけない。
そんなことをツラツラと考えてながら、最後に精霊さんが一際強い風を作り出して埃を追い払う。
屋内の換気と埃の追い出しが終了し、手を止めることなく動かして床掃除も終える。これで屋内は見違える様に綺麗になった。二人の精霊に魔力を渡して掃除を手伝ってもらったせいか、魔力は空っぽ。しかし、多少気持ち悪いだけで、行動に支障は出ないようだ。
「……ふう。すっきり」
掃除に集中していた為にあまり見ていなかったけど、ルルもやり切った充足感からか良い笑顔を浮かべて額を拭っている。
「埃まみれですね。本当に細かいです」
「ん? 桜華も埃が付いているよ」
これは汚れにも気を付けないといけないですね。洗濯するためにも服は買わないと。
「桜華、お腹空いたよ~」
メニューを出して時間を確認すると、既にお昼となっていた。結構早く終わったのは精霊のお陰でしょうか。
「そうですね。食べに行きましょうか」
盗まれて困る物はないので、窓を開けたまま外に出ると、埃をできる限り落としてからお昼ご飯を食べに村の食事処、笹熊亭へと向かう。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる