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腹減り雀

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本編

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「あ~。桜華ちゃん。少しいいか?」

 猪に思いをはせていると先程の小父さんに肩を叩かれたので、一先ずスプーンを置いて話を聞く体勢になります。

「お願いだからハイキング気分で森に入らないで。心臓に凄く悪いから」
「分かりました。そうしますね」
「ああ。そうしてくれ。必要な物があるなら、小父さん達狩猟者だから、取りに行くよ?」

 小父さんに続いて周囲の人達とミッケさんも頷いきます。

「桜華さんの方が強いかもしれないけど」

 ピエナさんが真顔で告げると、小父さん達は苦笑して、ディンさん達二人は大きく頷きました。

「運が良かったから勝てただけで、本職には勝てませんよ」

 戦っている姿を見た二人は呆れたように首を横に振るばかり。周囲の人達による追及がありいましたけど、なんとか躱しながら宴会を楽しもうとします。

「あ、後もう一つ」
「なんだ? まだあるのか?」

 ヨハンさんが若干上を向きながらぽつりとこぼすと、小父さん達が反応しました。

「森の中に巨大蜘蛛いるでしょ? あの中で手巾を付けた個体は桜華ちゃんの友達? だから」
「友達って、桜華ちゃん。何をやったの」
「蜘蛛さんと物々交換しただけですよ?」
「いやいや。最後の方は会話していた様に見えたよ? 親し気に手を振って別れの挨拶をしていたよね?」
「それは否定しないですけど」

 ヨハンさんの反論を認めると、周囲の皆さんの目が妙に暖かくなりました。

「まあまあ。良いじゃないですか。料理が冷めますよ」

 ピエナさんの一言で皆さんが渋々といった感じで宴会に戻ります。私の方へ振り返ってウインクしてくれたピエナさんに小さく手を振ります。

 ある程度宴会に付き合った後、頃合いを見て抜け出して星空を見上げます。

「今日も星空は綺麗です」

 家路をゆっくりと歩いて帰宅すると、テラスに何やら山が。僅かに回復した魔力で光を灯すと、ミッケさんが不思議そうに呟きます。

「これは……煉瓦? なして?」
「パン等を焼くための、石窯用の煉瓦ですね。ダガンさんが作ってくれることになりました」

 昼間に見た物と同じ品質のようです。結構な量があるという事は、本格的に作るつもりですね。

「桜華、すごい量だね」
「ですね。でも、楽しみです」

 家の中に入ると、お待ちかねの実験です。試しにリビングの明かりをつけると、結構な明るさと範囲に驚きます。

「うわ、明るい!」
「何がどうなってるの!」

「今更ですが、暗いことに気が付いたので作りました。調整はまだできないので、我慢をお願いします」
「十分だと思うよ」

 目を丸くしているルルと苦笑気味のミッケさんに、使い方の説明を行います。

 ミッケさんとルルに続けてお風呂に入って疲れをとると、柔軟体操している二人の横を通ってテラスに出て、夜空
を見上げながら明日の天気がいいことをお祈りします。

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