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本編
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暗くなった室内で照明をつける前に、角灯に魔晶石を取り付けて使用してみます。
結構広範囲を明るく照らすことができるのに、手で持っている状態では範囲を生かし切れないですね。勿体ないので、魔具らしく何か考えてみましょうか。
「桜華さん、お腹空いた~」
「お腹空いたよ~」
角灯の構想を練っていたら、ミッケさんとルルの二人がお腹を押さえながら唸っていました。
「そうですね。行きましょうか。あ、帰りにギルドへ寄るけど、どうしますか」
「面白そうだからついていく」
角灯を片手に、ルルのお腹空いたコールを聞きながら笹熊亭へ。
「お、ミッケちゃんだ。こっち来い」
いつものごとく飲み勝負をしている人達に呼ばれて、颯爽と参戦するミッケさん。
私は、机の上でハムスターの様になっているルルを見ながら、ピエナさん等にパンの焼き方について聞きつつ晩御飯を食べます。
ピエナさんからは、美味しくなれとおまじないを掛けること。村のお母さま方からは、パンを焼く時のコツは火を強すぎないこと、愛情を忘れないことというアドバイスをいただきました。
中には、日ごろの苛々や恨みつらみを込めるなんて方もいましたが。
晩御飯を堪能したら、ほろ酔い状態のミッケさんと膨れたお腹を摩っていたルルに声をかけてギルドへ行きます。
ギルドでは、エレノアさんがいない代わりに、この間会話した獣人の職員さんが下を向いて書類を書いていました。
「あの、すみません」
「はい、なん……フェエエ!」
私を見た途端、叫びながら奥へ走って行ってしまいました。職員の皆さんが何事もなかったかのようにしているのに、左右から冷たい視線が飛んできます。
「桜華さん、なにしたの?」
「特に何もしていないと思います。あ、そこの職員さん、良いですか」
「はい。なんでしょうか」
爽やかな笑顔の職員さんを相手に、石窯、オーブン、冷蔵庫の申請を済ませます。
「……桜華さん。コンロと混合栓。それから魔法袋の申請が通っています。お祝い金ですが、混合栓が五千カーナ、コンロが六千カーナ、魔法袋が五十万カーナ、合計五十一万一千カーナとなっております」
魔法袋の金額がおかしいのは、内容量を細かく調整できるようにしたことと、実に分かりやすく申請されたからとのことです。
手持ちで八千カーナを残して、後は貯金しておきます。後ろでミッケさんとルルがこちらを見ながら何か小声でささやき合っているようですが、何を話しているのやら。
要件が済んだので帰ろうと思い席から立つと、先程の叫んでいた職員さんが戻ってきました。
「す、すみません。ギルドマスターがお会いしたいそうなので、少し宜しいでしょうか」
今度は何だろうかと思いつつ、ミッケさんとルルも一緒にギルドマスターの部屋へ。
「失礼します。マスター、お連れしました」
「おう。入れ」
中に入ってみれば、疲れているのか前回よりも険しい顔で書類を睨みつけているラウルさん。それを見たミッケさんとルルが、背筋を伸ばして入口のところから動こうとしません。
「座ってくれ。……連れの二人もだ」
「いえ、ここでいいです。はい!」
「そうか。好きにしてくれ。桜華、頼みたいことがある」
「何事でしょうか」
「エレノアから聞いた話で、申請もされている風呂というやつに関してだ」
「あれが何か」
「大規模にできるか?」
「公衆浴場ですか。家屋は立てられないです」
「もとより魔具以外は造形の指示を頼むだけだ。頼めるか」
書類を睨むついでにこちらも睨みつけてくるラウルさん。牙がちらりと見えて迫力満点です。
「……断れそうもないですね」
「まあな。そこに土地の図面があるから、持って帰って書いてくれ。できるだけ早めに頼むぞ」
「分かりました」
無造作に置かれていた書類を拾い上げると、居心地の悪そうな二人の為に足早に部屋から辞去します。
部屋から出た途端に安堵の溜め息を溢す二人を促して、ギルドから外へ出て声を掛けます。
「どうしたの、二人共」
「どうって、怖かったね?」
「うん、うん。さすがの肉食獣だよね」
確かにお肉が好きそうだけど。怖がるような要素ではない気がします。
「あ、また寄り道しますね」
一言断ってからダガンさんの処へ寄り道します。
渋り顔のダガンさんに角灯の傘とミシン用の鋼材を注文。自分の作業時間はそう簡単に取れなくなるので、ミシン用の鋼材はゆっくりと作ってもらう事にします。
忘れていることがないか確認してから帰宅すると、もういい時間になっていたので書類を机の上に置いて、ゆっくりと風呂に入った後に日課をこなしてから就寝します。
結構広範囲を明るく照らすことができるのに、手で持っている状態では範囲を生かし切れないですね。勿体ないので、魔具らしく何か考えてみましょうか。
「桜華さん、お腹空いた~」
「お腹空いたよ~」
角灯の構想を練っていたら、ミッケさんとルルの二人がお腹を押さえながら唸っていました。
「そうですね。行きましょうか。あ、帰りにギルドへ寄るけど、どうしますか」
「面白そうだからついていく」
角灯を片手に、ルルのお腹空いたコールを聞きながら笹熊亭へ。
「お、ミッケちゃんだ。こっち来い」
いつものごとく飲み勝負をしている人達に呼ばれて、颯爽と参戦するミッケさん。
私は、机の上でハムスターの様になっているルルを見ながら、ピエナさん等にパンの焼き方について聞きつつ晩御飯を食べます。
ピエナさんからは、美味しくなれとおまじないを掛けること。村のお母さま方からは、パンを焼く時のコツは火を強すぎないこと、愛情を忘れないことというアドバイスをいただきました。
中には、日ごろの苛々や恨みつらみを込めるなんて方もいましたが。
晩御飯を堪能したら、ほろ酔い状態のミッケさんと膨れたお腹を摩っていたルルに声をかけてギルドへ行きます。
ギルドでは、エレノアさんがいない代わりに、この間会話した獣人の職員さんが下を向いて書類を書いていました。
「あの、すみません」
「はい、なん……フェエエ!」
私を見た途端、叫びながら奥へ走って行ってしまいました。職員の皆さんが何事もなかったかのようにしているのに、左右から冷たい視線が飛んできます。
「桜華さん、なにしたの?」
「特に何もしていないと思います。あ、そこの職員さん、良いですか」
「はい。なんでしょうか」
爽やかな笑顔の職員さんを相手に、石窯、オーブン、冷蔵庫の申請を済ませます。
「……桜華さん。コンロと混合栓。それから魔法袋の申請が通っています。お祝い金ですが、混合栓が五千カーナ、コンロが六千カーナ、魔法袋が五十万カーナ、合計五十一万一千カーナとなっております」
魔法袋の金額がおかしいのは、内容量を細かく調整できるようにしたことと、実に分かりやすく申請されたからとのことです。
手持ちで八千カーナを残して、後は貯金しておきます。後ろでミッケさんとルルがこちらを見ながら何か小声でささやき合っているようですが、何を話しているのやら。
要件が済んだので帰ろうと思い席から立つと、先程の叫んでいた職員さんが戻ってきました。
「す、すみません。ギルドマスターがお会いしたいそうなので、少し宜しいでしょうか」
今度は何だろうかと思いつつ、ミッケさんとルルも一緒にギルドマスターの部屋へ。
「失礼します。マスター、お連れしました」
「おう。入れ」
中に入ってみれば、疲れているのか前回よりも険しい顔で書類を睨みつけているラウルさん。それを見たミッケさんとルルが、背筋を伸ばして入口のところから動こうとしません。
「座ってくれ。……連れの二人もだ」
「いえ、ここでいいです。はい!」
「そうか。好きにしてくれ。桜華、頼みたいことがある」
「何事でしょうか」
「エレノアから聞いた話で、申請もされている風呂というやつに関してだ」
「あれが何か」
「大規模にできるか?」
「公衆浴場ですか。家屋は立てられないです」
「もとより魔具以外は造形の指示を頼むだけだ。頼めるか」
書類を睨むついでにこちらも睨みつけてくるラウルさん。牙がちらりと見えて迫力満点です。
「……断れそうもないですね」
「まあな。そこに土地の図面があるから、持って帰って書いてくれ。できるだけ早めに頼むぞ」
「分かりました」
無造作に置かれていた書類を拾い上げると、居心地の悪そうな二人の為に足早に部屋から辞去します。
部屋から出た途端に安堵の溜め息を溢す二人を促して、ギルドから外へ出て声を掛けます。
「どうしたの、二人共」
「どうって、怖かったね?」
「うん、うん。さすがの肉食獣だよね」
確かにお肉が好きそうだけど。怖がるような要素ではない気がします。
「あ、また寄り道しますね」
一言断ってからダガンさんの処へ寄り道します。
渋り顔のダガンさんに角灯の傘とミシン用の鋼材を注文。自分の作業時間はそう簡単に取れなくなるので、ミシン用の鋼材はゆっくりと作ってもらう事にします。
忘れていることがないか確認してから帰宅すると、もういい時間になっていたので書類を机の上に置いて、ゆっくりと風呂に入った後に日課をこなしてから就寝します。
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