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本編
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朝の日課を終えると、いつもより早い時間に来ていたディンさん達に挨拶をしてから朝食を作ります。
いつも通り、ご飯の準備が終わる頃に寝ぼけ眼をこすりながら出てきた二人に顔を洗ってくるように促し、一緒に朝食を食べます。
朝食を終えて後片付けると、今日はギルドに行ってから考えるというミッケさんと一緒に広場まで移動し、そこで別れて公衆浴場の建築現場へ向かいます。
朝も早くから作業しているグレンさんと合流して、公衆浴場の細部の確認と打ち合わせを行っていきます。
「それにしても、作業が早いですね」
「ふん。このぐらいできなくてどうする」
細かい部分で修正をお願いすると、お弟子さんの一人が高速で作業してあっという間に修正していきます。目にも止まらない匠の技ですね。
「……これで、一通り終わりか。魔法陣の方は良いのか?」
「こうすれば終わりですね」
グレンさんの目の前で試しに一つ貼り付けてみます。仕上がりをグレンさんとお弟子さんが確かめている間に、他の箇所にも貼り付けていきます。貼り付けと確認を終えて戻ってくると、大工の皆さんが唸っていました。
「貼り付け終わりました。魔石に関しては聞いていますか?」
「ギルドから確保してあると聞いてるぞ。これ、材質が変わっているようだが、どうしてだ」
「始祖の技が何か関係しているとは思いますけど、詳しいことは何も」
「そうか。まあいい。後はこっちでやっておく」
「分かりました、お願いします」
最後に全員でもう一度確認をした後、大工の皆さんと別れて公衆浴場建設地の外側へ向かいます。
こちらは花壇を作って華やかに飾り付ける予定になっていましたが、いつの間にか立派な花壇ができていて、既に鮮やかな花も植えられています。後で聞いた話では、キャシーさんを始めとした、ギルドの方々が作業していたそうです。
「あ、桜華ちゃん」
名前を呼ばれたので振り返ると、使い込んだ装備を身に着けたお姉さんをはじめとする狩猟者の皆さん。ミッケさんとルルも一緒にいますね。
「これから狩りですか?」
「定期討伐と探査よ。これをやっておかないと大変だから」
男性陣が南側、女性陣が北側、少数の衛兵が両方に分かれて参加して行うそうです。
「桜華ちゃん、何か必要な素材とかある? ついでだからとってくるよ」
「では、負担にならない程度にお願いできますか?」
丈夫な蔦と蜘蛛の糸球をお願いして、荷物の負担にならないように自分の鞄を渡します。
「期待して待っていて。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
皆さんを見送ると、食材屋に立ち寄って幾つか購入します。
今回は手に持って帰ることになるので数を気にしながら食材を吟味していると、丁度買い物に来ていたピエナさんと出会いました。
「あ、桜華さん。お買い物ですか? 家に来てくれればいいのに」
「笹熊亭のご飯は美味しいけれど、やはり、ある程度は自分で作りたくて」
「そっか。あ、桜華さんの料理が気になるので、お邪魔してもいいですか? 」
「別にいいですけど、お店の方は大丈夫ですか?」
「今日はお休みなんです」
笹熊亭自体は年中無休だけど、ピエナさんは休みたいときに休むそうです。頻繁に休むわけではないので、見逃してくれるとか。
そうと決まったら買い物を手早く終えて、ルーナさんをピエナさんといじりながら一緒に帰宅します。
――それは、家の近くまで来た時でした。
「グルァアア!」
もう少しで家に着くという場所で、牧場の方からすさまじい雄叫びが聞こえてきました。
何か緊急事態かと思い、尻尾を逆立てて固まっているルーナさんに買ってきた物を託して、大急ぎで牧場へ駆け込みます。
「えっと……いた!」
噴水の近くにメリちゃん達がいて、その傍にカウルベル。厩舎の方に女の子達とイアンさんご夫婦がいて、その奥側に五メートルはある凛々しい目つきのヒヨコの様な鳥が一羽。三十センチ程の大きさのヒヨコの様な鳥が十羽います。
ええっと、先程の咆哮はあの大きな鳥から出てきたのでしょうか。
「フェエエエ!」
「うわ、でか!」
「あれは何でしょうか」
少し遅れてついてきたルーナさんとヨハンさんが驚いているようですが、鳥から目線を外さずに聞いてみると、答えてくれたのは若干緊張を含むディンさんでした。
「あれは、ココットですね」
「飛べないから走り回っている鳥です。見たことない大きさだけど。あ、村で食べる卵は彼らです」
ピエナさんが補足してくれました。火とのことは言えないと思いますが、落ち着いていますね。
剣を抜こうとしているディンさんを手で制して、目線を外さないまま少しずつ近寄って目の前に立ちます。やはり大きいですね。
「グルル……」
「……」
お互いに一歩も引かない睨み合い。途中、大きな個体の足元にいる小さな個体達へ目を向けてみると、大きな個体の足にすり寄って、震えながらも必死に威嚇しているように見えます。
「……。……先住の子達と仲良くすること。人は襲わないこと。守れる?」
「グル!」
「それなら、住んでも良いですよ」
住んでも良いと聞いて肩の力を抜いた大きなココットと握手(ココットは翼で)を行い、契約成立です。
ココット達からイアンさん達のいる方へ向きを変えると、イアンさんは蒼い顔をしていて、子供達が怯えていました。
「イアンさん。ココット達もうちに住んでもらおうと思うのですが、場所何とかなりますか?」
「えぇ? 一緒ぉ? まあ、小さい方なら何とでもなるけれど、その大きいのはさすがに……」
厩舎は大きく作られていますが、この個体は流石に大きすぎたようです。失敗です。
「……大きい方は外に作りましょうか。えっと、大丈夫かな」
振り返って大きい個体を見れば、分かっていると言わんばかりに頷きました。うーん。可愛いのに格好良いです。
「大丈夫みたいですね」
「はぁ。すぐに準備します」
「お願いします」
イアンさんに小さい子達の方をお願いして厩舎横の井戸から少し離れた場所に移動すると、土魔法を使って半地下で深さを確保した窟を作ります。
入口は入りやすいようにしつつ、庇を付けることで水か入らない様にして、土の精霊に頼んで窟全体を固めてもらいます。後は内部の温度が一定になる様に魔法陣を張り付けて完成です。
「後は藁を敷けば完成ですが、これでいいですか?」
「グル!」
一度中に入って確認をした後、顔だけ外に出して激しく頷いています。喜んでくれて何よりです。
「名前があった方が分かりやすいですよね。う~ん。トトはどうですか?」
「グル!」
喜んでくれたので、トトに決定です。
外に出てきたトトがカウルベル達の処に向かったので、イアンさんの方へ移動します。
「イアンさん。外に作ったので、藁を敷いて貰えますか」
「え、もう? 分かった、敷いておく。卵はどうする」
「この子達が差し出してきた物だけにしておきましょう」
「分かった」
トトとメリちゃん達の話し合いも完了したようで、最初にあった敵対的な感じがなくなりました。
噴水の近くまで移動すると、トトが近寄ってきたので、手を伸ばして触ってみます。すごくフワフワ、モコモコしています。これはあれですね。
「トト、抱き着いてもいいですか?」
「グル」
大きく頷いた後腰を下ろして、来いと言わんばかりに胸を張ってくれました。
「では、遠慮なく」
モフッ! ……!
驚くことに、半分ぐらい埋まりました。暖かくてフワフワです。
「あの、私もいいですか?」
少し遠くから聞こえてきた声は、恐らくピエナさんですね。
「グール、グルル」
翼を広げたのか、バサッという音が聞こえてきました。ふむ。
「ピエナさん、皆もおいで」
厩舎の方を向いて女の子達を手招きします。少し怖がるかなと思えば、一斉に走り出してトトに抱き着きます。元気ですね。
トトもみんなが抱き着いたのにも拘らず、泰然としています。格好良いです。
「幸せです」
向こうの方からピエナさんの声が聞こえてきます。あ。子供達はスッポリと埋まっていますね。時折顔だけ出てきます。こちらも可愛いですね。
いつも通り、ご飯の準備が終わる頃に寝ぼけ眼をこすりながら出てきた二人に顔を洗ってくるように促し、一緒に朝食を食べます。
朝食を終えて後片付けると、今日はギルドに行ってから考えるというミッケさんと一緒に広場まで移動し、そこで別れて公衆浴場の建築現場へ向かいます。
朝も早くから作業しているグレンさんと合流して、公衆浴場の細部の確認と打ち合わせを行っていきます。
「それにしても、作業が早いですね」
「ふん。このぐらいできなくてどうする」
細かい部分で修正をお願いすると、お弟子さんの一人が高速で作業してあっという間に修正していきます。目にも止まらない匠の技ですね。
「……これで、一通り終わりか。魔法陣の方は良いのか?」
「こうすれば終わりですね」
グレンさんの目の前で試しに一つ貼り付けてみます。仕上がりをグレンさんとお弟子さんが確かめている間に、他の箇所にも貼り付けていきます。貼り付けと確認を終えて戻ってくると、大工の皆さんが唸っていました。
「貼り付け終わりました。魔石に関しては聞いていますか?」
「ギルドから確保してあると聞いてるぞ。これ、材質が変わっているようだが、どうしてだ」
「始祖の技が何か関係しているとは思いますけど、詳しいことは何も」
「そうか。まあいい。後はこっちでやっておく」
「分かりました、お願いします」
最後に全員でもう一度確認をした後、大工の皆さんと別れて公衆浴場建設地の外側へ向かいます。
こちらは花壇を作って華やかに飾り付ける予定になっていましたが、いつの間にか立派な花壇ができていて、既に鮮やかな花も植えられています。後で聞いた話では、キャシーさんを始めとした、ギルドの方々が作業していたそうです。
「あ、桜華ちゃん」
名前を呼ばれたので振り返ると、使い込んだ装備を身に着けたお姉さんをはじめとする狩猟者の皆さん。ミッケさんとルルも一緒にいますね。
「これから狩りですか?」
「定期討伐と探査よ。これをやっておかないと大変だから」
男性陣が南側、女性陣が北側、少数の衛兵が両方に分かれて参加して行うそうです。
「桜華ちゃん、何か必要な素材とかある? ついでだからとってくるよ」
「では、負担にならない程度にお願いできますか?」
丈夫な蔦と蜘蛛の糸球をお願いして、荷物の負担にならないように自分の鞄を渡します。
「期待して待っていて。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
皆さんを見送ると、食材屋に立ち寄って幾つか購入します。
今回は手に持って帰ることになるので数を気にしながら食材を吟味していると、丁度買い物に来ていたピエナさんと出会いました。
「あ、桜華さん。お買い物ですか? 家に来てくれればいいのに」
「笹熊亭のご飯は美味しいけれど、やはり、ある程度は自分で作りたくて」
「そっか。あ、桜華さんの料理が気になるので、お邪魔してもいいですか? 」
「別にいいですけど、お店の方は大丈夫ですか?」
「今日はお休みなんです」
笹熊亭自体は年中無休だけど、ピエナさんは休みたいときに休むそうです。頻繁に休むわけではないので、見逃してくれるとか。
そうと決まったら買い物を手早く終えて、ルーナさんをピエナさんといじりながら一緒に帰宅します。
――それは、家の近くまで来た時でした。
「グルァアア!」
もう少しで家に着くという場所で、牧場の方からすさまじい雄叫びが聞こえてきました。
何か緊急事態かと思い、尻尾を逆立てて固まっているルーナさんに買ってきた物を託して、大急ぎで牧場へ駆け込みます。
「えっと……いた!」
噴水の近くにメリちゃん達がいて、その傍にカウルベル。厩舎の方に女の子達とイアンさんご夫婦がいて、その奥側に五メートルはある凛々しい目つきのヒヨコの様な鳥が一羽。三十センチ程の大きさのヒヨコの様な鳥が十羽います。
ええっと、先程の咆哮はあの大きな鳥から出てきたのでしょうか。
「フェエエエ!」
「うわ、でか!」
「あれは何でしょうか」
少し遅れてついてきたルーナさんとヨハンさんが驚いているようですが、鳥から目線を外さずに聞いてみると、答えてくれたのは若干緊張を含むディンさんでした。
「あれは、ココットですね」
「飛べないから走り回っている鳥です。見たことない大きさだけど。あ、村で食べる卵は彼らです」
ピエナさんが補足してくれました。火とのことは言えないと思いますが、落ち着いていますね。
剣を抜こうとしているディンさんを手で制して、目線を外さないまま少しずつ近寄って目の前に立ちます。やはり大きいですね。
「グルル……」
「……」
お互いに一歩も引かない睨み合い。途中、大きな個体の足元にいる小さな個体達へ目を向けてみると、大きな個体の足にすり寄って、震えながらも必死に威嚇しているように見えます。
「……。……先住の子達と仲良くすること。人は襲わないこと。守れる?」
「グル!」
「それなら、住んでも良いですよ」
住んでも良いと聞いて肩の力を抜いた大きなココットと握手(ココットは翼で)を行い、契約成立です。
ココット達からイアンさん達のいる方へ向きを変えると、イアンさんは蒼い顔をしていて、子供達が怯えていました。
「イアンさん。ココット達もうちに住んでもらおうと思うのですが、場所何とかなりますか?」
「えぇ? 一緒ぉ? まあ、小さい方なら何とでもなるけれど、その大きいのはさすがに……」
厩舎は大きく作られていますが、この個体は流石に大きすぎたようです。失敗です。
「……大きい方は外に作りましょうか。えっと、大丈夫かな」
振り返って大きい個体を見れば、分かっていると言わんばかりに頷きました。うーん。可愛いのに格好良いです。
「大丈夫みたいですね」
「はぁ。すぐに準備します」
「お願いします」
イアンさんに小さい子達の方をお願いして厩舎横の井戸から少し離れた場所に移動すると、土魔法を使って半地下で深さを確保した窟を作ります。
入口は入りやすいようにしつつ、庇を付けることで水か入らない様にして、土の精霊に頼んで窟全体を固めてもらいます。後は内部の温度が一定になる様に魔法陣を張り付けて完成です。
「後は藁を敷けば完成ですが、これでいいですか?」
「グル!」
一度中に入って確認をした後、顔だけ外に出して激しく頷いています。喜んでくれて何よりです。
「名前があった方が分かりやすいですよね。う~ん。トトはどうですか?」
「グル!」
喜んでくれたので、トトに決定です。
外に出てきたトトがカウルベル達の処に向かったので、イアンさんの方へ移動します。
「イアンさん。外に作ったので、藁を敷いて貰えますか」
「え、もう? 分かった、敷いておく。卵はどうする」
「この子達が差し出してきた物だけにしておきましょう」
「分かった」
トトとメリちゃん達の話し合いも完了したようで、最初にあった敵対的な感じがなくなりました。
噴水の近くまで移動すると、トトが近寄ってきたので、手を伸ばして触ってみます。すごくフワフワ、モコモコしています。これはあれですね。
「トト、抱き着いてもいいですか?」
「グル」
大きく頷いた後腰を下ろして、来いと言わんばかりに胸を張ってくれました。
「では、遠慮なく」
モフッ! ……!
驚くことに、半分ぐらい埋まりました。暖かくてフワフワです。
「あの、私もいいですか?」
少し遠くから聞こえてきた声は、恐らくピエナさんですね。
「グール、グルル」
翼を広げたのか、バサッという音が聞こえてきました。ふむ。
「ピエナさん、皆もおいで」
厩舎の方を向いて女の子達を手招きします。少し怖がるかなと思えば、一斉に走り出してトトに抱き着きます。元気ですね。
トトもみんなが抱き着いたのにも拘らず、泰然としています。格好良いです。
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